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Academic year: 2021

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学生時代と図書館

学生時代と図書館 61 61

− 図書館探し −

谷 村  緑

 中・高校生の時の図書館の利用方法というと、閲覧室での読書や図書の貸出・返却ではなく、自習室で の学校のテスト勉強や試験勉強が主だったように思います。大学生の頃は、図書館の本がもう少し身近に 感じられるようになりました。しかし、専門書ではなく小説ばかり読んでいたように思います。私の通っ ていた大学の図書館は、グループ研究室などもある、本を読むための環境・設備が非常に整った図書館で した。専門書も充実しており、卒業後の現在も利用しています。

 その後、イギリスの大学の修士課程に入学しましたが、私が選んだコースは、英語教授法や第二言語習 得研究・学習理論に基づく教材開発などを学ぶ実践的なコースでした。私は、アサインメントの資料収集 のためによく図書館を利用しました。イギリスの図書館は遅くまで開いており、朝の4時まで自由に使え ました。併設のコンピュータ室は24時間開いており、多数の学生が利用していました。日本の図書館で は考えられないことだったので驚きましたが、可能な限り場所と設備を提供し、学生・研究者の育成に取 り組んでいたのだと思います。

 帰国後、第二言語習得について更に研究を深めるために博士課程に入学しました。その大学は、言語学 分野の本は多数そろえていましたが、教授法や外国語学習、言語習得研究の本は少なかったように思いま す。その頃、私は、大学院に通いながら、他の大学で非常勤講師をしていました。複数の大学で図書館が 利用できる環境でしたので、大学によって異なる図書館の特性を感じ取ることができました。2つの大学 で働いていましたが、どちらの図書館の蔵書も質・量ともにすばらしく、また、本の分類や検索に手間の かからない、利用者側に立った設計が成されていました。具体的にいうと、A大学の図書館の場合、製本 された雑誌のバックナンバーが見やすく並べられた階があり、書庫に入る手続きを必要としませんでした。

必要としている本を探すのにとても時間の短縮になり、研究を有意義に進める一つの要素だったと思いま す。B大学の図書館の場合は、書庫に入る手続きは必要でしたが、書庫内にも検索用のコンピュータが設 置してあり、目的の本を容易に見つけることができました。また、書庫にもかかわらず、外の緑の木々が 見え、長時間過ごしても、全く苦痛ではありませんでした。閉鎖的な空間でなく、開放的なイメージがと ても印象的でした。他の大学にはありませんでしたが、その大学の書庫にはトイレまで設置されていました。

 また、私が居住する地域のC大学の図書館は、市民に一般開放されており、地域に即した図書館づくり を実行していたように思います。必要としていた心理系の図書や雑誌がたくさん備えられており、休日で も気軽に利用できる図書館でした。A、B、Cの図書館ともに温度・湿度管理が適格になされており、本に 対しての丁寧な扱いが伺えます。

 当然のことながら、大学の図書館にはその大学の特性を生かした本や雑誌がそろえてありますので、こ の大学ではこの関係の資料を収集し、一方の大学では別の関係の資料を収集するというように使い分けを し、文献を集めています。最近では、インターネット上の電子ジャーナルや研究者のホームページにアッ プされている論文なども積極的に利用しています。

 よい図書館とは、身近で行きたくなるような蔵書・設備・環境を有しているかどうか、そして、図書館 側の質の高いサービスや本に対する心得にかかっていると思います。学生のみなさんには、色々なことに 興味を持ってもらい自分のお気に入りの図書館を探し、マナーを守って使いやすい空間を作っていただき たいですし、図書館側には、魅力ある環境づくりをお願いしたいです。

      たにむら みどり(講師・応用言語学)

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