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ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)の 概要と現状
東急建設(株) 山口仁士
(2018.3.22 NF研究会にて紹介)
-目次-
• 01.建築における地球環境・エネルギー施策の現状
• 02.ZEBとは
• 03.東急建設のZEBチャレンジ
• 04.将来展望
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【目的】
• 世界共通の⾧期目標として、産業革命前からの平均気温の 上昇を2℃より十分下方に保持。 1.5℃に抑える努力。
01.地球環境・エネルギー施策の現状① COP21:パリ協定締結
キーワード①
【日本におけるCO2削減対策】 (日本の約束草案)
•
2030年度に2013年度比26.0%の温室効果ガス削減
2015.12
01.地球環境・エネルギー施策の現状①
出典:H29年版 環境・循環型社会・生物多様性白書
14.08億トン
10.42億トン
2.81億トン
(memo)環境省⾧期ビジョン:2050年度80%削減目標
参考資料
Copyright(C) Tokyu Construction. All rights reserved. 出典:H29年版 環境・循環型社会・生物多様性白書を基に作成
0 100 200 300 400 500
1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030
CO2排出量[百万t-CO2] 産業部門
運輸部門
業務その他部門 家庭部門
エネルギー転換部門
▲6.5%
▲27.6%
▲39.8%
▲39.3%
▲27.7%
(商業・サービス・事業所等)
01.地球環境・エネルギー施策の現状①
部門別CO2排出量
業務その他部門 約40%削減
参考資料
01.地球環境・エネルギー施策の現状② エネルギー基本計画
キーワード②
【日本における省エネ目標】
• 各部門における省エネルギー対策の積上げにより、5,030万kℓ程度の 省エネルギーを実現する。
•
業務部門は1,226万kℓ程度
2014.4.11
~2020年まで:新築公共建築物でZEB実現
~2030年まで:新築建築物の平均でZEB実現
ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)実現目標
建築物関連で取組める対策の一つ
地球温暖化対策計画 エネルギー基本計画
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01.建築における地球環境・エネルギー施策の現状③ 建築物省エネ法
キーワード③
2017.4.1施行
【規制措置】
–
2,000㎡以上の建築物 の省エネ法適合義務化
【誘導措置】
– 建築物のエネルギー性能 表示の努力義務
⇒ 省エネでない建築物は建てられない!!
出典:国土交通省住宅局 建築物省エネ法の概要(http://www.mlit.go.jp/common/001178846.pdf)
01.地球環境・エネルギー施策の現状③
参考資料既存建築物も基準適合表示可能 法第36条認定、行政庁認定マーク
基準レベル以上の省エネ性能
法第7条に基づくラベル
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エネルギー基本計画 抜粋
【第2節 徹底した省エネルギー社会の実現と、スマートで柔軟な消費活動の実現】
1.各部門における省エネルギーの強化
(1)業務・家庭部門における省エネルギーの強化
(略)
さらに、省エネルギー性能の低い既存建築物・住宅の改修・建て替えや、省エネルギー性能等も含めた総合的な 環境性能に関する評価・表示制度の充実・普及などの省エネルギー対策を促進する。また、新築の建築物・住宅の 高断熱化と省エネルギー機器の導入を促すとともに、より高い省エネルギー性能を有する低炭素認定建築物の普及 促進を図る。
政府においては、公共建築物のほか、住宅やオフィスビル、病院などの建築物において、高断熱・高気密化や高効 率空調機、全熱交換器、人感センサー付LED照明等の省エネルギー技術の導入により、ネット・ゼロ・エネルギー の実現を目指す取組を、これまでに全国で約4,000件支援してきているところである。
今後は、このような取組等を通じて、建築物については、2020年までに新築公共建築物等で、2030年ま でに新築建築物の平均でZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)を実現することを目指す。
また、住宅については、2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEH
(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の実現を目指す。さらに、こうした環境整備を進めつつ、規制の必要性や程度、
バランス等を十分に勘案しながら、2020年までに新築住宅・建築物について段階的に省エネルギー基準の適 合を義務化する。加えて、生活の質を向上させつつ省エネルギーを一層推進するライフスタイルの普及を進める。
参考資料
地球温暖化対策計画 抜粋
【第2節 地球温暖化対策・施策】
1.温室効果ガスの排出削減、吸収等に関する対策・施策
(1)温室効果ガスの排出削減対策・施策
① エネルギー起源二酸化炭素 部門別(産業・民生・運輸等)の対策・施策 B.業務その他部門の取組
(b) 建築物の省エネ化
○新築建築物における省エネルギー基準適合義務化の推進
○既存建築物の省エネルギー化(改修)
○ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)の推進
ZEBの実現と普及拡大を目指して、病院や学校等の主要な施設用途別のZEBのガイドライン作成等 を行い、普及を促進する。こうしたZEBの普及促進を通じて、2020年までに新築公共建築物等で、
2030年までに新築建築物の平均でZEBを実現することを目指す。
○低炭素認定建築物等の普及促進
○省エネルギー・環境性能の評価・表示制度の充実・普及促進
参考資料
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02.ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)とは
引用:経済産業省資源エネルギー庁 ZEBロードマップ取りまとめの概要資料より
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/zeb_report/pdf/report_160212_ja.pdf
経済産業省資源エネルギー庁の「ZEBロードマップとりまとめ」(2015.12)の中で、ZEBの定義・評価方法を整理
≒ 0
① ②
02.ZEBとは (ZEBの定義・評価方法)
①エネルギーを極力必要とせず、上手に使う建築物
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引用:経済産業省資源エネルギー庁 ZEBロードマップ取りまとめの概要資料より
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/zeb_report/pdf/report_160212_ja.pdf
②エネルギーを創る建築物
02.ZEBとは (ZEBの定義・評価方法)
(ZEB定義のイメージ)
02.ZEBとは (ZEBの定義・評価方法)
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一次エネルギー消費量の計算方法
引用:国土交通省住宅局 建築物省エネ法の概要パンフレット(平成29年4月)より http://www.mlit.go.jp/common/001204678.pdf
参考資料
【エネルギーの削減量は?】
建築物の計画(室等の配置、外皮の熱的性能、設備の性能等)の 工夫をエネルギー消費性能の観点から評価
基準値:室用途別、地域別に定められた基準一次エネルギー消費 量原単位(単位床面積あたりの基準一次エネルギー消費 量が定められている。(平成11年度の省エネ基準相当)
設計値:実際に設計した仕様において計算 これらを「標準的な室使用条件」において比較する
建築研究所:平成28年省エネルギー基準に準拠したエネルギー消費性能の評価に関する技術情報 https://www.kenken.go.jp/becc/building.html#4-1
全国のZEB建物と設計ガイドライン
全国で53件
参考資料
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03.東急建設のZEBチャレンジ
動画で紹介します
建築ストックと建築の現状
28.6 39%
19.5 26%
12.9 18%
8.4 11%
2.6 4%
1.6
2% 500m2未満
500~1,000m2未満 1,000~2,000m2未満 2,000~5,000m2未満 5,000~10,000m2未満 10,000m2以上
【棟数】
新築数(H28統計) 72,966棟 ストック数(H25統計) 930,590棟
⇒新築は全体の7.8%程度
【面積】
新築着工面積(H28統計) 44,796 千㎡
ストック面積(H25統計) 1,326,610 千㎡
⇒新築は全体の3.4%程度
参考資料
民生業務用の延床面積別棟数の割合 万棟
万棟
2,000㎡以下:61万棟 全体の83%
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04.将来展望
2030年まで残すところ12年 いつやるの?
だけれども。。。。
本当にやらなくてはいけないこと
→ ZEBを建てることや設計上のZEBではなく
実際に使っている状態での最大限の省エネ、脱炭素化
04.将来展望
設計事務所・ゼネコンの現状
①ZEBを含めて省エネ技術の開発、省エネ設計のノウハウ蓄積を日々進めてい ます。(社会的責任としてというよりは、他社との差別化として。)
②費用対効果の優れた技術の提案・設計・施工ができます。
(イニシャルコストが下げられるよう最大限に努力します。)
③ただし、できるのは建物性能の確保と、建物の使い方の提案までです。
⇒いくら性能が良い建物を造っても、運用方法によってはいくらでもエネル
ギーを消費(浪費)することができる。
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04.将来展望
省エネルギーの最後の砦は消費者
どんなに高効率な設備を実装しても、結局最終的には使用者、利用者の使い方によって その効果が発揮されるか眠ったままになるかが決まってしまう。
利用者:当然ながら、建物の利用目的は仕事をする、買い物をするなどが目的で あって、 「省エネにしに行く」わけではない。労働者は快適に仕事がしたいと いうのがニーズのはず。
「健康増進」「知的生産性向上」「働き方改革」等、一緒に取り扱われることが多いが、
今回は分けて報告します。
省エネは、無意識に行われている必要がある。
では、省エネ行動をどのようにして促すか?
省エネ行動に耐えうる建築・設備計画とは?
←情報通信分野?の方へのお願い←設計者の範疇
(住宅は別でもいいかもしれませんが、)
業務用建物の場合は一緒に考えていく必要があると思っています。
04.将来展望 省エネ行動の一例として、ナッジという考え。
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(出典)三菱電機:昇降機ー入退室連携
http://www.mitsubishielectric.co.jp/security/products/solution/collabo04/
04.将来展望
待ち時間が減る。
↓自分の時間が増える
ぎゅうぎゅうになって乗らなくていい
↓精神衛生上よい
かつ、間接的な便益として
省エネを実現できるシステム 無意識に行われる省エネの一例?
04.将来展望
Near Future →
消費者個々人が省エネルギーを考えずとも、自動的に省エネルギー
(エネルギーの最適利用)が実現される時代が訪れる。。。か?
Near Future →
消費者個々人が省エネルギーを考えずとも、自動的に省エネルギー
(エネルギーの最適利用)が実現される時代が訪れる。。。か?
建築物は受注生産品で、かつ「異種産業」「多種企業の製品」が同居しています。
建物のなかの多種多様な「もの」が結びついて、ひとまとまりのサービスを提供するものです。
将来展望として、
建築設備等の機器自体がスマート化することは前提ですが、
IoT技術等を駆使し、無意識のうちに利用者が省エネ行動をとるための仕組みや、その他 のサービス(健康性向上・働き方改革等)を提供することが可能な建物が、おそらく真の ZEBであって、脱炭素化社会に向かう方法のひとつ。
「建築技術者だけ」が建物をつくる時代ではなくなってきている
(室内温熱環境・空気質、使いやすいとか)