(1)(2)目次
Ⅰ 固定資産の取得
1 固定資産の分類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2 固定資産の取得価額 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
3 固定資産の取得価額に算入すべきもの ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
4 固定資産の取得価額に算入しないことができるもの ・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
5 未経過固定資産税相当額を支払った場合 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
Ⅱ 減価償却
1 償却方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
2 償却方法の変更 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
3 少額減価償却資産等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
Ⅲ 資本的支出と修繕費
1 原則 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
2 区分の特例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
Ⅳ 特別償却
1 特別償却の種類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
2 主な特別償却 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
Ⅴ 圧縮記帳
1 圧縮記帳とは ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
2 圧縮記帳の種類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
3 主な圧縮記帳制度 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
Ⅵ リース取引
1 リース取引の分類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34
2 リース取引の会計処理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35
(3)3 リース取引の税務処理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37
Ⅶ 減損会計
1 減損会計とは ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40
2 減損会計の処理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40
3 税務上の取り扱い ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41
Ⅷ 資産除去債務
1 概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44
2 資産除去債務の会計処理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44
3 税務上の取り扱い ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45
Ⅸ 平成 23 年度税制改正
1 減価償却制度の改正 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47
2 その他の主な改正事項(固定資産関係) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48
(4)~ 1 ~
Ⅰ 固定資産の取得
1 固定資産の分類
(1)固定資産の分類
固定資産とは、一般的に1 年以上の長期にわたって使用又は利用する目的で保有する資産をいい、
法人税法では、棚卸資産、有価証券及び繰延資産以外の資産のうち次に掲げるものと規定されている。
① 土地(土地の上に存する権利を含む)
② 減価償却資産
③ 電話加入権
④ 上記の資産に準ずるもの
(2)減価償却資産
減価償却資産とは、棚卸資産、有価証券及び繰延資産以外の資産のうち次に掲げるもの(事業の用
に供していないもの及び時の経過によりその価値の減少しないものを除く。)をいう。
① 建物及びその附属設備(暖冷房設備、照明設備、通風設備、昇降機その他建物に附属す
る設備をいう)
② 構築物(ドック、橋、岸壁、さん橋、軌道、貯水池、坑道、煙突その他土地に定着する
土木設備又は工作物をいう)
③ 機械及び装置
④ 船舶
⑤ 航空機
⑥ 車両及び運搬具
⑦ 工具、器具及び備品(観賞用、興行用その他これらに準ずる用に供する生物を含む)
⑧ 次に掲げる無形固定資産
イ 鉱業権(租鉱権及び採石権その他土石を採掘し又は採取する権利を含む)
ロ 漁業権(入漁権を含む)
ハ ダム使用権
ニ 水利権
ホ 特許権
ヘ 実用新案権
ト 意匠権
チ 商標権
リ ソフトウエア
ヌ 育成者権
ル 営業権
ヲ 専用側線利用権
ワ 鉄道軌道連絡通行施設利用権
カ 電気ガス供給施設利用権
(5)~ 2 ~
ヨ 熱供給施設利用権
レ 工業用水道施設利用権
ソ 電気通信施設利用権
⑨ 次に掲げる生物(⑦に該当するものを除く)
イ 牛、馬、豚、綿羊及びやぎ
ロ かんきつ樹、りんご樹、ぶどう樹、なし樹、桃樹、桜桃樹、びわ樹、くり樹、梅樹、
かき樹、あんず樹、すもも樹、いちじく樹、キウイフルーツ樹、ブルーベリー樹及びパ
イナップル
ハ 茶樹、オリーブ樹、つばき樹、桑樹、こりやなぎ、みつまた、こうぞ、もう宗竹、ア
スパラガス、ラミー、まおらん及びホップ
(3)非減価償却資産
土地等、電話加入権はもちろんのこと、本来は減価償却資産に該当するもののうち、次のようなも
のは減価償却できない。
① 事業の用に供していないもの(稼働休止資産や建設中の資産が該当する)
② 時の経過によりその価値の減少しないもの(書画骨とう等が該当する)
<稼働休止資産 基通7-1-3>
稼働を休止している資産であっても、その休止期間中必要な維持補修が行われており、いつでも稼
働し得る状態にあるものについては、減価償却資産に該当するものとする。
(注) 他の場所において使用するために移設中の固定資産については、その移設期間がその移設のた
めに通常要する期間であると認められる限り、減価償却を継続することができる。
<建設中の資産 基通7-1-4>
建設中の建物、機械及び装置等の資産は減価償却資産に該当しないのであるが、建設仮勘定として
表示されている場合であっても、その完成した部分が事業の用に供されているときは、その部分は減
価償却資産に該当するものとする。
<書画骨とう等 基通7-1-1>
書画骨とう(複製のようなもので、単に装飾的目的にのみ使用されるものを除く)のように、時の経
過によりその価値が減少しない資産は減価償却資産に該当しないのであるが、次に掲げるようなもの
は原則として書画骨とうに該当する。
① 古美術品、古文書、出土品、遺物等のように歴史的価値又は希少価値を有し、代替性のないもの
② 美術関係の年鑑等に登載されている作者の制作に係る書画、彫刻、工芸品等
(注) 書画骨とうに該当するかどうかが明らかでない美術品等でその取得価額が 1 点 20 万円(絵画に
あっては、号2 万円)未満であるものについては、減価償却資産として取り扱うことができるものと
する。
(6)~ 3 ~
2 固定資産の取得価額
(1)購入した場合
購入した場合の取得価額は、次の合計額による。
① 購入代価、引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税(附帯税を除く)、その他購入のた
めに要した費用
② 事業の用に供するために直接要した費用
(2)自己で建設等した場合
自己で建設等した場合の取得価額は、次の合計額による。
① 原材料費、労務費、経費
② 事業の用に供するために直接要した費用
(3)自己が生育させた場合
自己が牛馬等を生育させた場合の取得価額は、次の合計額による。
① 牛馬等の購入代価、引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税(附帯税を除く)、その他
購入のために要した費用
② 種付費、出産費、飼育費、労務費、経費
③ 事業の用に供するために直接要した費用
(4)自己が成熟させた場合
自己が果樹等を成熟させた場合の取得価額は、次の合計額による。
① 果樹等の購入代価、引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税(附帯税を除く)、その他
購入のために要した費用
② 種苗費、肥料費、労務費、経費
③ 事業の用に供するために直接要した費用
(5)適格合併等により移転を受けた場合
適格合併、適格現物分配(残余財産の分配に限る)により移転を受けた場合の取得価額は、次の合
計額による。
① 被合併法人、現物分配法人の取得価額(償却限度額計算の基礎となるべき金額)
② 事業の用に供するために直接要した費用
(6)適格分割等により移転を受けた場合
適格分割、適格現物出資、適格現物分配(残余財産の分配を除く)により移転を受けた場合の取得
価額は、次の合計額による。
① 分割法人、現物出資法人、現物分配法人の取得価額(償却限度額計算の基礎となるべき金額)
② 事業の用に供するために直接要した費用
(7)~ 4 ~
(7)その他の場合
贈与、交換、代物弁済等により取得した場合の取得価額は、次の合計額による。
① 取得のために通常要する金額
② 事業の用に供するために直接要した費用
3 固定資産の取得価額に算入すべきもの
(1)土地についてした防壁、石垣積み等の費用(基通 7-3-4)
埋立て、地盛り、地ならし、切土、防壁工事その他土地の造成又は改良のために要した費用の額は
その土地の取得価額に算入するのであるが、土地についてした防壁、石垣積み等であっても、その規
模、構造等からみて土地と区分して構築物とすることが適当と認められるものの費用の額は、土地の
取得価額に算入しないで、構築物の取得価額とすることができる。
上水道又は下水道の工事に要した費用の額についても、同様とする。
(注) 専ら建物、構築物等の建設のために行う地質調査、地盤強化、地盛り、特殊な切土等土地の改
良のためのものでない工事に要した費用の額は、当該建物、構築物等の取得価額に算入する。
(2)土地、建物等の取得に際して支払う立退料等(基通 7-3-5)
法人が土地、建物等の取得に際し、当該土地、建物等の使用者等に支払う立退料その他立退きのた
めに要した金額は、当該土地、建物等の取得価額に算入する。
(3)土地とともに取得した建物等の取壊費等(基通 7-3-6)
法人が建物等の存する土地(借地権を含む。)を建物等とともに取得した場合又は自己の有する土
地の上に存する借地人の建物等を取得した場合において、その取得後おおむね1 年以内に当該建物等
の取壊しに着手する等、当初からその建物等を取り壊して土地を利用する目的であることが明らかで
あると認められるときは、当該建物等の取壊しの時における帳簿価額及び取壊費用の合計額(廃材等
の処分によって得た金額がある場合は、当該金額を控除した金額)は、当該土地の取得価額に算入す
る。
(4)事後的に支出する費用(基通 7-3-7)
新工場の落成、操業開始等に伴って支出する記念費用等のように減価償却資産の取得後に生ずる付
随費用の額は、当該減価償却資産の取得価額に算入しないことができるものとするが、工場、ビル、
マンション等の建設に伴って支出する住民対策費、公害補償費等の費用(一定のものを除く。)の額
で当初からその支出が予定されているもの(毎年支出することとなる補償金を除く。)については、
たとえその支出が建設後に行われるものであっても、当該減価償却資産の取得価額に算入する。
(5)借地権の取得価額(基通 7-3-8)
借地権の取得価額には、土地の賃貸借契約又は転貸借契約(これらの契約の更新及び更改を含む。)
(8)~ 5 ~
に当たり借地権の対価として土地所有者又は借地権者に支払った金額のほか、次に掲げるような金額
を含むものとする。
ただし、①に掲げる金額が建物等の購入代価のおおむね10%以下の金額であるときは、強いてこれ
を区分しないで建物等の取得価額に含めることができる。
① 土地の上に存する建物等を取得した場合におけるその建物等の購入代価のうち借地権の対価と認
められる部分の金額
② 賃借した土地の改良のためにした地盛り、地ならし、埋立て等の整地に要した費用の額
③ 借地契約に当たり支出した手数料その他の費用の額
④ 建物等を増改築するに当たりその土地の所有者等に対して支出した費用の額
(6)固定資産について値引き等があった場合(基通 7-3-17 の 2)
法人の有する固定資産について値引き、割戻し又は割引があった場合には、その値引き等のあった
日の属する事業年度の確定した決算において次の算式により計算した金額の範囲内で当該固定資産の
帳簿価額を減額することができるものとする。
<算式>
値引き等の額×値引き等の直前におけるその固定資産の帳簿価額
値引き等の直前におけるその固定資産の取得価額
(注)
① 当該固定資産が法又は措置法の規定による圧縮記帳の適用を受けたものであるときは、算式の分
母及び分子の金額はその圧縮記帳後の金額によることに留意する。
② 当該固定資産についてその値引き等のあった日の属する事業年度の直前の事業年度から繰り越さ
れた特別償却不足額(特別償却準備金の積立不足額を含む。)があるときは、当該特別償却不足額
の生じた事業年度においてその値引き等があったものとした場合に計算される特別償却限度額を基
礎として当該繰り越された特別償却不足額を修正するものとする。
4 固定資産の取得価額に算入しないことができるもの
(1)借入金の利子(基通 7-3-1 の 2)
固定資産を取得するために借り入れた借入金の利子の額は、たとえ当該固定資産の使用開始前の期
間に係るものであっても、これを当該固定資産の取得価額に算入しないことができるものとする。
(注) 借入金の利子の額を建設中の固定資産に係る建設仮勘定に含めたときは、当該利子の額は固定
資産の取得価額に算入されたことになる。
(2)固定資産の取得価額に算入しないことができる費用の例示(基通 7-3-3 の 2)
次に掲げるような費用の額は、たとえ固定資産の取得に関連して支出するものであっても、これを
固定資産の取得価額に算入しないことができる。
① 次に掲げるような租税公課等の額
イ 不動産取得税又は自動車取得税
(9)~ 6 ~
ロ 特別土地保有税のうち土地の取得に対して課されるもの
ハ 新増設に係る事業所税
二 登録免許税その他登記又は登録のために要する費用
② 建物の建設等のために行った調査、測量、設計、基礎工事等でその建設計画を変更したことによ
り不要となったものに係る費用の額
③ いったん締結した固定資産の取得に関する契約を解除して他の固定資産を取得することとした場
合に支出する違約金の額
(3)埋蔵文化財の発掘費用(基通 7-3-11 の 4)
法人が工場用地等の造成に伴い埋蔵文化財の発掘調査等をするために要した費用の額は、土地の取
得価額に算入しないで、その支出をした日の属する事業年度の損金の額に算入することができる。
ただし、文化財の埋蔵されている土地をその事情を考慮して通常の価額より低い価額で取得したと
認められる場合における当該発掘調査等のために要した費用の額については、この限りでない。
5 未経過固定資産税相当額を支払った場合
年の途中で土地建物等の固定資産を取得した場合、前の所有者が負担した固定資産税のうち譲渡後
の期間に対応する固定資産税相当額を、買主が負担すことが多いが、固定資産税は、あくまでも、1
月1 日現在の所有者に対し賦課決定されるものであり、年の途中で固定資産を取得した所有者には、
納税義務は生じない。
したがって、税務上は、買主が負担した固定資産税相当額は、固定資産税そのものではなく、取得
した固定資産につき、固定資産税を納付することなく利用できる対価、すなわち、取得した固定資産
の対価であるという考え方をとっている。
また、買主は固定資産税相当額を売主に支払わなければ、その固定資産を取得できない契約である
とすれば、固定資産税相当額の支出額は、いわば、固定資産を取得するために要する費用であるとい
う考え方もできる。
よって、固定資産税相当額を売買価額とは別に支払ったとしても、その固定資産税相当額は、固定
資産の取得価額に含めなければならず、租税公課として損金処理はできない。
(10)~ 7 ~
Ⅱ 減価償却
1 償却方法
(1)償却の方法及び選定できる種類
法人は、減価償却資産の取得時期及び種類に応じて定められた償却方法からいずれかを選定して届
出る必要があるが、届出をしなかった場合は法定償却方法を選定したものとされる。
① 平成19 年 3 月 31 日以前に取得されたもの
資産の種類 選定できる償却方法 法定償却方法
建物(平成10 年 3 月 31 日
以前に取得)
旧定率法、旧定額法 旧定率法
建物(平成10 年 4 月 1 日以
後に取得)
旧定額法 旧定額法
有形減価償却資産 旧定率法、旧定額法 旧定率法
鉱業用減価償却資産 旧定率法、旧定額法、旧生
産高比例法
旧生産高比例法
無形減価償却資産 旧定額法 旧定額法
鉱業権 旧定額法、旧生産高比例法 旧生産高比例法
生物 旧定額法 旧定額法
国外リース資産(平成10 年
10 月 1 日から平成 20 年 3
月31 日までの間に締結する
リース契約に限る)
旧国外リース期間定額法 旧国外リース期間定額法
② 平成19 年 4 月 1 日以後に取得されたもの
資産の種類 選定できる償却方法 法定償却方法
建物 定額法 定額法
有形減価償却資産 定率法、定額法 定率法
鉱業用減価償却資産 定率法、定額法、生産高比
例法
生産高比例法
無形減価償却資産 定額法 定額法
鉱業権 定額法、生産高比例法 生産高比例法
生物 定額法 定額法
リース資産(平成20 年 4 月
1 日以後に締結する所有権
移転外リース契約に限る)
リース期間定額法 リース期間定額法
(11)~ 8 ~
③ 特別な償却の方法の承認(基通7-2-3)
所轄税務署長の承認を受けることにより、上記以外の特別な償却方法(取替法等)が認められる。
(2)償却限度額
法人税法上は、減価償却費について損金の額に算入する金額は、その法人がその償却費として損金
経理をした金額のうち、「償却限度額」に達するまでの金額とされている。
法人が償却方法及び耐用年数について法人税法の規定に基づき減価償却費を計算している場合は、
償却限度額と一致するが、会計上異なる償却方法又は耐用年数を採用している場合は、償却限度額を
超えることがあるため、超過額は税務調整(加算・留保)が必要となる。
(3)各種償却方法における計算式
① 旧定額法
(取得価額-残存価額)×旧定額法償却率=償却限度額
※1 期中取得の場合は、事業供用期間の月数(1 月未満切上)による月割計算をする。
※2 残存価額
有形固定資産(取得価額×10%)、無形減価償却資産等(ゼロ)、生物(種類に応じた
一定割合)などと定められている。
② 旧定率法
(取得価額-既償却額)×旧定率法償却率=償却限度額
※ 期中取得の場合は、事業供用期間の月数(1 月未満切上)による月割計算をする。
③ 旧生産高比例法
(取得価額-残存価額)× 当期の採掘数量
その鉱区の採掘予定数量=償却限度額
④ 旧国外リース期間定額法
(リース資産の取得価額-見積残存価額)×当期の賃貸借期間の月数
賃貸借期間の月数 =償却限度額
⑤ 定額法
取得価額×定額法償却率=償却限度額
※1 期中取得の場合は、事業供用期間の月数(1 月未満切上)による月割計算をする。
※2 最終の事業年度には備忘価額(1 円)を残すように償却する必要がある。
⑥ 定率法
イ 当初の事業年度
(取得価額-既償却額)×定率法償却率=償却限度額
(12)~ 9 ~
※ 期中取得の場合は、事業供用期間の月数(1 月未満切上)による月割計算をする。
ロ 「イの償却限度額<償却保証額」となった事業年度以後
改定取得価額×改訂償却率=償却限度額
※1 償却保証額
取得価額に耐用年数毎に定められた保証率を乗じた金額であり、定率法で耐用年数
内に償却を完了させるため、均等償却への切替えの判断に利用する。
※2 改定取得価額
「イの償却限度額<償却保証額」となった事業年度の期首未償却残額をいう。
※3 最終の事業年度には備忘価額(1 円)を残すように償却する必要がある。
⑦ 生産高比例法
取得価額× 当期の採掘数量
その鉱区の採掘予定数量=償却限度額
⑧ リース期間定額法
(リース資産の取得価額-残価保証額)×当期のリース期間の月数
リース期間の月数 =償却限度額
※ 残価保証額
リース期間終了時にリース資産の処分価額が所有権移転外リース取引に係る契約におい
て定められている保証額に満たない場合にその満たない部分の金額を賃借人が支払うこと
とされている場合における当該保証額をいう。
(4)耐用年数
① 法定耐用年数
耐用年数は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令(耐用年数省令)別表第一から別表第
六までに定められている。
種類 区分
有形減価償却資産(機械及び装置以外のもの) 別表第一
有形減価償却資産(機械及び装置) 別表第二
無形減価償却資産 別表第三
生物 別表第四
公害防止用減価償却資産 別表第五
開発研究用減価償却資産 別表第六
② 機械及び装置の耐用年数
平成20 年度税制改正により、「機械及び装置の耐用年数表」を中心に、耐用年数省令の一部改正が
行われ、資産区分が整理及び耐用年数の見直しがされた。
機械装置の資産区分は日本標準産業分類の中分類を基本に、従来の390 区分から 55 区分へと大括
(13)~ 10 ~
り化された。
なお、平成20 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度から、改正後の耐用年数が適用される。平成 20
年4 月 1 日以後に取得した資産に限るものではなく、同日前に取得した資産も含まれる。
イ 耐用年数の判断基準
機械装置が別表第二のいずれの設備に該当するかは、設備の構成や使用状況などから、その設備
が「本来、どの業種用の設備に当たるか」を一の設備ごとに判断する。法人の業種で1 つの資産区
分と固定的に当てはめるものではない。
ロ 一の設備
一の設備を構成する機械装置を確認する。この際、中間製品に係る設備に対して独自の耐用年数
を適用していた設備も改めて一の設備に含める。
ハ 最終製品に基づく判定
どの業種用の設備として通常使用しているかは、その設備に係る最終製品に基づいて判断する。
最終製品に係る業用設備がどの業種用の設備に当てはまるかの判定は、原則として日本標準産業分
類の分類による。
<中間製品に係る設備に適用する耐用年数 基通1-4-4>
最終製品に係る一連の設備を構成する中間製品に係る設備の規模が当該一連の設備の規模に占める
割合が相当程度であるときは、当該中間製品に係る設備については、最終製品に係る業用設備の耐用
年数を適用せず、当該中間製品に係る業用設備の耐用年数を適用する。
この場合において、次のいずれかに該当すると認められるときは、当該割合が相当程度であると判
定して差し支えない。
イ 法人が中間製品を他に販売するとともに、自己の最終製品の材料、部品等として使用している場
合において、他に販売している数量等の当該中間製品の総生産量等に占める割合がおおむね50%を
超えるとき
ロ 法人が工程の一部をもって、他から役務の提供を請け負う場合において、当該工程における稼動
状況に照らし、その請負に係る役務の提供の当該工程に占める割合がおおむね50%を超えるとき
③ 耐用年数の短縮
法定耐用年数は、標準的な資産を対象とし、通常の維持補修を加えながら通常の使用条件で使用し
た場合の使用可能期間を基礎として定められているが、資産によっては、一定の特別な事由があり法
定耐用年数により減価償却限度額の計算を行ったのでは実情に合わない結果となる場合もある。
耐用年数の短縮制度とは、そのような一定の特別な事由がある場合に、資産の使用可能期間が法定
耐用年数に比して著しく短くなるようなときには、所轄国税局長の承認を受けて法定耐用年数より短
い年数を適用することができるという制度である。
具体的には、次のいずれかの事由により、法定耐用年数より使用可能期間がおおむね10%以上短く
(14)~ 11 ~
なった場合が該当し、承認を受けた資産については、承認を受けた日の属する事業年度以後承認され
た耐用年数を適用することができる。
<短縮事由>
イ 他の減価償却資産の材質等と著しく異なること
ロ 減価償却資産の存する地盤が隆起又は沈下したこと
ハ 減価償却資産が陳腐化したこと
ニ 減価償却資産が著しく腐しょくしたこと
ホ 減価償却資産が著しく損耗したこと
ヘ 他の減価償却資産の通常の構成と著しく異なること
ト 機械及び装置で、省令別表第二に特掲された設備以外のものであること
チ その他上記に準ずる事由があること
なお、短縮の承認を受けた減価償却資産について軽微な変更があった場合、同一の他の減価償却資
産を取得した場合等には改めて承認申請することなく、変更点等の届出により短縮の適用を受けるこ
とができる。
(5)中古資産の取得
① 原則(残存耐用年数の見積り)
耐用年数の全部又は一部を経過した中古資産を取得して業務の用に供した場合には、業務の用に供
した時以後の使用可能期間の年数を見積もって耐用年数とすることができる。
② 簡便法
残存耐用年数を見積もることが困難なときは、法定耐用年数を基にして次の算式で計算した年数に
よることができる。
イ 法定耐用年数の全部を経過したもの
法定耐用年数×0.2=残存耐用年数
ロ 法定耐用年数の一部を経過したもの
法定耐用年数-経過年数+経過年数×0.2=残存耐用年数
※ イ・ロとも1 年未満の端数切捨、その年数が 2 年未満となるときは 2 年とする。
③ 資本的支出の額を区分して計算した場合の耐用年数の簡便計算(基通1-5-6)
取得した中古資産を事業の用に供するにあたり、その資産について支出した資本的支出の額がその
資産の取得価額の50%を超える場合は、②の簡便法は適用できない。
ただし、法人が次の算式により計算した年数(1 年未満の端数切捨)を当該中古資産に係る耐用年
数として計算したときには、当該中古資産を事業の用に供するに当たって支出した資本的支出の金額
が当該減価償却資産の再取得価額の100 分の 50 に相当する金額を超えるときを除き、これを認める。
(15)~ 12 ~
<算式>
中古資産の取得価額(資本的支出の額を含む)
中古資産の取得価額(資本的支出の額を除く)
簡便法による耐用年数
+
中古資産の資本的支出の額
法定耐用年数
④ 中古の総合償却資産の見積り
機械装置などの総合償却資産について、これを構成する個々の資産を一体のものとして、個々の資
産の個別年数を加重平均した年数により償却(総合償却)することが認められているが、機械装置のう
ち一部について中古資産を取得した場合であっても、原則としてその中古の機械装置についてのみ個
別に中古資産の耐用年数を採用することはできない。
ただし、工場を一括取得するなど、一つの設備の種類に属する資産の相当部分について中古資産を
一時に取得した場合には、その中古資産の残存耐用年数が総合償却資産に係る総合耐用年数に影響を
与えるため、中古資産の総合残存耐用年数を見積もり、その中古資産以外の資産と区別して償却する
ことができるものとされている。(耐通1-5-8)
取得した中古資産がその設備の相当部分を占めるかどうかは、その中古資産の再取得価額(新品と
して取得する場合の価額)の合計額が、その中古資産の属する設備全体の再取得価額の合計額のおお
むね30%以上であるかどうかによって判定することとされている。(耐通 1-5-9)
(6)増加償却
① 概要
減価償却資産の法定耐用年数は、通常の使用時間を想定して設定されており、機械及び装置の稼
働率が高くなった場合は損耗が著しくなるため、それに対応して減価償却費を増加させる方法とし
て増加償却制度がある。
増加償却の対象になるのは、機械及び装置で、「耐用年数の適用等に関する取扱通達」の付表5「通
常の使用時間が8 時間又は 16 時間の機械装置」に列挙されているものである。
この付表 5 に掲げられていない機械装置は、使用時間を 24 時間として耐用年数が定められてお
り、付表 5 に掲げられてはいるが、通常の使用時間が 24 時間とされているものと同様に超過使用
時間がないため、増加償却の対象にならない。
② 適用要件(全ての要件を満たすこと)
イ 償却の方法として、旧定額法、旧定率法、定額法又は定率法を採用している機械及び装置であ
ること
ロ 通常の使用時間(8 時間又は 16 時間)を超えて使用していること
ハ 増加償却割合が10%以上であること
※ 増加償却割合
増加償却割合=1 日当たりの超過使用時間×
,
=残存耐用年数
(16)~ 13 ~
③ 償却限度額
通常の償却限度額×(1+増加償却割合)=償却限度額
④ 申告要件
この制度を利用するためには、「増加償却の届出書」を確定申告書に添付してその提出期限までに
納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
2 償却方法の変更
(1)変更申請
償却方法を変更するには、事業年度開始の日の前日までに申請書を提出して、その承認を受けなけ
ればならない。
ただし、いったん採用した減価償却資産の償却の方法は特別の事情がない限り継続して適用す
べきものであるから、合理的な理由がない場合や、その現によっている償却の方法を採用してか
ら3 年を経過していない場合は、その変更が合併や分割に伴うものである等その変更することに
ついて特別な理由があるときを除き、認められない。(基通7-2-4)
(2)変更後の償却方法
① 定額法を定率法に変更した場合(基通7-4-3)
変更事業年度期首帳簿価額×法定耐用年数=償却限度額
② 定率法を定額法に変更した場合(基通7-4-4)
イ 取得価額又は残存価額
A 平成19 年 3 月 31 日以前に取得した減価償却資産
その変更した事業年度開始の日における帳簿価額を取得価額とみなし、実際の取得価額の
10%相当額を残存価額とする。
B 平成19 年 4 月 1 日以後に取得した減価償却資産
その変更した事業年度開始の日における帳簿価額を取得価額とみなす。
ロ 耐用年数
減価償却資産の種類の異なるごとに、法人の選択により、次のA又はBの年数による。
A 法定耐用年数
B 法定耐用年数-経過年数
※ 経過年数
その変更をした事業年度開始の日における帳簿価額を実際の取得価額をもって除して得
た割合に応ずるその法定耐用年数に係る未償却残額割合に対応する経過年数)を控除した
年数(その年数が2 年未満の場合は、2 年)
(17)~ 14 ~
3 少額減価償却資産等
(1)少額減価償却資産の損金算入制度
「使用可能期間が 1 年未満」又は「取得価額が 10 万円未満」の少額減価償却資産は、事業の用に
供した日の属する事業年度において損金経理を行うことにより、損金の額に算入できる。
<少額の減価償却資産又は一括償却資産の取得価額の判定 基通7-1-11>
少額減価償却資産又は次の一括償却資産の取得価額が10 万円未満又は 20 万円未満であるかど
うかは、通常1 単位として取引されるその単位、例えば、機械及び装置については 1 台又は 1 基
ごとに、工具、器具及び備品については1 個、1 組又は 1 そろいごとに判定し、構築物のうち例
えば枕木、電柱等単体では機能を発揮できないものについては一の工事等ごとに判定する。
(2)一括償却資産の損金算入制度
「取得価額が20 万円未満」の減価償却資産(上記(1)の適用を受けたものを除く)は、事業年度
ごとに一括して3 年間で損金経理により損金の額に算入することができる。
なお、損金経理をした金額には、一括償却対象額につきその事業年度前の各事業年度において損金経
理をした金額のうちその各事業年度の損金の額に算入されなかった金額を含むこととされている。
<算式>
一括償却対象額×その事業年度の月数=損金算入限度額
<一括償却資産につき滅失等があった場合の取扱い 基通7-1-13>
一括償却の適用を受けている場合には、その後の各事業年度においてその全部又は一部につき
譲渡、滅失、除却等の事実が生じたときであっても、一括償却を継続しなければならない。
(3)中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入
青色申告法人が、取得価額が30 万円未満の一定の少額減価償却資産の取得価額相当額につき、その
事業の用に供した事業年度において損金経理したときには、その損金経理した金額を損金の額に算入
することができる。
なお、その事業年度における少額減価償却資産の取得価額の合計額が300 万円を超えるときは、300
万円に達するまでのその少額減価償却資産の取得価額の合計額が限度額となる。
① 対象法人
青色申告書を提出する中小企業者に該当する法人又は農業協同組合等。
中小企業者とは、次のいずれかに該当する法人とされている。
イ 資本又は出資の金額が1 億円以下の法人(資本又は出資の 2 分の 1 以上が同一の大規模法人の
所有に属している法人又は資本若しくは出資の3 分の 2 以上が二以上の大規模法人の所有に属し
ている法人を除く)
ロ 資本又は出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000 人以下の法人
(18)~ 15 ~
② 対象資産
平成15 年 4 月 1 日から平成 23 年 3 月 31 日までの間に取得等をし、事業の用に供した取得価額
が30 万円未満の減価償却資産で、少額の減価償却資産の取得価額の損金算入の規定、一括償却資産
の損金算入の規定、他の特別償却や税額控除、租税特別措置法上の圧縮記帳の適用を受けないもの。
③ 申告要件
この制度は、確定申告書等に少額減価償却資産の取得価額の明細書を添付して申告することが必
要となっているが、明細書の添付に代えて、減価償却資産の償却額の計算に関する明細書(別表十
六(一)又は別表十六(二)等)の備考欄に「取得価額 30 万円未満の減価償却資産について措置法 67
条の5 の規定を適用している。また、適用した減価償却資産の取得価額の合計額は○○円であり、
その明細は別途保管している。」のように本制度を受けている旨、取得価額の合計額、適用した減
価償却資産の明細を別途保管していることを記載すればよいことになっている。
(4)少額減価償却資産、一括償却資産、中小企業者等の少額減価償却資産の各制度の関係
取得価額 中小企業者等 中小企業者等以外
10 万円未満 全額損金算入 ※2
一括償却 ※2
資産計上(減価償却)
全額損金算入 ※2
一括償却 ※2
資産計上(減価償却)
10 万円以上 20 万円未満 全額損金算入
一括償却 ※2
資産計上(減価償却)
一括償却 ※2
資産計上(減価償却)
20 万円以上 30 万円未満 全額損金算入
資産計上(減価償却)
資産計上(減価償却)
30 万円以上 資産計上(減価償却) 資産計上(減価償却)
※1 消費税の取扱い
取得価額の金額の判定は、法人が税抜経理をしている場合は税抜きで判定し、税込経理をし
ている場合は税込みで判定する。
※2 固定資産税(償却資産税)
少額減価償却資産(10 万円未満)の全額損金算入及び一括償却資産の一括償却の適用を受け
る場合は、償却資産税の課税対象とはならない。
しかし、これらの適用を受けずに資産計上した場合や中小企業者等の少額減価償却資産(30
万円未満)の適用を受けるものについては、固定資産税の課税対象となる。
(19)~ 16 ~
Ⅲ 資本的支出と修繕費
1 原則
(1)資本的支出と修繕費の区分
固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち、「その固定資産の価値を高め又はその耐久
性を増やすこととなると認められる部分に対応する金額」が資本的支出とされ、「その固定資産の通
常の維持管理のため又は災害等によりき損した固定資産につきその原状を回復するために要したと認
められる部分の金額」が修繕費とされる。
資本的支出の金額は、次のいずれか多い金額とされる。
① 使用可能期間を延長させる部分に対応する金額
支出金額×支出後の使用可能年数 支出しなかった場合の残存使用可能年数
支出後の使用可能年数 =資本的支出の金額
② 価値を増加させる部分に対応する金額
支出後の時価-通常の管理又は修理をしていた場合の時価=資本的支出の金額
(2)資本的支出の例示(基通
7-8-1)
法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の価値を高め、
又はその耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額が資本的支出となるのであるか
ら、例えば次に掲げるような金額は、原則として資本的支出に該当する。
① 建物の避難階段の取付等物理的に付加した部分に係る費用の額
② 用途変更のための模様替え等改造又は改装に直接要した費用の額
③ 機械の部分品を特に品質又は性能の高いものに取り替えた場合のその取替えに要した費用の額の
うち通常の取替えの場合にその取替えに要すると認められる費用の額を超える部分の金額
(注) 建物の増築、構築物の拡張、延長等は建物等の取得に当たる。
(3)修繕費に含まれる費用(基通7-8-2)
法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の通常の維持
管理のため、又はき損した固定資産につきその原状を回復するために要したと認められる部分の金額
が修繕費となるのであるが、次に掲げるような金額は、修繕費に該当する。
① 建物の移えい又は解体移築をした場合(移えい又は解体移築を予定して取得した建物についてし
た場合を除く)におけるその移えい又は移築に要した費用の額。ただし、解体移築にあっては、旧
資材の70%以上がその性質上再使用できる場合であって、当該旧資材をそのまま利用して従前の建
物と同一の規模及び構造の建物を再建築するものに限る。
② 機械装置の移設に要した費用(解体費を含む)の額
③ 地盤沈下した土地を沈下前の状態に回復するために行う地盛りに要した費用の額。ただし、次に
掲げる場合のその地盛りに要した費用の額を除く。
イ 土地の取得後直ちに地盛りを行った場合
ロ 土地の利用目的の変更その他土地の効用を著しく増加するための地盛りを行った場合
(20)~ 17 ~
ハ 地盤沈下により評価損を計上した土地について地盛りを行った場合
④ 建物、機械装置等が地盤沈下により海水等の浸害を受けることとなったために行う床上げ、地上
げ又は移設に要した費用の額。ただし、その床上工事等が従来の床面の構造、材質等を改良するも
のである等明らかに改良工事であると認められる場合のその改良部分に対応する金額を除く。
⑤ 現に使用している土地の水はけを良くする等のために行う砂利、砕石等の敷設に要した費用の額
及び砂利道又は砂利路面に砂利、砕石等を補充するために要した費用の額
2 区分の特例
(1)少額又は周期の短い費用の取扱い(基通7-8-3)
一の計画に基づき同一の固定資産について行う修理、改良等が次のいずれかに該当する場合には、
その修理、改良等のために要した費用の額については、修繕費として損金経理をすることができるも
のとする。
① その一の修理、改良等のために要した費用の額(その一の修理、改良等が2 以上の事業年度にわ
たって行われるときは、各事業年度ごとに要した金額)が20 万円に満たない場合
② その修理、改良等がおおむね3 年以内の期間を周期として行われることが既往の実績その他の事
情からみて明らかである場合
(注) 本文の「同一の固定資産」は、一の設備が 2 以上の資産によって構成されている場合には当該
一の設備を構成する個々の資産とし、送配管、送配電線、伝導装置等のように一定規模でなければ
その機能を発揮できないものについては、その最小規模として合理的に区分した区分ごととする。
(2)形式的区分基準(基通7-8-4)
一の修理、改良等のために要した費用の額のうちに資本的支出であるか修繕費であるかが明らかで
ない金額がある場合において、その金額が次のいずれかに該当するときは、修繕費として損金経理を
することができるものとする。
① その金額が60 万円に満たない場合
② その金額がその修理、改良等に係る固定資産の前期末における取得価額のおおむね10%相当額以
下である場合
なお、前期末における取得価額とは、原始取得価額にその固定資産についてした資本的支出の額を
加算したものである。
(3)災害等の場合の区分の特例(基通7-8-6)
災害により被害を受けた固定資産(当該被害に基づき評価損を計上したものを除く)について支出
した次に掲げる費用に係る資本的支出と修繕費の区分については、それぞれ次による。
① 被災資産につきその原状を回復するために支出した費用は、修繕費に該当する。
② 被災資産の被災前の効用を維持するために行う補強工事、排水又は土砂崩れの防止等のために支
出した費用について、法人が、修繕費とする経理をしているときは、これを認める。
③ 被災資産について支出した費用(上記①又は②に該当する費用を除く)の額のうちに資本的支出
(21)~ 18 ~
であるか修繕費であるかが明らかでないものがある場合において、法人が、その金額の30%相当額
を修繕費とし、残額を資本的支出とする経理をしているときは、これを認める。
(注) 法人が、被災資産の復旧に代えて資産の取得をし、又は特別の施設(被災資産の被災前の効用
を維持するためのものを除く)を設置する場合の当該資産又は特別の施設は新たな資産の取得に該
当し、その取得のために支出した金額は、これらの資産の取得価額に含めることに留意する。
(4)資本的支出と修繕費の区分の特例(基通 7-8-5)
一の修理、改良等のために要した費用の額のうちに資本的支出であるか修繕費であるかが明らかで
ない金額がある場合において、法人が、継続してその金額の30%相当額とその修理、改良等をした固
定資産の前期末における取得価額の10%相当額とのいずれか少ない金額を修繕費とし、残額を資本的
支出とする経理をしているときは、これを認める。
(注) 耐用年数を経過した減価償却資産について修理、改良等をした場合も、上記に従って資本的支
出と修繕費の区分を行う。
<まとめ>
(22)~ 19 ~
Ⅳ 特別償却
1 特別償却の種類
(1)特別償却
① エネルギー需給構造改革推進設備等を取得した場合の特別償却等(措法42 の 5)
② 中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却等(措法42 の 6)
③ 事業基盤強化設備等を取得した場合等の特別償却等(措法42 の 7)
④ 沖縄の特定中小企業者が経営革新設備等を取得した場合の特別償却等(措法42 の 10)
⑤ 特定設備等の特別償却(措法43)
⑥ 関西文化学術研究都市の文化学術研究地区における文化学術研究施設の特別償却(措法43 の 2)
⑦ 地震防災対策用資産の特別償却(措法44)
⑧ 集積区域における集積産業用資産の特別償却(措法44 の 2)
⑨ 事業革新設備等の特別償却(措法44 の 3)
⑩ 共同利用施設の特別償却(措法44 の 4)
⑪ 新用途米穀加工品等製造設備の特別償却(措法44 の 5)
⑫ 特定地域における工業用機械等の特別償却(措法45)
⑬ 医療用機器等の特別償却(措法45 の 2)
⑭ 障害者を雇用する場合の機械等の割増償却等(措法46 の 2)
(2)割増償却
① 経営基盤強化計画を実施する指定中小企業者の機械等の割増償却(措法46)
② 障害者を雇用する場合の機械等の割増償却等(措法46 の 2)
③ 支援事業所取引金額が増加した場合の3 年以内取得資産の割増償却(措法 46 の 3)
④ 事業所内託児施設等の割増償却(措法46 の 4)
⑤ 高齢者向け優良賃貸住宅の割増償却(措法47)
⑥ 特定再開発建築物等の割増償却(措法47 の 2)
⑦ 倉庫用建物等の割増償却(措法48)
(3)共通事項
① 原則として青色申告法人に限られる。(措法47 の高齢者向け優良賃貸住宅の割増償却は白色申告
法人でも適用を受けられる)
② 特別償却・特別控除の重複適用、措置法上の圧縮記帳制度との重複適用は認められない。
③ 特別償却不足額は、1 年間の繰越が認められる。
2 主な特別償却
(1)中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却等(措法 42 の 6)
① 概要
(23)~ 20 ~
青色申告書を提出する中小企業者等が、平成10 年 6 月 1 日から平成 24 年 3 月 31 日までの間に
おいて、特定機械装置等(新品)の取得等をして事業の用に供した場合には、取得価額の30%相当
額の特別償却又は取得価額の7%相当額の税額控除限のいずれかを選択適用できる。
※ 税額控除を適用できるのは資本金3,000 万円以下の法人のみ。
② 適用対象者
青色申告法人のうち、中小企業者に該当する法人又は農業協同組合等。
なお、中小企業者とは、次のいずれかに該当する法人とされている。
イ 資本又は出資の金額が1 億円以下の法人(資本又は出資の 2 分の 1 以上が同一の大規模法人の
所有に属している法人又は資本若しくは出資の3 分の 2 以上が二以上の大規模法人の所有に属し
ている法人を除く)
ロ 資本又は出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000 人以下の法人
③ 対象設備
イ 機械及び装置(1 台または 1 基の取得価額が 160 万円以上)
ロ 器具及び備品(1 台または 1 基の取得価額が 120 万円以上)
ハ ソフトウエア(同一事業年度の取得価額の合計額が70 万円以上)
ただし、複写して販売するための原本、開発研究用OS、サーバー用 OS、サーバー用仮想化ソ
フトウェア、データベース管理システム、連携ソフトウェア、ファイアウォールを除く。
二 貨物自動車(車両総重量が3.5 トン以上)
ホ 内航船舶(取得価額の75%以上が対象)
④ 特別償却限度額及び税額控除限度額
イ 特別償却限度額
取得価額×30%
ロ 税額控除限度額
取得価額×7%(当期の法人税額の 20%相当額を限度)
※ その年の税額から控除しきれない金額(税額控除限度超過額)は、1 年間の繰り越しがで
きる。
<計算例>
資本金3,000 万円の法人が 300 万円の機械装置を購入し、法人税額が 100 万円であった場合。
① 特別償却を受ける場合
特別償却限度額=300 万円×30%=90 万円(損金算入)
② 税額控除を受ける場合
税額控除限度額=300 万円×7%=21 万円 > 法人税額 100 万円×20%=20 万円
∴20 万円(超過額 1 万円については翌期に繰り越し)
(24)~ 21 ~
(2)事業基盤強化設備等を取得した場合等の特別償却等(措法 42 の 7)
① 概要
特定中小企業者等が、昭和62 年 4 月 1 日から平成 23 年 3 月 31 日までの間において、事業基盤
強化設備等(新品)の取得等をして事業の用に供した場合には、取得価額の30%相当額の特別償却
又は取得価額の7%相当額の税額控除限のいずれかを選択適用できる。
※ 税額控除を適用できるのは資本金3,000 万円以下の法人のみ。
② 適用対象者
特定中小企業者等(青色申告法人のうち、個人事業者または資本金1 億円以下の卸売業、小売業、
サービス業を営む中小企業者等が該当する)
③ 対象設備
イ 機械・装置及び備品・器具等の事業基盤強化設備
ロ サーバー用 OS、サーバー用仮想化ソフトウェア、データベース管理システム、連携ソフトウ
ェア、ファイアウォール等の情報基盤強化設備等
④ 取得価額
イ 機械及び装置(1 台または 1 基の取得価額が 280 万円以上)
ロ 器具及び備品(1 台または 1 基の取得価額が 120 万円以上)
ハ 情報基盤強化設備(同一事業年度の取得価額の合計額が70 万円以上)
⑤ 特別償却限度額及び税額控除限度額
イ 特別償却限度額
取得価額×30%
ロ 税額控除限度額
取得価額×7%(当期の法人税額の 20%相当額を限度)
※ その年の税額から控除しきれない金額(税額控除限度超過額)は、1 年間の繰り越しがで
きる。
(3)エネルギー需給構造改革推進設備等を取得した場合の特別償却等(措法 42 の 5)
① 概要
青色申告書を提出する法人が、平成4 年 4 月 1 日から平成 24 年 3 月 31 日までの間において、エ
ネルギー需給構造改革推進設備等(新品)の取得等をして1 年以内に事業の用に供した場合には、
取得価額の30%相当額の特別償却又は取得価額の 7%相当額の税額控除限のいずれかを選択適用で
きる。
※ 税額控除を適用できるのは中小企業者等のみ。
② 適用対象者
(25)~ 22 ~
青色申告法人(中小企業者等を含む全法人)
③ 対象設備
イ エネルギー有効利用製造設備等
ロ エネルギー有効利用付加設備等
ハ 電気・ガス需要平準化設備(取得価額×50%以上が対象)
ニ 新エネルギー利用設備等
ホ 電気供給安定化設備 (取得価額×50%以上が対象)
ヘ エネルギー使用合理化設備
ト エネルギー使用制御設備
④ 特別償却限度額及び税額控除限度額
イ 特別償却限度額
取得価額×30%
ロ 税額控除限度額
取得価額×7%(当期の法人税額の 20%相当額を限度)
※ その年の税額から控除しきれない金額(税額控除限度超過額)は、1 年間の繰り越しがで
きる。
⑤ 即時償却
平成21 年度改正により、平成 21 年 4 月 1 日から 23 年 3 月 31 日までに取得等して事業の用に供
したものについては、その事業年度に即時償却が可能となった。
(4)高齢者向け優良賃貸住宅の割増償却(措法 47)
① 概要
法人が、高齢者の居住の安定確保に関する法律の施行の日(平成13 年 8 月 5 日)から平成 23 年
3 月 31 日までの間に、次の高齢者向け優良賃貸住宅を取得し、又は新築して賃貸の用に供した場合
には、その賃貸の用に供した日以後5 年以内の日を含む各事業年度において、その高齢者向け優良
賃貸住宅について割増償却を行うことができる。
※ 青色申告法人以外の法人でも適用がある。
② 対象資産
イ 高齢者向け優良賃貸住宅(高齢者の居住の安定確保に関する法律の認定計画に基づき建築され
る賃貸住宅をいう)であること
ロ 共同住宅又は長屋の各独立部分の数が5 以上であること
ハ 建築費用について地方公共団体の補助を受けていること
ニ 床面積が35 ㎡以上であること
(26)~ 23 ~
③ 特別償却限度額
イ 高齢者の居住の安定確保に関する法律の認定支援施設のうち一定のものについての記載がある
認定計画に基づき整備が行われた高齢者向け優良賃貸住宅
40%(耐用年数が 35 年以上であるものは 55%)
ロ 高齢者向け優良賃貸住宅で上記①に掲げるもの以外のもの
20%(耐用年数が 35 年以上であるものは 28%)
(5)特別償却準備金
① 概要
法人が、特別償却を行うことに代えて、各特別償却対象資産別に特別償却限度額(割増償却限度
額を含む)以下の金額を損金経理又は剰余金の処分により積み立てたときは、その積み立てた金額
は損金の額に算入する。
② 積立時
剰余金の処分により積み立てた場合は、申告調整(減算・留保)することとなる。
③ 取崩時
積み立てた翌事業年度からは、均等額を取り崩して益金の額に算入することとなる。
イ 特別償却対象資産の耐用年数が10 年以上である場合
事業年度毎、特別償却対象資産毎の当初積立額×当事業年度の月数=益金算入額
ロ 特別償却対象資産の耐用年数が10 年未満である場合
事業年度毎、特別償却対象資産毎の当初積立額× 当事業年度の月数
と耐用年数
のいずれか少ない数
=益金算入額
(27)~ 24 ~
Ⅴ 圧縮記帳
1
圧縮記帳とは
圧縮記帳とは、国庫補助金等の交付を受けて固定資産を取得した場合に、その固定資産の取得価額
から国庫補助金等に相当する金額を控除(圧縮)した金額をもって固定資産の取得価額とする方法で
ある。
国庫補助金の交付を受けた場合、国庫補助金受贈益(特別利益)が計上されることになるが、法人
税法において認められている圧縮額を固定資産圧縮損(特別損失)として計上することにより、税務
上は、国庫補助金受贈益(特別利益)相当額に対して、一時に課税が行われることを回避できる効果
がある。
2 圧縮記帳の種類
(1)法人税法上の圧縮記帳
① 国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入等(法42~44)
② 工事負担金で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入(法45)
③ 非出資組合が賦課金で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入(法46)
④ 保険金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入等(法47~49)
⑤ 交換により取得した資産の圧縮額の損金算入等(法50)
(2)措置法上の圧縮記帳
① 農用地等を取得した場合の課税の特例(措法61 の 3)
② 収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例等(措法64~64 の 2)
③ 換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例(措法65)
④ 特定の資産の買換えの場合の課税の特例等(措法65 の 7~65 の 9)
⑤ 特定の交換分合により土地等を取得した場合の課税の特例(措法65 の 10)
⑥ 大規模な住宅地等造成事業の施行区域内にある土地等の造成のための交換等の場合の課税の特例
等(措法65 の 11~65 の 12)
⑦ 認定事業用地適正化計画の事業用地の区域内にある土地等の交換等の場合の課税の特例等(措法
65 の 13~65 の 14)
⑧ 特定普通財産とその隣接する土地等の交換の場合の課税の特例(措法66)
⑨ 平成21 年及び平成 22 年に土地等の先行取得をした場合の課税の特例(措法 66 の 2)
⑩ 技術研究組合の所得計算の特例(措法66 の 10)
⑪ 転廃業助成金等に係る課税の特例(措法67 の 4)
(3)圧縮記帳の会計処理
圧縮記帳の会計処理には、以下の2 つの方法がある。なお、上記(1)のうち⑤及び(2)のうち
③⑤⑩⑪については、直接減額方式しか利用できない。
(28)~ 25 ~
① 直接減額方式
固定資産の取得価額から法人税法の規定に基づく圧縮限度額を直接控除し、圧縮限度額控除後の
価額をもって固定資産の貸借対照表計上額とする方法。
② 剰余金の処分方式
取得価額をもって固定資産の貸借対照表計上額とし、法人税法上の規定に基づく圧縮限度額につ
いては、確定した決算において剰余金の処分により、圧縮積立金等として積み立てる方法。
3 主な圧縮記帳制度
(1)国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入等(法 42~44)
① 概要
法人が、各事業年度において固定資産の取得又は改良に充てるための国又は地方公共団体等から
国庫補助金等の交付を受け、当該事業年度においてその国庫補助金等をもってその交付の目的に適
合した固定資産の取得又は改良をした場合には、圧縮限度額の範囲内で圧縮記帳が認められる。
圧縮限度額は、固定資産の取得又は改良に充てた国庫補助金等の額に相当する金額をいう。
国庫補助金等の返還を要しないことが当該事業年度終了の時までに確定した場合には、その事業
年度において圧縮記帳が認められ、返還不要が確定していない場合は、特別勘定の経理が認められ
る。
② 国庫補助金等の範囲
イ 国又は地方公共団体の補助金又は給付金
ロ 障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構の同条第
1 項第 2 号、第 3 号及び第 5 号から第 7 号までに規定する助成金
ハ 福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律に基づく独立行政法人新エネルギー・産業技
術総合開発機構の助成金
ニ 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法に基づく独立行政法人新エネルギー・産
業技術総合開発機構の助成金(一定のものを除く)
ホ 公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律に基づく独立行政法人
空港周辺整備機構又は成田国際空港株式会社の補助金
ヘ 独立行政法人農畜産業振興機構法に基づく独立行政法人農畜産業振興機構の補助金
ト 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法に基づく独立行政法人鉄道建設・運輸施設整
備支援機構の補助金
チ 電波法に基づく指定周波数変更対策機関の給付金
リ 日本たばこ産業株式会社が日本たばこ産業株式会社法の規定による認可を受けた事業計画に定
めるところに従って交付するたばこ事業法に規定する葉たばこの生産基盤の強化のための助成金
③ 圧縮限度額
(29)~ 26 ~
イ 返還不要確定の日の属する事業年度前に交付の目的に適合した固定資産を取得等している場合
次のいずれか少ない金額
A 特別勘定の金額
B 返還不要が確定した日における固定資産の帳簿価額×返還を要しない補助金等の額
固定資産の取得に要した金額
ロ 返還不要確定の日の属する事業年度以後に交付の目的に適合した固定資産を取得等した場合
その固定資産の取得等に充てた補助金等の額
(2)保険金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入等(法 47~49)
① 概要
法人が、各事業年度において所有固定資産の滅失又は損壊により保険金等の支払を受け、当該事
業年度においてその保険金等をもってその滅失をした所有固定資産に代替する同一種類の固定資産
の取得又は改良をした場合には、圧縮限度額の範囲内で圧縮記帳が認められる。
② 保険金等の範囲
所有固定資産の滅失又は損壊により取得する保険金若しくは共済金又は損害賠償金で、滅失又は
損壊のあった日から3 年以内に支払の確定したものとする。
なお、所有固定資産の滅失等に関連して支払を受ける保険金等であっても、次に掲げるような保
険金等については圧縮記帳の適用はない。(基通10-5-1)
イ 棚卸資産の滅失等により受ける保険金等
ロ 所有固定資産の滅失等に伴う休廃業等により減少し、又は生ずることとなる収益又は費用の補
てんに充てるものとして支払を受ける保険金等
③ 圧縮限度額
圧縮限度額=保険差益×分母の金額のうち代替資産の取得又は改良に充てた金額
保険金等の額 滅失等により支出する経費の額
※ 保険差益=保険金等の額-滅失等により支出する経費の額-被害部分の帳簿価額
(3)交換により取得した資産の圧縮額の損金算入等(法 50)
① 概要
法人が、各事業年度において、1 年以上有していた固定資産で一定のものをそれぞれ他の者が 1
年以上有していた固定資産で一定のもの(交換のために取得したと認められるものを除く)と交換
し、その交換により取得した資産をその交換により譲渡した資産の譲渡の直前の用途と同一の用途
に供した場合には、圧縮限度額の範囲内で圧縮記帳が認められる。
② 対象資産
イ 土地(建物又は構築物の所有を目的とする地上権及び賃借権並びに農地の上に存する耕作に関
する権利を含む。)
(30)~ 27 ~
ロ 建物(これに附属する設備及び構築物を含む。)
ハ 機械及び装置
ニ 船舶
ホ 鉱業権(租鉱権及び採石権その他土石を採掘し又は採取する権利を含む。)
③ 適用要件
イ 譲渡資産は1 年以上有していた固定資産であること
ロ 取得資産は他の者が1 年以上有していた固定資産(交換のために取得したと認められるものを
除く)であること
ハ 取得資産を譲渡資産の譲渡の直前の用途と同一の用途に供すること
ニ 交換の時における取得資産の価額と譲渡資産の価額との差額がこれらの価額のうちいずれか多
い価額の100 分の 20 以下であること
④ 圧縮限度額
イ 交換差金がない場合
圧縮限度額=取得資産の価額- 譲渡資産の譲渡
直前の帳簿価額
+
譲渡経
費の額
ロ 交換差金を取得した場合
圧縮限度額=取得資産の価額- 譲渡資産の譲渡
直前の帳簿価額
+
譲渡経
費の額 ×
取得資産の価額
取得資産の価額+交換差金の額
ハ 交換差金を支払った場合
圧縮限度額=取得資産の価額- 譲渡資産の譲渡
直前の帳簿価額
+
譲渡経
費の額
+
交換差
金の額
<遊休資産の交換 基通10-6-1>
この規定は、現に事業の用に供していない固定資産を交換した場合にも適用があるものとする。
<建設中の期間 基通10-6-1 の 2>
この規定を適用する場合において、その交換の対象となった資産を1 年以上有していたかどうかの
判定については、建物等の建設中の期間はその所有期間に含めない。
<交換の対象となる建物附属設備等 基通10-6-3>
交換の対象となる建物に附属する設備及び構築物は、その建物と一体となって交換される場合に限
り建物としてこの規定の適用があるのであるから、建物に附属する設備又は構築物は、それぞれ単独
にはこの規定の適用がないことに留意する。
<借地権の交換等 基通10-6-3 の 2>
例えば自己の有する土地に新たに借地権を設定し、その設定の対価として相手方から土地等を取得