コミュニケーション工 学 B
Communication Systems Engineering B
山田 博仁
光ファイバー通信入門
2012
年1/23, 1/30, 2/6
講義分講義資料のダウンロード
http://www5a.biglobe.ne.jp/~babe
1/23 、 1/30 、 2/6 3 回分の講
1.
講義の目的:
光ファイバー通信のしくみを理解する義内容
2.
講義内容1
日目・ インターネットを支える光ネットワーク
・ 光通信とは
?
、電気通信との相違、光通信の歴史・ レーザーとコヒーレント光、光通信には何故レーザーが必要か
? 2
日目・ 光通信の要素デバイス
(
光ファイバー、LD
、PD
、光変調器、光 増幅器など)
・ レーザーの原理、半導体レーザ
(LD)
・ 光ファイバーにおける光伝搬、導波モード、分散
3
日目・ 光伝送システム
(
分散管理、中継技術、信号多重化技術)
・ 光変調方式と光多重化方式・ 光ネットワーク
3.
成績評価毎回の講義に関するレポート点の合計
(20
点満点) 4.
参考書末松安晴、伊賀健一共著、光ファイバ通信入門、オーム社 伊藤弘昌 編著、フォトニクス基礎、朝倉書店
5.
質問等E-mail: [email protected]
、電気系2
号館203
号室以下について述べよ。
(
本日の講義後に提出) (6
点満点)
1.
スマートフォンなどの携帯情報端末の普及により、今国内の ネットワークにどんな問題が起きているのか?
定量的に述べ よ。2.
波長1μm
のレーザー光を、直径10m
のビームにして月に送っ た場合、月面でのビーム径はどのくらいになるか?
3.
電気通信と光ファイバー通信との構成上の違いについて述べ よ。4.
光ファイバー通信用の光源としては、発光ダイオード(LED)
よりもレーザーを用いる方が望ましい。それは何故か?
本日 (1/23) のレポート問
題
出展
: http://premium.nikkeibp.co.jp/ftth/part2/top_f.html
身近になった光ファイバー 通信
FTTH(Fiber To The Home):
フレッツ光(NTT), au
ひかり(KDDI)
などがサービスを光回線終端装置 (左
)
とルーター (右
)
AV
機器のデジタル入出力ケーブルAV
機器のデジタル入出力ケーブルとコネクタ身近になった光ファイバー
マンションなどの集合住宅では、共有部分まで光ファイバーを敷設し、
通信 ONU
で光から電気信号に変換した後、その先の各住戸までは電話回線を利用するVDSL
方式が用いられている集合住宅などの
VDSL(Very high speed Digital Subscriber Line)
方式NTT
東日本 フレッツ光HP
より出展
:
総務省 平成23
年版 情報通信白書国内におけるブロードバンド契約者数の 推移
ADSL
やCATV
に代わってFTTH
が急激に伸びているブロードバンド インターネット契約者数の推移
※) VDSL
はFTTH
の分類に含まれるhttp://www.jpix.ad.jp/en/technical/traffic.html
ネットワーク上を飛び交うデータ量の 増加
国内のある基幹ネットワークノード
(1
台)
が処理しているデータ量の推移2
倍/2
~3
年最近では約
2
~3
年で倍増傾向データ量
(G bi t/ s)
月
/
日/
年2
倍/
年昨日 1/22( 日 ) の IP トラフィッ
クの変化
国内のインターネット トラフィック総量は、
2008
年末に1Tbps
を突破国内のネットワーク トラフィック の推移
現在もなお、年率
40%
で増加ネットワーク機器の電力消費の予
国内のインターネット トラフィックは年率
測 40%
で増加 ネットワーク機器の消費電力もそれに伴い増加すると仮定す ると、2020
年頃には、2007
年の年間総発電量を超える見通 しhttp://www.aist-victories.org/jp/about/outline.html
海底光ケーブル 網
出展
http://www1.alcatel-lucent.com/submarine/refs/index.htm
光 Universal Bus Interface “Light Peak”
Light Peak
はIntel
が提唱する新ユニバーサル バスインターフェースの規格Light Peak
の光送受信チップ光ファイバーにより
10G
双方向通信を実現、5
年以内に100G
へソニー
VAIO Z
に搭載USB3.0 vs Light Peak( 光ケーブ ル )
USB3.0 Light Peak (Intel)
最大データ転送速度
5Gbps,
全二重伝送距離
3m
ケーブル径
ϕ6mm
電力伝送
(Bus Power) 5V, 900mA
10Gbps ,
全二重100m
ϕ125μm(4
本)
不可
出荷開始時期
2009
年に市場投入済2011
年 後方互換性USB1.1
やUSB2.0
なし光ファイバ シールド銅線
伝送媒体
* USB
機器の現在の出荷台数:
年間約30
億台次世代ユニバーサル シリアルバス規格の比較
2011
年、Apple
はThunderbolt(
開発コードネーム:Light Peak)
インター フェースを搭載したMac
を製品化した適用分野が広がりつつある光通 信
Active optical cable (
光トランシーバー)
サーバーのBackplane
サーバーの筺体間データ通信は、今や電気から光へ
通信と は
情報を送り手から受け手に伝えること
情報の送り手 情報の受け手
Alice Bob
情報の搬送媒体
便箋、はがき 電流、電波
手紙を書く 手紙を読む
情報を搬送媒体に載せる 搬送媒体を送る 搬送媒体から情報を取り出す
郵便システム 電話
搬送媒体 送る手段
マイクロフォン イヤフォン、スピーカ
波動を用いる各種通信方 式
有線
無線
情報搬送媒体
(carrier)
重力波
電波
(
電磁波)
音波音波
電流
(
電磁波)
光(
電磁波)
光
(
電磁波)
機械振動光ファイバー通信
電話、インターフォン 糸電話
伝声管
会話
携帯電話
光通信
重力波通信
衛星間光通信 腕木通信
狼煙 手旗信号
アマチュア無線航空・船舶無線 デジタル
AV
機器FTTH
海底光ケーブル
衛星通信 導波機構の有無
(
導波機構無、自由空間伝搬
)
用途
(
導波機構有)
通信方式
船内、潜水艦内通信
電気通信
無線通信
腕木通信塔
教材
自由空間伝搬による光通
ビル間光通信
信 http://www.icsa.gr.jp/system/index_03.htm
大学キャンパス内 レーザ光通信システム
(Canon)
衛星間光通信
NICT
小金井本部の光地上局実験衛星「きらり」による衛星間光通信実験に成功
(H18
年 3 月)
衛星間光通 信
Ex.)
波長1μm
のレーザー光を、直径1m
のビームにして月に送った 場合、月面でのビーム径はどのくらいになるか
?
ただし、月までの距離は約
38
万km
である答 直径約240m
ガウスビーム波の広がり角 rad
w 0 2
2w 0
2Δθ λ:
光の波長) / exp(
) 0 ( )
( r I r 2 w 0 2
I
ガウスビーム波
r
強度分布w 0 :
ビームウエストサイズレンズ焦点でのビームスポッ ト径
f a
レンズの開口数
(Numerical Aperture: NA)
sin n NA
f :
焦点距離a :
レンズの有効半径n :
媒質の屈折率(
空気中の場合は1)
焦点でのビーム径
f
f n
w
sin 2 2
n
f 2w 0
2w f
θ f < θ
Ex.)
波長1μm
のレーザー光を、NA=0.5
のレンズの有 効径を フルに活用して絞った場合、どの程度まで絞れ るか?
答 直径約1.3μm
レーザー光は、波長程度のビームスポット径にまで絞ることができる波面
電気通信のしく み
発振器 変調 復調
同軸ケーブル電線 伝送路
電気信号 搬送波に情
報を載せる
搬送波を作る 搬送波から
情報を取り 出す 搬送波
:
情報搬送の担い手情報の送り手
情報の受け手
光ファイバー通信の構 成
光源 レーザー
LED
、電球光検出器 復調 光変調 光ファイバー
LN
変調器 伝送路EA
変調器 フォトダイオード(PD) APD
光信号 電気信号
電子回路 搬送波は光
情報の送り手 情報の受け手
xxxx
xxxx
電子デバイス/
回路光デバイス
電磁波の波
光ファイバー通信には、波長
長 1μm
前後の近赤外域を使用可視光域
1
.広帯域(
高速、大容量通信が可能)
シリカ光ファイバーの伝送帯域
>100 THz (THz = 10 12 Hz)
1
本の光ファイバーで、数十Tbps(Tbps
は10 12 bit/sec
のこ と)
以上の高速伝送が可能。最近、
69.1Tbps, 240km
の光伝送にも成功(NTT)
参考
)
同軸ケーブルの帯域:最大でも10GHz
程度2
.長距離伝送が可能中継間隔
同軸ケーブル:数
km
~10km
光ファイバー:
100km
以上の無中継伝送も可能3
.漏話が少ない、電磁誘導の影響を受けない光ファイバーは非導電性であるため、外部からの電磁誘導ノ イズ の影響を受けない。また、光ファイバー自体からの電磁波の 放射も 無いので、光ファイバー間の信号干渉が少ない。
4
.多重化が容易光ファイバーが細く軽量のため、多芯化、長尺化が可能
光ファイバー通信の特 長
171Gbps
の信号を432
波長多重光ファイバー通信の歴
年 代 人または機関
史
事 項1962
年IBM, GE, MIT(
米)
半導体レーザの発振ルビーレーザ
, He-Ne
の発振1960
年Maiman(
米), Javan(
米)
川上
,
西澤(
東北大) Graded-index
型光ファイバーの発明1955
年Townes(
米), Schawlow (
米),
光メーザーの着想Basov(
ソ)
ら1976
~79
年1970
年 林, Panish
ら(
米) AlGaAs
半導体レーザ室温連続発振電電公社
,
藤倉電線(
日) 1968
年シリカ光ファイバー伝送損失が
0.2dB/km
に光ファイバー増幅器の発明と実用化
1980
年代NEC,
富士通,
日立,
東工大他 通信用半導体レーザの開発と高性能化1957
年 渡辺,
西澤(
東北大)
半導体による超短波増幅・発振のアイデア1930
年代Lamb(
独)
、関(
日本)
石英ファイバー(
ロッド)
による光伝送1970
年代NEC,
電電公社,
日立,
半導体レーザの長寿命化、発振安定化三菱
(
日), Bell
研(
米), STL(
英)
1990
年代Southampton
大(
英), NTT(
日)
Kao, Hockham(
英)
低損失シリカ光ファイバーの可能性示唆1966
年光ファイバー通信の要素デバイ ス
光検出器
(PD, APD)
デバイス 役 割
半導体レーザー 光ファイバー
光合分波器
光スイッチなど
搬送波としてのコヒーレン トな光を発生させる。さら に、搬送波に情報を載せる ための光変調も可能
光信号を導く伝送路
光増幅器 伝送中に減衰などで弱く なった光信号を光のまま増 幅する
搬送波に載っている情報 を電気信号として取り出 す
光信号を分配したり、光の 経路を切り換えたりするも の
イメージ
光ファイ バー
住友電工
http://www.sei.co.jp/news/press/02/prs221_s.html
光ファイバーの伝送損失
通信用シリカ光ファイバー
伝搬損失
< 0.2dB/km @ λ=1.55 μm
光ファイバー低損失化の歴史
光ファイバーの構 造
光ファイバー 屈折率分布
n 2 n 1
n 1 >n 2
コア クラッド3000
心光ケーブル 石英ガラスor
プラスチック シリコン樹脂で被覆
コア
クラッド
光ファイバー素線
光ファイバー芯線
ナイロン繊維で被覆
1
本光ファイバー
光ファイバーの製
母材製造(プリフォーム
) 法
出展
: Wikipedia
VAD
(Vapor phase axial deposition:
気相軸付け)法レーザーとコヒーレン
光搬送波になるべく多くの情報を乗せるためには、コヒーレントな光が望ましい
ト光
コヒーレントな光を人工的に発生させる装置がレーザー
コヒーレントとは、波の位相が揃った状態。高スペクトル純度、良好な収束性を有する
自然界に存在する光は全てインコヒーレント光
例
:
太陽光、炎から出る光、蛍の光、白熱電球、蛍光灯、LED
コヒーレント光t
光の 電 界
f
又はλ
光 の 強 度
インコヒーレント光
(
コヒーレントでない)
t
光の 電 界
f
又はλ
光 の 強 度
時間的コヒーレンス空間的コヒーレンス
何故コヒーレント光が望ましい のか
インコヒーレントな電磁波を用いた初期の通信
1887
年ヘルツは誘導コイルによる火花放電式電磁波発生器を発明1896
年マルコーニ(Marconi
)は、ヘルツの電磁波発生器にアンテナと アースを付けて2.5km
の無線電信に成功出展
: http://www.geocities.jp/hiroyuki0620785/intercomp/wireless/transatrananticexp.htm
その後真空管が発明されて、コヒーレントで強力な電磁波が発生できるよう になり、通信距離が比較的に延びることとなる
1905
年日本海海戦において、ロシア・バルチック艦隊の発見が「敵艦見 ユ」と無線電信で通報され、日露戦争の勝利を導く糸口となった軍艦三笠に搭載の三六式無線電信機は、明治
36
年(1903)
旧制二高の木村駿 吉教授が開発。送信機は火花放電、受信機はコヒラー検波器を使ってコイル 駆動で記録紙に出力するもので、80
海里(
約150km)
以上の通信到達距離を達成 出展
: http://blog.zaq.ne.jp/rootakashi/article/163/
電磁ノイズによる通信
インコヒーレント通信とコヒーレント通信 の違い
インコヒーレント通信 コヒーレント通信
搬送波スペクトル 数
Hz
搬送波スペクトル
変調周波数
>>
搬送波のスペクトル線幅 変調周波数<
搬送波のスペクトル線幅変調後のスペクトル 単一周波数による振幅変
調
変調後のスペクトル
(
殆ど変化していない)
コヒーレントな電磁波を用いる利点
コヒーレントな電磁波はスペクトル純度が高い
(
つまり、単一周波数)
の で、受信機において、周波数同調(
選択)
を行い、狭帯域の信号増幅を行 うことにより、微弱な信号でも受信できる。(
長距離伝送が可能)
スペクトル純度が高く、占有スペクトル幅が不必要に広がらないので、同 一周波数帯を多くのチャンネルで共用できる。
(
周波数利用効率が高い)
スペクトル純度が高く搬送波の位相が揃っているので、より早い速度での 変調が可能。また、位相や周波数を変調することも可能となり、高い伝送 レートでの信号伝送が可能。(
送れる情報量が多い)
スペクトル純度が高い
(
単一周波数)
ので、狭帯域の指向性アンテナなど を用いることができ、特定の方向にのみ強く信号を送ることができる。つ まり、伝送の指向性が高い。(
長距離伝送が可能)
何故コヒーレント光が望ましい のか
このように、コヒーレントな電磁波を用いる通信は、インコヒーレントな電 磁波を用いる場合に比べて多くの利点を有している。従って、白熱電球や
LED
のようなインコヒーレント光を用いるよりも、レーザのようにコヒーレ ント光を用いる方が望ましい。コヒーレントな電磁波の発 生法
真空管やトランジスタによる発振器 周波数
~ 数十
kHz
数十
kHz
~ 数百kHz
クライストロン、マグネトロン
Gunn
ダイオード メーザー各種レーザー
SOR (synchrotron orbital radiation)
低周波長波 電磁波の呼び名
マイクロ波 ミリ波
THz
波 赤外光 可視光 紫外光X
線 電波
中波 短波 超短波
数百
kHz
~ 数MHz
数MHz
~ 数十MHz
数百
MHz
~ 数GHz
数十GHz
数百
GHz
~10 13 Hz
数十MHz
~ 数百MHz
パラメトリック発振器 量子カスケードレーザー 光
10 13 Hz
~3.8×10 14 Hz
3.8×10 14 Hz
~
8×10 14 Hz 8×10 14 Hz
~10 18 Hz
10 18 Hz
~コヒーレント電磁波の発生法
レー ザー
レーザとは、光の発振器
光増幅媒体 光の正帰還回路
鏡 レーザー 光増幅媒体とはどのようなものか
?
Amp.
電気の発振器 正帰還回路
+
二準位系
(
原子など) E 1
E 2
電子など
光の吸収 誘導放出 自然放出
減衰 増幅
入射光 出射光 入射光 出射光
発光 物質
(
原子系)
と光との相互作用以下の3
つの課程が同時に起きている熱平衡状 態
熱平衡状態では、吸収の確率
>
誘導放出の確率となり、入射光は減衰して出てくる 正味では減衰吸収
誘導放出
吸収 吸収
n 2 :
励起状態の原子数n 1 :
基底状態の原子数E 1
E 2
Maxwell-Boltzmann
分布kT E
e E
P ( )
P(E) E
熱平衡状態では、励起準位の原子 数は基底準位の原子数よりも少な い
k:
ボルツマン定数T:
媒質の温度n 1 > n 2
誘導放出の起きる確率
= Bn 2 I
吸収の起きる確率= Bn 1 I
I:
入射光の強度B:
アインシュタインのB
係数 自然放出の起きる確率= An 2 A:
アインシュタインのA
係数Bn 1 I > Bn 2 I
反転分 布
レーザーとは、何らかの方法で反転分布を作り出し、放射の誘導放出
(Stimulated emission)
を用いて光を増幅する装置反転分布では、誘導放出の確率
>
吸収の確率となり、入射光は増幅されて出てくる 正味では増幅誘導放出 吸収
誘導放出 誘導放出
n 2 :
励起状態の原子数n 1 :
基底状態の原子数 反転分布E 1 E 2
kT E
e E
P ( )
P(E) E
励起準位の原子数が基底準位の原 子数よりも多い状態を反転分布と いう
T
が負(
負温度状態)
n 1 < n 2
Bn 1 I < Bn 2 I
電子
ホール
p
型n
型半導体レー
半導体レーザー
(Laser Diode: LD) ザー
光を増幅する媒体が半導体からなり、pn
接合への電流注入により、電子の反転分布状態を作り出せる 特徴:
・ コンパクト(
チップ本体は0.3mm
角程度)
・ 取り扱い容易
(
乾電池2
本程度で動作可能)
・ 直接変調で数Gbps
の高速変調が可能・ 高信頼性
(
通信用のInGaAsP
レーザは100
万時間以上の寿命に)
・ 安価(FTTH
用LD
はチップコストで数百円、CD
用LD
は数十円に)
出展
: www.phlab.ecl.ntt.co.jp/master/04_module/002.html
へき開面(
鏡面)
チップの構造
半導体レーザの発振特 性
縦多モード発振
Fabry-Perot (FP)
共振器レーザー
発振スペクトル2
枚の平行に向き合った鏡によるFP
型光共 振器によって正帰還が得られ発振するレー ザーへき開面
(
鏡面)
FP
レーザーの構造 発振波長間隔L n eff 2
2
0
λ
0:
発振波長の中心値n
eff:
実効屈折率L :
素子長λ 0 Δλ
単一縦モード発振
分布帰還
(DFB)
型レーザー出展
: www.matsuoka-lab.imr.tohoku.ac.jp/purposes.html
回折格子による
Bragg
反射により、光の分布 帰還が得られ、Bragg
波長近傍の単一波長 で発振発振スペクトル
DFB
レーザーの構造 発振波長Λ :
回折格子の周期n
eff:
実効屈折率
2 n eff
回折格子
光変調器
半導体レーザの直接変調 光変調器
電界吸収
(EA)
型光変調器LiNbO 3 (LN)
によるMZI
型光変調器半導体レーザの電流
-
光出力(I-L)
特性 光信号変調信号
(
電気)
電流光 出 力
40GbpsEA
変調器(
沖電気)
化合物半導体などの
pn
接合に逆バイア スを印加すると、印 加電界によって光吸 収特性が変化し、こ れを利用して光の強 度変調を行うものLiNbO
3(LN)光変調器(
住友大阪セメント)
LN
は、電圧を印加すると屈折率が変化 する電気光学(E-O)
効果を有している。LN
による光導波路によってMach- Zehnder(MZ)
型の光干渉計を構成 し、屈折率変化に よる光の位相変化 を強度変化に変換 して光変調を行う もの
光検出 器
PIN
フォトダイオード(PIN-PD)
アバランシェ フォトダイオード
(APD)
ホール 電子
p +
n +
i
逆バイアスされたpn
接合に光が照射されると強度に比例した光電流が取り出せる
逆バイアス状態の半導体
pin
接合基本的には
PIN
フォトダイオードと同じであるが、アバランシェ効 果により、光電流を増倍するしくみを有している(
高感度)
n +
i p +
光電流 光
電極 電極
光
光増幅 器
半導体光増幅器
光ファイバー増幅器
半導体レーザーの両端面に無反射 膜を形成するなどして、光共振器 をなくしたもの
(
光の正帰還がか からなくなるのでレーザー発振はしない
)
半導体レーザーチップ無反射加工
無反射加工
ラマン増幅器
光ファイバに非常に強い励起光を入射すると、石英ガラスの分子振動エネ ルギーに対応して、励起光波長より
100 nm
程度長い波長域に光利得が得ら れるEr
添加光ファイバー増幅器コアに、エルビウム(Er 3+
)などの希土類を添加Er 3+
の準位 光増幅器の構成波長
980nm
などの光で励起すると波長
1.54 μm
付近に光増幅利得発生
光合分波 器
50 mm
Arrayed Waveguide Grating (AWG)
Arrayed Waveguide Grating
AWG
の動作原理 1 2 N
スラブ導波路光を波長によって分ける
(
分光器あるいは分波器)/
多波長の光を束ねる(
合波器)
コア クラッド
Si
基板0.5 m 0.5 m
石英光導波路
この一本一本が このような光導 波路からなる
光スイッ チ
電気制御
-
光スイッチ(
光の経路を切り換えるが、ON-OFF
の制御は電気で行う)
光制御
-
光スイッチ(
光-
光スイッチor All
光スイッチ)
ON-OFF
制御も光でやる現在研究開発中 将来の全光信号処理システムに使われるかも
?
スイッチング機構 特 徴
メカニカル
(MEMS)
熱光学
(T-O)
効果その他に、磁気光学
(M-O)
型、音響光学(A-O)
型などもある電気光学
(E-O)
効果nS
オーダーの高速切換え高価
mS
オーダーの遅い切換え速度 安価mS
~ S
オーダーの切換え速 度比較的安価Port1 Port2
入力ファイバー
出力ファイバー
入力
1
入力
2
出力2
出力1
ヒーター
+
電界印加
-
光導波路の構 造
光ファイバー 屈折率分布
n 2 n 1
n 1 > n 2
コアクラッド
スラブ導波路 屈折率分布
n 1
n 2 n 1 > n 2
コア クラッド
光導波路が光を導くメカニ ズム
Snell
の法則1 2 2
1
sin sin
n
n
n 2
n 1
φ 1 φ 1
2
入射波屈折波 反射波
n 1 < n 2
の場合全反射
全反射
全反射
n 1
n 2
n 2 n 1 > n 2
φ 1 φ 1
φ 2
入射波屈折波 反射波
n 2 n 1
n 1 > n 2
の場合全反射
1 1 2
cos n n
c
臨界角
c
2θ max
開口数
: NA= sin(θ max )
光が伝搬可能な入射角度の範囲放射モード
c
全反射 角
従って、
n 1
とn 2
との差が小さい時、全反射角θ c
は以下の式で与えられる コアとクラッド界面での全反射角θ c
は、前スライドの臨界角より
1 cos 1 2
sin 2
1 2 2 2 1 2
1 2 2
n n n n
n
c
c
1 1 2
cos n n
c
で与えられるが、
ここで、 と置いたが、
2 Δ
は比屈折率差と呼ばれている1 2 2 2 1
2n n n
] rad [ 2
2
sin 1
c
さらに、導波路が受け入れることのできる受光角
(2θ max )
は、1
max 2
sin
NA n
2 sin ( sin ) 2 sin 2 2 2
2 max 1 n 1 c 1 n 1 n 1
また特に、 を開口数
(Numerical Aperture)
という導波路内での光伝 搬
n 1 n 2
n 2 n 1 > n 2 ϕ
ϕ
ϕ
ϕ: Goos-Hänchen Shift
k 0 n 1 θ
k 0 n 1 cosθ k 0 n 1 sinθ
真空中での伝搬定数
: k 0 =2π / λ (λ:
波長)
、媒質中ではk 0 n 1
コアN an
k
4 0 1 sin 2 2
a
-a
N:
モード番号(0, 1, 2 ‥‥ )
クラッドへの光の浸み出し
光の伝搬と垂直方向の伝搬定数成分
(k 0 n 1 sinθ)
に対して、以下の式が 成り立つ時、光伝搬と垂直方向に定在波ができる光の伝搬方向の伝搬定数成分
β
は、 β = k0 n 1 cosθ
光が伝搬方向に伝わる速度は、 であり、
v g
を 群速度(Group Velocity)
という(c
は光速度)
cos n 1
v g c
導波モードと定在
N = 0 波
Δϕ = 0
N = 1
2π
N = 2
4π
E
E
E
モード番号
N
は、横方向の強度分布における節の数を表す入射角 度
モード番号がある値よりも大きくなると、全反射条件が満たされなくなり
、伝搬できなくなる。つまり、伝搬可能なモードは、以下の条件を満たす
。
c
N
] rad [ ) , 2 , 1 , 0 (
) 1 2 (
sin
0 1
N N
a k
N n
N
従って、モード番号
N
に対する入射角度θ N
は、N an
k sin N 2 N 2
4 0 1
光伝搬と垂直方向での定在波条件の式より、モード番号
N
に対する入射角度θ N
は、ここで、
Goos-Hänchen Shift
の値ϕ N
は一般的には入射角度θ N
の関数に なるが、θ N
が全反射角θ c
よりも十分に小さい場合には、 と 近似できる。
N
従って、導波路内を伝搬可能なモード番号の最大値
N max
が存在し、以下の 条件を満たす。c
N
max
モードの 数
導波路内を伝搬可能なモード番号の最大値
N max
は以下の式で与えられる。) 1 ) (
2 1 (
max
N V
ここで
V
は、V
パラメータ或いは規格化周波数と呼ばれている
k 0 a n 1 2 n 2 2 k 0 an 1 2 V
N max
よりも大きなモード番号のモードは伝搬できないので、カットオフにあると言う導波路の分散関係
v g
群速度
曲線の傾きは
v g /c
で 、群速度に対応 モードによって群速度の値は異なるβ
ω/c (k 0 )
1/n 1 1/n 2
カットオフ領域
(
放射モード)
N=0
N=1 N=2
N=3
単一モード条件
: V < π /2
光ファイバーの種 類
単一モード モード数
多モード
屈折率分布 材 料 特 徴、用 途
コア
:
石英ガラスクラッド
:
石英ガラスコア
:
石英ガラスクラッド
:
石英ガラス コア:
プラスチッククラッド
:
プラスチックコア
:
石英ガラスクラッド
:
石英ガラス光ファイバー通信網に幅広く使 用
(
海底、幹線、メトロ、加入者 系)
様々な光部品
(
光スイッチ、光 合分波器、光増幅器など)
に加 工されて使用接続や取り扱いが容易なので
、
AV
機器用データ通信に利 用短距離の光伝送、光インターコ ネクション
(
コンピュータ、ス トレージ筐体間データ通信)
、 接続容易一部の光ファイバー通信網で使用
(
接続が容易なので主にLAN
用)
比較的高価コア
:
屈折率n 1 5
~10μm
コア
:
屈折率n 1
約50μm
n 2
n 2
コア径約
50μm
屈折率分布
Graded Index
型Step Index
型Step Index
型光ファイバーにおける導波 モード
Step Index
型多モード光ファイバー
k 0 an 1 2
V 2
1 2 2 2 1
2n n n
V
パラメータ
n 1 n 2 2a
2 2
8 V M
導波モードの数
V≦2.4
単一モード条件ファイバー内の基本モード
(HE 11 )
パターン出典
:
末松安晴、伊賀健一共著、光ファイバ通信入門、オーム社光ファイバーの分 散
モード分散
(Mode Dispersion)
多モード光ファイバーにおける分散伝搬モードによって群速度
v g
が異なる光パルスの幅が広がるため、符号間干渉が起こり、符号識別誤りが起こる モード
1: v g1 v g1 > v g2 > v g3
モード
3: v g3
モード2: v g2
入射光パルスは複数のモードに分配されて伝搬していく
モード 1 を伝搬 してきた光パル ス モード
2
モード
3
伝搬モードによって群速度が異なるため、光パルスの出射時刻が異なる
波長分散
Chromatic Dispersion
偏波モード分散
Polarization Mode Dispersion
単一モード光ファイバーにも存在する分散石英ガラスの材料分散 母材の石英ガラスの屈折率が波長に依存 導波路の構造分散 導波路の伝搬定数が波長に依存
光ファイバーの分 散
1 : v g1 2 : v g2 3 : v g3 v g1 < v g2 < v g3
波長によって群速度が異なるため、出射光パルスの時間幅が広がる 入射光パルスが多波長成分を有すると
ファイバーにねじれなどがあると、直交する
2
つの偏波モードの縮退が解け、2
つのモード間で群速度に違いが生じるようになる光ファイバーの波長分 散
単一モード光ファイバー
(SMF)
の波長分散出典
:
末松安晴、伊賀健一共著、光ファイバ通信入門、オーム社光ファイバーの伝搬損失と分散特性
通常の
SMF
では、波長約1.31μm
において、材料分散と構造分散が打ち消し合いゼロ分散 となる
通常の
SMF
は、波長約1.31μm
においてゼロ分散とな るが、伝搬損失は波長1.55μm
付近で最小となる様々な分散特性を有する光ファイ
分散シフト光ファイバー
(Dispersion Shift Fiber: DSF) バー
逆分散光ファイバー
(Reverse Dispersion Fiber: RDF) DSF
の構造・単純ステップ型
・
2
重コア/セグメントコア型分散フラット光ファイバー
(Dispersion Flat Fiber: DFF)
ノン零分散シフト光ファイバー
(Non-Zero Dispersion Shift Fiber: NZ-DSF)
ゼロ分散となる波長を、1.55μm
帯にシフトさせた光ファイバー分散補償光ファイバー
(Dispersion Compensation Fiber: DCF)
単一モード光ファイバー
(SMF)
の分散を補償するためのもので、SMF
とは 逆の符号の大きな分散を有する単一モードファイバー
(SMF)
と全く逆の分散特性を有する広い波長域に渡り分散をフラットにしたファイバー
WDM
用途のため、分散を完全には零にせず、使用波長域で若干の分 散を持たせたもの偏波保持
(
保存)
光ファイバーその他の光ファイ バー
プラスチック光ファイバー
(POF)
PANDA: (polarization-maintaining and absorption reducing)
型ファイバーHE 11even
モードとHE 11odd
モードの伝搬定数差が大きく、少々の外乱では両モード間に結合が生じな いため、ファイバーの固有偏波方向と一致する光 を入射させるとその偏波が保存されたまま伝搬す る
HE
11x モードHE
11yモードコア断面が真円か ら歪んでいたり、
特定方向に応力が かかると基本モー
ドの縮退が解ける
PANDA
型ファイバーの断面850nm
波長帯での短距離光リンク用に開発された光ファイバーで、AV
機器のデジタルデータ伝送用ケーブルとして身近になっている 高非線形光ファイバー
波長変換やラマン効果など、非線形光学効果を利用するための特殊な光ファイバー コア
フォトニック結晶光ファイ
バー T. A. Birks et al., 12B3-1 OECC2000
1.
高屈折率コア型Holey Fiber
特徴: ・ 分散量を自由に設計可能・ 高効率非線形光学効果利用可
2.
低屈折率コア型( コアが空気
)
Photonic Bandgap Fiber
特徴: ・ コアが空気なので非線型効果小 ・ 超低損失材料の必要は無い分散補償技 術
電気的分散補償
(Electronic Dispersion Compensation)
光学的分散補償・分散補償光ファイバー (
Dispersion Compensation Fiber
)・分散補償素子
単一モード光ファイバー
(SMF)
とは逆符号の大きな分散を有する光ファイ バーで、(
長さに応じて)
大きな分散でも広帯域に補償できる。補償可能 分散量は光ファイバーの長さで決まり、固定。波長分散の補償のみに対し て有効(
偏波モード分散には効果無し)
様々なタイプのものが有るが、比較的小さな分散を補償可能。補償す る分散量を可変できるものも有る。ただし、応答速度は比較的遅い
比較的小さく、時々刻々変化する分散量を電気的信号処理により補償 可能。高速応答。偏波モード分散にも効果有り
原理
:
伝送路としての光ファイバーとは逆の分散特性を有するデバイスを接 続する ことにより、伝送路である光ファイバーの分散を打ち消すもの分散補償デバイスとしては、以下のものがある
以下の中から、いずれか
2
つを選んで述べよ。1
問について、
A4
レポート用紙1
枚程度を目安とする。(7
点満点)
1.
半導体レーザについて簡単に述べ、また、半導体レーザが光 通信用の光源として特に優れている点についても述べよ。2.
光ファイバーの中を光が伝搬するメカニズムについて述べよ。特に、導波モードとは何かについては詳しく記述せよ。
3.
光ファイバー伝送中に光信号波形が歪む要因について述べよ。特に、分散が生じるメカニズムについては詳しく記述せよ。
本日 (1/30) のレポート問 題
提出期限
: 2/6(
月)
の講義開始前各種光伝送方式
強度変調
-
直接検波(Intensity Modulation - Direct Detection: IM-DD)
方式初期の光通信から用いられている方式で、現在でも最も広く用いられている方 式であるが、光のコヒーレンス性はあまり利用していない。従って、低ビット レートであれば発光ダイオード
(LED)
などを光源に用いることもあり、赤外線 リモコンなどの伝送方式がこれにあたる。アナログ変調方式
コヒーレント光伝送方式
CATV
による映像のアナログ伝送や、マイクロ波の光伝送、リモートアンテナなど、ごく限られた用途で用いられている
光のコヒーレンスをより積極的に利用する先進的光伝送方式。光の振幅、周 波数、位相などに情報を載せる
ASK, FSK, PSK
などがある。IM-DD
方式に 比べて受信感度が改善されたり、周波数利用効率に優れたり、多くのメリッ トがあり、今後、主流になっていくものと思われる。光源としては特に位相 雑音の少ない(
スペクトル線幅の狭い)
レーザー光が求められる。強度変調 - 直接検波光通信方
強度変調
-
直接検波(Intensity Modulation - Direct Detection: IM-DD) 式
方式現在の光通信で広く用いられている方式。光のコヒーレンス性はあまり利用し ていない
電流
光信号
LD
のI-L
特性光 出 力
変調信号
(
電気)
PD
による直接検波LD
の強度変調検波出力信号
(
電気) PD
変調信号
LD (
電気)
光ファイバー
光ヘテロダイン検 波
周波数弁別器 局部発振光
IF
アン プ/
フィルターベースバンド 復調器
LD
信号光合波器
(BS)
受光器(PD)
信号光は局部発振光と混合
(
合波)
されて共に受光器に入る 光ヘテロダイン検波回路のブロック図通常、
LD
の発振波長(
周波数)
は揺らいでいるため、LD
からの局部発振光 と信号光との周波数差(
中間周波数)
をモニターし、局部発振LD
の駆動電流 にフィードバックをかけることにより、局部発振光LD
の発振波長を信号光 にロックする光PLL
などの手法が用いられるコヒーレント光伝送方式では、光ヘテロダイン