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九州大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2022

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

ユニバーサルミュージアムの基本的要件とその評価 と活用方法に関する研究

平井, 康之

https://doi.org/10.15017/1654989

出版情報:Kyushu University, 2015, 博士(芸術工学), 論文博士 バージョン:

権利関係:Fulltext available.

(2)

(様式6-2)

氏 名 平井 康之

論 文 名 ユニバーサルミュージアムの基本的要件とその評価と活用方法に関 する研究

論文調査委員 主 査 九州大学 教授 森田 昌嗣 副 査 九州大学 教授 都甲 康至 副 査 九州大学言語文化研究院 教授 岩永 省三

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

博士(芸術工学)の学位申請のために提出された本論文は、ユニバーサルミュージアム評価項目 を明らかにするために、ユニバーサルデザイン、ユニバーサルミュージアムに関する文献から、ユ ニバーサルミュージアムに関する要件を整理・比較し、その課題と評価項目を抽出し、抽出された 評価項目から、今後のユニバーサルミュージアム評価に必要な項目を構築し、検証することを目的 とした論文である。そこで、この論文は、第1には、ユニバーサルミュージアムの基本的要件を明 らかにすること、第2に、その基本的要件を受けて、ユニバーサルミュージアム評価手法とその検 証することの、大きく2つの目的に分けて論を展開している。

第1の目的である「ユニバーサルミュージアムの基本的要件」を明らかにするために、調査によ りユニバーサルデザインが 7 原則をもとにした「使いやすさ(ユーザビリティ)」に中心を置くデザ イン方法であり、博物館の「アクセスのしやすさ」の解決に向いていること、他方ユニバーサルミ ュージアムは、「多様な鑑賞体験」に重点があることを調査によって示している。具体的には、ユニ バーサルミュージアム特有の項目として「五感を活かした知覚鑑賞をサポートしているか」などを 評価視点としての基本的要件を明らかにしている。

そして第 2 の目的であるユニバーサルミュージアム評価項目の構築とその検証については、外部 評価、自己評価、第三者評価の3つの異なる評価の比較を行い、3 つの評価を比較調査している。

まず障害者差別解消法等、国レベルから文部科学省、博物館協会へつながる外部評価では、博物館 の果たすべき多様な市民への合理的配慮の必要性を示している。また自己評価を知るため、先進事 例 4 博物館の実施内容を比較調査し、展示についての「展示空間でハンズ・オン等鑑賞をサポート するハード」は 4 館とも行われているが、「人やソフト」の対応には、ばらつきがあることを抽出し ている。学習・普及については、「ユニバーサルミュージアムやユニバーサルデザインの教育・普及 を行っている」については4館とも行われているが、「ユニバーサルミュージアムやユニバーサルデ ザインの職員研修」は実施されていなかったなど、博物館自身による自己評価項目が明確ではない ことも示している。第三者評価のユーザー評価については、チェックリストに比べ、ユーザーごと の気づき、主要な問題点、解決策が揃っていることで、個別の美術館、多様なユーザー体験双方を 反映し、具体的な解決策を導きやすい可能性などを示唆している。以上の 3 つの評価を総合的に分 析し、今後のユニバーサルミュージアム評価に必要な項目を抽出している。その項目について多様 なユーザーによる評価調査を行い、ユニバーサルミュージアム評価項目の有効性の検証を行い、ユ ニバーサルミュージアム項目とユニバーサルデザイン項目を総合した評価項目を構築することによ って、ユーザータイプごとに優先順位を提示している。

(3)

本研究は、今後のユニバーサルミュージアムが普及していく上で、国内の博物館の多数を占める 中小規模博物館でも運用可能な評価手法と活用方法を提示した貴重な内容であると高く評価できる。

審査委員会合議の結果、博士(芸術工学)にふさわしい高度なレベルにあるものとして判断した。

参照

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