• 検索結果がありません。

日会会平成9年10月3日(金)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "日会会平成9年10月3日(金)"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

口本小児循環器学会雑誌 14巻1号 76〜78頁(1998年)

第23回群馬小児循環器研究会

日会会

平成9年10月3日(金)

前橋商工会議所 小野 真康

 1.右室心筋の広範な脱落を認めた乳児剖検例     群馬県立小児医療センター循環器科       小林 富男,曽根 克彦       篠原  真,岡田 恭子     群馬大学第1病理      平戸 純子  はじめに:Uhl s anomalyは,右室に限局した心筋 の広範な脱落を主病変とする原因不明の疾患である.

生後/カ月で突然発症し,剖検にてUhl s anomalyが 疑われた乳児例を経験したので報告した.

 症例:患児は生後1カ月の女児で,主訴は全身蒼白,

眼球上転,呼吸速迫であった.在胎39週,3,360g,帝 王切開で出生した.出生時及び,1カ月検診では異常 は指摘されなかったが,1カ月検診を受けた翌日,全 身蒼白,眼球上転,呼吸速迫となり近医を受診した.

受診時,低体温(33.9℃),低酸素血症,代謝性アシドー シス(pH 6.81, pCO230.1rnmHg, pO253.OmmHg,

BE−28.7inmo1/1, SaO、55.6%),肝機能異常(GOT 3611U〃, GPT 501U/1, LDH 2,9551U/1, T−Bil O.86)

を認めたため当院へ紹介,転送された.入院時,体重 は4,335g(+975g/mo),体動はなく筋緊張は低下し,

全身は蒼白で,心拍数は170/min,血圧92/50mmHg,

呼吸数62/min,心雑音はなく,肝を2cm触知した.生 化学検査ではGOT 3771U/1, GPT 631U〃, LDH 4,0081U/1, HBDH 2,1351U//, CPK 2,4121U〃, CRP O.2mg/dlであった.入院時胸部X−Pで軽度の心拡大 と心電図でlow voltage,平成T波を全誘導に認めた.

断層心エコーでは心内奇形はなく,右心系の拡大と EF:0.5と収縮性低下, pulse doppler法による右心系 血流波形により右室拡張障害を認めた.原因不明のま

ま,対症療法を施行したが改善なく12病日に死亡した.

剖検所見は,1:右心室の拡張と右室心筋層の消失,

2:右室心筋線維の変性や壊死,脱落と肉芽組織によ る置換,3:右冠動脈,刺激伝導系に異常はなし,4:

左室心筋に病変なし,であった.以上より右室心筋に 別刷請求先:(〒377−8577)群馬県勢多郡北橘村下箱田

     779

     群馬県立小児医療センター 曽根 克彦

限局した心筋の広範な脱落の所見より,Uhl s anom−

alyが疑われた.

 結語:Uh1 s anomalyと思われた1剖検例を経験し た.心筋病変の程度より出生時には,すでに病変は存 在した可能性があり,UhPs anomalyの発症の機序に 関し興味ある知見と思われたので報告した.

 2.乳児期心室中隔欠損症手術症例について     済生会前橋病院循環器小児科

      岡田 恭典,小野 真康,滝沢 琢巳     同 循環器外科

      石原 茂樹,杉山 喜崇       小澤 英樹,三枝 直樹  はじめに:心室中隔欠損症(以下VSD)の中には乳 児期早期に重篤な症状を呈し外科手術を必要とする症 例から自然閉鎖する例まで多岐にわたる.今回我々は 手術施行時年齢における臨床的特徴の相違並びに乳児

期VSD手術例の特徴について検討したので報告す

る.

 対象は1989年から1997年までの8年間に81例の

VSD患児に心内修復を行った.年齢別では1歳未満19 例(A群),1歳以上2歳未満18例(B群),2歳以上 44例(C群)である.

 結果:VSDの型ではA, B群においては86%が膜様

部欠損で漏斗部欠損は8%,6%がMixed typeで

あった.一方C群では60%が膜様部で40%が漏斗部で あった.手術前体重の標準偏差はA群では平均一3.5 SD, B群では平均一2,5SD, C群では平均一〇.2SDで あった.心合併症の検討ではA群,B群に違いはなく 50%にPDA, ASD,僧帽弁閉鎖不全(MR)等の合併 症を認めた.2歳以上では,大動脈弁閉鎖不全症,右 室二腔症を52%に認めた.術前状態では人工呼吸管理 を必要としたものはA群で6例,一方B群,C群では 1例もなかった.術前心臓カテーテル検査における血 行動態の検討ではQq/QsではA群2.43±029, B群 2.29+0.40,C群1.65+0.17であった. Pp/PsではA 群0.68±0.22,B群0.62±0.18, C群0.22±0.18であっ た.Rp/Rsでは3群間に差を認めなかった.

Presented by Medical*Online

(2)

日小循誌 14(1),1998

 結語:乳児期手術症例の特徴としては,1)体重増加 不良例が多く,平均体重 3.5SDであった.2)欠損部 位としては膜様部欠損が多く,PDA, ASD, MRの合 併例が多かった.3)血行動態的にはPp/Ps, Qp/Qsが 高いもののRp/Rsは比較的低値であった.4)手術成 績においては月齢による影響は認められなかった.

 3.Anthracycline系抗腫瘍剤投与後遠隔期に,心 不全症状を呈した1例

    群馬大学小児科

      井上 佳也,小林 敏宏,小林  徹       鈴木 僚子,外松  学

 はじめに:Anthracyclineは,強力な抗腫瘍剤であ るが,一方では投与量依存性の心毒性を発症すると言 われている.我々は急性白血病の治療終了後,遠隔期 にAnthracyclineに起因すると思われる心不全症状 を呈した1例を経験したので報告する.

 症例:12歳11カ月の男児,主訴は咳漱である.6カ 月時に急性単球性白血病を発症し,ACMP二段療法が 行われ,3歳8カ月時に強化療法を終了した.この間 のAnthracycline系抗腫瘍剤の総量は1,000mg/m2以 上であった.12歳11カ月時に咳轍が続き当科を受診し,

精査加療を目的に入院した.胸部聴診上,ギャロップ リズム,収縮期雑音を聴取し,腹部では右季肋下に3cm の肝腫大を認めた.胸部X線では,心陰影は拡大し,

胸水を認めた.心電図では,心拍数は,93/分,前額面 QRS平均電気軸は123度と右軸偏位を認めた. QRS波 は全体にlow voltageで, T波の平低化を認めた.超 音波では,心室中隔の動きは不良で,左室駆出率は37%

であった.1−i23MIBG SPECTでは,初期像,遅延像 ともに心室中隔での取り込みの低下を認めた.Planar 像では,遅延像の心縦隔比は,1.9,洗い出し率は21.5%

であった.治療は利尿剤,血管拡張剤の投与と全身状 態の改善を待ち,β遮断薬の少量投与を開始した.

 結語:Anthracyclineによる心筋障害発症までの経 過は,個体による差が大きく,本症例のように,投与 後遠隔期に発症する例も報告されている.しかし,心 筋障害をモニタリングする方法がないのが現状であ

り,心電図,超音波検査には感度,特異性に問題があ ることが指摘されている.1−123MIBGシンチグラフィ はAnthracycline系抗腫瘍剤による心毒性の評価法 として有用との報告もあるが,さらなる臨床評価が必 要な段階であると思われた.

 4.小児開心術における近赤外線分光法により脳酸 素測定の1経験

77 (77)

群馬県立小児医療センター心臓血管外科       村上

   同 循環器科      小林 富男,篠原    群馬大学第2外科 はじめに:

淳,鈴木 政夫 真,曽根 克彦   森下 靖雄       近年,心臓大血管手術の領域においても 術中の脳の低酸素,虚血による脳障害の発生予防のた

め,近赤外分光法,Near−infrared spectrophotometry

(NIRS)を用いた脳組織酸素代謝のモニタリングが行 われるようになってきた.今回,小児開心術でNIRS による脳酸素測定を行った1例を経験したので報告す

る.

 症例:患児は7歳,女児.学校検診で心雑音を指摘 され,心房中隔欠損症(ASD)の診断にて1997年9月

1日に手術を施行した.術前検査でASDは径8mm,

シャント率は30%,Qp/Qsは1.45,肺動脈圧は25/12 mmHgで肺高血圧はなかった.麻酔導入後から手術終 了までの脳酸素代謝の変化をNIRSを用いて,連続的 に酸化型ヘモグロビン(Hb),還元型Hb,総Hb,酸 化型チトクロームaa(Ct)を測定した.装置はNIRO−

500(浜松ホトニクス社製)を使用し,測定は前頭部で 行った.手術は軽度低体温体外循環下に局所冷却の併 用で心停止し,ASDを直接縫合閉鎖した.術後覚醒は 良好で神経学的にも異常を認めなかった.酸化型Hb,

総Hbは体外循環開始後直ちに,血圧の初期下降,回路 初期充填液による希釈により低下を示した.体外循環 中はそのまま推移し体外循環離脱後徐々に前値に復し た.酸化型Ctは術中大きな変動はなく,体外循環中脳 測定部への酸素供給は十分なされていたと考えられ

た.

 結語:NIRSは脳組織中のHb,チトクロームaa3は ミトコンドリアへの酸素供給レベルを反映するため最 も確実で直接的な脳酸素モニターであるといわれてい る.そこで小児開心術での脳酸素代謝のモニタリング を行うため本法を用いてモニタリングした症例を経験 したので報告した.本症例では理論上の典型的な術中 の脳酸素代謝モニタリングができたものと思われる.

今後,症例の蓄積により様々な条件下での体外循環と 脳酸素代謝との関連性にっいて検討したいと考えてい

る.

 5.二期的にJatene術を行った大動脈縮窄症,

Taussig−Bing奇形の1例

    済生会前橋病院循環器センター外科       杉山 喜崇,石原 茂樹

Presented by Medical*Online

(3)

78 (78)

      小澤 英樹,三枝 直樹     同 小児科

      小野 真康,岡田 恭典,滝沢 琢巳  はじめに:複雑な心合併症をもつTaussig−Bing奇 形の治療は困難をきわめる.我々は大動脈縮窄症を合 併したTaussig−Bing奇形心に二期的にJatene術を 行った1例を経験したので報告する.

 症例:患児は2カ月の男児,出生時体重は3,658g,

日齢6にチアノーゼを認め,当院にて心臓カテーテル 検査を施行し,大動脈縮窄症,Taussig−Bing奇形,卵 円孔開存(PFO),肺高血圧症(PH)と診断し,同日 Subclavian flap anastomosis(SFA), PA Banding

(PAB),PDA Iigationを施行した.PABはSFAの前

に肺動脈の周径52mmを26mmに絞拒した.SFA終了

時にPO2はroom airにて34mmHgであったため,こ れ以上のBandingは不必要と判断した.術後2日目に 抜管し,体重増加を期待し経過を見たが,徐々に肺血 管陰影の増強が見られ,high flowによる呼吸状態の悪 化がみられた.しかし,PO、は変わりなく,PFOが小 さいためのmixing不足と考えていたが体重も2,600g と減少したため,根治手術を考慮し心臓カテーテル検

査を施行した.PA圧は93mmHgとBandingはほと

んど効いておらず,Flow ratioは4.8, Aoの酸素飽和 度は66%であった.生後2カ月時に根治手術を施行し

た.

 手術所見:右心房を切開すると,大きいconus se−

ptumを認め三尖弁のchordaが付着していた. VSD の全貌は見えないため肺動脈直下の右室を切開し,

VSDは充分な大きさがあったため,そのまま,左室か ら肺動脈への心内conduitをトヨフロンパッチにて作 成した.次にJatene術を行ったが肺動脈がむしろ両方 に位置するため,大血管を入れ替えずoriginal Jatene 術にて大血管を再建した.大動脈遮断時間は176分,左 室の動きが悪く,人工心肺離脱まで約1時間の補助循 環を必要とした.人工心肺時間は409分,術後,人工呼 吸器からの離脱を開始すると肺高血圧により右室負荷 がかかるためと思われるblocked PAC, PSVTなど心 房性不整脈が多発したが術後23日目に抜管できた.術 後の心臓カテーテル検査ではLVEFは55%,右室肺動 脈間に17mmHgの圧差を認めるのみであった.

 結語:二期的にJatene術を行った大動脈縮窄症,

Taussig−Bing奇形の1例を経験したので経過ととも に術式について報告した.

 6.二期的根治術を施行した総動脈幹症(1型)の1 例

日本小児循環器学会雑誌 第14巻 第1号     群馬県立小児医療センター心臓血管外科       鈴木 政夫,村上  淳     群馬大学小児科

      小林 敏宏,井上 佳也     群馬大学第2外科

      大滝 章男,大木  茂       伊部 崇史,森下 靖雄  はじめに:近年右室一肺動脈間血流路を欠く先天性 心疾患に対する再建法は自己組織再建法が行われてい るが,形態的制限がないわけではない.今回我々は根 治手術介入の遅れでRastelli型手術となったと思わ れる総動脈幹症1型を経験したので報告する.

 症例:患児は7歳7カ月,体重16.6kgの女児で,生 後3カ月に肺動脈絞拒術(Banding)を受けた.2歳時 チアノーゼが増強したため心臓カテーテルを施行し,

Bandingのmigurationによる肺動脈分岐部狭窄を認 めた.PA indexは126(左右肺動脈径:各6mm)であっ た.その後3回のanoxic spellがあり,2歳5カ月時 に右modified Blalock−Taussig shuntを行った.4歳 時の心臓カテーテル検査でPA indexは237(肺動脈 径:右12mm,左8mm)と肺動脈の発育は十分であっ たが根治術は体重増加を待つこととなった.術前の心 臓カテーテル検査ではPA indexは前回と変わりはな かったが,左側肺血流は順行「生にBandingを通して僅 かに流れる程度でvascularityの減少を認めた.心臓 超音波検査で2度のTruncal valve regurgitationが 見られた.手術は体外循環下に心停止を用いて行った.

Truncal valveは三尖を有し右冠尖が逸脱し, sub−

commissural valvuloplastyと右冠尖のplicationに よる弁形成を行った.VSDは経右室切開にてパッチ閉 鎖し,肺動脈はshunt離断後両側肺門部まで十分に剥 離して狭窄部を自己心膜で形成した.右室流出路再建 は右室一肺動脈問の距離が遠く拡張した大動脈による 右肺動脈が圧迫されるため,Carpentier−Edwards vslved conduit)によるRastelli型手術を行った.

 結語:二期的に根治術を施行した総動脈幹症(1型)

の1例を経験した.本症例では心血管造影検査をret−

rospectiveに見ると2歳時には大動脈拡張も軽度で且 っ肺動脈右室流出路間より近いものでこの時期に根治 手術を行えば自己組織再建法を行い得たのではと思わ

れた.

 7.特別講演

  小児循環器疾患の診断,治療法の進歩     兵庫県赤十字血液センター所長

       二    詩

Presented by Medical*Online

参照

関連したドキュメント

であり、 今日 までの日 本の 民族精神 の形 成におい て大

並んで慌ただしく会場へ歩いて行きました。日中青年シンポジウムです。おそらく日本語を学んでき た

平成 28 年 7 月 4

ここでは 2016 年(平成 28 年)3

・カメラには、日付 / 時刻などの設定を保持するためのリチ ウム充電池が内蔵されています。カメラにバッテリーを入

北区では、地域振興室管内のさまざまな団体がさらなる連携を深め、地域のき

日本への輸入 作成日から 12 か月 作成日から 12 か月 英国への輸出 作成日から2年 作成日から 12 か月.

日本への輸入 作成日から 12 か月 作成日から 12 か月 英国への輸出 作成日から2年 作成日から 12 か月.