既知点A XYH
No.6
(1)測量機器の据付
(2)測量機器の器械点算出
(3)設計比較対象点を指定
(4)ターゲットの視準
(5)出来形計測点の計測
(6)出来形計測情報の記録 既知点B XYH
器械点C
XYH 繰り返す
トータルステーションを用いた出来形管理要領の提案
国土交通省 国土技術政策総合研究所 高度情報化研究センター 情報基盤研究室 ○阿部 寛之 同 有冨 孝一 同 上坂 克己
1.はじめに
平成 17 年 4 月に「公共工事の品質確保の促進に関する法律」が施行された。新法の目的である公共工事の 品質確保に大きく関与する完成検査においては、設計図書にもとづき適正な施工がされ、工事目的物が規定 された規格値を十分満足していることの確認が行われている。完成検査の主な内容は、現場管理等の成果、
工事写真、品質に関する資料、そして、出来形に関する資料の確認の4項目がある。
当研究室では4項目のうちのひとつ、出来形に関する新しい管理方法として「トータルステーションを用 いた出来形管理要領(案)」(以下「本要領」という。)の検討を行っている。「本要領」の特徴は、従来の巻 尺・レベルによる計測に変わり、トータルステーション(以下 TS という。)を使用する点にある。本報告は、
検討中の「本要領」の概要を紹介するものである。
2.トータルステーションとは
TS とは、1台の機械で距離と角度を同時に測定し、未 知点の3次元座標を取得することができる電子式計測器 である。測量分野のシステム化に伴って急速に普及し、
現在では様々なグレードの機種が市販されている。計測 精度は、レベルには若干劣るものの巻尺とは同等以上で、
一般的なグレードの機種で±10 ㎜程度の能力がある。
「本要領」用に開発中の TS は、基準点座標データはもち ろん、道路線形や道路横断形状等を搭載でき、現場の出 来形と設計値との差異を現地で把握することができる。
図-1に TS の計測手順を示す。
3.トータルステーションを用いた出来形管理要領(案)の概要
「本要領」は、まず道路土工(盛土工、切土工)に工種を絞り、道路土工編としての完成を目指している。
道路土工を選択した理由としては、完成形状がシンプルなためデータ化し易く、出来形管理に 1mm 単位の計 測精度を要求せず、また設計分野で3次元道路設計が普及しつつあるためである。 「本要領」が提案する施工 者の現場作業の流れを図-2に示す。
線形計算書・
平面・縦横断図
3次元設計データ
・平面線形
・縦断線形
・横断定義
計測と同時に設計 との対比が可能
データ登録のみで出 来形帳票自動作成 出来形帳票作成
任意の位置におけ る対比が可能
出来形計測データ
・計測点番号
・出来形属性
・XYZ座標値
将来は3次元設計発 注により省略が可能
出来形計測 3次元設計データ作成
維持管理
図-1 TS の計測手順
図-2 現場作業の流れ
13006
第26回日本道路会議「本要領」では TS による出来形管理を可能にするた め、以下の3項目を示す予定である。
①従来の設計図書から TS に搭載できる3次元設計デ ータを作成する方法。
「本要領」の出来形管理は任意測点の設計値と実 測値との比較によるため、3次元設計データを TS に搭載する必要がある。3次元設計データの作成は、
図-3に示すような専用ソフトを使用する。従来の紙 図面等から判読した道路線形、横断形状等の数値を 専用ソフトに手入力し、TS 用データに変換・出力す る。作成時間は専用ソフトの操作法に慣れれば、半 日程でできる。近い将来、3次元設計発注が実施さ れれば、現場でのこの入力作業は不要になると考え ている。
設計データを搭載した TS は、現場において任意位 置の3次元座標算出ができるので、丁張り設置や施 工途中の出来形確認等への応用が期待できる。
②TS の基本的な取り扱い方と出来形計測方法。
出来形計測方法を図-4に示す。現行の法長・小段 幅の長さ計測に変わり、新手法では設計値、実測値 の道路中心線からの離れ距離と比高差を計算し、
(設計値-実測値)に対する規格値で管理する。TS による計測は巻尺・レベルより作業効率が高いため、
従来手法と同じ作業工数で、より多くの箇所数を計 測できる。また従来は計測されなかった法面中腹の 計測が行える。計測箇所は現行の管理測点・箇所数 を踏まえつつ、計測データが維持管理分野で利用さ れることも視野に入れ、有益な計測方法を提案でき ればと考えている。
③出来形管理項目と基準値および評価基準。
出来形評価基準は従来の出来形管理図表等のほか、
図-5のような(設計値-実測値)のバラツキを統計 的に評価する基準を検討している。例えば道路土工 における管理断面間の評価であれば、従来の出来映 えという人間の主観的評価から、データによる客観
的で透明性の高い評価を行うことができる。新しい管理項目・基準値・評価基準の設定に際しては、施工 現場で実証実験を行い、現場からの意見をふまえ、発注者・請負者に納得して頂けるものにしていきたい。
4.最後に
TS で工事目的物の3次元座標データを取得し、新しい出来形管理基準で検査・評価すれば、現行では適切 に評価できなかった品質項目を評価できる可能性がある。 「本要領」が発注者・請負者にとって効果のあるも のとなり、有効に運用され、公共工事の品質確保が促進されることを期待する。
出来形実測点
ΔW=設計W-実測W ΔH=設計H-実測H 計測箇所
設計W
実測W CL
設計H 実測H
設計比較対象点
A評定
B評定
C評定
規格値50%以内 0 規格値下限
設計値-実測値
計測点数
規格値上限
設計情報入力プログラム
設計仕様
平面線形 縦断線形 横断勾配 幅員構成
測点設定 法面形状
B-ramp 線形名(Alignment/name):
閉じる 左-切土法面01
左-盛土法面02 左-盛土擁壁03 右-盛土法面04 右-切土法面05 設定法面形状リスト
右-切土法面05
法面形状名:右-切土法面05
適用区間:開始 110.000~ 250.000 右側
左右:
保護路肩 1.500 切土法面 切土小段 切土法面 切土小段 切土法面
3.000
- 1.500
-
% 1:X
1:X
- 1:X
12.000 0.500
- 0.500
- 0.5 勾配値 勾配タイプ 幅
6 5 4 3 2 1
要素No 種別
-
- 0
6.880 -0.280 7.280 -0.130 7.130
3
- 0
- 0 4
- 5
- 5
- 0 3 3 2 高さ変化 勾配変化 幅変化 高さ
-
.. ..
.. ..
.. ..
.. ..
.. ..
.. ..
勾配変化定義
180.000 190.000 190.000 200.000 210.000 220.000
210.000 220.000 250.000
0.500 0.600 0.700 0.850 1.000
0.600 0.700 0.850 1.000 1.000 終了勾配 開始勾配 終了距離
5 4 3 2 1
No 開始距離
200.000 横断構成要素 No:6 勾配タイプ:1:X
閉じる キャンセル
平面図
縦断図
横断図
線形計算書
幾何構造基準 等
設計情報入力プログラム
設計仕様 法面形状 幅員構成 横断勾配 縦断線形 B-ramp 線形名(Alignment/name):
測点設定 平面線形
-125195.5107 直線
円弧 -125279.1454 -125223.4106 要素終端X座標 線形要素
4 3 2 1 No
クロソイド
開始点追加距離: 0 開始点X座標: -125341.7276開始点Y座標: 26176.4734
26190.3926 26195.6369
26185.2463 反時計回り -125208.9399 26191.8399 円弧中点Y座標 円弧中点X座標 回転方向 要素終端Y座標
反時計回り 56.3333
始端半径 線形長
INF
クロソイド 直線 円弧 クロソイドクロソイド
閉じる キャンセル
適 用