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On the asymptotic behavior and regularityestimates for patial differential equationswith conservation laws

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

On the asymptotic behavior and regularity estimates for patial differential equations with conservation laws

中村, 謙太

http://hdl.handle.net/2324/2236042

出版情報:九州大学, 2018, 博士(数理学), 課程博士 バージョン:

権利関係:やむを得ない事由により本文ファイル非公開 (3)

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(様式6-2)

氏 名 中村 謙太

論 文 名 On the asymptotic behavior and regularity estimates for partial differential equations with conservation laws

(保存則を持つ偏微分方程式の漸近挙動と正則性評価について)

論文調査委員 主 査 九州大学 准教授 髙田 了 副 査 九州大学 教授 隠居 良行 副 査 早稲田大学 教授 川島 秀一 副 査 熊本大学 教授 三沢 正史

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

中村謙太氏の博士学位論文は,「On the asymptotic behavior and regularity estimates for partial differential equations with conservation laws」(保存則を持つ偏微分方程式の漸近挙動と 正則性評価について)と題し,緩和的双曲型保存則系および幾何学的二重非線形偏微分方程式の初 期値問題または初期値境界値問題に対する,その解の漸近挙動と正則性に関する研究からなる.

緩和的双曲型保存則系は,気体などの圧縮性流体の運動を記述する圧縮性Euler方程式や圧縮性

Navier-Stokes方程式を含むモデル方程式である.流体力学の基礎方程式は本質的に非線形であり,

そこには様々な非線形波が現れる.それらの安定性・不安定性は,数学解析の研究分野では古典的 ではあるが,今日でも多くの研究課題を有する問題である.

また,3次元以上において一般に滑らかなコンパクトRiemann多様体上の時間変化するRiemann 計量に対して多様体の体積が 1のもとで,その Riemann 計量が誘導するスカラー曲率の満たす時 間発展方程式の初期値問題を山辺流という.山辺流は Ricci 流,平均曲率流と並んで幾何学的に重 要な時間発展方程式の一つであり,領域に対する幾何学的条件(曲率,凸性等)のもとでの解の存 在やその漸近挙動が主要な研究課題となる.

本論文において中村謙太氏は,緩和的保存則の単独方程式に Cattaneo 則を連立させた緩和的双 曲系の初期値境界値問題を全空間および半空間上で考察し,Riemann問題における連続な弱解であ る希薄波の漸近安定性を証明した.また古典的山辺流を含むp-Sobolev流とよばれる幾何学的二重 非線形方程式の初期値境界値問題に対して,先行研究には含まれない曲率零のEuclid空間内の有界 領域上において,凸性などの幾何学的条件を一切仮定せずに,時間局所解の存在および解に対する 有界性,比較原理,正値性の伝播,ヘルダー連続性等の正則性評価を証明した.

本論文の第一部では,Cattaneo則を連立させた緩和的双曲系における希薄波の漸近安定性が論じ られている.一般に希薄波は連続であるが微分可能でない弱解のため,通常のエネルギー法や部分 積分法を用いることが出来ない.そこでまずは松村-西原の方法に従い,希薄波の滑らかな近似解を

非粘性Burgers方程式の解を用いて構成し,近似解に対する先験的評価を与えている.次いで,希

薄波の近似解からの摂動方程式の導出,その時間大域解の存在および摂動項に対する時間大域的先

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験的評価が示されている.証明はエネルギー法に基づくものである.中村氏は領域が全空間および 半空間の場合に適切なエネルギーノルムを導入し,エネルギー法を駆使することで方程式系のもつ 新たな消散構造を導出し,希薄波の漸近安定性を証明している.

論文の第二部では,p-Sobolev 流とよばれる幾何学的二重非線形方程式の初期値境界値問題に対 して,弱解の存在および種々の正則性評価が論じられている.同方程式は,時間微分および空間微 分の双方に強い非線形性をもち,その解析は線形方程式の摂動としては扱えない困難を有する.中 村氏は,時間微分項を後ろ向き差分商に置き換えて方程式を非線形楕円型方程式へ帰着させ,

Galerkin法およびp-Laplace作用素に対する単調性公式等の手法を駆使することで,領域に対する

幾何学的条件を一切課すことなく,同方程式に対する弱解の存在を証明した.中村氏の構成した弱 解は,方程式の観点から自然なエネルギークラスに属するものである.次いで,低階項付き二重非 線形方程式に対する解の非負値性,有界性,比較原理,正値性の伝播,および有限時間消滅性等,

多角的な研究成果が挙げられている.特に解の正値性の伝播に関して,中村氏はHarnack chain と 呼ばれる被覆議論を用いることで,考察する領域が非凸の場合であっても,解の正値性の伝播が成 立するこ とを証 明した .更に中 村氏は ,解の 正値性を 用いる ことで ,p-Sobolev 流が局所 的に

p-Laplace方程式と同値になることを見抜き,解の時空ヘルダー連続性等の正則性評価を確立した.

第一部の結果は,緩和的双曲型保存則系における希薄波の安定性に対して新たな知見を与えるも のである.また第二部の結果は,幾何学的二重非線形方程式に対する弱解の存在と正則性を取り扱 った研究として先駆的なものの一つである.本論文で中村氏が展開した解析手法は,Cattaneo則を 考慮した複雑な偏微分方程式系における非線形波の安定性解析,および幾何学的二重非線形方程式 の正則性理論等,非線形偏微分方程式の数学解析の発展に寄与する重要なものである.

以上のように中村氏は,緩和的双曲型保存則系の安定性解析および幾何学的二重非線形方程式の 正則性理論に関して顕著な研究業績を挙げ,それらは非線形偏微分方程式の数学解析において価値 ある業績であると認められる.よって,本研究者は博士(数理学)の学位を受ける資格があるもの と認める.

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