Database Center for Life Science Online Service [Department of Molecular Physiology, The Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science, Honkomagome,

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● 総 説 ●

昆虫のインスリン族ペプチドの分子構造と機能部位

イ ンス リンとの比較・

永田宏次 ・鈴木昭憲 ・稲垣冬彦

カイコの脳ペプチド,ボ ンビキシンは,無 脊椎動物で最初に見いだされたインスリン様

分子である。近縁の蛾,エ リサンに対し前胸腺刺激ホルモン様活性を示し,脳 摘出により

成長の止まった蝿の成虫化をひき起こす。インスリンと40%の アミノ酸相同性を有するが,

交差活性はない。脊椎動物のインスリン族ペプチ ドとの分子構造および機能部位の比較の

ために,ボ ンビキシンの立体構造 を核磁気共鳴法により決定 し,そ の受容体認識部位を構

造活性相関から特定した。その結果,(1)ボンビキシンはB鎖C末 端領域を除いてインスリ

ンと同様の3次 構造を有すること,(2)ボンビキシンはA鎖N末 端 ・A鎖C末 端 ・B鎖中央

領域から構成される2つ の分子表面で受容体を認識すること,(3)ボンビキシンとインスリ

ンの受容体特異性はB鎖 中央領域およびC末 端領域のアミノ酸残基側鎖の違いに起因する

ことが明らかになった。

Keywords

イ ンス リン族ペ プチ ド】 【

核磁 気共 鳴 】 【

立 体構 造解 析 】

構造 活性相 関 】

は じめ に 昆 虫 の 脱 皮 ・変 態 は ホ ル モ ン に よ っ て 支 配 され て い る(図1a)。 脳 の 神 経 分 泌 細 胞 で 生 産 さ れ る 前 胸 腺 刺 激 ホ ル モ ン(脳 ホ ル モ ン)は 前 胸 腺 を刺 激 し て,直 接 諸 組 織 に 働 く前 胸 腺 ホ ル モ ン を 分 泌 させ,蛹 化 と成 虫 化 と を ひ き起 こ す 。 幼 虫 時 の 脱 皮 は,脱 皮 ホ ル モ ン(前 胸 腺 ホ ル モ ン)と 幼 若 ホ ル モ ン(ア ラ タ体 ホル モ ン)の 共 同 作 用 で ひ き起 こ さ れ る 。 この うち 脱 皮 ホ ル モ ン と幼 若 ホ ル モ ン と は1960年 代 に化 学 構 造 が 決 定 され,そ れ ぞ れ ス テ ロ イ ドお よ び テ ル ペ ン の 一 種 で あ る こ とが 明 ら か に さ れ た1,2)。一 方,前 胸 腺 刺 激 ホ ル モ ン は ご く微 量 で 精 製 が 難 航 し た が,養 蚕 業 の お か げで 大 量 供 給 可 能 なカ イ コBombyxmoriを 抽 出材 料 に 用 い た 石 崎 ・鈴 木 の グ ル ー プ が 単 離 に成 功 し た3∼6)。 彼 らは 最 初,生 物 検 定 に カ イ コ よ り飼 育 の 容 易 な 近 縁 種 の エ リサ ンSamiacynthiariciniを 用 い た(図1 b)7)。 エ リサ ンの 除 脳蛹 に カ イ コ の脳 を移 植 し た り,カ イ コ の 脳 抽 出液 を 注 射 し た りす る と,カ イ コ と同 様 に 成 虫 化 が 誘 導 され る こ と から,カ イ コ の 脳 ホ ル モ ン は エ リサ ン に 対 し て も種 非 特 異 的 に有 効 で あ る と判 断 し た た め で あ っ た 。20年 余 り に わ た る精 製 の の ち,1982 年 に 彼 らが 単 離 した 活 性 物 質 は,カ イ コ脳 由 来 で あ る に もか か わ らず エ リサ ン に の み 有 効 で あ り,カ イ コ に は無 効 で あ っ た8)。 「カ イ コ の 脳 ホ ル モ ン は種 非 特 異 的 に カ イ コ ・エ リサ ン両 者 の 前 胸 腺 刺 激 活 性 を もつ 」 と KojiNagata,FuyuhikoInagaki,(東 京 都 臨 床 医 学 総 合 研 究 所 生 理 活 性 物 質 研 究 部 門(〒113東 京 都 文 京 区 本 駒 込3-18-22)

[Department of Molecular Physiology, The Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science, Honkomagome, Bunkyo-ku, Tokyo 113, Japan]

Akinorisuzuki,東 京 大 学 大 学 院 農 学 生 命 科 学 研 究 科(〒113東 京 都 文 京 区弥 生1-1-1) [Graduate School of Agricultral Bioscien-ces, The University of Tokyo, Yayoi, Bunkyo-ku, Tokyo 113, Japan]

Tertiary Structure and Functional Sites of Bombyxin, an Insect Insulin-like Peptide : Comparison with Those of Insulin

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48 蛋 白 質 核 酸 酵 素Vol.41No.10(1996) 図1昆 虫 変 態 の ホ ル モ ン 支 配(a)と ボ ン ビ キ シ ン の 生 物 活 性 検 定(b) (a)前 胸 腺 は 脳 神 経 分 泌 細 胞 で 生 産 さ れ る前 胸 腺 刺 激 ホ ル モ ンの 刺 激 に よ り,脱 皮 ホ ル モ ン を分 泌 す る。 ア タ ラ体 細 胞 か らは 幼若 ホル モ ン が分 泌 さ れ,変 態 の 進行 を抑 制 す る 。(b)エ リサ ンの 幼 虫 が蛹 に な っ たの ち,24時 間 以 内 に 脳 を 外科 的 に 取 り除 き,傷口 をワ ック ス で封 じて,人 工休 眠蛹 を得 る。 検 体 を注 射 して 蛾 に なれ ば前 胸 腺 刺 激 活 性 が あ る こ と が わ か り,蛹 の ま ま 眠 り続 け れ ば な い こ とがわ か る。 注射 後4∼6日 で はね の ア ポ リシ ス(脱 皮 の 兆 候 と して最 も 早 く現 わ れ る形 態 変 化 で,は ね の クチ ク ラ と気 管 の 分 離 と して解剖顕 微 鏡 下 に観 察 で き る)を 見 て 結 果 を 判 定 す る こ とが で き る。 した 彼 ら の 当 初 の仮 定 は誤 りで あ り,「 カ イ コの 脳 に は, カ イ コ に は 有 効 だ が エ リサ ン に は無 効 の 前 胸 腺 刺 激 ホ ル モ ン と,エ リサ ン に は有 効 だ が カ イ コ に は無 効 の 前 胸 腺 刺 激 ホ ル モ ン様 活 性 物 質 との 両 方 が 存 在 す る」 こ とが 明 ら か に な っ た 。 彼 らは,そ の 後,カ イ コ除 脳蛹 を 生 物 検 定 に 用 い て, 前 胸 腺 刺 激 ホ ル モ ン の 精 製 を あ ら た め て 進 め,1987年 に単 離 した3)。1次 構 造 決 定 の 結 果,カ イ コ の前 胸 腺 刺 激 ホ ル モ ン は,109ア ミノ酸 残 基 のペ プ チ ド鎖 の ホ モ2 量 体 で あ り3,9∼11),シス チ ン-ノ ッ ト成 長 因 子 族[神 経 成 長 因 子(NGF),ト ラ ン ス フ ォ ー ミ ング 成 長 因 子(TGF-β),血 小 板 由 来 増 殖 因 子(PDGF-BB)や 絨 毛 性 性 腺 刺 激 ホ ル モ ン(CG),黄 体 形 成 ホ ル モ ン(LH),  胞 刺 激 ホ ルモ ン(FSH),甲 状 腺 刺 激 ホルモ ン(TSH)と い っ た 成 長 因 子 や ホ ル モ ン を含 む]に 属 す る こ とが 明 らか にな っ た12)。昆 虫 の 脳-側 心 体-ア ラ タ体 系 に見 られ る神 経 分 泌 は,解 剖 学 的 ・生 理 学 的 に 脊 椎 動 物 の 視 床 下 部-下 垂 体 系 の そ れ と類 似 して お り,両 系 の 生 産 す る ホ ル モ ン の 分 子 構 造 が 共 通 し て い る と い う事 実 は興 味 深 い 。 エ リサ ンに 前 胸 腺 刺 激 ホ ル モ ン様 活 性 を 示 す 物 質 は, カ イ コの 学 名Bombyxmoriに ち な ん で ボ ン ビキ シ ン と 名 づ け られ た 。1次 構 造 決 定 の 結 果,20残 基 のA鎖 と 28残 基 のB鎖,3対 の ジ ス ル フ ィ ド結 合 に よ り構 成 さ れ,イ ン ス リ ン に類 似 す る こ とが 明 ら か に な っ た(ヒ トイ ン ス リ ン と の ア ミ ノ 酸 相 同 性 はA鎖50%,B鎖 32%)13∼15)。 無 脊 椎 動 物 で 初 め て 見 い だ され た イ ンス リ ン 族 ペ プ チ ドで あ る(図2)。 現 在 で は,蛾14,16)以 外 に も,海 綿17)・貝18)・バ ッ タ19)で イ ン ス リ ン様 分 子 の存 在 が 示 さ れ て い る が(図2),こ れ らの 生 理 機 能 は い ま だ 不 明 の ま ま で あ る。 ボ ン ビ キ シ ン は,エ リサ ン除 脳蛹1匹 あ た り0.1ng (血中 濃 度3×10-11M)を 注 射 す る こ と で 成 虫 化 を誘 導 し,培 養 液 中 に 取 り出 し た エ リサ ン 前 胸 腺 に 対 して も 1×10-11Mで 有 意 な 脱 皮 ホ ル モ ン放 出 促 進 を示 す20)。す な わ ち,体 液 中 の ほ か の 因 子 に 依 存 せ ず,エ リサ ン前 胸 腺 上 の 受 容 体 に直 接 結 合 す る こ と に よ り,前 胸 腺 刺 激 ホル モ ン様 活 性 を発 現 す る。1次 構 造 の類 似 したイ ン ス リンが まっ た く前 胸 腺 刺 激 活 性 を示 さな い ことか ら10), ボ ン ビ キ シ ン が,エ リサ ン 前 胸 腺 上 の 受 容 体(本 来 は, エ リサ ン の ボ ン ビ キ シ ン様 分 子16)の 受 容 体 で あ る と推 察 さ れ る)を 高 い親 和 性 で 特 異 的 に 認 識 し て い る こ と が 明 らか に な っ た 。 この ボ ン ビ キ シ ン特 有 の 活 性 に必 要 な構 造 要 因 を特 定 す る た め に,ボ ン ビ キ シ ン の主 要 分 子 種,ボ ン ビ キ シ ン-IIの 立 体 構 造 を 核 磁 気 共 鳴 (NMR)法 に よ り決 定 す る と と も に,構 造 活 性 相 関 か ら ボ ン ビ キ シ ン-IIの 受 容 体 認 識 部 位 を 特 定 し,得 られ た 立 体 構 造 と受 容 体 認 識 部 位 を 脊 椎 動 物 の イ ンス リン

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昆虫のイ ンス リン族 ペプチ ドの分子構造と機 能部位 49 図2無 脊 椎 動 物,脊 椎 動 物の イ ンス リン族ペ プチ ドの ア ミノ酸 配列 族 ペ プ チ ド,イ ン ス リ ン や リ ラ キ シ ン の も の と 比 較 し た 。 こ れ ま で 脊 椎 動 物 の イ ン ス リ ン 族 ペ プ チ ド に つ い て は,イ ン ス リ ン21,22),イ ン ス リ ン 様 成 長 因 子-I23,24)お よ び-II25,26),リ ラ キ シ ン27)の 立 体 構 造 が 決 定 さ れ て い る が,無 脊 椎 動 物 の イ ン ス リ ン 族 ペ プ チ ド の 立 体 構 造 決 定 は こ れ が 最 初 で あ る 。 1.ボ ン ビキ シ ン-IIの 立 体構 造 の 決 定28) 生 理 活 性 物 質 の 機 能 は そ の立 体 構 造 に よ り規 定 さ れ る。 し た が っ て,ボ ン ビ キ シ ン-IIの 機 能,す な わ ち受 容 体 の 特 異 的 認 識 機 構 を 分 子 レベ ル で 議 論 ・理 解 す る た め に は,立 体 構 造 の 知 見 が 必 須 で あ る。 そ こ で,筆 者 ら は,ボ ン ビ キ シ ン-II分 子 の 立 体 構 造 をNMR 法29∼31)によ り解 析 し た。X線 結 晶 構 造 解 析 に お い て必 須 な,結 晶 化 の 困 難 さ を避 け られ る こ と と,溶 液 状 態 と結 晶 状 態 で は溶 液 状 態 の ほ うが よ り生 理 的 条 件 下 の もの に近 い 構 造 が 得 られ る の で は な い か と考 え た た め で あ る。 X線 に して もNMRに して も高 純 度 試 料 が 大 量 に必 要 で あ る 。 天 然 ボ ン ビ キ シ ン は微 量 で あ っ た の で,高 収 率 の 化 学 合 成 法 を確 立 し32),ボ ン ビ キ シ ン-II90mg を得 た。 こ の 合 成 法 は,A鎖 ・B鎖 の 各 ペ プ チ ド鎖 を 別 々 に 固 相 法 に よ り合 成 した の ちに,Cys側 鎖 保 護 基 の 段 階 的 除 去 に よ り3対 の ジ ス ル フ ィ ド結 合 を 位 置 選 択 的 に 形 成 させ る もの で,理 論 的 に は い か な る ア ミ ノ酸 配 列 を有 す る イ ン ス リ ン様 ペ プ チ ドの 合 成 も可 能 で あ り,実 際 に試 み た す べ て の ボ ン ビ キ シ ン類 縁 体 を 合 成 で きた33,34)。 NMRに よ る構 造 解 析 で 困 難 な段 階 の1つ が ミ リモ ル 濃 度(mM)単 位 の 高 濃 度 の 試 料 溶 液 を調 製 す る こ と で あ る 。 ボ ン ビ キ シ ン-IIはpH中 性 に お い て 水 や 緩 衝 液 に対 す る溶 解 性 が 低 く,1mMの 溶 液 を調 製 す る こ と は 困 難 で あ っ た。 塩 酸 を添 加 しpHを2.0に す る と 白濁 が 消 え,溶 液 に な った が,ボ ン ビ キ シ ン-II分 子 が 会 合 し てNMRシ グ ナ ル が 広 幅 化 して お り,立 体 構 造 を解 析 す るの に十 分 な質 のNMRス ペ ク トル で はな か っ た(図 3a)。 ヒ トイ ン ス リ ンの 場 合,酢 酸 を 添 加 す る こ とに よ り(溶 媒:20%酢 酸/80%水,pH1.9),会 合 が 抑 え ら れ,結 晶 中 の イ ン ス リ ン分 子 と よ く似 たNMR溶 液 構 造 が 得 られ て い る22)。ボ ン ビキ シ ン-IIの 場 合 も同 様 に, 酢 酸 を添 加 す る と(溶 媒:30%酢 酸/70%水,pH2.0), 会 合 が 抑 え られ,質 の 高 いNMRス ペ ク トル を与 え た (図3a)。pH6.8とpH2.0と で ボ ン ビ キ シ ン-IIの 円 二 色 性 ス ペ ク トル(200∼250nm)が ほ ぼ 一 致 し た こ と (図3b),お よ び,pH2.0で 酢 酸 濃 度 を0,10,20,

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50 蛋 白質 核 酸 酵素Vol.41No.10(1996) 図3NMR測 定 用 溶 媒 の 条 件 検 討 (a)プ ロ トンNMRス ペ ク トル。 酢 酸 な し(上)と3096酢 酸(下)と の 比較 。(b)CDス ペ ク トル。pH2.0とpH6.8の ス ペ ク トル の 重 ね 合 わ せ 。 30%と 変 化 さ せ て も1次 元 プ ロ トンNMRに 顕 著 な 変 化 が 見 られ な か っ た こ と(図3a)か ら,こ の溶 媒 条 件 の も とで ボ ン ビキ シ ン-IIの 本 来 の 立 体 構 造 は保 た れ て い る とみ な した 。 ボ ン ビ キ シ ン−IIの2次 元 プ ロ トンNMRス ペ ク トル を測 定 し,そ の 解 析 か ら,535個 の プ ロ トン 間 距 離 制 限 お よ び 二 面 角 制 限(φ22個, x16個)が 得 られ た 。NMRデ ー タ か ら構 造 情 報 を 得 る方 法 は,文 献29∼31を 参 照 された い 。 この デ ー タ を も と に2次 構 造 を 特 定 し,さ ら に,制 限 分 子 動 力 学 計 算 プ ロ グ ラ ム X-PLORVer。2.1を 用 い て 構 造 計 算 を 行 な っ た 。100個 の 初 期 構 造 か ら計 算 に よ り得 られ た 最 終 構 造 の う ち,エ ネ ル ギー 的 に安 定 な10個 を重 ね 合 わ せ た(図4a,b)。 構 造 に ば らつ きの 見 られ たB鎖N末 端 領 域 お よ び他 の ペ プ チ ド鎖 末 端 を 除 い て,構 造 の収 束 の 度 合 を 表 わ すroot-mean-squaredeviationは,主 鎖3 原 子(N,Ca,C')に つ いて 0.58  ,水 素 原 子 以 外 の全 原 子 につ い て1.03  で あ り,ボ ン ビキ シ ン-IIの 精 密 な立 体 構 造 を決 定 で きた。B鎖N末 端 領 域 は,構 造 を規 定 す る 中距 離 ・長 距 離 の プ ロ トン 間 の距 離 情報 が ほ とん ど得 られず,か つ,分 子 表 面 に露 出 して いた こ とか ら,溶 液 中 で 特 定 の立 体 構 造 を と ら な い と推 察 され る。 ボ ン ビ キ シ ン-IIは 脊 椎 動 物 の イ ン ス リ ン族 ペ プ チ ド と同 様 に3つ の α ヘ リ ック スか ら な る 核(コ ア)構 造 を有 して お り(図4a,5),こ の核 構 造 は保 存 さ れ て い る疎 水 性 側 鎖 の ク ラ ス タ ー に よ り安 定 化 され て い る(図4b)。 興 味 深 い こ とに,イ ンス リ ン の活 性 発 現 に 必 須 なB鎖C末 端 領 域 に見 られ る ター ンお よび β ス トラ ン ド21,22)が,ボ ン ビ キ シ ン に は な く,か わ り に,リ ラキ シ ン27)と同様 にB鎖 中央 領 域 の ヘ リ ッ ク スがC末 端 近 くまで 続 いて い た(図5)。 イ ン ス リ ンの ター ン形 成 に は,B20,B23

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昆虫のインスリン族ペ プチ ドの分子構 造と機能部位 51 図4構 造 計 算 の 結 果 得 ら れ た ボ ン ビ キ シ ン-IIの3次 構 造(立 体 図) (a)主 鎖 。(b)疎 水性 クラ ス ター 。 位 の2つ のGlyが 寄 与 し て い る35)。こ れ ま で に1次 構 造 の わ か っ て い る 無 脊 椎 動 物 イ ンス リ ン族 ペ プ チ ドの な か で(図2),こ の2つ のGlyが 保 存 さ れ て い る の は 海 綿 イ ン ス リ ン17)の み で あ り,他 の モ ノ ア ラ ガ イ18),バ ッ タ19),エ リサ ン16),カ イ コ14) の イ ン ス リ ン 族 ペ プ チ ド は す べ て,リ ラ キ シ ン ・ボ ン ビ キ シ ン-II様 のB鎖C末 端 構 造 を と る と推 察 さ れ る 。

II.ボ ンビキシン-IIの受容体認

識領域の局在化―

ボンビキシ

ン-IIとヒトインスリンとのキメ

ラ分子の構造活性相関34)

ボ ン ビ キ シ ン と イ ン ス リ ン と は40%の ア ミノ酸 配 列 相 同 性 を有 す るに もか かわ らず,互 い に 交 差 活 性 を も た な 図5イ ン ス リ ン や リ ラ キ シ ン と の3次 構 造 の 比 較

(a)ヒ トイ ン ス リ ン(溶 液 構 造,BrookhavenPDBIHiU),(b)ボ ン ビ キ シ ン-II(溶 液 構 造, lBOM),(c)ヒ ト リ ラ キ シ ン2(結 晶 構 造 ,6RLX)。

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52 蛋 白質 核 酸 酵 素Vol.41No.10(1996)

表1ボ ン ビ キ シ ン と イ ン ス リ ン と の キ メ ラ 分 子 の 生 物 活 性

a)上 下 の 横 棒 はA鎖(上)とB鎖(下)を 表 わ す 。 灰 色 は ボ ン ビキ シ ン-II由 来 の,黒 は ヒ ト イ ン ス リン 由来 の領 域 で あ る。b)エ リサ ン 除脳 蛹 に対 す る成 虫 化 促 進 活 性 。c)ヒ トイ ンス リ ン受 容 体 へ の 結 合 能 。125I-インス リ ン との 競 合 実 験 に よ り得 られ た 。 相 対 活 性 値 は,1ボ ン ビキ シ ン-IIお よ び ヒ トイ ン ス リン の活 性 の 強 さ を1と した 場 合 の 相 対 的 な値 。 い13,33,36)。この こ とは,各 々 に特 有 のア ミノ酸 残 基 側 鎖 が 各 々 の 受 容 体 認 識 に必 要 で あ る こ とを 意 味 す る 。 ボ ン ビ キ シ ン の 受 容 体 認 識 領 域 を絞 り込 む た め に,ボ ン ビキ シ ン-IIと ヒ トイ ンス リ ン との キ メ ラ分 子 を合 成 し, そ の ボ ン ビ キ シ ン 活 性 を 調 べ た(表1)。 ま ず,ボ ン ビ キ シ ン-IIと ヒ トイ ン ス リ ン との ハ イ ブ リ ッ ド分 子 の ボ ン ビ キ シ ン活 性(エ リサ ン 除 脳 休 眠 蛹 の 成 虫 化 誘 導) お よ び イ ン ス リン 活 性(ヒ トイ ン ス リ ン受 容 体 へ の結 合)を 調 べ た と こ ろ,イ ンス リ ンA鎖 と ボ ン ビ キ シ ン B鎖 か ら な る"イ ン ビキ シ ン"は 弱 い な が ら ボ ン ビ キ シ ン活 性 の み を有 し,逆 に,ボ ン ビキ シ ンA鎖 とイ ン ス リ ンB鎖 か らな る"ボ ンス リ ン"は 弱 い なが ら イ ン ス リ ン活 性 の み を 有 した こ とか ら,ボ ン ビキ シ ン-IIと ヒ トイ ン ス リン の 受 容 体 認 識 に お け る特 異 性 決 定 因 子 は両 者 のB鎖 に存 在 す る こ とが 示 され た33)。次 に,ボ ン ビ キ シ ン-IIB鎖 内 の ボ ン ビキ シ ン受 容 体 認 識 領 域 を 絞 り込 む た め に,B鎖 の一 部 を イ ン ス リ ン型 に し た ボ ン ビキ シ ン-II類 縁 体 の ボ ン ビキ シ ン活 性 を調 べ た 。 そ の結 果,B鎖N末 端 領 域(pGluB(-2)-ThrB5)とB 鎖C末 端 領 域(TrpB20-AspB25)と を イ ン ス リ ン型 に 置 き換 え て も,B鎖 中 央 領 域(TyrB6-LeuB18)が ボ ン ビ キ シ ン型 で あ れ ば,ボ ン ビ キ シ ン活 性 が 完 全 に 保 持 さ れ る こ と が 明 ら か に な っ た 。 さ ら に,TyrB6→ LeuB6やLeuB18→ValB18 と い っ た ボ ン ビ キ シ ン 型 か ら イ ン ス リ ン 型 へ の 置 換 に よ り ボ ン ビ キ シ ン 活 性 が 低 下 し た こ と か ら,ボ ン ビ キ シ ン-IIB 鎖 の ボ ン ビ キ シ ン 受 容 体 認 識 部 位 を 中 央 領 域(TyrB6-LeuB18)に 絞 り 込 む こ と が で き た 。 ボ ン シ(6-18)リ ン と ボ ン ス リ ン は50残 基 の う ちB鎖 中 央 領 域 の8残 基(TyrB6/ LeuB6,ArgB9/SerB9, AlaB12/ValB12,ArgB13/ GluB13,ThrB14/AlaB14, AlaB16/TyrB16,AspB17/ LeuB17,LeuB18/ValB18) が ボ ン ビ キ シ ン 型 か イ ン ス リ ン型 か 異 な る だ け だ が,ボ ン ビ キ シ ン活 性 の 強 さに顕 著 な違 い が 認 め られ た(表1)。 す な わ ち,ボ ン シ(6-18) リンが ボ ン ビキ シ ン-IIと 同 等 の 活 性 を有 した の に対 し, ボ ンス リン の 活 性 はそ の1/10,000以 下 で あ っ た。 そ こ で,ボ ン ビ キ シ ン-IIの 受 容 体 認 識 に必 須 な構 造 因 子 を 特 定 す る た め に,ボ ン シ(6-18)リ ン と ボ ンス リ ンの立 体 構 造 を ボ ン ビ キ シ ン-IIの 場 合 と同 様 にNMR法 に よ り決 定 し,比 較 し た(図6)。 両 分 子 の 主 鎖 構 造 は,B 鎖C末 端 領 域 を 除 き,ほ ぼ 同 じで あ っ た。 ボ ンシ(6-18) リン のB鎖C末 端 領 域 は,核 構 造 か らは ず れ,特 定 の 立 体 構 造 を と らな い の に対 し,ボ ン ス リン のB鎖C末 端 領 域 は イ ン ス リ ン様 の タ ー ン と β ス トラ ン ド構 造 を とっ て い た 。 この 構 造 の 違 い は,B鎖 中 央 領 域 のB12, B16位 の ア ミ ノ 酸 残 基[ボ ン シ(6-18)リ ン で はAla, Ala,ボ ン ス リ ンで はVal,Tyr]の 側 鎖 とB鎖C末 端 領 域 のPheB24,TyrB26,ThrB27側 鎖 との疎 水 性相 互 作 用 の強 さ の 違 い に よ る と考 え られ る。B鎖C末 端 領 域 を 除 去 し たDO(des-octapeptide(B23-B30))-イ ンス リ ン やDO-ボ ン ス リ ン も ボ ン ビ キ シ ン活 性 を有 し な い こ と か ら,イ ンス リ ン や ボ ン ス リ ン が ボ ン ビキ シ ン活 性 を示 さ な い の は,B鎖C末 端 領 域 β ス トラ ン ド に よ る ボ ン ビ キ シ ン受 容 体 結 合 の 際 の 立 体 障 害 で はな

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昆虫のインスリン族ペ プチ ドの分子構造 と機 能部位 53 図6 B鎖 中 央 領 域 の 分 子 表 面 の 比 較 (a)ボ ン ビ キ シ ン-II,(b)ヒ トイ ン ス リ ン,(c)ボ ン シ(6-18)リ ン,(d)ボ ン ス リ ン。 ボ ン ビ キ シ ン-II,ヒ トイ ン ス リ ン 間 で異 な るB鎖 中 央 領 域 のア ミ ノ酸 残 基 を 白 で ラ ベ ル した 。 ボ ン ビ キ シ ン活 性 を有 す る 分 子 (a,c)はY/TL/RRD/AA面 を 有 す る が,ボ ン ビ キ シ ン 活性 が な い分 子(b,d)で は,そ れ が L/AV/SEL/VY面 に 置 き換 わ っ て い る。 図8 イ ン ス リ ンや リ ラ キ シ ン と の 受 容 体 認 識 面 の 比 較 (a)ボ ン ビ キ シ ン-II,(b)ヒ トイ ン ス リ ン(閉 構 造),(c) ヒ ト リ ラ キ シ ン2,(d) [GlyB24]ヒ トイ ンス リン(イ ン ス リンの 開 構 造 のモ デ ル)。 ボン ビキ シ ン活 性 に 重 要 な ア ミノ酸 残 基 を 白 で,イ ンス リ ン と の 類 似 性 か ら重 要 と推 定 され る残 基 を赤 で ラ ベ ル した 。 イ ン ス リン は,閉 構 造 の ま まで は,イ ン ス リ ン受 容 体 に 結 合 しな い。 受容 体 結 合 の際,C末 端 領 域 β ス ト ラ ン ドが 疎 水 性 核 か ら離 れ る構 造 変 化(閉 構 造 → 開 構 造)が 起 こ る と推 測 さ れ て い る。 イ ン ス リ ン につ い て は,X線 ・NMRと も に閉 構 造(b)し か 報 告 さ れ て い な い。 開 構 造 の モ デ ル と し て 提 唱 され た[GlyB24]ヒ トイ ン ス リ ン のNMR構 造(d)で は,ボ ン ビ キ シ ン(a)同 様, 活 性 発 現 に 重 要 なIIeA2や ValA3が 溶 媒 に 露 出 し て い る。 一 方 ,ボ ン ビ キ シ ン(a)や リ ラ キ シ ン(c)は,B鎖C末 端 領 域 β ス トラ ン ドを有 しな い の で,開 構 造 しか と らな い。

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54 蛋 白質 核 酸 酵 素Vol.41No.10(1996) く,B鎖 中 央 領 域 の 表 面 構 造 の 違 い に よ る こ とが 示 さ れ た 。 活 性 を 有 す る 分 子[ボ ン ビ キ シ ン-II,ボ ン シ(6-18)リ ン]に はB鎖 中 央 領 域 に 共 通 の 特 徴 的 な表 面(Y/ TL/RRD/AA面 と よぶ)が あ る が,不 活 性 の 分 子(ヒ トイ ン ス リン,ボ ンス リ ン)で は相 当 す る表 面(L/AV/ SEL/VY表 面 と よ ぶ)を 構 成 す る側 鎖 の 多 くが 異 な る 性 質 の もの に 置 換 され て い た(図6)。 し た が っ て,Y/ TL/RRD/AA表 面 が ボ ン ビ キ シ ン-IIの 受 容 体 認 識 に 必 須 な構 造 因 子 を 含 ん でお り,こ れ をL/AV/SEL/VY 表 面 で置 き換 え る こ と に よ りボ ン ビキ シ ン受 容 体 に 結 合 で きな くな る こ とが 明 らか に な っ た 。

III.ボ ンビキシン-IIの受容体認識部位の特定−

ボンビ

キシン-IIB鎖 中央領域のAla置 換類縁体およびその他のボ

ンビキシン-II類縁体の構造活性相関

ボ ン ビキ シ ン-IIB鎖 中央 領 域(TyrB6-LeuB18)の 各 ア ミノ酸 残 基 側 鎖 の 受 容 体 認 識 にお け る重 要 性 を評 価 す る た め に,各 残 基 をAlaに 置 換 し た一 連 の ボ ン ビ キ シ ン-II類 縁 体(も と も とAlaで あ る場 合 に は,イ ンス リ ン型 の ア ミノ 酸 残 基 に置 換)を 合 成 し た(永 田 ら:投 稿 中)。LeuB15Ala体(LeuB15をAlaに 置 換 し た類 縁 体)を 除 き,一 連 の類 縁 体 す べ て が,ボ ン ビ キ シ ン-II と よ く似 た 円二 色 性 ス ペ ク トル を示 し た(図7)こ とか ら,こ れ ら は ボ ン ビキ シ ン同 様 の 立 体 構 造 を保 持 して い る と示 唆 され た。LeuB15側 鎖 は疎 水 性 ク ラス ター に 含 まれI1eA2,LeuA16,LeuB18の 側 鎖 と疎 水 性 相 互 作 用 し て ボ ン ビ キ シ ン 分 子 の 立 体 構 造 の 安 定 化 に寄 与 し て い る(図8)が,こ れ をAlaに 置 換 す る こ とに よ り, 疎 水 性 相 互 作 用 が 弱 ま り,疎 水 性 核 の 形 成 が 困難 に な っ た結 果,立 体 構 造 が 崩 れ た と推 測 さ れ る。 一 連 の類 縁 体 の ボ ン ビキ シ ン活 性 を 調 べ た結 果(表2),ArgB9, HisB10,ArgB13の 各 残 基 をAlaに 置 換 して もボ ンビ キ シ ン-IIと 同 等 の 活 性 が 保 持 さ れ た こ とか ら,こ れ ら の 残 基 の 側 鎖 は ボ ン ビ キ シ ン-IIの 受 容 体 認 識 に必 要 な い こ とが 示 され た。 一 方,TyrB6,LeuB11,ThrB14, LeuB15,AspB17,LeuB18の 各 残 基 をAlaに 置 換 し た 場 合,お よ びAlaB12をValに,AlaB16をTyrに 置 換 した 場 合 に は,活 性 が 低 下 し た こ とか ら,こ れ ら の 残 基 の 側 鎖 が 直 接 に受 容 体 を認 識 し て い る か,あ る い は受 容 体 認 識 に必 須 な 立 体 構 造 の保 持 に 寄 与 して い る こ とが 示 され た 。 A鎖 に つ い て も,des-GlyA1-ボ ン ビ キ シ ン37)・ [LeuA3]ボ ン ビ キ シ ン(永 田 ら:未 発 表)が と もに ボン ビ キ シ ン の1/10の 活 性 し か も た な い こ と,お よ び CysA20-CysB19を 保 持 して い る ジ スル フ ィ ド結 合 異性 体 は ボ ン ビ キ シ ン の1/2の 活 性 を 維 持 す るが,保 持 し な い ジ ス ル フ ィ ド結 合 異 性 体 の 活 性 は大 き く低 下 す る38) こ とか ら,A鎖N末 端(GlyA1,ValA3)とA鎖C末 端(CysA20-CysB19間 の ジ ス ル フ イ ド結 合)が,ボ ン ビ キ シ ン-IIの 受 容 体 結 合 に重 要 で あ る こ とが示 され た。 これ ら特 定 され たA鎖 の重 要 残 基 は,B鎖 の重 要 残 基 と異 な り,イ ン ス リ ンで も保 存 さ れ て お り,ボ ン ビキ シ ン-IIと ヒ トイ ンス リン とで A鎖 を 交 換 し て も,活 性 が部 分 的 に保 持 さ れ る33)と い う事 実 を 裏 づ け て い る 。 構 造 活 性 相 関 か ら ボ ン ビキ シ ン-IIの 受 容 体 認 識 に,直 接 的 あ る い は 間 接 的 に寄 与 し て い る と特 定 し た残 基 を ボ ン ビキ シ ン-II分 子 上 に配 置 した (図8a)。GlyA1,ValA3, LeuB11,AlaB12,LeuB15, AlaB16お よ びCysA20-CysB19は,ボ ン ビ キ シ ン-II と ヒ トイ ン ス リン との 間 で 保 存 され て い るIleA2,TyrA19 と と も に,ボ ン ビ キ シン-II分 図7ア ラ ニ ン 置 換 類 縁 体 の 円 二 色 性 ス ペ ク トル pH6.8,25℃ で測 定 した。

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(9)

昆虫のインスリン族ペプチ ドの分 子構造 と機能部位 55 表2ア ラ ニ ン置換 類 縁 体 の ボ ン ビキ シ ン活 性 a)エ リサ ン 除脳 蛹 に 対 す る 成 虫化 促 進 活 性 。 ボ ン ビキ シ ン-IIの 活 性 の 強 さ を1と した場 合 の 相 対 的 な値 。 子 表 面 に 疎 水 性 表 面 を 形 成 し て い る(機 能 部 位I)。 他 方,TyrB6,AspB17,LeuB18はValA13, LeuA16,LeuA17の 疎 水 性 残 基 と と もに別 の分 子 表 面 を形 成 して い る(機 能 部 位II)。 こ の2つ の機 能 部 位 を, ボ ン ビ キ シ ン-IIの 受 容 体 認 識 に 寄 与 し な いArgB9, ArgB13が 分 け隔 て て い る。 側 鎖 が 完 全 に(TyrB6の 場 合 は 大 部 分)露 出 し て い る 機 能 部 位IのAlaB12, AlaB16や 機 能 部 位IIのTyrB6,AspB17を 個 々 に イ ン ス リン型 の ア ミノ 酸 残 基 に 置 換 す る と,立 体 構 造 を 保 持 しつ つ も ボ ン ビキ シ ン活 性 が 低 下 す る34)こ とか ら, ボ ン ビ キ シ ンIIは 機 能 部 位IとIIの 両 方 で ボ ン ビ キ シ ン受 容 体 を直 接 認 識 して い る こ とが強 く示 唆 され た 。 以 後,機 能 部 位I,IIを 受 容 体 認 識 部 位 と よ ぶ 。 ボ ン ビ キ シ ン の受 容 体 認 識 部 位 を構 成 す る ア ミ ノ酸 残 基 は,エ リサ ン の ボ ン ビ キ シ ン様 分 子(SBRP)1A, 1Bに お い て,い くつ か 他 の残 基 に 置 換 され て い る16)(図 2)。SBRP1A,1Bが ボ ン ビ キ シ ン の1/100の エ リサ ン前 胸 腺 刺 激 活 性 しか もた な い(永 田 ら:未 発 表)の は, この 重 要 残 基 の 置 換 に よ る と考 え られ る。 おそ ら く,ま だ 見 い だ さ れ て い な いSBRP分 子 種 の 中 に,特 定 した 重 要 残 基 の ほ とん どを も つ も の が あ っ て,そ れ が エ リ サ ン体 内 で 前 胸 腺 を刺 激 す るの で あ ろ う と推 察 され る。

IV.脊 椎動物のインスリン族ペ

プチ ドとの受容体認識面の比較

今 回 特 定 し た ボ ン ビ キ シ ン-IIの 受 容 体 認 識 部 位(図 8a)は,B鎖C末 端 領 域 を 除 き,ヒ トイ ン ス リ ン の 受 容 体 認 識 部 位35,39∼41)によ く対 応 す る(図8b)。 こ の 結 果 は,ボ ン ビ キ シ ンが イ ン ス リ ン41)と 同 様 に受 容 体 に2つ の 部 位 で 結 合 す る こ と を示 し て い る。 しか し,B鎖C末 端 領 域 の 役 割 は両 分 子 間 で 完 全 に 異 な っ て い て,ボ ン ビキ シン-IIの 受 容 体 認 識 にB鎖C末 端 領 域(AlaB22-AspB25)は 不 要 だ が34),ヒ トイ ン ス リ ン の 受 容 体 認 識 にB鎖C末 端 領 域(と く にPheB24-PheB25)は 必 須 で あ る42∼44)。イ ン ス リ ンの 場 合,B鎖 C末 端 β ス トラ ン ドを 固 定 化 し た変 異 体(B29-A1ペ プ チ ド結 合 イ ン ス リ ン)が 活 性 を失 い45),一 方,β ス トラ ン ドが 核 構 造 か ら外 れ て 溶 液 中 で 特 定 の構 造 を と ら な い 変 異 体([GlyB24]イ ン ス リ ン)は 活 性 を保 持 す る22) こ とか ら,β ス トラン ド構 造 は受 容 体 認 識 に必 要 で な く, 受 容 体 結 合 の 際 にB鎖C末 端 領 域 が 核 構 造 か ら外 れ, 新 た に露 出 した 疎 水 性 面 と と も に,受 容 体 を 認 識 す る の で あ ろ う と推 定 され て い る22)(図8d)。 対 照 的 に,ボ ン ビキ シ ン や リラ キ シ ン は,イ ン ス リン様 の β ス トラ ン ド を もた ず,は じめ か ら疎 水 性 面 が 露 出 して い る(図 8a,c)こ と か ら,イ ン ス リ ン の よ う な構 造 変 化 を 生 じ る こ とな く受 容 体 に結 合 す る と推 測 さ れ る28)。 受 容 体 認 識 部 位 の比 較 お よ び 構 造 活 性 相 関 の 結 果 か ら,ヒ トイ ン ス リ ン が ボ ン ビ キ シ ン受 容 体 に結 合 で き な い の は,ボ ン ビキ シ ン受 容 体 認 識 に重 要 なB鎖 中 央 領 域 の残 基 が ほ か の残 基 に 置 換 さ れ て い る(AlaB12→ ValB12,AlaB16→TyrB16,TyrB6→LeuB6, AspB17→LeuB17)た め で あ る こ とが 明 らか に な っ た 。 一 方 ,ボ ン ビ キ シ ン-IIが イ ンス リン受 容 体 に 結 合 で き な い の は,イ ン ス リ ン受 容 体 認 識 に重 要 な 残 基 の 他 の 残 基 へ の 置 換(AsnA2146)→ 欠 失,Va1B1247)→ AlaB12,TyrB1647)→AlaB16,LeuA1341)→ValA13,

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(10)

56 蛋 白質 核 酸 酵 素Vol.41No.10(1996) LeuB648)→TyrB6,LeuB1741)→AspB17),お よび イ ン ス リン様 のB鎖C末 端 領 域 の 構 造(GlyB20,GlyB23 を含 む 柔 軟 な タ ー ン35))と重 要 ア ミノ 酸 側 鎖(PheB24-PheB2542∼44))の 欠 失 に よ る と推 察 され る。 この よ うに, B鎖 中央 領 域 お よ びC末 端 領 域 の ア ミノ酸 側 鎖 の 違 い が ボ ン ビキ シ ン とイ ン ス リ ン の 受 容 体 特 異 性 の 最 大 要 因 で あ る 。 ボ ン ビキ シン-IIと ヒ トリラキシ ン2と は ともにArgB9, ArgB13を もつ(図8)。 この2つ のArg残 基 側 鎖 は,リ ラキ シ ンの 受 容 体 認 識 に必 須 で あ る49)の に対 し,ボ ン ビ キ シ ン-IIの 受 容 体 認 識 に は寄 与 しな い(ボ ン ビ キ シ ン-IIの 受 容 体 認 識 部 位I,IIの 間 に位 置 す る)。 す なわ ち,ArgB9,ArgB13は ボ ン ビキ シ ン・リ ラ キ シ ン 間 で 見 か け上 保 存 され て い るが,機 能 的 に は非 等 価 で あ る。 リ ラ キ シ ン につ い て は構 造 活 性 相 関 の デ ー タが 少 な く, 詳 細 に比 較 で き な い が,ボ ン ビ キ シ ン-IIや ヒ トイ ンス リ ン で2つ の 受 容 体 認 識 部 位 に挟 ま れ た重 要 で な い領 域 を ヒ ト リラ キ シ ン が 受 容 体 認 識 に 用 い て い る の は興 味 深 い。B鎖 の構 造 が 類 似 し て い る ボ ン ビキ シ ン と リ ラ キ シ ン の活 性 の交 差 性 につ い て は今 後 の課 題 で あ る。 お わ りに 無 脊 椎 動 物 の イ ン ス リ ン族 ペ プ チ ド,ボ ン ビキ シ ン-IIの 立 体 構 造 ・機 能 部 位 を解 析 し,脊 椎 動 物 の イ ン ス リ ン族 ペ プ チ ド と比 較 す る こ と に よ り,機 能 発 現(受 容 体 認 識)に 重 要 な 分 子 構 造 の 共 通 点 と相 違 点 と を明 らか に す る こ とが で きた 。 ボ ン ビキ シ ン ・イ ンス リ ン間 で,B鎖C末 端 領 域 を 除 い て,受 容 体 認 識 部 位 が 保 存 さ れ て い る の は,イ ン ス リ ン族 ペ プ チ ド と そ の 受 容 体 との 共 進 化 の形 跡 で あ ろ う。 エ リサ ン の ボ ン ビ キ シ ン受 容 体 も,お そ ら くイ ン ス リ ン 受 容 体 と同 様 の 構 造(α2β2ヘ テ ロ4量 体 構 造)と 機 能(チ ロ シ ン キ ナ ー ゼ 活 性)と を有 す る も の と期 待 され る。 ボ ン ビ キ シ ン の カ イ コ体 内 で の 生 理 機 能 は残 念 な が らい ま だ 不 明 で あ るが,最 近,カ イ コ培 養 細 胞BM-N4上 に ボ ン ビキ シ ン受 容 体 が存 在 す る こ とが示 され た50)。この カ イ コ の ボ ン ビ キ シ ン 受 容 体 に つ い て,現 在,解 析 が 進 行 中 で あ り,イ ン ス リン受 容 体 同 様,α2β2ヘ テ ロ4量 体 構 造 を と り,チ ロ シ ン キ ナ ー ゼ 活 性 を もつ こ と を示 唆 す るデ ー タ が 得 られ て い る(田 中稔:私 信)。 カ イ コの 受 容 体 を 用 い て,今 回 と 同様 に構 造 活 性 相 関 を 調 べ る こ とで,ボ ン ビキ シ ン-II分 子 上 の,エ リサ ン受 容 体 を 認 識 す る部 位 とカ イ コ受 容 体 を認 識 す る部 位 との比 較 が 可 能 に な る。 今 後 の 重 要 課 題 は,ボ ン ビ キ シ ン お よ び そ の ほか の 無 脊 椎 動 物 イ ンス リ ン族 ペ プ チ ドの生 理 機 能 の解 明 で あ る。 ボ ン ビ キ シ ン は カ イ コ の 卵 母 細 胞 の 減 数 分 裂 を 誘 起 す る こ とが 示 唆 され てお り51),ま た,カ イ コ卵 巣 由 来 といわ れ るBM-N4細 胞 に対 し形 態 変 化 を誘 導す る50) こ とか ら,卵 巣 に 作 用 して,脱 皮 ホ ル モ ン あ る い はそ の誘 導 体 の生 合 成 ・分 泌 を 調 節 して い る の か も しれ な い(カ イ コ の 卵 や 卵 巣 に も脱 皮 ホ ル モ ン誘 導 体 が 存在 す る52))。 あ る い は,変 態 の 際 に 種 々 の 組 織 に対 して programmedcelldeathを ひ き起 こ した り,逆 に,成 長 因 子 と し て 働 い て い る の か も し れ な い 。 現 在,カ イ コ の ボ ン ビ キ シ ン受 容 体 のcDNAク ロ ー ニ ング が進行 中 で あ り,こ れ が 成 功 す れ ば,各 組 織 で の ボ ン ビ キ シ ン受 容 体mRNAの 有 無 を調 べ る こ とに よ り,ボ ンビキ シ ン の標 的 器 官 を 特 定 す る こ とが 可 能 に な り,カ イ コ 体 内 で の ボ ン ビ キ シ ンの 機 能 追 究 の 道 が 拓 け る もの と 期 待 され る。 シ ョウ ジ ョウバ エDrosophilamelanogaster で は,イ ン ス リン様 分 子 の存 在 は示 され てい な いが,イ ン ス リ ン受 容 体 様 分 子(INR)のcDNAが ク ロ ーニ ン グ され て い る53,54)。INRは,ヒ トイ ン ス リ ン の結 合 に よ り活 性 化 され るが,ボ ン ビ キ シ ン-IIは 結 合 しな い36)。 変 異 体 の 解 析 か ら,INRは シ ョ ウ ジ ョ ウバ エ の 中枢神 経 系 の 発 達 に 必 要 で あ る こ とが 明 らか に され てい る54)。 こ れ は,中 枢 神 経 系 に お い て 生 合 成 さ れ る無 脊 椎 動物 の イ ン ス リ ン族 ペ プ チ ドが,無 脊 椎 動 物 の神 経 系 の 発 育 に 重 要 な役 割 を 担 っ て い る こ とを 示 唆 す るデ ー タで あ り注 目 さ れ る。 今 後,ボ ン ビ キ シ ン を は じめ とす る 無 脊 椎 動 物 の イ ン ス リ ン族 ペ プ チ ドの 生 物 学 が 発 展 し, 脊 椎 動 物 で の 解 析 だ け で は 得 が た い 知 見 が 得 られ る こ とを 期 待 し て い る 。 エ リサ ン除 脳蛹 を ご供 与 して い た だ き ま した名 古 屋 大 学 名誉 教 授 石 崎 宏 矩 先 生,イ ンス リ ン活 性 検 定 を行 な っ て い た だ き ました 東 京 大 学 医 学 部 門 脇 孝博 士,百 村 薫 博 士,田 守 和 義 博 士,そ して 研 究 遂 行 を支 え て くだ さ った 東 京都 臨 床 医 学 総 合 研 究 所 生 理活 性 物 質 部 門 ・東 京 大 学 農 学 部 生 物 有 機 化 学 研 究 室 の皆 様 に心 よ り感 謝 い た し ます 。

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