平成19年度税制改正により、税務上も会計上とおおむね同様の判定により、売買処理又は賃貸借処 理に準じて処理することとされたため、基本的には税務上・会計上の差異は生じない。
(1)所有権移転外ファイナンス・リース取引の税務処理
税務上の所有権移転外ファイナンス・リース取引の判定は、「中途解約不能」で、かつ、「フルペイ
~ 38 ~
アウト」であることを前提に、
① リース期間終了時等にリース資産が無償等で賃借人に譲渡されないこと
② リース期間終了時等に借手がリース資産を著しく有利な価額で買い取る権利が付与されていない こと
③ そのリース資産が借手によってのみ使用されるもの等ではないこと
④ リース期間が法定耐用年数と比べ相当短いものでないこと
のいずれの要件も満たしていれば、税務上も所有権移転外ファイナンス・リースとされる。
したがって、会計上、所有権移転外ファイナンス・リースに該当したならば、基本的には税務上も、
所有権移転外ファイナンス・リースとして処理することとなる。
(2)所有権移転外ファイナンス・リース取引で利息相当額を利息法で配分する場合
① リース債務の元本部分
会計上の償却方法としてリース期間定額法を選択した場合、税務上もリース期間定額法を唯一の 償却方法としているので会計と税務でズレが生じず、申告調整の問題は生じない。
② 利息相当額
会計上、利息相当額を利息法で費用計上している場合、税務上も認められているため、申告調整 の問題が生じることはない。
③ 消費税
所有権移転外ファイナンス・リースを会計上売買処理している場合は、借手における仕入税額控 除計算では、原則どおり、リース資産の引渡し時に一括控除することとなる。
④ 外形標準課税
支払利息は外形標準課税の付加価値額に含まれることとなり、結果的に外形標準課税の負担は増 す。
(3)所有権移転外ファイナンス・リース取引で利息相当額を定額法で配分する場合
① リース債務の元本部分
会計上の償却方法としてリース期間定額法を選択した場合、税務上もリース期間定額法を唯一の 償却方法としているので会計と税務でズレが生じず、申告調整の問題は生じない。
② 利息相当額
会計上、利息相当額を定額法で費用計上している場合、税務上も認められているため、申告調整 の問題が生じることはない。
③ 消費税
所有権移転外ファイナンス・リースを会計上売買処理している場合は、借手における仕入税額控
~ 39 ~
除計算では、原則どおり、リース資産の引渡し時に一括控除することとなる。
④ 外形標準課税
支払利息は外形標準課税の付加価値額に含まれることとなり、結果的に外形標準課税の負担は増 す。
(4)所有権移転外ファイナンス・リース取引で利息相当額を区分せずに元本に含めた場合
① リース債務の元本部分(利息相当額を含む)
会計上の償却方法としてリース期間定額法を選択した場合、税務上もリース期間定額法を唯一の 償却方法としているので会計と税務でズレが生じず、申告調整の問題は生じない。
② 消費税
所有権移転外ファイナンス・リースを会計上売買処理している場合は、借手における仕入税額控 除計算では、原則どおり、リース資産の引渡し時に一括控除することとなる。
③ 外形標準課税
支払利息が生じていないので、結果的に外形標準課税の負担は増えない。
(5)所有権移転外ファイナンス・リース取引で賃貸借処理をした場合
① 賃貸借処理
少額又は短期のリースで個々のリース資産に重要性が乏しいと認められる場合は、所有権移転外 ファイナンス・リース取引であっても会計上「賃貸借処理」が認められる。
法人税法上は「賃借料として損経理した金額は、償却費として損金経理した金額に含まれるもの とする」と規定しているため、会計上の賃借料を法人税上はそのまま償却費として損金算入するこ とが認められるので、申告調整の問題は生じない。
② 消費税
所有権移転外ファイナンス・リースを会計上賃貸借処理している場合は、借手における仕入税額 控除計算では、リース期間に渡って分割控除することも認められる。
③ 外形標準課税
支払利息が生じていないので、結果的に外形標準課税の負担は増えない。