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アスファルト混合物発生材の再生資源化に関する研究

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Academic year: 2021

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(1)

Research on Renewable Materials of Modified Recycled Asphalt Mixture

Eiichi MACHIDA,Yousuke KANO,Hironori DOI and Yuzo KURIYAGAWA

5cm 10cm 10cm 5cm

P

5cm 5cm

シート ア スフ ァルト 混合物

30cm

ア ス フ ァ ル ト 混 合 物 発 生 材 の 再 生 資 源 化 に 関 す る 研 究

       日大生産工(院)○町田  栄一  日大生産工(院)加納  陽輔        日大生産工(院)  土井  啓徳  日大生産工  栗谷川  裕造

1. は じ め に  

現在,わが国では環境保全や資源の枯渇化・最終 処分場の逼迫などの観点から,あらゆる分野で資源の 有効利用が強く望まれている.道路舗装の分野におい ても例外ではなく,維持・修繕工事に伴って大量に発 生するアスファルト混合物発生材(以下,発生材)の 適正処理および有効利用 を積極的に進めていかなけ ればならない.過去の研究から再生アスファルト混合 物(以下,再生アス混)の性質として,流動抵抗性の 向上効果,耐水性の向上効果などが確認されているが , 一方では旧バインダーの硬化現象によりひび 割れ抵 抗性に欠け,長期供用下においての耐久性に課題があ ることが指摘されている.本研究では,以上のことを 踏まえ室内劣化発生材・供用劣化発生材を配合した再 生アス混(30%,50%,70%)に対して,改良・修繕工 法の一つである舗装用強化シート(以下,シート )を 用いて各種工学的試験を実施し,再生アス混に対する シート工法の有効性および的確な発生材混入率につい ての検討を行った. 

2. 供 試 体  

2 ‑ 1 . ア ス フ ァ ル ト 混 合 物  

本研究に用いた混合物はアスファルト舗装要綱に 記載されているStAs60〜80,最大粒径13mmの密粒度 アスファルト混合物で,発生材は供用中の物性劣化と 針入度指標において同程度とするため,室内で強制熱 劣化(70℃で 7日間)させた発生材と実際の現場から 採取した供用劣化発生材を重量比 で30%,50%,70%混入 させたものを 用いた.なお供試体の構成および名称は 表−1に示す通りで,混合物(新骨材のみ,室内劣化発 生材混入 ,供用劣化発 生材混入)に対し,それぞれシ ート挿入・非挿入の計14種類である.各試験用供試体 の作製は舗装試験法便覧に準じて行った.  

2 ‑ 2 . 舗 装 用 強 化 シ ー ト  

  舗装用強化 シートは再生アスファルト 混合物の破断

供試体名 配合材料名 発生材混入率 強化シート

V-N ×

V-S

S30-N ×

S30-S

S50-N ×

S50-S

S70-N ×

S70-S

K30-N ×

K30-S

K50-N ×

K50-S

K70-N ×

K70-S

新骨材

室 内 劣 化

供 用 劣 化

0%

30%

50%

70%

30%

50%

70%

表 ‑ 1   供 試 体 構 成 お よ び 名 称  

0.875mm

0.875mm 2.0mm 0.250mm

改 質 ア ス フ ァ ル ト プ レ グ ロ ン

硅 砂

図 ‑ 1   A P R シ ー ト の 構 成  

図 ‑ 2   単 純 曲 げ 試 験 概 略 図  

制御方法 位置制御

 載荷速度(mm/min) 50

試験温度( ℃) -10,0,5,10,15,20,30

養生時間 6時間以上

表 ‑ 2   単 純 曲 げ 試 験 条 件  

(2)

時のひずみを 考慮して,破断強度が高く,破断ひず みの小さい APR シート を用いた. シートの構成は 図‑1に示す通りであり,直角方向に引きそろえたガ ラス長繊維ポリプロピレンシートの両面に改質アス ファルトを塗工した複合シートである. 

3 .   試 験 方 法  

3 ‑ 1 . 標 準 ・ 水 浸 マ ー シ ャ ル 安 定 度 試 験  

  基本的 な混合物単体 での安定度の比較評価および 耐水性に関する比較評価を標準・水浸マーシャル安 定度試験より行った.試験方法および試験条件は,舗 装試験法便覧に準じて実施した. 

3 ‑ 2 . 針 入 度 推 定 試 験  

  再生骨材中 の旧バインダー の性状判定方法 として , マーシャル安定度試験を応用した針入度推定試験を 行った.試験方法および 試験条件は,プラント 再生 舗装技術指針に準じて実施した. 

3 ‑ 3 . ホ イ ー ル ト ラ ッ キ ン グ 試 験  

  流動抵抗性に関する比較評価として,室内シミュレ ーション試験の一つであるホイールトラッキング試験

(以下,WT試験)を行った.本試験でのシート挿入 位置は供試体底面とし,試験方法および試験条件は試 験法便覧に準じて実施した. 

3 ‑ 4 . 単 純 曲 げ 試 験  

  単純曲げ試験における破壊時の曲げ強度および曲げ ひずみより,ひび割れ抵抗性による比較評価を行った.

試験概略図ならびに試験条件は図−2,表‑2に示す通 りである. 

3 ‑ 5 . 繰 返 し 曲 げ 試 験  

  疲労特性に関する比較評価として 片振りによる繰 返し曲げ試験を実施した.供試体ならびに試験装置は 単純曲げ試験と同様のものを用い,試験温度10℃,荷 重制御により5Hzのh-sin波形を 載荷した.試験概略 図ならびに試験条件は図−3,表‑3に示す通りである. 

4 .   試 験 結 果 お よ び 考 察  

4 ‑ 1 . 標 準 ・ 水 浸 マ ー シ ャ ル 安 定 度 試 験  

標準・水浸マーシャル安定度試験結果を図‑4,図‑5 に示す.グラフより,室内・供用劣化発生材ともに混入 率増加に伴うマーシャル・水浸安定度の上昇傾向が確認 された.また,残留安定度に関しては両発生材ともに

50%混入までは上昇傾向が見られたが,混入率 70%にお

5cm

30cm

8cm 8cm 8cm 5cm

P/2 P/2

シート 3cm

アスファ ルト混 合物 3cm

図 ‑ 3   疲 労 試 験 概 略 図  

制御方法 荷重制御

波形 h-sin波形

周波数(Hz) 5

試験温度( ℃) 10

養生時間 6時間以上

表 ‑ 3   疲 労 試 験 条 件  

88 88

91

92

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0

0% 30% 50% 70%

混入率(%)

マーシャル安定度(kN)

86 87 88 89 90 91 92 93

残留安定度(%)

マーシャル安定度(kN ) 水浸マーシャル 安定度(kN)

残留安定度(%)

86 90

88

89

0.0 5.0 10.0 15.0

0% 30% 50% 70%

混入率(%)

マーシャル安定度(kN)

84 85 86 87 88 89 90 91

残留安定度(%)

マーシャル 安定度(kN) 水浸マーシャル 安定度(kN)

残留安定度(%)

図 ‑ 4   標 準 ・ 水 浸 マ ー シ ャ ル 安 定 度  

(室内発生材) 

図 ‑ 5   標 準 ・ 水 浸 マ ー シ ャ ル 安 定 度  

(供用発生材) 

(3)

いて低下することから,再生混合物のバインダーの硬 化現象により靭性が低下することが考えられる.ただ し,残留安定度の基準値である 75%以上は十分満足し ている. 

4 ‑ 2 . 針 入 度 推 定 試 験  

  発生材混入率と針入度の関係を図‑6に示す.グラフ より双方の発生材ともに 発生材混入率の増加に伴う 針入度の減少傾向が認められ,再生バインダーの硬化 現象が確認された. 

4 ‑ 3 . ホ イ ー ル ト ラ ッ キ ン グ 試 験  

  図‑7,8は各供試体の動的安定度(以下,DS)およ

び圧密変形量を示したものである.DS を基準供試体で あるV-Nを1として比較すると,室内発生材では約1.7

〜3.0 倍,供用では約 3.1〜6.8 倍の増加が確認され,

さらにシートを挿入することで約 1.5倍程度の増加と なった.また,圧密変形量について同様に比較すると,

発生材混入率の増加に伴い変形量が減少傾向になる ことが確認された. 

4 ‑ 4 . 単 純 曲 げ 試 験  

  図‑9,10,11,12は各供試体における破壊時の曲げ 強度および,ひずみと温度の関係を示したものである.

室内劣化発生材および供用劣化発生材ともに 発生材 混入により 5℃程度の破壊温度の上昇が確認され,グ ラフの傾向より再生混合物は感温性が低くなること が確認された.以上より,再生アス混単体ではひび割 れ抵抗性に欠け,たわみ追従性に劣るということが認 められたが,シート挿入により各温度 で2〜7Mpa程度 の曲げ強度の増加ならびに曲げひずみの向上効果が 確認された. 

 4 ‑ 5 . 繰 返 し 曲 げ 試 験  

  図‑13 は繰返し曲げ試験における破壊回数と破壊時

の累積変形量を示したものである.V-N,V-S の比較よ り,シート挿入により 破壊回数が増加することからシ ート工法の有効性 が認められた.また,両発生材とも に,シート非挿入供試体では発生材混入率の増加に伴 い破壊回数と累積変形量の減少傾向が確認されたが,

シート挿入供試体 では双方の発生材 ともに混入率 50%

までは破壊回数が増加することが確認された.しかし,

混入率 70%において破壊回数が減少する傾向となるこ

とから ,発生材混入率の増加に伴う靭性の低下が認めら れるが,V-Sと比較して同等以上の値を示している. 

20 25 30 35 40 45

R0 R30 R50 R70

混入率(%)

針入度

供用劣化発生材 室内劣化発生材

図 ‑ 6   推 定 針 入 度  

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

V-N K30-N K50-N K70-N V-S K30-S K50-S K70-S 供試体名

動的安定度(回/mm)

0.00 1.00 2.00 3.00 4.00 5.00 6.00 7.00

圧密変形量(mm)

DS(回/mm) 圧密変形量(mm)

0 500 1000 1500 2000 2500 3000

V-N S30-NS50-N S70-N V-S S30-S S50-SS70-S 供試体名

動的安定度/mm

0.00 1.00 2.00 3.00 4.00 5.00 6.00 7.00

圧密変形量(mm)

DS(回/mm) 圧密変形量(mm)

図 ‑ 7   動 的 安 定 度 お よ び 圧 密 変 形 量  

(室内劣化発生材) 

図 ‑ 8   動 的 安 定 度 お よ び 圧 密 変 形 量  

(供用劣化発生材) 

図 ‑ 9   曲 げ 強 度 と 温 度 の 関 係  

(室内劣化発生材) 

0 2 4 6 8 10 12 14 16

-15 -5 5 1 5 2 5 35

温度(℃)

破壊時強度(Mpa

V-N V-S S30-N S30-S

S50-N S50-S S70-N S70-S

(4)

5 . ま と め 

(1)標準・水浸マーシャル 安定度試験および針入度 推定試験より,室内・供用劣化発生材ともに旧バイン ダーの硬化現象による針入度 の低下ならびに安定度 の増加傾向が認められた.また,混入率 70%において は残留安定度が小さくなることが確認された.(2)WT 試験より,発生材の混入およびシート挿入による流動 抵抗性の向上効果,圧密変形量の抑制効果が確認され た.(3)単純曲 げ試験より,シート 挿入による 再生ア ス混の曲げ強度の増加ならびに,ひび割れ抵抗性の向 上効果が確認された .(4)繰返し曲げ試験より,シー ト挿入による耐久性の向上効果,ひび割れ抵抗性の改 質効果が確認された.しかし,混入率 70%においては 破壊回数が減少傾向になることから 靭性の低下が大 きいと考えられる. 

6 . 総 合 評 価  

  本研究より,室内および供用劣化発生材の対比にお いて同等の試験結果が得られ,再生アス混に対してシ ート工法が有効であることが推察でき,実路において の有効性 が大いに期待できる.しかし,発生材の混入 率を多くしていくことにより靭性の低下が懸念される ことから,カンタブロ試験やラベリング試験等により 骨材飛散抵抗性,磨耗抵抗性等を考慮した混入率の検 討がさらに必要であると考えている.今後の課題とし て,実路を考慮した試験条件によるデータの蓄積と解 析,再生添加剤あるいは各種改質アスファルトでの比 較検討,舗装発生材の再々利用対しての検討が必要で ある. 

<参考文献> 

1)(社)日本道路協会:アスファルト舗装要綱,舗装試験法 便覧,プラント再生舗装技術指針 

2)Y,KURIYAGAWA:Aproposal for the Application of Reinfocement Sheeting to Ensure Effective Use of Reclaimed AshaltPavement,JournalofPavementEnginieering.JSCEVOL.8,pp 107-114,2003

3)吉野正弘:アスファルト混合物発生材の再資源化に関す る研究,土木学会第59回年次学術講演会,2004,5‑652

4)栗谷川裕造:「繰返し曲げ試験による舗装用混合物の材 料定数推定に関する研究」,土木学会論文集,第564号,V-35,

pp211-220,1997

0 2 4 6 8 10 12 14 16

-15 -5 5 15 25 35

温度(℃)

破壊時強度Mpa

V-N V-S K30-N K 3 0 - S

K50-N K 5 0 - S K70-N K 7 0 - S

図 ‑ 1 0   曲 げ 強 度 と 温 度 の 関 係  

(供用劣化発生材) 

0.0000 0.0100 0.0200 0.0300 0.0400 0.0500 0.0600 0.0700 0.0800 0.0900 0.1000

-15 - 5 5 15 25 35

温度(℃)

破壊時jのひずみ

V-N V-S R30-N R30-S

R50-N R50-S R70-N R70-S

0.0000 0.0200 0.0400 0.0600 0.0800 0.1000

-15 -5 5 15 25 35

温度(℃)

破壊時jのひずみ

V-N V-S R30-N R30-S

R50-N R50-S R70-N R70-S

図 ‑ 1 1   ひ ず み と 温 度 の 関 係  

(室内劣化発生材) 

図 ‑ 1 2   ひ ず み と 温 度 の 関 係  

(供用劣化発生材) 

100 1000 10000 100000 1000000

V-N R30-N R50-N R70-N V-S R30-S R50-S R70-S 供試体名

破壊回数(回)

0.00 0.50 1.00 1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 4.50

累積変形量(mm)

室内劣化 破壊回数 (回) 供用劣化 破壊回数(回 ) 室内劣化 累積変形量(mm) 供用劣化 累積変形量(mm)

図 ‑ 1 3   破 壊 回 数 と 累 積 変 形 量  

参照

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