2010年11月30日 山田光太郎
幾何学特論第二講義資料
88
対称性(続き)
8.1
対称性
前回の状況を考える.すなわち,
(8.1) f = Re
∫ z z0
(1−g2,√
−1(1 +g2),2g) ω=
∫ z z0
ϕ dz+
∫ z z0
¯
ϕ dz, ϕ= 1 2
(1−g2,√
−1(1 +g2),2g) η
と表されている極小曲面をかんがえる .ただし,zはリーマン面Σ上の複素座標,ω=η dz. このとき,z平 面上のなめらかな曲線z=z(t)(z˙6= 0)に対してγ(t) :=f◦z(t)とする.
ある実数τ,θ に対してガウス写像g のz(t)上への制限が
(?) g(
z(t))
=a ? g( z(t))
a=√
−1
(e−iθcosτ −sinτ
−sinτ −eiθcosτ )
を満たしているとき「g はz(t)上で条件(?) を満たす」いうことにしよう.前回みたように,これは,曲面 の単位法線ベクトル場ν が
n= (cosτcosθ,cosτsinθ,sinτ)
に直交することと同値である.
定理8.1. 以上の状況でq=q(t) =gz
(z(t)) η(
z(t))
{z(t)˙ }2 とするとき,
• γ(t)が直線となるための必要十分条件は,gがz(t)上で条件(?)をみたし,さらにz(t)上でqが純虚 数となることである.
• γ(t)が直線でない平面曲線かつ(適当にパラメータを取り替えれば)曲面上の測地線となるための必要 十分条件は,g がz(t)上で条件 (?)をみたし,さらにz(t)上でqが実数となることである.
8.2
定理の証明
補題8.2. 以上の状況で
˙
γ= ˙z ϕ+ ˙¯zϕ,¯ γ¨= 2 Re [(ηz
η ( ˙z2) + ¨z+ ¯g q (1 +|g|2)η
) ϕ−qν
]
が成り立つ.ただしν は曲面f の単位法線ベクトル場である*1.
2010年11月30日
*1 前回の講義資料にtypoがありました.ご指摘下さった方,ありがとうございました.
幾何学特論第二講義資料8 2
■γ が直線となる条件 空間曲線γ=γ(t) が直線となるための必要十分条件はγ˙ とγ¨ が一次従属となるこ とである.したがって,補題8.2 よりReq= 0がしたがう.さらに,Req= 0ならγ˙ と¨γ が平行であるこ とがわかる(問題).
■γが平面測地線となるための条件 曲線γ がベクトルnに垂直な平面に含まれているならばγ˙ とnは直 交する.このことから
ηz˙= 1
(−sinτ g+√
−1e−√−1θ)2η¯z˙¯
が得られる.
問題
8-1 この講義の状況で,曲線z(t)上でg= ¯g かつq+ ¯q= 0のとき,γ˙ ×γ¨= 0であることを示しなさい.