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(1) ケーススタディの意図
低コストを武器にした新興国が台頭してきている中で,日本企業は,従業員にモチベーション を高くもって働いてもらい,顧客に対して付加価値の高い商品・サービスを提供することが出来 なければ,生き残ることは難しいであろう。また,工場などの生産設備を持たないシステムイン テグレーション事業を営む
IT
企業にとっては,ヒトこそが競争力の源泉であり,従業員個々人 のパフォーマンスが,企業業績に密接に結びつくことが考えられる。本ケースは,企業業績が伸び悩んでいた
NTT
データが,その1
つの原因として考えられた大 企業病を克服するために,新たなビジョンの策定やその浸透,実行活動などの変革活動を通して,組織風土ならびに社員の意識改革を試みた一連の出来事をビジネスケースとしてまとめたもので ある。ケース
A
では,ビジョンの策定活動から浸透活動までを,ケースB
では,実行活動につ いて書いてある。また,本ケースは,AとB
の2
部構成になっているが,ケースB
だけでも使 用できるよう構成されている。ケースB
のみを使用することで,各読者の負担を減らし,かつ,論点を絞ってディスカッションを行うことが出来るが,NTTデータによる一連の変革活動を詳 しく把握してディスカッションを行いたい場合は,ケース
A
も一緒に読むことを推奨する。本ケースでの議論を通じて,従業員が主体的にモチベーションを高くもって働くことのできる 企業組織や経営システム,人材マネジメントの在り方とは何か,また,そのような組織をつくる ための要件についての知見を得てもらえればと考える。
(2) ケース討議のための設問 ケース(A)
・NTTデータの抱える大企業病について,分析せよ。
・個々の浸透活動(フォーラム,BGS,職場セッション)について,その方法と結果につい て分析せよ。
ケース(B)
・新・行動改革
WG
のメンバーの活動への取組み態度,モチベーションについて議論せよ。・NTTデータによる一連の変革活動は成功したといえるか,評価せよ。
(3) 想定されるディスカッションのポイント
主に,想定されるディスカッションのポイントは以下の
3
つである。① NTTデータの抱えていた組織風土に関する問題の分析。
② 行動改革
WG,新・行動改革 WG,その後の変革活動である NEXT
活動などにおいて,NTT
データが,社員の主体的な参加を重要視した理由や,社員を変革活動に参画させ ることのメリット,デメリット,また,社員を中心とした活動が上手く機能するための 条件などについての議論。③ ビジョンを社員と共有するために事務局が取った
3
つの方法(フォーラム,BGS,職場株式会社 NTT データ(A), (B)
西 尾 洋 平 ビジネス・ケース アブストラクト
西尾洋平:株式会社 NTT データ(A),(B)
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立教ビジネスレビュー 第 5 号(2012) 62-63 セッション)について,各コミュニケーションの特徴や,効果についての議論。しかし,ケース
B
のみを用いる場合は,ケース内に ③ に関する情報は載っていないので,①,② のみが,想定されるディスカッションポイントとなる。