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苗木財産区1年間の取組み

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Academic year: 2021

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SGEC

森林管理認証

審査調書

-富士宮市白糸財産区-

(FERI-003)

審査年度

平成 24 年度

審査期間

第二期

審査の種類

新規審査/定期審査/更新審査/追加審査

報告書の種類

現地審査/最終版/概要版

(財)林業経済研究所

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2 1. 事業体 名称等 名 称: 富士宮市白糸財産区 代表者:須藤秀忠 住 所:静岡県富士宮市市原 1113 番地 担当者名:所長 渡辺 寛 事業体概要 (沿革、業務内容、 規模等) 白糸財産区は、昭和 33 年 4 月 1 日、富士宮市との市町村合併に 伴い特別地方公共団体として設立された。区域内は世帯数 788 世 帯、人口 2,081 人(平成 24 年 6 月 30 日現在)を擁し、管理者は富士 宮市長である。 財産区の運営には、地区住民の意思を十分に反映させる必要から 富士宮市条例により財産区議会が設置され、議員 12 名(任期 4 年) による年 3 回の定例会が開催されている。 議会の役割は、当局より提出される議案について審議し議決する 事で、この事務は富士宮市長が執行し、実務は市の出先機関である 白糸出張所の市職員が補助執行している。 財産区の設立以前の白糸の歴史について少しふれておきたい。 白糸の名は、明治 22 年地域の近隣 5 村の合併により名瀑白糸滝の 名を得て白糸村となった。 当時の白糸は、お茶、三椏、たばこ、養蚕に農家の活路を求めて いたが、いつの時代も村民は貧困から救われなかった。 貧しさにやがては人の心もすさみ村の平和はなく村財政はどん底 の状態であつた。その様な状況の中、村民の経済の安定、村財政確 立のために植林経営以外に道なしとし、部落の原野を統合し村民の 総力を挙げて村営植林を村当局と有志は発企し、8 年の長きにわた る歳月の末、ようやく統合、植林への道が開いた(明治 37 年)。その 後、報徳同志会、消防組、小学校児童等の協力もあり、明治 44 年村 有林経営を前提とする部落共有地の一大統合に結びつけた。この様 に治村 100 年の大計とはいえ統合、植林への道は容易ならぬものが あった。 白糸財産区のある富士宮市は、静岡県東部地区に属し、日本の象 徴である富士山の西南麓に位置し広大な森林や豊富な湧水等に恵 まれ、46%にあたる地域が国立公園に指定されている。市は平成 22 年 3 月に芝川町と合併し、本市の総面積は 38,899ha のうち、66%に あたる 25,577ha が森林で覆われ、その内 18,497ha が民有林で杉、 桧を主体に植林されている。しかし、40 年生以上の森林が 91%を占 めており、成熟した資源の積極的な利用が望まれ、今後公益性と経 済性が両立できる適正な森林施業を実施していくことが重要であり、 白糸財産区の属する天子山系の東側斜面の標高 500mから 1,200m の範囲においても、同様の森林施業が必要である。なお財産区の所 有する面積は、約 915ha で人工林が約 675ha(73.9%)で天然林は約 163ha(17.8%)である。人工林の 75%が桧で残り 25%は杉で構成され ている。 財産区有林は、ほぼ全域保安林と国立公園の第 2 種、3 種の指定 を受けている。森林施業に関しては、経営計画(施業計画)に基づき

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3 撫育管理を行い、法正林に導くように行っている。また枝打ち等を積 極的に行い優良材の生産に努めている。 なお、区有林内の 123ha が本地域の重要水源地であることから、昭 和 53 年に静岡県の水源かん養モデル林の指定を受け、また同区域 内の 15ha を昭和 63 年に複層林整備地区の指定を受けた。昭和 56 年より地元小学生を対象に次世代を担う子供たちに対し森林の大切 さについての学習の場を提供、さらに区有林内には、天子の森・田貫 湖等の自然景観を利用したキャンプ場等が点在し、森林と有機的に 結びつけたふれあいの場としての活用が期待されている。 2. 認証対象森林 認証有効期間 平成 24 年 9 月 30 日~平成 29 年 9 月 29 日 認証対象森林面積 850.59ha 森林の住所 静岡県富士宮市 森林面積 合計 850.59ha

内訳 国有林 0 ha、 県有林 0 ha、市町村有林 0 ha、 財産区有林 850.59ha、 私有林 0 ha 所有者数 合計 1 人 内訳 国 0 人、 都道府県 0 人、市町村 0、 財産区 1 人 会社等 0 人、 個人 0 人 樹種等 合計 850.59 ha 内訳 人工林 682.77 ha、天然林 165.57 ha、 未立木地等 2.25 ha (参考) 前期との比較 第二期審査 (参考)第一期審査 認証対象森林面積 850.59ha 850.59ha 認証番号 FERI-003 FERI-003 認証認定日 平成 24 年 9 月 11 日 平成 19 年 9 月 30 日 3. 過去 5 年の活動実績 (1)施業実績 ※認証対象森林について記入 年度 皆伐 利用間伐/ 搬出間伐 切捨 間伐 (ha) 保育 (ha) 造林 (ha) その他 面積 (ha) 材積 (㎥) 面積 (ha) 材積(㎥) 平成19 年度 22.93 857.948 10.29 平成20 年度 23.93 1428.138 1.32 1.69 1.00 平成21 年度 39.23 1635.113 2.09 1.00

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4 (2)取扱い実績(認証取得初年度~過去 5 年) 出荷について 年 度 総出荷材積 (m3 ※事業体全体 の出荷量 うちSGEC 材 実績(m3 平成19 年度 857.948 857.948 平成20 年度 1,428.138 1,428.138 平成21 年度 1,635.113 1,635.113 平成22 年度 1,633.620 1,633.620 平成23 年度 1,229.457 1,229.457 (3)路網整備実績 a.現在の路網密度(認証対象森林について記入) b.認証取得初年度~過去 5 年間の路網整備実績 (認証対象森林について記入) 4. 審査委員会 審査委員会開催日 平成 24 年 9 月 11 日 審査委員 立花 敏(筑波大学准教授)審査委員長 井上公基(日本大学教授) 鈴木 喬(林業経済研究所元所長) 永田 信(東京大学教授) 八木久義(東京大学名誉教授) 平成22 年度 35.13 1633.620 2.74 2.74 平成23 年度 27.74 1229.457 1.00 備 考 ・「保育」に含まれる具体的な作業の種類をご記入下さい。(例)下草刈り、枝打ち等 ( 下草刈り、枝打ち ) ・「造林」に含まれる具体的な作業の種類をご記入下さい。(例)植え付け ( 植付け ) 林道等(基幹路網) 作業道等(細部路網) 17.45 m/ha 32.35m/ha 年 度 林道等(基幹路網) 作業道等(細部路網) 開設距離 (m) 補修距離 (m) 開設距離 (m) 補修距離 (m) 平成19 年度 80.0 2,900 平成20 年度 120.0 1,118 平成21 年度 120.0 1,821 平成22 年度 120.0 3,187 平成23 年度 2,124

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5 5. 現地審査 現地審査日 平成 24 年 8 月 8 日~9 日 現地審査員 植木 達人(信州大学大学院農学研究科 教授) 土屋 俊幸(東京農工大学大学院農学研究院 教授) 現地審査実施地 白糸出張所(富士宮市市原 1113) 現地審査対応者 渡辺 寛 (富士宮市白糸財産区 所長) 植松 正男(富士宮市白糸財産区 技術員) 現地審査立会者 栗栖 祐子(林業経済研究所 研究員) 望月 鉄彦(静岡県森林組合連合会 業務部長) 谷仲 悠佳(静岡県森林組合連合会 業務部指導課) 花岡 若奈(全国森林組合連合会、SGEC 登録コンサルタント) 6. 現地確認事項 (1)実地審査 現 地 確 認 場所 市町村名 字等 林班名 作業種 概要 富士宮市 佐折 24 林班 い-8 間伐 ・51 年生と 36 年生の人工林 ・適切に間伐が実施されてい ることを確認した 富士宮市 佐折 24 林班 い-23 間伐 ・51 年生の人工林 ・間伐作業をしていた森組の 作業班員 3 名と同組合の部 長に聞き取り。認証林での作 業は一般に請け負う森林に 比 べ て 配 慮 す る こ と が 多 い が、だいぶ慣れてきたとのこ と。特に土壌保全や安全面に ついて、注意しているとのこ と。作業中に広葉樹を見つけ たら、出来るだけ残すようにし ていること等を確認した 富士宮市 佐折 16 林班 い-24 下刈り ・水辺林において、毎年 7 月 の第三日曜日に財産区管内 の下刈りを地域住民(1 世帯 1 人出役)で行っており、適切 に管理されていることを確認 した 富士宮市 佐折 15 林班 い-12 モニタリング ・ 30 ×40 m のプロットを設 置 し、毎木調査、光環境調査等 を実施していることを確認した (2)書類審査 確認書類 書類名 前回審査より変更の ある書類に○印 富士宮市白糸財産区森林管理方針 ○ 富士宮市個人情報保護規程 公図

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6 図面 富士宮市森林整備計画 静岡県レッドデータブック 富士宮市レッドデータリスト(写真入り) 保安林地図 間伐履歴簿 気象災害跡地地図 生物多様性保全テキスト 社会保険加入状況一覧 労働安全テキスト 森林・環境教育プログラム事例集等テキスト 7. 基準別の森林管理状況(M&C=③) 基準1 認証対象森林の 明示及びその管 理方針の確定 認証対象林は財産区有林であり、森林管理者と森林所有者は同一 である。森林管理計画は、富士宮市森林整備計画に基づく白糸財産 区森林施業計画により示され、また白糸財産区森林管理方針におい ても述べられており、認証対象森林のすべてを白糸財産区が管理でき る体制にあることを確認した。 その他必要書類等は整備されており、基準 1 のすべての項目を満 たしていることを確認した。 基準2 生物多様性の保 全 白糸財産区森林管理方針において静岡県レッドデータブックより抜 粋したリストを作成している。また、別途写真入りリストを作成し、いつで も公開できるように保管されている。 絶滅危惧種の発見報告は今年度もなかったが、環境省関係施設で ある「ふれあい自然塾」に情報提供協力を求めており、発見された場 合に対応できるシステムになっていることを確認した。 その他必要書類等は整備されており、基準 2 のすべての項目を 満たしていることを確認した。 基準 3 土壌及び水資源 の保全と維持 オイルについては作業現場においてバイオオイルを使用しているこ とを確認した。委託業者に対し、燃料・オイル類の取り扱いについて契 約時に口頭で指導している。 その他必要書類等は整備されており、基準 3 のすべての項目を 満たしていることを確認した。 基準4 森林生態系の生 産力及び健全性 の維持 伐採、更新、天然林、保育計画、間伐については白糸財産区森林 施業計画及び白糸財産区森林管理方針において示されていることが 確認できた。 病虫獣害については巡視報告書により発生状況を確認しているが、 過去 10 年で発生していない。 気象災害による風倒木が所々であり、地図に記録されていることを 確認したが、単木的であるため造成する計画はない。 その他必要書類等は整備されており、基準 4 のすべての項目を 満たしていることを確認した。

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7 基準5 持続的森林経営 の た め の 法 的 、 制度的枠組 生物多様性保全等に関する教育・指導文書は常備しているものの、 研修は平成 22 年 12 月に実施されて以降開催されていないため、委託 先の研修も含めて毎年 1 回開催することとした。 その他必要書類等は整備されており、指標 5.3 を除くすべての 項目を満たしていることを確認した。 基準6 社 会 ・ 経 済 的 便 益の維持及び増 進 昭和 58 年から緑の少年団の環境教育を支援し、財産区議員が指 導する等、市民との交流を深めるため広く公開している。入山者に対し てチラシを配布し、また看板を設置する等して環境や安全の説明を行 っている。しかし、老朽化のため入山者に確認しづらい看板があった ため、それらについては予算が付き次第更新を行うこととした。 また、当財産区は水源かん養モデル林の指定や、内閣府主催の第 一回「みどりの式典」において、全国 300 余りの水資源功労賞者の中 から内閣総理大臣賞等を受賞する等、水資源に配慮した森林管理が 行われていることは明らかである。 その他必要書類等は整備されており、指標 6.2 を除くすべての 項目を満たしていることを確認した。 基準7 モニ タリ ングと情 報公開 モニタリングはチェックリストを作成し、巡視時及び委託作業完了時 に実施している。また、大学の協力を得て全 10 ヶ所を毎年 2 箇所ずつ 調査し、5 年で一巡する体制をとっている。平成 24 年 4 月に 2 ヶ所の 調査を行った。 その他必要書類等は整備されており、基準 7 のすべての項目を 満たしていることを確認した。 8. 審査結果(詳細) 基準 5 持続的森林経営のための法的、制度的枠組 指標 5.3 森林管理計画等の実行に当たり、従業員や委託・請け負わせ先に対して生物 多様性に関して適切な訓練と指導を行っていること。 ガイドライン 5-3-1 従業員や委託や請け負わせ先に対し、生物多様性保全等に関する教 育・指導文書があり、研修が行われている。 林経ガイドライン 5-3-1-1 委託・請け負わせ先を含む林業従事者に対し、生物多様性保 全に関する研修が、毎年、定期的に施されている。ただし、委託先が研修を行っている場 合には、それをもって替えることができる。ここでいう研修とは、他の機関が主催する講習会 等への出席も含む。 前回評価【-】 今回評価/指摘事項 【B】 特になし 平成 22 年 12 月に実施したが、以後開催さ れていない。 基準 6 社会・経済的便益の維持及び増進 指標 6-2 市民に自然に触れ合う機会/場所の提供に努めるとともに、入山者に対する環 境教育、安全等への指導及び対策が整備されている。 ガイドライン 6-2-1 市民が自然にふれあう機会や場所の提供に努める。相当規模の森林 経営体にあっては、独自の森林・環境教育プログラムがあり、入山者に対しては説明板等 環境教育施設を設置するか、もしくは、設置の計画がある。入山者の利用する林道、作業 道、歩道その他施設について、交通安全施設、安全標識、案内板等を整備する。

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8 林経ガイドライン 6-2-1-1 森林の市民への公開について指針が策定されている。 前回評価【-】 今回評価/指摘事項 【B】 特になし 老朽化のため入山者に確認しづらい状態である。 9. 指摘事項(一覧)及び改善計画 新規/ 継続 ガイドライン番号 /林経ガイドライ ン番号 指摘事項(=今回評価) 改善計画 新規 5-3-1/5-3-1-1 平成 22 年 12 月に実施した が 、 以 後 開 催 さ れ て い な い。 委託先の研修も含め、毎年 1回開催する。 新規 6-2-1/6-2-1-1 老朽化のため入山者に確 認しづらい状態である。 案内板の更新を出来るだけ 早い時 期に予 算が付 き次 第行う。 10. 審査結果(総評) 第 1 日目は、まず白糸財産区白糸出張所にて、所長より「森林管理方針書」をもとに財 産区の管理方針や運営、歴史、森林現況、特に配慮している点等の概要説明を受けた。 その後、現地審査を行った。まず 51 年生および 36 年生のヒノキ人工林の間伐後の林況を 把握した。両林分内には高密路網が整備され、丁寧な間伐が実施されていた。樹幹距離 が一定程度保たれ、林内には十分な陽光が射しており、今後も良好な成長が期待できるも のとの印象を受けた。伐採作業現場では、「チェンソーによる伐倒-グラップルによる木寄 せ-造材」が 3 名体制で行われていた。作業員への聞き取りより、生物多様性や土壌の流 出防止に配慮するとともに、作業の安全面でも管理方針に則って行われていたことがわか った。また水辺林の管理においても地域住民の協力の下で整備されており、良好な景観を 保持していた。モニタリングの試験地では 29 年生ヒノキ人工林において毎木調査が実施さ れていた。5 年ごとに繰り返し調査をおこない、成長量や林分構造の変化、光環境の変化 等を明らかにすることとしている。本年度は 2 箇所が実施され、今後とも毎年2箇所ずつ、 計 10 箇所のモニタリング試験地を行うこととしている。また視察途中で案内板や標識、警告 等の看板の確認、財産区林の遠望、広葉樹の保育等を確認した。いずれもよく整備されて おり、模範的経営を実践しているとの印象を受けた。 帰庁後、書類審査を実施した。そもそも白糸財産区は認証取得後 3 年目にしてチェック 項目は全て A 評価を実現しており、さらに高い要求を指導してきたところである。この書類 審査は 2 日間にわたって行われ、その結果、今回審査の指摘事項は、ガイドラインの一部 変更に伴うチェック項目の変更部分(5-3-1-1)で指摘(上述)をおこない、また現地審査時 に一部案内板の老朽化による表示の不明瞭な部分が見受けられたことから、この点につい て早急に改善するよう指摘した。 現地および書類による審査では、極めて良好・適切な管理・運営を行っていることが確 認できた。一部改善すべき点はあるものの、特に問題となる点はなく、SGEC 森林認証の意 図や役割を十分認識しているとの実感を受けた。 以上のことから、当事業体は本年度の審査において、SGEC の森林認証における認定 事業体として更新するに値する、と判断した。 以 上

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