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智山學報 第41 011鈴木 佐内「『新古今集』の慈円の歌にみえる「野寺の鐘」について」

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(1)

r

新古今集』の 円の歌にみえる 「野寺の鐘 」につ い て (鈴木佐 内) 『

〔 論 文 要 旨 〕   『 新 古 今 集 』 の 、 慈 円 の 一 首 「 有 明 の 月 の ゆ く へ を な が め て ぞ 野 寺 の 鐘 は 聞 く べ か り け る 」 の 「 野 寺 」 に つ い て   北 村 季 吟 は 『 新 古 今 集 口 訣 追 加 』 で 、 「 野 寺 と い ふ は お ほ ぞ ら の 野 べ の 寺 に あ ら ず 、 江 州 鏡 の 宿 に 近 き 所 に あ り 。 」 と し て 、 特 定 の 寺 ( 蒲 生 郡 苗 村 の 雪 野 寺 か 。 ) を 想 定 す る 説 を 伝 え て い る 。 後 人 は こ の 説 に 対 し て 否 定 的 で あ る が 、 「 鏡 の 宿 に 近 き 所 」 の   寺 と い う の は 問 題 が あ る と し て も 、 特 定 の 寺 を 念 頭 に お い て の 発 想 で あ る と す る 点 で は 注 意 さ れ る 。     こ の 論 は 、 季 吟 の 伝 え る 上 述 の 発 想 に そ っ て す す め た も の で あ り 、 「 野 寺 」 に 、 今 は 廃 寺 と な っ て し ま っ た 山 城、 西 山 の 常   住 寺 を 想 定 し よ う と す る も の で あ る 。 ま た あ わ せ て 、 「 野 寺 の 鐘 」 は 慈 円 に お い て 歌 語 と な り 、 歌 枕 と な っ た と す る も の で あ   る 。   『 新 古 今

』 に 「

明 の 月 の ゆ く へ を な が め て ぞ 野

の 鐘 は 聞 く べ か り け る 」 ( 巻 第 十 六

 

雑 歌 上 ) と い う 慈                                                                                         円 の 一 首 が あ る 。 こ の 歌 の 「 野

」 に つ い て 、 北

季 吟 は 『 新 古 今 集 口 訣 迫 加 』 で 、 「 野 寺 と い ふ は お ほ ぞ ら の 野 べ の

に あ ら

。 江

鏡 の 宿 に 近 き 所 に あ り 。 」 と し て 、 特 定 の

を 想 定 す る 説 を 伝 え て い る 。 古 注 釈 、 例 え ば 「

        古 今 略

』 に は 、 「 こ の

の 心 は 野 寺 訪 γ

帰 帯 γ 月 」 と あ り 、 『 和 漢 朗

集 』

に み え る 鮑 溶 の 「 贈 東

」 の

句 を

い て 説 明 し て い る よ う に 、 も と も と 、 「 野

」 を

定 の

と す る 考 え は な か っ た よ う で

る 。 季 吟 の 『 新 古 今

追 加 』 に い う 、 こ の 野 寺 は 、

江 の 蒲 生 郡 苗 村 の 、

山 龍 王 寺 ( ま た、

と も ) を い う も の で あ り 満                                             行 寺 と 同 様 、

所 と し て

ら れ た

る 。 『

口 訣

加 』 は 、 「 鏡 の

宿

に 近

所 」 の 寺 を 想

す る に 当 一 149 一

(2)

智山学 報 第四十〜輯 た っ て 、

円 と 野 寺 雪 野

と の か か わ り を 「 ( こ の 寺 は )

大 師 の 開 基 に て 、 鶏 門 の 末 寺 な れ ば 、

円 僧 正 も 、 此 の 寺 に お は し け ん 比 よ ま せ

へ る な る べ し 。 余 情 一 入 な る う た 也 。 」 と し て い る 。 慈 円 の

の 「 野

」 を 「

の 宿 に 近 き 所 」 即 ち 、

野 寺 と す る こ の 説 は 、

人 、 殆 ど 注 目 し て お ら

、 野

と い う の は

を い う の で は な く 、 一 般 に 野 中 の 寺 と い う 意

使

用 し た の で あ る と い う こ と で 、 否 定

で あ る 。 し か し 、 こ の 説 、 雪

寺 を さ

と い う の は 問

が あ る と し て も 、 特

を 指 す と い う

で は 再 考 の

地 淋 あ る と

え ら れ る 。                                   野 寺 と い え ば 、

の 『 廻 国 雑 記 』 に 、 「 又 野

と い へ る

、 爰 に も

り 、 こ れ も 鐘 の 名 所 な り と い ふ 。 こ の

は 、 古 へ 国 の 乱 れ に よ り て 、 土 の 底 に 埋 み け る と な ん 。 そ の ま 玉 掘 出 さ ざ り け れ ば 音 に き く 野 寺 を と へ ぽ 跡 ふ り                                                                                                     て こ た ふ る

も な

哉 」 と い う 一

が あ る 。 道 興 の い う 野 寺 は 、

蔵 国

座 郡

原 の 八 幡 山 満 行

の こ と で あ る 。 満

寺 が 、

に 野

と 称 さ れ 、 し か も

の 名 所 と し て 知 ら れ て い た こ と が わ か る が 、 今 一 つ 、 「 こ こ に も 侍 り 」 と い う 書

か ら 、

所 と し て 「 野

」 と 称 さ れ る

が 、

に も

っ た と い う こ と が わ か る 。 上 述 の 近 江 の 雪 野 寺 も そ の う ち の 一 ケ 寺 で あ る と い う こ と に な ろ う 。   さ て

げ た 『

集 』 の 一 首 の

に 、 慈 円 に は 、 「 野

の 鐘 」 を

ん だ 歌 が あ る 。                                                                                  

ふ か き の て ら た ち こ む る ゆ ふ 霞 つ つ み の こ ぜ る

か な               『 拾 玉 集 』 詠 茸

歌   法 楽 貝

     

 

『 風

歌 集 』 巻

歌 下 に も 、 「 日 吉

に た て ま つ り け る 百 首 歌 に 」 と し て み え る 。

出 『 拾 玉 集 』      

和 歌 百 首 に は 、

句 「

の 臼 の 」 と あ る 。    

鹿

に 野

の か ね を う ち そ へ て あ る か 心 の 秋 の ゆ ふ

 

 

 

 

 

 

 

 

  『 拾 玉 集 』

鹿

五 十 首     あ す を

と ま ち つ る こ よ ひ ま と ろ ま て 野

の か ね を 風 に き く

 

   

 

    『 拾 玉 集 』

百 首 和

  秋 二 十 首    

の 日 の 野 寺 た ち こ む る ゆ ふ 霞 か す み ( つ エ み 本 ) の こ せ る か ね の を と 哉

 

『 拾 玉

答 和 歌 百 首

 

前      

『 拾 玉

』 法 楽 日

お よ び 『 風

和 歌 集 』 巻 三

 

歌 下 に は

句 「

ふ か き 」 と あ る 。 一 150 一

(3)

『新古 今集 』の慈 円のにみえる 「野 寺の」につ いて (鈴木 佐内)     し め お

し 野

の か き は く ち は て て の こ る 柳 を た の む 計 そ

 

 

 

 

 

 

 

『 拾 玉

』 柳

    萩 に

鹿

か や に 鳴 く む し 心 せ よ 野 寺 の か ね の

の ゆ ふ く れ      

 

 

 

 

 

『 拾 玉

』 詠 百 首

 

 

     

和 歌

』 巻 第 三 十 二 雑 部 十 四

 

 

百 首 御 歌     く れ て な を 跡 な き 雪 を

け わ ひ ぬ 野

の か ね よ

は い つ く そ

 

 

 

 

 

 

 

『 拾 玉 集 』 百 首

 

                                                                                      聞 人 の 心 は

に な り ぬ な り の て ら の か ね の お と そ か し こ き

 

 

 

 

 

 

 

『 源

長 日 記 』 な ど が そ れ で あ る 。  

円 以

の 「 野

の 鐘 」 を

ん だ う た は 、        

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

藤 原 顕

                                                                                          雨 風 に

れ の み ま さ る 野 寺 に は 灯 が ほ に 螢 と び か ふ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「 院 御

百 首 和 歌 」

        暁

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

藤 原 為 忠                                                                                                  

公 い つ か た と た に 聞 わ か

の て ら の と ら の か ひ の ま き れ に

 

 

 

 

 

 

臣 家 百 首 』 の 二 首 は 慈 円 以

の 時 代 の も の と い う べ く 、        

と い ふ こ と を よ め る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                                                                      な が め や る 霞 の う ち に む か し み し 野

の か ね の

ひ び く な り

 

 

 

 

 

 

 

『 月 詣 和 歌

』 ( 正 月

 

賀 )                                                      

    涙 そ ふ か へ さ や

も く も り け ( る ら イ ) ん の て ら の か ね の

の 夢  

 

      『 源 家 長 日 記 』        

多 院 入 道 二 品 親 王

五 十 首

 

 

 

 

 

          皇 太 后 宮 大 夫

成     け ふ よ り は 秋 の こ ゑ ぞ と き か

な り 野

の か ね の あ か つ き の 空

 

 

 

 

 

 

『 夫 木 和

抄 』 ( 巻

 

秋 部 一 )         冬 日

和 歌   鹽  

 

 

 

 

 

 

 

 

    藤 原

経 一 151 一

(4)

智山学 報第四十一輯  

 

お ぼ え

で ら や ち か

い 櫞 り さ す あ た り

し ら ぬ 入

の 鐘  

 

 

 

 

 

「 正 治

度 百 首 」 (

 

 

『 明  

 

 

段 香 井

集 』 ( 雑   暮 )  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

位 隆 実  

 

ふ か き 世 に た れ 又 か か る ね

し て 野 寺 の か ね に

ぬ ら す ら ん

 

 

 

 

 

 

 

「 正 治 後

百 首 」 ( 雑

 

暁 )  

 

 

 

 

                                         

 

原 家 隆  

 

の こ ゑ

の 羽

は れ な り 野 寺 の 霧 の 弱 方 の

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  『 壬 二 集 』 秋 二 十 五 首

 

摂 政  

 

 

家 歌 合 」 ( 嘉 吉 三

) 三 十 七 番 判 詞

に の の 字 の 六 か さ な り の 例 歌 と し て

。 以 上 は 、 慈 円 と 同 時 代 の 歌 人 の

品 で あ る 。   こ れ 以 外 の 作 品 で は 、  

 

 

 

題 し ら ず

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  津 守 鬮

 

 

夜 さ む な る 野 寺 の 鐘 は 音 つ れ て あ さ ち が 霜 と す め る 月 か げ  

 

 

 

   

 

『 新

歌 集 臨 巻

 

 

 

 

下   「

元 百 首 」  

 

 

 

と い ふ こ と を      

 

       

 

       

臣  

 

き な る る

の か ね の

ま で も あ は れ に た へ ぬ

人                 『

拾 遺

集 』

十 六  

 

 

 

歌 上  

 

 

 

と い ふ こ と を

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

    永 陽

大 夫  

 

ほ の か な る 野

の か ね の

ま で も あ は れ に た へ ぬ 秋 の

人                 『 新 続 古

集 』

  羈

 

 

 

歌 一

152

 一一

(5)

『新古今集』の 円のに み え る 「野寺の」につ い て (鈴木佐 内) 以 上 三

倉 末

の 作 品 で あ る 。   こ の よ う に み て く る と 「 野

の 鐘 」 は 慈 円 の 時 代 に 多 く 、 ま た 、 慈 円 に お い て 圧 倒

に 多 い と い う こ と に

目 さ れ よ う 。   と こ ろ で 、 野

と い う

名 を

す る

は 、 先 に あ げ た 武

の 満

寺 、 近 江 の 雪 野

の 他 に も 全 国 に い く つ か あ る 。 い ず れ も 野 中 の

の イ メ : ジ を

っ て い る も の で あ る が 、 こ の な か に 、 慈 円 以 前 か ら 野 寺 の 別 称 を 持 ち 、 し か も 慈 円 と の

か の か か わ り を 持 つ 寺 と い う 条 件 で 浮 か び 上 が っ て く る の が 、 山 城 葛 野 郡 の 常 住 寺 で あ る 。 こ の 寺 は 、 平 安 遷 都 の お り に 南 京 よ り 移 渡 さ れ た と 伝 え ら れ る 。                         ま ず 、

く は 『 延

式 』 に     「 七

料 。

寺 別 餅

料 。 米

四 合 。 糯 米 二 斗 。

米 二 升

〜 明

二 合 。    

七 口 。 瓰 廿 一 口 。 右 大 蔵 省 預 設 幄 於 職 内 。 辨

各 一 人 。 史 生 二 人 。 専 当 其 事 辨 備 。 生 料 毎 寺 差 大 舎 人 。

使     供 送 之 。 」 (

三 十 三  

膳 下 )     「 凡

月 十 五 日 遣 内 舎 人 。 労 問 常 住 寺 十

行 事 。 」 ( 巻 十 二

 

省 )     「 天

僧 及 四

王 。

釈 。

住 等 寺 。 十

師 各 一 人

預 之 。 」 ( 巻 二 十 一   玄

)     「 凡 四

王 。

。 常 住 。

和 等 寺 三

以 十

之 。 」 (

二 十 一

 

玄 蕃

)       と あ る 。 こ れ に よ っ て 、 既 に

住 寺 と い う 名 称 の 他 に 野 寺 と い う 俗

が 合 わ せ 用 い ら れ て 著 名 で あ っ た こ と が わ か る 。 以 下 、 時

を 追 っ て 記 す と 、             『 日 本 紀 略 』 に は 「

十 日 丙 子 。 野 寺 四 王 院

。 」 ( 天 慶 三 年 三 月 十 日 の 条 ) 、                 『

』 に は 「 常 住

 

本 尊

 

武 天 皇 遷 都 之 時

京 令 移 渡 此

云 々

 

本 御 持 仏 也

 

寺  

夜 聖 朝 安

長 福 寿 正 唱

之 天 皇 聞 召 之 内 豎 慥 何 人 之 云 フ ト 見

ト テ

遣 内 豎 尋 行 之 処 件 野

中 有 一

唱 一 

153

(6)

智山 学報 第四十一輯   之 礼 拝 云 々

 

件 寺 頻 頭 盧 変 現 云 々

内 供

一 人 于 今

宛 之 件 頻 頭

久 寿 之 頃 失 了 盗 隠 歉 格 云

寺 逧 近 皇 城

女 多   濫

大 寺 請 如

師 云 々 」 、   『 拾

抄 』

部 第 九 に は 、 一、 瓜

 

上 出

 

常 住 寺

 

珍 皇

〜 L ( 廿 一

 

公 家 恒 例

誦 経 の

) 、 「 野 寺   常 住 寺  

師 柏 原 」 ( 諸

の 項 ) と あ る 。 ま た 、         『 玉 蘂 』 に は 「 〜 常 住 寺  

議 藤 原 朝 臣

成 〜 承 久 二 年 三 月 二 十 五 日   左 大 弁 藤 原 朝 臣 家 宣 伝 宣 、 左 大 臣 宣 、

、   件 等 人 宜

諸 司 所 々 諸 寺 検 校 捌 当

、 承 久 二

三 月 二 十 五 日

 

左 大

兼 主 殿 頭 小

宿 禰 国 宗

」 ( 承 久 二

三 月 二   十 五 日 の

)             『 阿

抄 』 に は 「 野 寺

。 本 名 常 住 寺 。

武 天 皇 御 字 。 延 暦 五 年 移

常 住

。 野 寺 也 。 遷

之 時 。 自 南 京 移

於 此   京 。 帝

尊 也 。

一 丈 二 尺

。 八 尺 陰

月 光 四 天 也 。

毎 夜 唱 爨 軸 安

増 畏

寿

有 之 。 天 蠱

之 。   召 内 豎 慥

何 人 之 唱 可 参 之 由

上 。 尋 行 之 処 。 件 ノ 野

一 入

拝 。

此 旨 返 奏 。

可 令 給 内 供 奉

下   宣 旨 之 処 。 件 ノ 僧 不 請 取 逃 隠 。

寺 賓 頭

現 。 云 ≧   仍 内 供 奉 十 人 内 一 人

。 件 ノ 賓

于 今 被 充 之 。

ノ   額

石 颪

一 尺

叢 四 寸 許 。 四 輪

鏡 尚

之 。

盧 者 。 久 寿

人 盗 取

。 」 ( 「 諸

寿

 

上 )                          

 

 

 

 

                                  住 了 歟 と あ り 、           『

禅 抄 』 に は 「 野

忠 尹

伝 也 。 出 伝 集

三   大 谷 」 ( 北

法 の

)                         作 霜 と あ り 、 ま た 、             『 元 亨 釈 書 』 に は 「 又 詔 道

。 守 遵 。 修 円 。 勤 操 。

蘊 。 慈 覚

碩 師 。 於 野

台 院 、 令 受 学 新 写 天 台

文 」 ( 巻   第 廟

最 澄 ) と あ る ◎ こ れ ら 諸 書 の 記 す 所 に よ っ て 、 常 住

慈 円 以 前 の 時 代 に 、 古 く か ら 、 別 に 野

の 俗 称 を も っ て い た こ と が あ き 一

154

(7)

『新古今集』の慈 円の歌にみ え る 「野寺のにつ い て (鈴木佐内)                                                         ら か と な る 。

か の 火

に あ っ て 、 伽 藍 の 焼 失 が

っ た も の の 、 修 復 再

が あ っ て

末 期 こ ろ ま で 存 在 し て い た も の と お も わ れ る 。   こ の 野

常 住

の 所 在 で あ る が 、 『 山

名 勝 志 』 は 「 葛 野 郡 」 四 ( 巻 第 十 ) の 章 で 「 下 葉

 

 

常 住 寺

院 」 の 項 の

で 説 明 し て お り 、 『

日 本 地 名 辞

』 は

住 寺 の 項 に 「

ず る に 浄

は 古 の

住 寺 の 廃

き 造 立 し 其 の 名 を 改 め た る 者 な り 、 」 と

室 の 浄 住

の 地 ( 葉 室 は

下 山 田 の 旧 名 な り 、

村 の 西 に 接 し 衣 笠 山 東

な り 。 ) と し て い る 。 ま た 同 項 で は

説 に 野 寺 は 大 原 野 ( 乙 訓 郡 勝 持

) か と 云 う 、 」 と あ る 。 浄 住

( 現   西 京 区 山 田 開 キ 町 ) 、

持 寺 ( 現

 

西

区 大 原 野 南 春 日 町 ) を あ て る に つ い て は 、

々 の

の 縁 起 な ど か ら

え て

同 し が た い が 、 廃

と な っ て し ま っ た 常 住 寺 の 所 在 に つ い て は 、 細

に つ い て は

同 が あ る も の の 諸 書

く は 、 西 山 の 地 を あ て て い る 。 『

訓 栞 』 (

川 士 清 ) も 「 の で ら

 

野 寺 の

山 寺 と い ふ が

し 西 ノ 京 に 野 寺 町 あ り

拾 芥 抄 に 野 寺 ハ 常 住 寺 也

原 に

り と み ゆ 樫 原 の 辺 な る べ し 、 」 と し 、 野 寺 町 の 地 名 の あ る こ と を 紹 介 し て い る が 、 『 拾 芥 抄 』 の い う と こ ろ も

げ て い る か ら 、 こ れ も 西 山 の 地 を あ て て い る と み て よ い 。 な お 、

原 で は 西 京 区 樫 原 内 垣 外 町 か ら 、 昭 和 四 十 二 年

掘 さ れ て い る 。 た だ 、 『 京

事 典 』 ( 村 井

 

京 堂 出 版 ) で は 、 こ れ を 「 平

京 大 内 裏 の 西

、 北 野 神 社 の 西 に あ っ た 。 」 と し 「 寺 址 か ら 白 鳳 時 代 の

瓦 な ど が 出 土 す る と こ ろ か ら 、 こ の 地 に は 、 も と 古 い

が あ り 、 そ の 寺 址 を

し て

立 さ れ た と

え ら れ て い る 。 」 と す る が 、 常 住 寺 の 所

地 に つ い て は 、 確 定 し に く い と い う の が 現

で あ ろ う 。 常 住 寺 の 地 と し て

原 の 地 名 が 見 え る が 、 「 深 草 村 の 東 、

口 よ り 山 科 に 通 ず る 路 辺 ( 鉄 道 此 を

ず ) 即

の 柏 原 な り 。 」 ( 「

日 本 地 名

」 山 城 ) と す る 紀 伊 郡 の 柏 原 と は 考 え ら れ な い 。 や は り

野 郡 内 の 地 を い う の で あ る か ら 、 西 山 の 地 に あ っ た も の と 考 え て お き た い 。   そ こ で 季 吟 に 倣 っ て 、 慈 円 の 歌 に 多 く 用 い ら れ た 野

ど こ か 特 定 す る と す れ ぱ 、 そ れ は 近 江 の 野 寺 よ り も 山 城 西 山 の 野 寺 の 方 が

当 す る の で は あ る ま い か 。 野

の 鐘 は こ の 常 住 寺 の 鐘 の こ と で は あ る ま い か 。 多 賀 宗 隼 氏 一

155

(8)

智山学報第四十一輯 は 、 『 拾 玉 集 』 の 歌 は 、

風 月 で は な く 、 生

と 心

と の 忠

に し て

で あ り 、 慈 円 の 一 大 畠 叙 債 と も                      

う べ き

姿

を 示 し て い る 。 L と し て い る 。

と い ら よ り 写 実

で あ り 、 行 住 座 臥 の 記 録 と い う 盤 格 を 持 っ て い る 。 こ の こ と か ら し て 、 慈 円 に お い て は 、 「 野

の 鐘 」 は

在 の 「 野 寺 」 と 、 そ の 「

の 声 」 を 踏 ま え て の も の と い う 可 能

い の で あ る 。                                                                                     野 導 が 、 西 山 に あ っ た と す れ ば 、

円 と 西 山 と の 関 係 は よ り 深 い こ と に な る 。

奚 の 『 玉 葉 鯒 に は 慈 円 の 西 山 へ の 出 入 参 が 記 さ れ て い る 。 い ま 『 玉

』 の 記

を た ど れ ぽ 、 寿

九 月 、

円 は 、

性 の 如

に 結 縁 の た め 、 兼

、 藤 原

と と も に 西 山 に 赴 い て い る 。 元 暦 二

六 月 八 日 、 西 山 を 出 る 。 同 じ く 七 月 九 日 、 西 由 に 帰 っ て い る 。 同 じ く 七 月 十 二 日 西 山 を

て い る 。

治 二

三 月 十 三 § 西 山 に 帰 る 等 々 で あ る 。 ま た 、 慈 円 の

時 代 と い わ れ る

久 八

か ら 正 治 元 年 に 至 る あ た う は 、 専 ら 西 出 に 隠 棲 し て い た 。 ま た 、 承 元 三 年 か ら

に か け て も 、 西 山 へ の 出 入 り は

繁 に 記 録 に 現 れ て い る 。 西 山 へ の 串 入 り は 、 西 山 法

性 (

作 守 藤 原 顕

の 子 。 西 山 に 住 し 西 山 法

と 呼 ぼ れ て い た 。 ) の

で あ る 。 慈 円 の 西 山 の 住 ま い は 、 一 つ は 善

寺 で あ る 。 寛 弘 二 年 源 算 の

に な る こ の

は 、

に 入 る と 慈 円 が 止 住 し 、 以

は 道

羽 院 皇 子 ) 、

山 天 皇

子 ) が 入 り 、 西 山

所 と

さ れ た 。 兼

の 大 炊 御 門

、 九 条 邸 か ら の 帰 途 は

州 を

っ て 西 由 の

を 通 る の で 、 野 毒 の 名 は

に す る と こ ろ で あ っ た と 考 え ら れ る 。 九 条 家 の 所 領 は 西 山 小 塩 に あ っ た の で 、 も と も と 西 山 は 慈 円 に と っ て は 縁 の 深 か っ た 地 で あ る 。

に は、 ど こ に 庵 が あ っ た か は 明 確 で は な い が 、 西 山 で あ れ ば 野

を 耳 に し な い と い う こ と は な い 。

の 場 合 は 、 こ の よ う に 西 山 へ の 出 入 り が あ る と 譽 う こ と で 、 特 に 常

の こ と は 印

の 強 い も の で あ っ た と

う こ と が で き よ う 。 た と え

住 寺 が 衣 笠 山 の 菓

、 北 野

社 の 北 西 の 地 に

っ た と し て も 、 慈 円 の 「 野 寺 の

」 の

の 多 用 は 「 野

常 住 寺 」 の

識 と イ メ ー ジ と を

と す る も の で は な か ろ う か 。 先 に あ げ た 慈 円 と 同 時 代 の

、 俊 成 、 雅 経 、 家

の 場 合 も 常 住 寺 の イ メ ー ジ に よ っ て 成 立 し た も の と

え て 支

は な い 。 「 野

」 と 言 う の が 一

156

(9)

『新古今集 』の慈 円の歌に みえる 「野寺の鐘」につ い て (鈴木佐 内) 既 に

っ た の で

る か ら 、 「 野

」 の 「 鐘 」 が 歌 に

ま れ る の は 不 思 議 で は な い 。 野 寺 の 鐘 が

語 と し て 定

し 売 の は 、 慈 円 の 歌 に よ る も の と 思 わ れ る 。   慈 円 と 野

の 密 接 さ は 、 『 源 家 長 日 記 』 の

す 、 慈 円 と 後

羽 院 と の 贈

歌 に よ っ て も 伺 う こ と が で

よ う 。       又 僧 正 御 坊 の 御 許 よ り     煙 た つ た き エ も 今 は つ き ぬ と て か へ れ は

の こ ゑ ぞ か な し き       御 か へ し     涙 そ ふ か へ さ や 空 も く も り け ( る ら イ ) ん の て ら の か ね の

こ の 記 事 は 、 良 経 の 火

の 日 の こ と で あ る 。

答 歌 に お い て は 、 贈 歌 の 題 材 を と り こ ん で 返 歌 を す る と い う の が 約 束 事 で あ る 。 こ の 場 合

の 音 と い う こ と に な る が

羽 院 が 、 こ れ を 「 野

の 」 と 特 定 し た こ と は 、 時 に 慈 円 の 住 居 が 西 山 に あ り 、 慈 円 が 好 ん だ 歌 語 で あ る こ と を 承

し て の も の で あ る と 思 わ れ る 。                 ま た 、 『 閑

』 に 「 野

の 鐘 」 の 語 句 が 使 用 さ れ て い る こ と に よ っ て 、 こ れ を 遡 源 的 に

し う る こ と と な る 。 『 閑 居 友 』 の な か に 、 野

現 が あ る 。

者 が 自 か ら の 心

を の べ て 「 無 明 の ね ぶ り ふ か く し て 、 こ の 世 を い み じ と し も お も は ね ど 、 昨 日 も い た づ ら に

日 も む な し く く れ ぬ る ぞ か し 。 た そ が れ に な り

く 時 に こ そ 、 い か に 侍 や

、 お な じ 野

な れ ど、 夕 は こ ゑ の か な し く て 、

も と 父 ま ら ず お ど ろ か れ

。 」 と あ る 。 『

』 の 作 者 慶 政 は

円 の 兄

の 孫 に あ た る 。 慶 政 は 「 そ の

は 、 承 久 四

、 弥 生 の 中 の こ ろ 、 西 山 の

の 方

の 庵 に て 記 し を は り ぬ る 。 」 と あ る よ う に 、 こ の 作 品 を 西 山 の 庵 で か い た 。 し か も 、

は 「 こ の あ や し の 山 の 中 に

を か く し て 八 と せ の 秋 を を く り ぬ 。 」 ( 上 巻 第 三

  末 尾 ) と あ る こ と に よ れ ぽ 、

保 二 年 ( 一 二 一 四 ) の 頃 か ら 、 西 山 の 草

に い た こ と に な る 。

政 の 庵 は 、 西 山 の

尾 神 社 や 西 芳 寺 に

い あ た り に

り た と い わ れ 、 後 に こ の 地 に 法 花 山

堂 を

( 後 の 西 芳 寺 ) す る な ど 、 西 山 で の 生 活 が 長 く 、 か つ 縁 が 深 い 。 慶 政 が 「 お な じ 野 一

157

(10)

智 山学報第四十一輯 寺 の

と い う と き は 、 修 飾 上 の 問 題 だ け で な く 、 現 実 の 、 自

に 近 い 野 寺

住 寺 の 鐘 を 念 頭 に お い て の こ と と 理

べ き で あ ろ う 。 ち な み に 、 「 お な じ 野

の 鐘 な れ ど 夕 は こ ゑ の か な し く て 」 は 「 朝 夕 聞 い て い る 野 寺 (

) の 鐘 で あ る が 、 夕 方 き く と き は

に 哀 し く 聞 こ え て 」 の 意 と す べ き で あ る 。 こ れ に よ っ て 区 別 、 強 調 の 助 詞 「 は 」 が 生 き る こ と に な ろ う 。 慶 政 に お い て は 、 同 じ 西 山 に 住 み 、

夕 に 西 山 の 常 住

の 鐘 は 聞 く こ と が あ っ た で あ ろ う し ま た な に よ り も 、 慶 政 に と っ て は 、

円 は 、 父 良 経 の

父 に あ た り 、 近 い 血

に あ る わ け で 、 そ の 慈 円 の 歌

と も い う べ き 「 野 寺 の 鐘 」 は 慈 円 の 歌 を 通 じ て の 理 解 も あ っ た は ず で あ る 。 『

居 友 』 に 於 け る 「 野 寺 の 鐘 」 の 語 の

使

用 は こ の 点 で 意 義 の 深 い も の と 言 わ ね ば な ら な い 。                                                       さ て 『 閑 居

』 を 一 依 拠 と し て 成 立 し た

品 に 『

』 が あ る 。 『

』 の な か に は 、 「 よ ひ あ か つ き の 心 す む 時 は 、 野 寺 の

の つ く づ く と 思 ひ い だ さ れ た て ま つ り て 、 そ 黛 う に 涙 の も れ い つ る に

り 。 」 ( 巻 三

八 美 濃 国 僧

生 之 事   二 四 ) 、

詞 的 用 法 で 「 お な じ 野 寺 の 鐘 な れ ど も 、 ゆ ふ ぺ は

の か な し く て 、 そ 黛 う に 涙 に く ら さ れ 侍 り 。 」 ( 第 八  

口 遊 女 之 事

 

一 一 八 ) 、 「 か く て 、 有 明 の 月 も 影 も う す く な り 、

も や う や く 白 み わ た り て 、 野 寺 の 鐘 も ほ の か に

の し た に

ち き 。 」 ( 巻 七

 

子 事

 

六 一 ) 〔

台 は

〕 と 野 寺 の 鐘 が 出 て く る 。 し か し 、 こ の 方 は 修

上 の 使 用 の み の 問 題 で あ り 、 常 住

と の か か わ り は 薄 い が 、 「 野

の 鐘 」 の 語 の

使

用 は 、 『 撰 集 抄 』 と の か か わ り と み る 時 、 両

の か か わ り の 深 さ を

え る べ き で あ る 。   な お 、 『

漢 朗 詠 集 』 巻 下 僧 の 、

溶 の 「 野 寺 に 僧 を

ひ て 帰 さ に 月 を

び た り 、

林 に 客 に

は り て

ひ て         花 に 眠 る 」 ( 「 贈

」 ) と い う 佳 句 に 「 野 寺 」 が で て く る 。 こ れ は 野 中 の

の 意 で の

使

用 で あ り 、 特 定 の

を 指 し て の こ と と は 考 え ら れ な い 。 唯 心

の 『

百 首 』 中 に 「 此 日 巳 過 、 命 即 衰

  け ふ す

( イ く れ ) ぬ

も し か と お ど ろ か す 入 相 の

の 声 ぞ

し き 」 の

に 「 昼 は よ の い と な み に ま

れ て 、 は か な く く ら す ほ ど に 、 や う

心 し づ ま る ゆ ふ ぐ れ 、 け ふ も く れ ぬ と つ ぐ る か ね の 音 は 、 身 に し み て あ は れ な る も の ぞ か し 。

は な れ た る 旅 の 空 に 、 一 

158

 一一

(11)

『新古今集』の円のにみ え る 「野寺の鐘」につ い て (鈴 木佐 内) 野 で ら の か ね の こ ゑ の 、 あ ら し に た ぐ ひ て 、 ほ の か に 聞 ゑ た る こ そ 、

少 し 心 ぼ そ さ も さ そ ふ 心 地 す れ 。 L と

る 。 唯 心 房 は 慈 円 と 同 時 代 に な る が 、 こ れ は 野

住 寺 の 知 識 に よ る も の で は な く 、 野 の 寺 の

で 用 い ら れ た も の で あ る 。 『 和 漢 朗

』 は 、 唯 心

集 今

の 重 要 な

と な っ て い る こ と 、 ま た

心 房 に は 『 和 漢 朗

集 』 の 書

と い う こ と も あ り 、 む し ろ 、 こ の 方 の 影

で あ っ て 、 慈 円 の 歌 と は か か わ り な い も の と

え る べ

で あ ろ う 。   そ こ で 「 野 寺 の

」 は

円 の 歌

で あ る と い う こ と が で き る の で は な か ろ う か 。 歌 語 と し て の 「 野 寺 の

」 は 、 慈 円 の 歌 に よ っ て 普

し た と い う こ と が で き る 。   慈 円 の 時 代 を 頂

と し て 歌 語 と し て の 「 野

の 鐘 」 は

速 に 減 じ て ゆ く 。 こ れ は い か な る 理 由 に よ る も の で あ ろ               う か 。 『 先 達 物 語 』 ( 『 定

相 語 』 ) に は        

寺 夏

      夏 ふ か き 野 寺 に か ぜ や

ぎ つ ら む 草

に な び く 入

の 鐘    

葉 に な び き な ど し 候 事 は 、 お も し ろ き 歌 と 申 し て 、 亡 父 殊 に 違 背 の

へ ば 、 え ほ め 候 は ず 候 。 と あ る 、 「 古

」 の

か ら す れ ば 、 釈 教 歌 で は な い 。 に も か か わ ら

、 釈 教 め い て く る の は 野 寺 の

と い う 題 材 の 関 係 で あ ろ う か 。 「 題 の あ る べ き 様 を 心

ぬ 歌 」 ( 『 先

語 』 ) と な っ て し ま っ て い る の で

る 。 こ の 歌 で は 「

」 を 配 し て い る の で

る が 俊 成 は こ の 歌 を 評

し な か っ た と い う 。 題 材 が

教 め い て い る の で 、 内 容 が 限

さ れ て し ま う の で 、

の 題 材 と し て は 通

性 が な か っ た の で

ろ う 。 「 野 寺 の

」 は

円 が

使

っ て こ そ ふ さ わ し い も の と な っ た の で あ る 。 慈 円 以 外 の 歌 人 が 用 い る こ と の 少 な か っ た 、 ま た 使 用 し な か っ た の も こ う し た 理 由 に も よ る の で

ろ う 。  

の 名

と し て の 野

は 慈 円 の 歌 を 通 じ て 著 名 と な り 、 さ ら に 『 閑

友 』 か ら 『

集 抄 』 へ の 伝 承 を 通 じ て 、 特 に 『 撰 集

』 の 影 響 は

い も の と 思 わ れ る が 、 著 名 と な り 、 こ の こ と に よ っ て 、 各 地 に 鐘 の 名 所 と し て の 「 野

」 一

159

(12)

智山学報第四十噌 輯 が で

る こ と と な っ た の で あ ろ う 。 し た が っ て 季 吟 の 、 「 野 寺 」 に 特

を 想

し よ う と い う 考 え 方 ほ 誤 り で は な い と 言 う こ と が で き よ う 。

体 が 野 の

と い う イ メ ー ジ の 上 に 成 立 し て い る の で あ り 、

教 と い う

殊 な

面 に し か

使

い に く い 歌 語 「 野 寺 の

」 が 、 寺 が

寺 と な っ て し ま っ た 以 上 は 、

語 と し て 廃 れ る の も い た し か た な い の で あ る 。  

と し て の 雪 野 寺 ・

は 常 住

の 影 響 に よ る も の で あ る 。 他 の 野

、 即 ち 、

於 寺 、 三 河 の

な ど が こ の 影 響 下 に あ る か ど う か は は っ き り し な い 。 管 見 で は 、 な い と 思 わ れ る 。 ま た 野 寺 の 地 名 が

                                                                                                      陸 、 岩 代 ( 野 田 村 字 野 寺

 

千 寿 院 と い う 巨 刹 あ り 。 江 戸

寺 あ り 。 地 名 は 莽

野 中 に 巨 刹 あ る に よ る 。 ) な ど に の こ る が 、 こ れ ら は 春 院 に 由 来 す る も の で あ る が 、 そ の

の 名 所 で

っ た か ど う か は 、 は っ ぎ り し な い 。 注     『 摂 政 太 政 大 臣 、 大 将 に 侍 り し 時 、 歌 五 十 欝 よ ま せ 侍 り け る に 」 と い ら 謁 書 を 持 つ 。 『 拾 玉 集 』 ( 花 月 百 首 ) 、 『 玄 蓋 和 歌 集 』   巻 第 三   天 地 歌 下   に も み え る o   『 新 古 今 集 口 訣 追 加 』 は 、 『 入 代 集 口 訣 』 の 「 新 古 今 集 口 訣 追 加 」 の 条 を い う 。   『 新 古 今 略 註 隔 永 青 文 庫 蔵 細 川 幽 斎 筆 荒 * 尚 編 笠 間 書 院   「 増 補 大 日 本 地 名 辞 書 」 上 方 第 二 巻 蒲 生 郡 雪 野 寺 の 項     「 国 文 東 方 仏 教 叢 書 」 ( 紀 行 ) 瑛 収 に よ る 。   『 鬆 編 武 蔵 風 土 記 稿 』 巻 之 百 三 十 新 座 郡 之 二 野 寺 村 の 項 に 満 行 寺 に つ い て の 記 載 が あ る 。 「 鐘 桜 」 の 項 に は 「 是 も 同 所 に   あ り 、 盛 寺 は 鐘 の 名 斯 に し て 、 賓 代 に も 、 其 名 高 か り し と 、 寺 伝 に 云 へ り 。 」 と あ る 。 山 崎 葵 成 『 轍 事 欝 談 幽 ( 天 保 十 四 年 耗 )   に も 、 こ の 野 寺 の こ と が 記 さ れ て い る 。   『 拾 玉 集 』 は 『 校 本 拾 玉 集 』 ( 多 賀 宗 隼 吉 川 弘 文 館 ) に よ る 。   古 典 文 庫 『 源 家 長 欝 記 』 ( 石 腿 吉 貞 校 ) に よ る 。 以 下 の 圍 讐 の 引 用 こ れ に 同 じ 。   群 書 類 従 第 十 一 輯 所 堰 に よ ゐ 。 一 

160

 

(13)

『新古今集 』の慈 円の歌にみ え る 「野寺の鐘」につ い て (鈴 木佐 内)   群 書 類 従 第 十 一 輯 所 収 に よ る 。   『 月 詣 和 歌 集 』 、 「 新 編 国 歌 大 観 」 に よ る 。 以 下 『 夫 木 和 歌 抄 』 、 「 正 治 後 度 百 首 」 『 明 日 香 井 和 歌 集 』 、 『 壬 二 集 』 、 『 新 後 拾 遺 和   歌 集 』 、 『 新 続 古 今 和 歌 集 』 よ り の 引 用 の 和 歌 は 「 新 編 国 歌 大 観 」 に よ る 。     「 薪 訂 増 補   国 史 大 系 」 に よ る 。     そ の 他 、 「 凡 常 住 寺 十 禅 師 井 従 沙 弥 。 童 子 等 供 養 者 。 威 儀 師 一 人 専 当 其 事 。 各 令 本 寺 毎 月 運 送 。 」 ( 巻 二 十 一   玄 蕃 寮 ) 「 聖 神   寺 季 料   常 住 寺 」 ( 巻 三 十 三   大 膳 下 ) 「 聖 神 寺 季 料 常 住 寺 」 ( 巻 三 十 五   大 炊 寮   七 寺 盂 蘭 瓮 料 の 項 ) 「 常 住 寺 季 料 。 三 斗 五           准 此                                           准 此   升 二 合 。 」 ( 巻 三 十 六   主 殿 寮   諸 寺 年 料 油 の 項 ) 「 常 住 寺 仏 聖 二 座 季 料 米 。 井 正 月 十 五 日 七 種 粥 。 一 同 聖 神 寺 。 」 ( 巻 四 十   主   水 司 の 項 ) 等 と 各 所 に み え る 。   『 日 本 紀 略 』 「 新 訂 増 補 国 史 大 系 」 に よ る 。     『 伊 呂 波 字 類 抄 』 正 宗 敦 夫 編 ( 風 間 書 房 ) 「 ユ メ 、 ミ シ 九 」 の 章 に よ る 。 こ れ は 十 巻 本 で あ る 。   『 拾 芥 抄 』 新 訂 増 補 故 実 叢 書   『 玉 蘂 』 今 井 文 雄 校 訂 ( 思 文 閣 )     「 大 日 本 仏 教 全 書 」 ( 第 四 十 一 冊 ) 所 収 に よ る 。   「 大 日 本 仏 教 全 書 」 ( 第 五 十 冊 ) 「 北 斗 法 一 巻 」 の 項   「 大 日 本 仏 教 全 書 」 ( 第 一 百 一 冊 ) 所 収 に よ る 。   『 三 代 実 録 』 ( 「 新 訂 増 補 国 史 大 系 」 ) に 「 〇 十 五 日 丙 子 。 夜 大 雷 雨 。 震 常 住 寺 塔 。 火 自 第 五 層 起 。 延 焼 講 堂 。 金 堂 。 鐘 楼 。   経 蔵 。 歩 廊 。 中 門 。 一 時 蕩 尽 。 」 ( 元 慶 八 年 三 月 十 五 日 の 項 ) と あ る な ど 。     人 物 叢 書 『 慈 円 』 多 賀 宗 隼 ( 吉 川 弘 文 館 ) に よ る 。     国 書 双 書 刊 行 会 編 『 玉 葉 』 に よ る 。     美 濃 部 重 克 校 注 『 閑 居 友 』 ( 三 弥 井 書 店 ) に よ る 。     岩 波 文 庫 『 撰 集 抄 』 西 尾 光 一 校 注 に よ る 。   岩 波 古 典 文 学 大 系 『 和 漢 朗 詠 集 』 に よ る 。     『 先 達 物 語 』 は 『 定 家 卿 相 語 』 と も 。 日 本 歌 学 大 系   第 三 巻 所 収 に よ る 。     「 増 補 大 日 本 地 名 辞 書 」 奥 羽   第 七 巻 一

161

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