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九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository 日本産 Rhus 属樹種の乳液の毒性 : ハゼノキ乳液の解毒剤として ベルッ水 使用の効果について ( 第 1 報 ) 原田, 盛重 Harada, Morishige

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(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

日本産Rhus属樹種の乳液の毒性 : ハゼノキ乳液の解

毒剤として「ベルッ水」使用の効果について(第1報)

原田, 盛重

Harada, Morishige

https://doi.org/10.15017/14951

出版情報:九州大学農学部演習林報告. 22, pp.64-78, 1953-12-30. 九州大学農学部附属演習林

バージョン:

権利関係:

(2)

日 本 産Rhus属

樹 種 の 乳 液 の 毒 性

ハ ゼノ キ乳 液 の解 毒 剤 と して 「ベル ツ水 」

使 用 の 効 果 に つ い て(第1報)

Morishige HARADA

: Poison Character

of Latex in the

Rhus Plants in Japan

On the Effect of " Berutusui " as Neutralize

Medicine

for the Poison Latex in Ruhs succedanea

(I)

I 属 樹 種 は 世 界 各 地 に 産 し其 の 数 多 く100種 以 上 に 達 し 有 毒 樹 種 が 多 く 、 我 国 に 産 す るRhUS属 樹 種 ウ ノVシ ノ キ ヤ マウルシ ツ タ ウノ1/シハゼ ノ キ ャ マ ノ、ゼ ヌ ノレ デ の 中ウルシ ノ キ 、 ツ タウルシ 、ハゼ ノ キ 、ヤ マハゼ は 何 れ も 毒 性 を 有 す る 。 余 の 実 験 に よ れ ば 其 の 中 ウ ル シ ノ キ 、ツ タ ウ ル シ は 毒 性 が 最 も強 く ハゼ ノ キ 、 ヤ マハゼ こ れ に 次 ぎ 、ヤ マウルシ は 極 め て 僅 か で 、ヌ ノンデ は 全 く 毒 性 を 有 し な い 。 外 国 産RhUS属 樹 種 の 中 、有 毒 樹 種 に は' 等 が あ る 。2)S氏 はRh. cOpollina,Rh.glabrα,Rh.lobαtα,Rh.typhinα,BERINGER1)氏 はRh.Michauxii, に つv"て 、CHYZER3)氏 は 5)氏 は に つ い て9)氏 は 及 び10)氏 は11)氏 は に つ い て 夫 々樹 種 の 有 す る 乳 液 が 有 毒 な る こ と を 述 べ て い る 。 有 毒 成 分 は 従 来 揮 発 性 と 不 揮 発 性 の 両 説 が あ つ た 、揮 発 性 説 は 我 国 において は 吉 田 14)氏 に よ り、 外 国 に あ い て は11)氏 に よ つ て 唱 え ら れ た 。 不 揮 発 性 説 は 我 国 に お い て は 遠 山12),真 島8)両 氏 に よ り 、 外 国 において は13)及 び 7)氏 に よつ て 唱 え ら れ た の で あ る 。 吉 田 氏 は1883年 に 漆 液 に は 漆 酸 と Rhus

carpa, Miq),

(Rh. succedanea, L.), Murr, var. Osbeckii, Dc.)

(Rh. vernicifera,

Dc),

(Rh. tricho

(Rh. Toxicodendron,

L. var. vulgaris, Pursh),

(Rh. sylvestris, S. etz.),

(Rh. semialata,

Rh. copallina, Rh. coriaria, Rh. diversiloba, Rh. glabra, Rh. lobata, Rh. Michauxii, Rh. radicans, Rh. Toxicoden dron, Rh. typhina, Rh. vernix, Rh. venenata

Rh. Toxicodendron HUTINGTON GILG venenata JADSSOHN Rh. radicans BURGESS Rh. coriaria, Rh. Toxicodendron, MCNAIR Rh. Toxicodendron, STEVENS STEVENS Rh. diversiloba, ROST Rh. vernix, Rh. TSCHIRCH

(3)

共 に アル コール に溶 解 す る 揮 発 性 毒 分 が あ つ て 漆 液 の 乾 燥 と共 に全 く消 散 す る と云 v、ScHwABE氏 は1901年 に漆 液 に か ぶ れ 易 い 者 が 蒸 暑 い 日にRh .Toxicodendron に 近 づ く と 漆 か ぶ れ に罹 る と云v、 且AUPT氏 は1903年 にRh.Toxicodendronの 生 葉 に ふ れ る と漆 瘡 に罹 る が 、 其 の 葉 の 乾 燥 し た もの は 漆 瘡 に罹 ら な い と云 い 、 又 、 STEVENS氏 は1908年 にRh.vernixの 乳 液 を 長 く水 と共 に 煮 佛 す る と毒 性 を失 う と述 べ た 。 以 上 の 実 験 観 察 に基 い て 毒 分 の 揮 発 性 説 が 唱 え ら る \に 至 つ た の で あ る が 、一 方 外 国おい て は1905年TscHIRcH及 びJADssoHN氏 は 漆 液 中 の 有 毒 物 質 は 石 油エーテル ・アルコール に 可 溶 の 部 分 の み に 存 在 し、醋酸 鉛 に よつ て 沈 澱 す る 不 揮 発 性 物 質 な る こ とを 証 明 し 、我 国 におい て は1924年 に 遠 山氏 は 生 漆 を ぬ つ た ブ リキ を 乾 燥 器 中 で150㌧200℃ 近 くに 加 熱 す る時 は 器 の 上 部 の 小 孔 か ら煙 が発 生 す る 、そ の 際 小 孔 か ら15cmの 所 に 漆 液 に か ぶ れ 易 い 人 の 手 の 甲 を 凡 そ15分 間 置 い て も皮 膚 炎 に は 罹 ら な い 、 又 白 兎 を箱 の 中 に 入 れ て5時 間 此 の 煙 の 中 に さ ら して も同様 で あ る と云 い 、 遠 山 氏 は 化 学 実 験 に よ る 外 前 述 の よ うな観 察 に よつ て 不 揮 発 性 を 唱 え た の で あ る が 、更 に1924年 に真 島氏 は 漆 瘡 の 原 因 につ い て 詳 細 な 化 学 研 究 を行 つ た の で あ る が 、同 氏 の 説 に よれ ば 漆 中 に は 脂 肪 、 タ ン ニ ン様 物 質 を一 体 と した 如 き特 別 な 化 合 物 で あ るウルシオール が 存 在 し、漆 瘡 の 原 因 は 特 別 な 有 毒 成 分 が 存 在 す る の で な く 、 漆 の 主 成 分 で あ るウルシオール そ の もの に 強 い 毒 性 の あ る こ とを 確 め た の で あ る が そ の 実 験 結 果 に基 い て 不 揮 発 を主 張 した の で あ る 。以 上 は 漆 液 の 毒 分 が 揮 発 性 な る か 不 揮 発 性 な る か の 学 説 並 に 漆 瘡 は 漆 液 中 の 如 何 な る化 学 成 分 に よ る もの な る か を述 べ た の で あ る が 、真 島 氏 に よれ ばハゼ ノ キの 乳 液 中 に はLacco1な る 物 質 が 存 在 し、 そ の 化 学 性 状 が ウル シ オー ル に極 め て類 似 す る と 述 べ て い るが 櫨 樹 乳 液 に よ る か ぶ 「 れ の 現 象 は 此 のLaccolの 存 在 に基 因 す る も の で あ る が 漆 液 に 比 較 して か ぶ れ が 幾 分 軽 少 で あ る◎ 漆 か ぶ れ の 治 療 法 と して は 遠 山12)氏 の 述 べ て い る 所 に よれ ば1)漆 液 が 皮 膚 に 附 着 し た時 は 苛 性 加 里19,アル コール30cc,グ リ セ リン10cc,水60ccの 混 合 よ りな る ベル ツ水 中 に 浸 した脱 脂 綿 で 局 部 に す り込 み 、 皮 膚 に黒 点 又 は 黒 線 を生 じた 時 に1%の 硝 酸 アル コ ール 液 で これ を 取 去 る。2)漆 瘡 の 生 じた 際醋酸 鉛 の ア ル コール 液 又 は 水 溶 液 で 袷 い 湿 式 で ア ン ポ ウす れ ば 効 果 が あ る と云 う。 次 に 伊 藤6) 氏 は 同 氏 の 経 験 か ら漆 瘡 を軽 くす る た め に 次 の こ と を 述 べている 、1)漆 液 が 皮 膚 に

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附 着 した場合 に速 か に テ レ ピ ン油 ・アル コ ール 揮 発 油 等 の 揮 発 溶 剤 又 は 乾 性 油 等 で 拭 い 、 後 に砂 ・粘 土 等 で 充 分 洗 い 落 す 、2)上 記 の 治 療 法 を 直 ちに 行 い 得 ず 、 附 着 後 相 当 時 間 の 経 過 後 炎 症 に よつ て 初 め て漆 瘡 を 知 る こ と が あ る 、此 の 時 は醋酸 鉛 の 水 溶 液 で 湿 式 の ア ン ボ ウを行 うか 、或 は 磯 酸 水 の 湿 布 叉 は 塩 湯 の ア ンポ ウ を行 うと効 果 が あ る 。 以 上 の 外 古 くか ら云 い 伝 え られ てv,る 治療 法 と し て は1)蜀 椒 、杉 葉 、紫 蘇2)沢 蟹 の 煎 汁3)ア ンモ ニ ア水4)カル シ ウ ム5)ラ ジ オ シ タ"軟 膏6)フ カ シ ン7)抗 ヒス タ ミン等 が あ る 。 以 上 の漆 瘡 治 療 剤 はハ ゼ ノ キ乳 液 の 毒 分 に つ い て も同様 の 効 果 は あ る が 、余 の 実 験 に よれ ば 一 旦 皮 膚 に 炎 症 を 生 ず れ ば 如 何 な る薬 剤 を 使 用 〔、て も或 程 度 進 行 す る が 幾 分 炎 症 を 軽 くす る に過 ぎ な い の で あ る 。 漆 瘡 は漆 液 の 中 に存 在 す るウルシオール に よ う、櫨 瘡 ・つ た うる し か ぶ れ は 其 の 乳 液 中 に ウル シ オ ール類 似 物 質 で あ るLacco1の 存 在 に よ る と 云 う真 島 氏 の説 に 基 き、 余4)は1941年 に ウル シ オール 並 に 其 の 類 似 物 質 の 顕 微 化 学 的 検 出 法 と其 の応 用 学 的 価 値 について 九 州 大 学 学 芸 雑 誌 第9巻 ・第3号 において 発 表 し た の で あ る 。 そ れ に よれ は ウル シオール 並 に 其 の 類 似 物 質 は硝 酸 及 び 苛 性 加 里 液 に よ つ て鋭 敏 な 呈 色 反 応 が あ り、 前 者 に て 赤 褐 色 に 、 後 者 に て 緑 色 を呈 す る 、 此 の検 出 方 法 に よつ てハゼ ノ キの 葉 柄 よ り滲 出 す る 一滴 の 乳 液 で ウル シオール 類 似 物 質Lacco1の 存 在 は容 易 に 検 出 され る の で あ る。 此 の 呈 色 反 応 を応 用 して 前 述 の 治 療 剤 の 一 で あ る^こル ツ水 を 乳 液 に使 用 した 場 合 、使 用 法 の 如 何 に よ う乳 液 中 の ウル シ オール 類 似 物 質 が 試 薬 苛 性 加 里 液 に 依 る呈 色 反 応 の 変 化 度 合 及 び 特 有 色 の 出現 量 の 多 少 等 を 検 し、これ に より ベ ル ツ水 使 用 法 の 最 も効 果 的 で あ る と思 は る \方 法 を究 め 、有 毒 作 用 の減 少 若 くは 消 滅 如 何 を 顕 微 化 学 的 に検 し、皮 膚 に 倉 け る櫨 瘡 状 態 と を比較 し、もつ て 櫨 瘡 の 現 象 に対 しベルツ 水 の 効 果 を 明 か に し、滋 に共 の 発 表 を な す もの で あ る 。 II実 験 方 法 供 試 盗 料 と して は10月 中 旬 頃 の 紅 葉 期 前 に お い て櫨 樹 緑 葉 の葉 柄 より滲 出 す る乳 液 を 用 い 、呈 色 反 応 試 薬 と して は 前 述 し た よ うに硝 酸 及 び苛 性 加 里 液 が あ る が 硝 酸 は 乳 液 採 取 直 後 の 白 色 乳 液 の 時 は 直 ち に 赤 褐 色 を呈 し、ウル シ オ ール 類 似 物 質 の 同 試 薬 に よ る特 有 の 反 応 色 が 明 か で あ る が 、若 し乳 液 採 取 後 そ れ を 暫 時 室 気 中 に 放 置 す る時 は 乳 液 は 酸 化 に よつ て赤 褐 色 を呈 す る の で 、時 間経 過 後 そ の 乳 液 上 に 硝 酸 を1滴 注 加 す

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る もウルシオール 類 似 物 質 の 特 有 反 応 色 が 明 か で な いた め本 実 験 に は 苛 性 加 里 液 の み を 使 用 した 。 乳 液 に苛 性 加 里 液 を注 加 す れ ば ウル シオール 類 似 物 質 の 存 在 に よつ て緑 色 を 呈 す るが 、若 し10%以 下 の 濃 度 な る時 は 反 応 が鋭 敏 で な い た め 本 実 験 に あ い て は30%溶 液 を使 用 し、解 毒 剤 と し て の ベル ツ 水 は 苛 性 加 里19,7/vコ ー ノン30cc,グ リ セ リ ン10cc,水60ccの 混 合 液 を 使 用 した の で あ る 。 試 験 方 法 は 無 処 理 と処 理 に 分 ち 、 無 処 理 の 場 合(M)は 各 硝 子 上 の 一 滴 の 乳 液 に 即 時 、1時 間 、2時 間 、5時 間 等 一 定 の 時 間 経 過 後 夫 々苛 性 加 里 液 を1滴 注 加 し、時 間 毎 の 乳 液 呈 色 反 応 を検 し、 処 理 の 場 合 は 各 硝 子 上 の1滴 の 乳 液 が 即 時 を除 く外 は 稽 々乾 燥 した 時ベル ツ水 を 各 々其 の 上 に ぬ り1時 間 、2時 間 、5時 間 等 一 定 の 時 間 毎 に 試 薬 を 注 加 す る(B+M)法 と各 硝 子 上 にベル ツ水 を 先 に ぬ り 、次 に 乳 液 を つ け 、 そ の 乳 液 が 稽 々乾 燥 した 時 、 更 に 其 の 乳 液 上 にベルツ 水 を澱 り、 一 定 時 間 経 過 毎 に 試 薬 を注 加 す る(B+M+B)法 に分 ち、 何 れ も 一 定 の 時 間 毎 の 一ミル ツ水 使 用 に よ る 特 有 の 呈 色 反 応 の 変 化 状 態 を顕 微 鏡 下 で 検 す る。 何 れ の 場 合 も苛 性 加 里 液 注 加 後2∼ 5秒 間 を経 か 時 の 反 応 色 に よる もの で あ つ て 、そ れ 以 上 時 間 が 経 過 す る時 は 梢 々変 色 す る の で あ る 。 反 応 色 の 色 名 は 日本 色 彩 研 究 所 発 行 の 標 準 色 に よる もの で 色 名 に 関 す る 色 相 彩 度 明 度 を示 した もの で あ る 。 出 量 は 顧 微 鏡 下 に 出 現 す る 特 有 反 応 を呈 す る 粘 着 物 質 の 多 少 に よ り多 吊(G.M)、 少 量(L.M)、 極 め て 少 量(G.L・M)等 に分 つ て 示 した の で あ る 。

前 述 の 実 験 方 法 に よ り呈 色 反 応 の 変 化 の 度 合 並 に 其 の 出現 量 の 多 少 等 顕 微 鏡 下 に お け る現 象 と皮 膚 に 乳 液 とベル ツ 水 とを 前 述 の 方 法 に よ り使 用 した 場 合 の櫨 瘡 状 態 と を比 較 して 呈 色 反 応 と櫨 瘡 と の 相 互 関係 を 明 か に し 、櫨 瘡 に対 す るベル ツ水 使 用 の 方 法 と其 の 効 果 を研 究 す る も の で あ る。 1.無 処 理(M)の 場 合 顕 微 鏡 的 観 察 硝 子 上 に 葉 の 小葉 柄 より滲 出 す る 一 滴 の 乳 液 を 取 り、 即 時 、1時 間 、2時 間 、5時 間 経 過 毎 に 夫 々の 乳 液 に 直 接30%苛 性 加 里 液 を注 加 す る と 各 時 間 毎 に 呈 色 反 応 が あb、 何 れ もに ぶ 青 緑 色(色 相13.彩 度3.明 度17)となり 、 其 の 色 の 出 量 は 何 れ

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も多い の で あ る ガ 、5時 間 以 上 経 過 して 乳 液 が 充 分 乾 燥 す る 時 は 乳 液 の 大 部 分 は 黒 褐 色 に 変 ず る が 其 の 場 合 に 試 薬 を 澁 加 す る もウルシオール 類 似 物 質 の 呈 色 反 応 が な い 。 これ に よれ ば 櫨 瘡 は 乳 液 の 乾 燥 の 不 充 分 な 時 に の み 起 る現 象 で あ る 。 此 の こ と はH二AuPT氏 が1903年 にRh.Toxicodendronの 生 葉 に触 れ る と漆 瘡 に 罹 る が 、其 の 葉 の 乾 燥 した もの は そ れ に 罹 ら な い と述 べ て い る こ と に徴 して も明 か で あ る 。 櫨 瘡 経 過 硝 子 上 の 乳 液 に苛 性 加 里 液 を注 加 し、顕 微 化 学 的 検 出 に よれ ば 乳 液 乾 燥 後 は呈 色 反 応 な く櫨 瘡 を生 じな い が 、乳 液 が 直 接 皮 膚 に附 着 して無 処 理 の 場 合 は 乳 液 が 乾 燥 す る 迄 に 乳 液 中 に 比 較 的 多 量 に存 在 す るウルシオール 類 似 物 質 の 毒 性 に よつ て漸 次 皮 膚 は犯 され 、時 間 の 経 過 と共 に 櫨 瘡 は 其 度 を 増 し 、乳 液 附 着 後1日 目 に1cm直 径 赤 発 腫 張 し痛 痒 を伴v、2日 目迄 に水 泡2個 、破 傷 口大1個 小1個 生 じ、全 治 迄1週 間 を要 し 、 比 較 的 重 い 皮 膚 の 炎症 を起 した の で あ る。 2各 種 処 理 法 A)(M+B)法 に よ る 場 合 顕 微 鏡 的 観 察 硝 子 上 に 葉 の 小 葉 柄 よ り滲 出 す る乳 液 一 滴 を 取 う、梢 々乾 燥 した 時ベルツ 水 を 其 の 上 にVlb、 即 時 、1時 間 、2時 間 、5時 間 等 経 過 し た も の に 苛 性 加 里 液 を 注 加 す る に 各 々呈 色 反 応 が あ り 即 時 、 即 ち 乳 液 が 未 だ 自 色 の 時ベルツ 水 を 一 滴 ぬ つ た も の は 灰 味 青 緑 色(色 相13、 彩 度2、 明 度17)で あ る が 、1,2,5時 間 経 過 した も の は 明 る v・緑 味 灰 色(色 相13、 彩 度1、 明 度17)と な る 、 斯 様 に時 間 の 経 過 した もの は 多 少 緑 色 を帯 び た 他 の 色 に 変 り、無 処 理 の 場 合 のウルシオール 類 似 物 質 の 固 有 反 応 色 と異 な る に 至 る 、又 其 の色 の 出 量 も無 処 理 の 場 合 に 比 して 少 な く、乳 液 の 大 部 分 は 明 度16 ' の 灰 色 と な り、其 の 中 に 僅 か に前 記 反 応 色 の 粘 着 物 質 が 混 在 す る に過 ぎ な い 、斯 様 に ウル シオール 類 似 物 質 の試 薬 に よる 固 有 色 の変 化 並 に 出 量 の 減 少 の た めウルシ オ ー ノレ類 似 物 質 に よ る毒 性 も亦 減 少 す る こ とに な る。 櫨 瘡 経 過 皮 膚 に乳 液 を 一 滴 》⑭ 、そ れ が 梢 々乾 燥 し て 炎 症 を 未 だ 生 じな い 中 にベルツ 水 を そ の 上 に 澱 る と 前 記 顕 微 鏡 的 観 察 に お け る 固 有 色 の 変 化 及 び 其 の 出 量 の 減 少 に 比 例 し

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て 後 の 皮 膚 の櫨 瘡 が 軽 く 、1日 目に3mm直 径 赤 発 僅 か に 腫 張 し、2日 目 に7mm直 径 に 赤 発 を 増 し、小 な る破 傷 口3個 発 生 した が 痛 痒 殆 どな く無 処 理 の場 合 よ り軽 少 に し て4日 目に 全 快 した の で あ る 。 遠 山 氏 が1924年 にベル ツ水 使 用 が 漆 瘡 に 効 果 あ る こ と を述 べ て い る が 、余 の 此 の実 験 において も 同様 の 結 果 を得 た の で あ る。 若 し乳 液 が 直 接 皮 膚 に 附 着 して 炎症 を生 じた 場 合 経 過 日数 が 僅 か で 櫨 瘡 が軽 い 時 は そ の 上 にベル ツ水 を ぬ つ て も櫨 瘡 は 或 程 度 進 行 して 後 次 第 に快 方 に 向 き、乳 液 が 附 着 後 日数 が 経 過 し て櫨 瘡 が 梢 々重 く なつ た 時 そ の 上 にベルツ 水 を ぬ る と それ 以 上 重 くな らず 、 何 れ の 場 合 も櫨 瘡 の 程 度 梢 々軽 くす る に 過 ぎ な い ¢)であ る 。 B)(B+M)法 に よ る 場 合 顕 微 鏡 的 観 察 各 硝 子 上 に ペル ツ水 をぬ り、そ れ が 梢 々乾 燥 した 時 夫 々乳 液 一 滴 を ぬ り、即 時,1時 間,2時 間,5時 間 等 一 定 の 時 間経 過 後 苛 性 加 里 液 を注 加 す る と、 即 時 に は に ぶ 青 緑 色 (色 相13、 彩 度3、 明 度17)と な り 、1,2,5時 間 経 過 し た も の は うす 青 緑 色(色 相13、 彩 度3、 明 度18)に 変 化 す る。 前 述 の(M+B)法 の 場 合 と異 な り、青 色 を 多 少 帯 び た 緑 色 とな り、そ の 色 の 出 量 も前 者 よ う梢 々 多 く、従 つ て 有 毒 成 分 も前 者 に 比 較 して 多 い が これ は 硝 子 にベルツ 水 を ぬ りた る 上に 乳 液 が附 着 した結 果 な ら ん か と 思 考 さ れ る が 無 処 理 の 場 合 よ り遙 に 少 い の で あ る 。 櫨 瘡 経 過 皮 膚 にベルツ 水 を 澱 う、そ の 上 に 乳 液 を 一滴 つ け 櫨瘡 経 過 を検 す る に 、1日 目は5 mm直 径 赤 発 腫 張 し、水 泡 が 発 生 、2日 目 に7mm直 径 赤 発 が 増 し、 そ の 中 に 小破 傷 口3個 を生 じた の で あ る が 、腫 張 は 梢 々減 じた 。3日 目 に は 小 破 傷 口に 肉蓋 を生 じ、 4日 目に 赤 発 が 減 少 し て 、5日 目 に 全 快 した が 無 処 理 の場 合 に 比 較 して 遙 に 軽 少 で あ る 。 皮 膚 に乳 液 を 滋 り其 の 上 にベルツ 水 を 用 いた(M+B)法 の 場 合 に 比 較 す る と全 快 に1日 多 く要 した 。 此 の(B+M)法 の 皮 膚 における 場 合 は 硝 子 上 の顕 微 鏡 的 観 察 における 呈 色 反 応 の程 度 に 比 し て櫨 瘡 が 比 較 的 軽 少 で あ る の は 皮 膚 と乳 液 と の 間 に ベルツ 水 の薄 い 皮 膜 が 存 在 す る た め で あ る と 考 え られ る 。 C)(B+M+B)法 に 依 る 場 合 顕 微 鏡 的 観 察

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各 硝 子 上にベルツ 水 を ぬ う、其 の ベル ツ水 が 稠 々乾 燥 した 時 そ の 上 に 乳 液 を 一 滴 っ け 、即 時,1時 間,2時 間,5時 間 等 一 定 の時 間 経 過 後 そ の 乳 液 上 に 更 に ベ ル ツ水 を 顧 り 、其 の 後 間 もな く苛 性 加 里 液 を注 加 して 呈 色 反 応 を 検 す る に 、即 時 の場 合 は うす 青 緑 色(色 相13、 彩 度2、 明 度19)となり 、そ の 出 現 量 は 多 い の で あ るが 、1,2,5時 間 経 過 した 場 合 は 反 応 色 は 即 時 と同 様 で あ る が 、出 現 量 は 遙 に減 じ苛 性 加 里 液 に よ り灰 色 に 変 色 し た 乳 液 の 塊 中 に うす 青 緑 色 の 粘 着 物 質 が 僅 か 存 在 す る 。 櫨 瘡 経 過 一 滴 のベルツ 水 を 皮 膚 にぬり 梢 々 乾 燥 した 後 、其の 上 に乳 液 を一 滴 つ け、その乳 液 が 梢 々乾 燥 し て 炎症 を生 じな い 中 に 其 の 上 に 更 にベルツ 水 を ぬ つ て 其 後 に 発 生 す る 櫨 瘡 経 過 を検 す る に 、1日 目 は1mm位 に 赤 発 し 、其 の 後 赤 発 の 増 大 を み な い で3 日 目 に全 治 した 。 以 上 の 実 験 結 果 に よれ ば 顕 微 鏡 的 観 察 に あ いて 何 れ の 場 合 に も呈 色 反 応 が あ る が 、 ベ ル ツ水 使 用 法 の 如 何 に よ り固 有 色 の 変 化 並 に色 の 出 現 量 に差 異 が あ る 、それ に並 行 して 櫨 瘡 の 状 況 に 差 異 を生 ず る。(B+M+B)法 は 固 有 色 が 変 化 す る の み な らず 、色 の 出 現 量 が 最 も僅 少 で あ る た め 櫨 瘡 防 止 に 最 も効 果 的 で あ る 。 皮 膚 にベルツ 水 を つ け て5時 間 経 過 後 乳 液 が 附 着 す る 場 合 で も 数 時 間 後 再 び そ の 乳 液 上 に ペル ツ水 を ぬ れ ば 乳 液 附 着 の 部 分 が黒 色 と な る 、其 の状 態 の もの を そ の儘 良 く放 置 す れ ば 顕 微 鏡 下 に 明 か な る が 如 く黒 色 乳 液 中 に 呈 色 反 応 を な す 極 め て 僅 か の 粘 着 物 質 の 存 在 に よ り、終 に 皮 膚 は そ の 毒 性 に よつ て 櫨 瘡 を生 ず る の で 再 度 のベルツ 水 を 乳 液 上 にぬ つ た 後 成 可 く早 く脱 脂 綿 を 用 い こ れ を水 で 洗 い 落 せ ぱ 黒 色 部 は 容 易 に 離 脱 して 櫨 瘡 を免 れ る の で あ る 。 10月 中 旬頃 櫨 樹 の 葉 の 小 葉 柄 を切 断 し そ れより 滲 出 す る乳 液 を 無 処 理 若 くば ペ ノン ツ水 処 理 に よ る 場 合30%苛 性 加 里 液 に よ る 乳 液 の 呈 色 反 応(第 一 表)と 櫨 瘡 経 過 (第 二 表)を 表 示 す れ ば次 の通 りで あ る。

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第 一 表

10cm直 径 赤 発 、腫 張 、 痛 痒 あ り 水 泡2個 発生 破 傷 口大1個 小1個 発 生 破 傷 口に 肉蓋 発 生 赤 発稽 々減 少 〃 〃 全 快 3mm直 径 赤 発 僅 か 腫 張 7mm直 径 赤 発 、小 破 傷 ロ 3個 発 生 、稽 々腫 張 あ り 赤 登 減 少 、破 傷 口肉 蓋 生 ず 全 快 lS一 直径競 麟 あ ・水醗 生 17mm直 径 赤 発 、小 破 傷 口3個 発i 生 腫 張 減 ず 破 傷 口肉蓋 発 生 i赤 発 減 少 全 快 1mm直 径赤 発 〃 全 快

(10)

顕 微 鏡 的 観 察 と皮 膚 に お け る 櫨 瘡 経 過 状 況 につ い ては 前 述 の 如 き実 験 結 果 を 得 た の で あ る が 、そ の 中 最 も効 果 的 で あ る の は(B+M+B)法 に 依 る場 合 で あ る 。 前 記 の実 験 に お け る 此 の 方 法 は 皮 膚 にベルツ 水 を つ け て そ ρ上 に乳 液 が 附 着 し、更 に そ の 上 に ベ ル ツ水 を つ け る の は単 に 乾 燥 す る を程 度 とし て 行 つ た も の で あ る 。 実 験 に これ を 応 用 し、そ の 効 果 の程 度 を 明 か に す る た め に は ベ ル ツ水 と附 着 す る 乳 液 と の 相 互 の時 間 関 係 と櫨 瘡 状 況 と を 更 に 詳 細 に検 す る必 要 が あ る ので 其 の 関 係 を究 め ん とす る も の で あ る。 硝 子 にベルツ 水 を ぬ つ た 後 そ の上 に 乳 液 をつ け る 迄 の 時 間 を初 回 は30分 、其 後 は 1時 間 置 に7時 間 迄 に 分 ち 、そ の 乳 液 上 に 更 にベルツ 水 を澱 る時 間 を初 回 は30分 、 其 後 は1,2,3,24時 間 に分 つ て 呈 色 反 応 及 び 其 の 色 の 出 量 関 係 を検 す る に 、(1)硝 子 上 にベル ツ水 を ぬ つ て30分 後 乳 液 を つ け 、其 の 後30分 を経 て 再 度 一こルツ水 を 其 の 上 に ぬ り30%苛 性 加 里 液 を注 加 し て 其 の 反 応 色 を み る に乳 液 の 大 部 分 は 黒 色 と な り、 そ の 中ウルシ オ ール 類 似 物 質 の 特 有 な る反 応 色 の 梢 々変 化 し た 明 る い緑 味 灰 色 (色 相13、 彩 度1、 明 度12)を 呈 す る粘 着 物 質 が 僅 か 混 在 す る を み る。 上 記 の 方 法 に よる 皮 膚 の櫨 瘡 状 況 は1日 目 に 直 径 粟 粒 大 赤 発 して 、3日 目 に全 快 し た の で あ る。 特 有 の 反 応 色 が 梢 々変 色 し、そ の 色 の 出 量 が 僅 か の た め に 無 処 理 の 場 合 よ り櫨 瘡 は 軽 少 で あ る 。(2)硝 子 にベルツ 水 を 楓 り1時 間 置 に7時 間 迄 の 時 間経 過 毎 に 其 の 上 に 乳 液 を つ け 、夫 々30分 経 過 後 再 度 そ の 上 に ベル ツ水 を 澱 つ た 場 合 の 反 応 色 は(1) と同様 で あ る が 、反 応 色 の 出 量 は4∼7時 間 の 間 において は 極 め て 少 量 で あ る 。 櫨 瘡 状 況 は皮 膚 にベルツ 水 を ぬ つ 一(7時 間 後 そ の 上 に乳 液 が 附 着 して も1∼6時 間 経 過 後 乳 液 が 附 着 した も の と大 差 な く、乳 液 附 着 部 は 赤 発 腫 張 す る 、水 泡 、破 傷 口は 生 じな い 場 合 も あ る が 概 して 小 な る 水 泡 及 び そ れ よ り破 傷 口 を 生 じて4日 目 に全 治 す る 、こ れ も亦 無 処 理 の 場 合 よ り炎 症 が 軽 い の で あ る 、何 れ の場 合 において も其 の 際 生 じた 黒 色 部 を上 記 各 時 間経 過 後 直 に石 鹸 を 用い 水 若 くは 湯 で 洗い 落 せ ぱ 赤 発 な く炎 症 を ま顧 か 智 る の で あ る 。(3)硝 子 にベルツ 水 をぬ り其 上 に 乳 液 を つ け る 迄 の 時 間 は 前 述 の も の と同 様 に初 回 は30分 、 次 は1時 間 、そ れ よ り後 は1時 間 置毎 に7時 間 迄 と し湧 度ベルツ 水 を 滋 る時 間 は 前 述 の もの と異 左 って1,2及 び3時 間 後 夫 々乳 液 の 上 に ベル ツ水 を 顧 り苛 性 加 里 液 に よ る 反 応 色 及 び 其 の 色 の 出量 を検 す る に1時 間 の 時 は

(11)

灰 味 青 緑(色 相13、 彩 度2、 明 度17)と な り、2時 間3時 間 の 場 合 は うす 青 緑 色 (色 相13、 彩 度2、 明 度19)と な り 、 そ の色 の 出 量 は 何 れ も僅 か で あ る 。 皮 膚 に 必 け る 櫨 瘡 状 況 は再 度 のベルツ 水 を ぬ う乳 液 附 着 部 が 黒 くな つた場合 、直 に そ の 部 を前 述 の よ うに洗 い 落 せ ぱ 炎 症 を生 じな い が 、若 し も其 儘 放 置 す る 時 は 各 時 間 と も大 差 な く3∼4日 で全 治 す る櫨 瘡 に 罹 る の で あ る 、次 に 再 度 の べ ノレツ水 を24時 間 の 後 に ぬ つ た 場 合 は 苛 性 加 里 液 に 依 る 呈 色 反 応 は うす 青 緑 色 とな り、そ の 色 の 出 量 は 極 め て 僅 少 で あ る が 、再 度 のベルツ 水 を 漁 る 迄 の 時 間 が 余 り長 きに 失 した た め に 、そ れ を ぬ る 前 に 乳 液 中 に 僅 か 存 在 す るウルシオール 類 似 物 質 の た め に既 に 皮 層 は 炎 症 を 起 す の で 、後 に 顧 つ たベルツ 水 は何 等 効 果 が な く、無 処 理 の 場 合 と大 差 な き櫨 瘡 に罹b、1日 目 に1cm直 径 に亦 発 、腫 張 し痛 痒 が あ り、水 泡 、大 小 の破 傷 口 を発 生 し 全 快 に1週 間 を要 す る(第 三 表 参 照)。 以 上 の 実 験 結 果 よ り考 察 す る にベルツ 水 は 苛 性 加 里 液 、グ リセ リ ン、アル コー ノ汽 水 の 混 合 液 で あ り、婦 人 の 化 粧 用 に され て い る が 漆 樹 、櫨二樹 の 切 断 面 よ 釦滲 出 す る乳 液 に使 用 す る場 合 は そ の 中 の 苛 性 可 里 液 はウルシオール 並 に 其 の 類 似 物 質 の 酸 性 を中 和 し、グ リセ リ ンは 皮 膚 上 に 薄 い 皮 膜 を つ く り、且 又 乳 液 の 乾 燥 を速 か に し、アノレコ ール はウルシオール 並 に 其 の 類 似 物 質 を 溶 解 す る 等 の 作 用 を な す の で 乳 液 毒 性 の 解 毒 剤 と して 有 効 で あ るが 、前 述 せ る が 如 く(B+M)及 び(M+B)法 の 如 き ベノ〃 水 を1 回 使 用 の み に 止 む る 時 は 効 果 は 比較 的 少 な くた だ 炎 症 が 幾 分 軽 少 とな る に 過 ぎ な い 。 予 備 的 に 手 、顔 等 皮 膚 の外 部 露 出 部 に ぺル ツ水 を初 め1回 ぬ う、そ の 部 に 乳 液 が 即 時 若 くは1∼7時 間 内 に 附 着 した 時 は薄 い 灰 色 に 色 附 くの で そ の 上 に更 に ペル ツ水 を即 時 に 、若 し 止 む を得 な い 場 合 は1∼5時 間 内 に 楓 る時 は 乳 液 の 附 着 した 部 分 は 黒 色 と な り、そ の黒 色 部 は 容 易 に水 で 離 脱 す る に 至 る 。 斯 の 如 くベルツ 水 の 二 重 使 用 に よ つ て 乳 液 が 上 下 の べノレツ 水 の 薄 層 中 に あ る が 如 き状 態 と な り解 毒 剤 と して の 効 果 を増 す の で あ る が 、前 述 の如 くウルシオール 若 くは 其 の類 似 物 質 の苛 性 加 里 液 に よ る 呈 色 反 応 は 余 が 行 つ た実 験 の 範 囲 に お い て は皆 無 に す る こ と は 絶 対 に 不 可 能 で あ り、換 言す れ ばベルツ 水 の 二 重 使 用 に よつ て も黒 色 とな つ た 乳 液 中 に 僅 か 毒 性 を有 す る 物 質 が 存 在 す る の で 再 度 の べノンツ水 使 用 後 出来 得 る限 り早 く此 の 黒 色 部 を除 去 す れ ば 櫨 瘡 の 炎 症 を ま ぬ か れ 得 る の で あ る。10月 中 旬 の 紅 葉 前 の 櫨 樹 緑 葉 の 小 葉 柄 断 面 よ り滲 出 す る乳 液 に つ い て は 従 来 治 療 的 に 用 い られ たベルツ 水 も二 重 使 用 に よつ て 櫨 瘡 の 予 防 剤 と して の効 果 が 認 め られ る の で あ る 。

(12)
(13)
(14)

乳 液 中 に 存 在 す るウルシ オ ール 類 似 物 質 の 顕 微 化 学 的 検 出 と皮 膚 に お け る 櫨 瘡 状 態 よ り考 察 す れ ば ベル ツ水 使 用 は 治 療 的 効 果 は あ るが 毒 性 を 根 絶 す る こ とは 不 可能 で あ る 、た だ 使 用 法 如何 に よつ て は 櫨 瘡 予 防 と し て の効 果 が 認 め ら れ る が そ の摘 要 を 述 ぶ れ ば 次 の 通 りで あ るρ 1.10月 中 旬 頃 紅 葉 前 の 緑 葉 の葉 柄 よ り滲 出 す る乳 液 は 無 処 理 の 場 合30%の 苛 性 加 里 溶 液 に よつ て に ぶ 青 緑 色 とな り、其 の 色 の 出 量 は 多 量 で あ る 。 櫨 瘡 は1日 目 に1 cm直 径 赤 発 ・腫 張 痛 痒 あ り、2日 目に は 水 泡2個 、破 傷 口大 小 各 々1個 発 生 して 1週 間 目 に全 治 した の で あ る 。 ■ 2.乳 液 が 直 接 皮 膚 に 附 着 し て炎 症 を生 じた 場 合 経 過 日数 が 僅 か で 櫨 瘡 が 軽v時 は そ の 上 にベルツ 水 を 楓 っ て も櫨 瘡 は 或 程 度 進 行 して 後 次 第 に 快 方 に 向 き 、乳 液 が 附 着 して1日 以 上 の 日数 が経 過 して 櫨 瘡 が梢 々重 くな つ た 時 そ の 上 に'ミノレツ水 を顧 る とそ れ 以 上重 くな ら ず 、何 れ の場 合 も 櫨 瘡 の 程 度 を 梢 々軽 くす る に 過 ぎな い の で あ る。 3.乳 液 を つ け そ の 上 にベルツ 水 をぬ る 時 はウルシオール 類 似 物 質 の呈 色 反 応 と して 明 るい 緑 味 灰 色 と な り、固 有 色 が 梢 々変 色 し 、そ の 色 の 出 量 は 僅 少 で あ る。 皮 膚 に 乳 液 が 附 着 し て 炎 症 の 未 だ 生 じな い 中 にベル ツ水 を そ の 上 に ぬ つ て も櫨 瘡 は1日 目は3mm直 径 赤 発 僅 か 腫 張 し、2日 目は7mm直 径 赤 発 、小 破 傷 口3個 発 生 し た が 、腫 張 は 精 々減 じ4日 目に 全 治 した の で あ る 。 4.ベルツ 水 を ぬ り、そ の 上 に 乳 液 を1滴 つ け る場 合 はウルシ オール 類 似 物 質 の 呈 色 反 応 は うす 青 緑 色 とな り、此 の場 合 も亦 固 有 色 が 梢 々 変 色 し、そ の 出 量 は 僅 少 で あ る 。 皮 膚 にお け る 櫨 瘡 は1日 目 に5mm直 径 赤 発 、腫 張 、水 泡 の発 生 が あ り、2 日 目 に7mm直 径 赤 発 、小 破 傷 口3個 を生 じ、腫 張 は 稽 々減 じ、5日 目 に全 治 し たの で あ る。 5.ベル ツ 水 を 楓 り、そ の 上 に乳 液 をつ け 、更 に 其 の 上 にベル ツ水 を 澱 る 場 合 は ウル シ オール 類 似 物 質 の 呈 色 反 応 は うす 青 緑 色 とな り(4)における と 同 様 で あ る が そ の 反 応 色 の 出 量 は極 め て 少 量 で あ る 。 皮 膚 にベル ツ水 を 顧 り、そ の 上 に1滴 乳 液 を つ け 炎 症 の 未 だ 生 じない 中 に 、更 に 其 の 上 にベル ツ水 をぬ る 時 櫨 瘡 は1日 目 に1

(15)

mm直 径 赤 発 し、3日 目 に全 治 した の で あ る。 6.皮 膚 に ベル ツ水 を 初 め1回 澱 り、そ の 部 に 乳 液 が 即 時 若 くは1∼7時 間 内 に 附 着 し た 時 は そ の 部 は 薄 い 灰 色 に 色 付 き 、全 々炎 症 を発 生 し な い場 合 が 多 い の で そ の 上 に 更 にベルツ 水 を 即 時 に 、若 し 止 む を得 な い 場 合 は1∼5時 間 内 に ぬ る時 は乳 液 の 附 着 した部 分 は 黒 色 と な う 、其 の黒 色部 は 石 鹸 と脱 脂 綿 を用 ふ れ ば 水 若 くは 湯 で 容 易 に 離脱 す る の で 洗 い 落 せ ば そ の 乳 液 中 に は未 だ極 め て 僅 かウルシオール 類 似 物 質 が 存 在 す る の で あ る が 櫨 瘡 を ま ぬ か れ る 、若 し再 度 の ベル ツ水 を24時 間 後 楓 る 時 は 再 度 のベルツ 水 の 効 果 は 殆 ど な く、黒 色 と な つ た 乳 液 中 に 僅 か 存 在 す るウルシ オ ー ノレ類 似 物 質 の た め に 櫨 瘡 を 生 じ1日 目 に1cm直 径 赤 発 腫 張 し痛 痒 が あ る 、水 泡 . を発 生 し大 小 の破 傷 口 を生 じ全 治 に1週 間 位要 した の で あ る 。

1)

BERINGER, G. M., Rhus poisoning. Just's Bot. Jahrb. Bd, II, p. 457, 1896.

2)

BURGESS, The beneficent

and toxical

effects of the various species of

Rhus. Bot. Jahrb. Bd. II, p. 658, 1881.

3)

CHYZER, B., Giftige Industriepflanzen.

Just's Bot. Jahrb.

Bd. II, p. 649,

1910.

4)HARADA,M.(原 田 盛 重),ウ ル シオール 並 に 其 の 類 似 物 質 の 顕 微 化 学 的 検 出 法 と 其 の 応 用 的 価 値 九 大 農 学 部 学 芸i雑 誌,第9巻 第3号,p.263,1941. 5)HuTINGToN,A.0.,Poisoningandswampsmach・Just'sBot・Jahrb.II, p.511,1909. 6)ITO,S.(伊 藤 清 三),漆 樹 と 漆 液1949.

7)

JADSSOHN, Ar., 243, 504 (1905), (Cit. in MAJIMA 1924).

8)

MAJIMA, R., Untersuchungen

über den Japanlack.

Tokyo, 1924.

9)

McNAIR, J. B., A study of Rhus diversiloba,

with special reference

to

its toxicity.

Am. J. Bot. p. 127, 1921.

10)

RosT, E., u. GILG, E., Der Giftsumach,

Rh. Toxicodexdron L. und seine

Giftwirkungen.

Just's Bot. Jahrb. Bd. II, p. 1180, 1913.

11)

STEVENS, A. B., Giftiger Sumach. Just's Bot. Jahrb. Bd. 36, p. 648, 1908.

12)

TOYAMA, Festschrift

für Prof. DOHI.: " Über die LackKrankheit."

(Cit.

in MAJIMA, 1924).

13)

TSCHIRCH u. STEVENS, Arch. d. Pharm. 243, 504, 1905 (Cit. in MAJIMA,

1924).

14)

YOSIDA, H., Chemistry of Lacquer

(Urusi).

Just's Bot. Jahrb. Bd. 1, p.

105, 1883.

(16)

POISON CHARACTER

OF LATEX IN THE RHUS PLANTS

IN JAPAN

ON THE

EFFECT

OF " BERUTSUSUI " AS NEUTRALIZE

MEDICINE

FOR THE POISON LATEX IN RHUS SUCCEDANEA

(1)

(Résumé)

Morishige

HARADA

" Berutsusui " is the name given to the mixture

of 30cc of alcohol

, lg

of caustic potash, 10cc of glycerine, 60cc of water, and it is ordinarily for

toilet use.

If " Berutsusui " is applied to the latex which

oozes from the section

of petiole,

alcohol

dissolves

the

urusiol-like

substance

in latex,

caustic

potash neutralizes

acidity of the urusiol-like

substance, and glycerine hastens

the drying of the latex.

For these reasons,

" Berutsusui " is effectual as

an antidote against the poison of the urusiol-like

substance.

The urusiol

like substance

in the latex which oozes from the section of petiole around

the middle of October turns out blue-green by the addition of 30 % caustic

'

potash solution, but, if we treat the latex with " Berutsusui ", the reaction

colour differs in some degree,

and the amount of the colour produced

is

smaller, (decreases).

For this reason, a skineruption

becomes lighter than in the nontreated

case, but the poisoning by the latex cannot be completely

prevented

by the

abovementioned

method.

However,

double

application

of " Berutsusui ",

namely the application

of " Berutsusui " to the skin before and after the

contact

with the latex, on it, again use " Berutsusui " at that part, the

latex

changes

into blackcolour.

The skineruption

to be caused

by the

latex of Rhus succedanea will be prevented,

if the black part is washed-off

with water immediately,

or within 1-5 hours at the latest.

The skin-erup

tion by latex

is caused by the small proportion

of urusiol-like

substance

which indicates

colour reaction

by caustic

potash

solution,

in the black

coloured mass of the latex, unless this black-part is washed off in 24 hours.

It is important,

therefore,

that the black part be washed off as quickly as

possible.

参照

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