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岡山市人権教育及び人権啓発に関する基本計画(平成15年6月6日策定) 人権教育の推進|岡山市|小学校・中学校|人権啓発

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(1)

岡山市人権教育及び人権啓発に関する基本計画

1 策定の 経緯【岡山という精神風土にふさわしい基本計画の策定を】

〈世界の情 勢〉

国 際連 合は、 第二 次世界 大戦 で繰り 広げ られた 数々の 残忍な 行為 によっ て、多

く の人の 人権が 奪われ た悲し い過去 を反省 し、1 948年 12月 10日 、第3回

総会において 、人権の国際的基準として世界人権宣言を採択しました。

ところ が、その 後も人種 や宗教の 違いによ る民族間 の対立や 偏見、差 別などが

原 因で、 地球上 のいた る所で 地域紛 争が起 こり、 多くの犠 牲者が 出てい ます。こ

う した中 で、人 類は「 人権が 守られ る環境 がない ところに 平和は なく、 平和のな

いと ころでは人権は守られ ない。」という大きな教 訓を得、人権の尊重が平和の基

礎 である という ことを 知りま した。 こうし たこと から、2 1世紀 は平和 で人権が

「 」 。

尊重される世 紀を目指そうという願いを込めて 人権の世紀 と言われています

と ころが 、現実 には2 001 年以降 人権に 関わる さまざま な問題 が世界 の各地で

発生 しており、「人権の 世紀」となるべき21世紀 はスタートからすでに揺るぎ始

めています。

198 9年のベ ルリンの 壁崩壊に 象徴され る東西冷 戦構造の 終結は人 権問題に

。 、

関する国際連 合の取り組みにも大きな影響を与えました 東西対立の崩壊により

そ れまで 表面化 してい なかっ た人種 、民族 、宗教 などの違 いによ る対立 が一挙に

表 面化、 世界の 各地で 紛争が 勃発し 、現代 の最も 深刻な人 権侵害 の問題 となって

い ます。 こうし たこと をきっ かけと して、 人権問 題があら ためて 国際的 な関心事

と なり、 国際連 合は、 199 5年か ら20 04年 までの1 0年間 を「人 権教育の

た めの国 連10 年」と 位置付 け、加 盟各国 に人権 問題に対 する取 り組み を強化す

るよう求めま した。

〈国内の情 勢〉

我 が国 におい ても、 これ を受け て平成 9年( 19 97年)『「 人権 教育の ための

国 連10 年』国 内行動 計画」 が策定 されま した。 そして、 行動計 画の推 進にあた

っ ては「 様々な 差別意 識の解 消を図 り、全 ての人 の人権尊 重の意 識を高 めていく

た めには 、地方 公共団 体その 他の公 的機関 、民間 運動団体 等の果 たす役 割が大き

い」としまし た。

また、 平成12 年(20 00年) 12月に 制定され た「人権 教育及び 人権啓発

(2)

の 連携を はかり つつ、 その地 域の実 状を踏 まえ、 人権教育 及び人 権啓発 に関する

、 ( )」 。 、

施策を策定し 及び実施する責務を有する 第5条 とされました このように

人 権尊重 社会の 実現に 向けて 地方公 共団体 の責務 が法によ り明確 に規定 されまし

た 。これ までも 岡山市 は人権 教育及 び人権 啓発に ついて積 極的に 事業を 行ってき

ま したが 、今後 より一 層積極 的にこ れを推 進して いくため 本基本 計画を 策定する

ものです。

〈岡山らし い取り組みを〉

そもそ も岡山市 では人権 に関わる さまざま な先進的 取り組み が行われ てきまし

た。

江 戸時 代末期 の安 政3年 (1 856 年) には備 前岡山 藩内5 3ヶ 村の被 差別部

落 が結集 し、藩 が出し た不当 な差別 令を撤 回させ た「渋染 一揆」 という 素晴らし

い 人権闘 争があ りまし た。ま た、そ の精神 を受け 継いで全 国水平 社が創 立された

翌 年の大 正12 年(1 923 年)に は岡山 市内の 被差別部 落が中 心とな って岡山

県水平社を創 立するなど岡山市は部落解放運動の先進地でもあります。

さらに は女性 解放運 動にお いても 、明治 15年 (188 2年) に日本 初の女性

結 社「岡 山女子 懇親会 」が発 足した ことや 、婦人 社会運動 の先駆 者で、 平塚雷鳥

に も多大 な影響 を与え た福田 英子と いう我 が国の 女性運動 史に欠 かすこ とのでき

ない人物もい ます。

、 「 」

これらの他 にも 石井十次の手によって我が国初の本格的孤児院 岡山孤児院

が 創設さ れたこ とや、 視覚障 害者用 の点字 ブロッ クがこの 岡山市 から生 まれたと

いうことも我 が国における人権の歴史上特筆されるべき出来事です。

このよ うに、 岡山に は人権 という 普遍的 な権利 を大切に する精 神風土 があり、

現 在、岡 山市内 に本部 を置き 人権の 視点で 国際的 に活躍し 海外か らも高 い評価を

( )、 ( ) 、

受けているNGO ※ 1 NPO ※ 2 等の市民団体が多数存在 していることも

地方都市とし ては希なことであります。

こ うし た面で の岡 山らし さを 活かし なが ら広く 人権の 大切さ を訴 えてい くにあ

た り、岡 山市が そのた めの基 本計画 を策定 すると いうこと は非常 に大切 なことで

あると考えま す。

(※ 1)NGO; non- gover nment al or gani z at i onの略語で、国際的であ ると国内的であると を 問わ ず、 民間団 体を いうが 、特 に、国 際組 織のう ち、 国家を 単位 として 設 立さ れる 政府間 国際 機構に 対す る、非 政府 間国際 団体 をさし て用 いられ ることが多い。

(3)

県又は国が認証 した社会貢献活動を行う市民団体。

2 策定の 趣旨【人権文化の構築を目指して】

国際・ 福祉都市 の実現に 向け、人 権文化の 構築(※ 1)を目 指す本市 の人権教

育・啓発に関 する基本方針及び取り組みの方向性を明らかにします。

近 年、 権利意 識の 高揚、 価値 観の多 様化 等によ り、市 民生活 の中 でさま ざまな

人 権侵害 が発生 してお り、人 権問題 に対す る社会 的関心も 高まっ てきて います。

そ うした 中、本 市にお いては 、さま ざまな 人権問 題に対し て、総 合的か つ計画的

に 取り組 みを進 めてい ますが 、その うちの 教育・ 啓発の分 野につ いて、 的確に現

、 、

状分析を行い 今後取り組むべき施策について明確な方向性を打ち出すとともに

これを体系的 に整理し、市民との協働によりこれを遂行します。

(※ 1 )人権 文化の 構築; 市民や 行政が 物事を 判断した り行動 したり する際 に、人権 をベー 。 スにした考え 方がごく自然に採られるような社会を構築すること

3 基本目 標【人権問題は市民一人ひとりの課題】

すべて の人が人 権を尊重 し、また 尊重され る明るい 社会を築 くために は、市民

自 らがそ の大切 さに気 付き、 人権尊 重社会 の実現 のために 行動す ること が大切で

す。

個 々の 人権侵 害の 事例を 見て みると 、加 害者側 に加害 行為を 行っ ている という

意 識が希 薄な場 合が多 く、無 意識の うちに 加害行 為が日常 的に繰 り返さ れている

こ ともあ ります 。こう したこ とは、 個々人 の特異 な意識に よって 発生す るという

よ りも、 むしろ 社会意 識が大 きく影 響して いる場 合が多い と言え ます。 だからこ

そ 、一人 ひとり が、自 分自身 を、さ らには 社会全 体を人権 の視点 で冷静 に見つめ

る目を養う必 要があると言えます。

人 権侵 害の事 例の 中には 公権 力によ り市 民の人 権が侵 害され るケ ースも ありま

す 。しか し、日 常の生 活にお いて発 生する 人権侵 害行為の 多くは 市民同 士の間で

発 生して います 。つま り、人 権侵害 行為を 行うの も、また それに より被 害を受け

る のも多 くの場 合は市 民であ り、誰 もが被 害者に も、また 加害者 にもな る可能性

が あると いうこ とです 。また 、視点 を変え て、加 害行為を 行った 人も、 なぜその

よ うな行 為を行 ってし まった のかと いうこ とから 考えれば 、加害 行為に まで至る

(4)

よ うに、 人権問 題は加 害者と 被害者 が相互 に複雑 に絡み合 ってい る場合 も多くあ

ります。

特 に、 今日で は、 単に加 害者 と被害 者と いった 単純な 図式で は考 えられ ない、

個人と個人の 人権が衝突するような事例も多く発生しています。

こ うし た現状 にお いて、 すべ ての市 民が 大切な 人とし て尊重 され るため には、

真 に人権 が尊重 される 社会を 市民と 行政が 一緒に なって築 いてい こうと する努力

が 大切で あるこ とはい うまで もない ことで す。そ うしたこ とから 、私た ちの日常

生 活がい かに人 権と関 わって いるか 、また 、すべ ての人権 問題が 自分と 無関係で

は なく、 自分自 身に関 わる問 題であ ること に気付 き、市民 一人ひ とりが 自らの課

題 として 行動に 移せる ことを 基本目 標とし た人権 教育・啓 発を実 施する ための基

本計画を策定 します。

そ して 、事 業の 実施 にあ たっ ては、「 市民と の協 働」 を基 本と し、 市民や 各種

団体等とも幅 広く連携、協力しながら、より効果的な事業推進を図ります。

4 本市に おける人権問題の現状と課題及び施策の方向性

∼ 一人ひとりが人権を尊重し、また尊重される、個性が輝く社会をめざして ∼

人権問題は 、社会の 中にさまざ まな形で存 在しており 、私達が日頃 から持って

いる さまざま な思い 込みや偏 見によ って、差 別等の人 権侵害が 引き起こ されてし

まう場合があります。

何気な い一言や ちょっと した行為 、あるい は表情だ けでも、 十分相手 を傷つけ

て しまう ことに もなり ます。 また、 こうし た行為 の一つひ とつを 取りあ げてみれ

ば 人権侵 害とま ではい えなく とも、 それが 日常的 に繰り返 される ことに よって人

権が侵害され るケースもあります。

、 、 、

また 昨今のインターネットの普及に伴 い 匿名で行われる情報 発信の中には

、 、 、

特定の個人 あるいは女性や障害者 被差別部落出身者等の特定の属性を対象に

こ れらの 人の人 権を侵 害する 内容の ものが 見受け られます が、必 要な法 整備が進

め られる ととも に、私 たち一 人ひと りに情 報の取 捨選択を 適切に 行う能 力が求め

られています 。

本 市に おいて も、 こうし た問 題につ いて 「岡山 市電子 掲示板 に係 る有害 情報等

」 、 、

の記録行為禁 止に関する条例 を全国に先駆けて制定するなど 市民啓発を含め

地方自治体と して可能な限りの対応をしてきました。

(5)

す が、残 念なが ら、そ の場に 居合わ せた人 が誰一 人そのこ とに気 付かな いか、気

付 いても 取り立 てて問 題にす るほど でもな いと考 えてしま うケー スもあ るようで

す。

しかし、人 権が「人類社会すべての構成員の平等で譲ることの出来ない権利」(世

界 人権宣 言前文 より) である 以上、 見過ご しても よいよう な人権 侵害な どあり得

ません。

ま た、 人権と は「 自己実 現、 自立、 社会 参加」 という すべて の人 間が持 つ基本

的 欲求の 実現を 図る権 利とし て捉え ること ができ ますが、 特定の 属性で あること

等 の非合 理な理 由によ って、 この権 利が不 当に阻 害される という 差別の 問題があ

ります。

こ れら の問題 は人 間の尊 厳に 関わる 非常 に重大 な問題 であり 、そ の克服 のため

に は、知 識や理 論によ る理解 はもち ろんの こと、 日常生活 の中で 実際の 行動に結

び つく実 践的理 解とし て、私 たち一 人ひと りが人 権感覚を 身に付 けるこ とが重要

です。

そ こで 、現在 、本 市にお いて 見られ る主 要な人 権問題 につい て、 その現 状とこ

れまでの取り 組みを踏まえ、今後の施策の方向性について明らかにします。

(1)性別 に起因する問題

〈 現状と課題〉

性別 に関わ らず一 人ひと りが 人とし て尊重 されあ らゆる 分野に おける 活動に

参 画でき る社 会と いう のが「 男女 共同 参画社 会」 の基本 です 。こう した 考えの

も と、法 律や 制度 面の 整備な ど男 女平 等の実 現に 向けた さま ざまな 取り 組みが

着実に進められてきました。

また、 平成 12 年1 0月に 実施 した 「男女 共同 参画に 関す る市民 意識 ・実態

調査 」では、「男 は仕事、女 は家庭」とい う考え方の肯 定派が、前回 調査(平成

6 年)の 約6 割か ら約 3割へ と大 きく 減少し 、性 別によ る固 定的な 役割 分担意

識はかなり解消されてきています。

し かし 、現 実に は、 男性 の家 事や 育児 ・介 護へ の参 画の 実態 は依然 とし て低

、 、

い状況にあり 固定的な性別役割分担意識に基づく慣行等は依然 として根強く

社 会の多 くの 場面 で「 男性の 方が 優遇 されて いる 」と感 じて いる人 の割 合は、

前回調査よりむしろ高くなっていま す。

さらに 、近 年、 セク シュア ル・ ハラ スメン ト( セクハ ラ) や配偶 者等 からの

暴 力(D V) など の人 権侵害 行為 によ って、 多く の女性 が被 害を受 けて いるこ

(6)

こ のよ うに 女性 が被 害者 とな る人 権問 題が 大き な社 会問 題と なる一 方で 、我

が 国にお いて は、 自殺 者数が 3万 人( 平成1 3年 )を超 え、 交通事 故死 亡者の

約 3倍に も達 して いま すが、 その うち の実に 7割 を男性 が占 めてい る現 状は、

固定的性別役割分担意識もその要因 の一つと考えられます。

こうし た問題を解決し、真の男女平等を実現するためには、市民一人ひとりに

対して、 男女が互いの人権を尊重することについての意識の浸透を図り、セクハ

ラやDV などの性別に起因する人権侵害を根絶する基盤づくりを進めることが必

要です。 同時に、社会的・文化的に形成された性別(ジェンダー)にとらわれる

ことが、 個人の生き方の選択の幅を狭め、また結果として異性に対してだけでな

く同性に 対してもジェンダーを強制したり差別したりする可能性があるという認

識を広め ていくことが重要です。

また、 性的指向 (※ 1) や性自認 (※ 2)、あるい はインタ ーセック ス(半陰

陽)(※ 3)にお けるセク シャル・ マイノリ ティ(性 的少数者 )に対す る正しい

理解を進 め、その偏見や差別について、社会全体の問題として捉えることが求め

られてい ます。

〈 施策の方向性〉

このよう な性別に起因する人権問題については、セクハラ、DV等の性別によ

る人権侵害やジェ ンダーに基づく偏見の影響等による性別による差別的な取扱い

など、多くの課題 がありますが、これらを克服するためには、男女が対等な社会

の構成員として社 会のあらゆる分野に参画し、共に責任を担う「男女共同参画社

会」の構築が不可 欠です。

こうした 中、本市では岡山市男女共同参画社会の形成の促進に関する条例「さ

んかく条例 」を制定し、男女の個人としての尊厳の尊重、セクハラやDV等の人

権侵害の禁 止のほか、市、市民、事業者の責務とともに特に教育の責務などを規

定して、全 国に先駆けた取り組みを図っているところです。

そこで、 家庭教育、学校教育、社会教育(職場における学習を含む)のあらゆ

る場面にお いて男女共同参画社会の形成に向けた男女平等教育・学習を推進する

ため、広く 市民をはじめ、児童・生徒、教職員、市職員に対する教育・啓発に積

極的に取り 組みます。

また、女 性の権利に関連の深い法令や条約、条例等について、誰もが理解しや

すい形で広 報するなどその周知を図るとともに、メディアによる情報をジェンダ

ーの視点か ら主体的に解釈し、選択し、使いこなす力を養うため、広く市民を対

(7)

さ らに 、セク ハラや DVな ど女 性に対 する人 権侵害 を未然 に防止 し、そ の被害

者の 保護を進める ため、市民に 対する意識 啓発を行い、「DV防止法 」及び「さ

んかく条例」の周知促進を図ります 。

( ※ 1 )性的 指向; 性的意 識が 、同性 、異性 、両性 のど こに向 かうか を表す 概念。 後天的 な個々の趣味である「性的嗜好」と区別 される。

(※ 2)性自認;個人が自己をどの性別 の一員であると認識しているかということ。 ( ※ 3)インタ ーセックス( 半陰陽); 先天的に生物 学上の男性的 特徴と女性的 特徴を併せ

持つ状態。

(2)子ど もに関する問題

〈現状と 課題〉

家 庭の養育 機能の 低下、家 族関係 の希薄化 、家庭 や地域の 教育力の 低下等、

子 どもを取 り巻く 環境は大 きく変 化し、子 どもの人 権にかか わる問題 は深刻化

しています。

児 童虐待は 、家庭 という密 室の中 で行われ る場合 が多いこ とから外 部から分

か りにくく 、その ため介入 が難し い深刻な 問題とな っていま す。岡山 市でも、

家 庭相談員 が対応 した児童 虐待の 相談件数 が平成8 年には実 人数で7 8人であ

っ たものが 、平成 14年に は16 2人と2 倍以上に 増加して います。 このよう

な 状況のも と、本 市におい ても、 防止に向 けたさま ざまな取 り組みを 行ってい

ま すが、減 少傾向 には至っ ておら ず、子育 て不安を 抱える保 護者等へ の支援が

課題となっています。

い じめや暴 力行為 及び不登 校は、 子どもが 人権を 侵害する 場合と侵 害される

場合が複雑に絡み合う典 型的な問題です。

こ れらはお おむね 減少傾向 にある ものの、 学校の 内外で依 然として 後を絶た

ず 、学校教 育及び 社会教育 の両面 からの個 に応じた きめ細か な対応が 課題とな

っています。

〈 施 策 の 方 向 性 〉

こ のように 、子ど もの人権 の問題 としては 、児童 虐待やい じめ、不 登校等の

問 題があり ますが 、これら を解決 していく ことは大 人の責任 であり市 民と行政

。 、 、 、

が一体となって取り組ま なければなりません そうした認識の下 家庭 学校

地 域社会の 役割を 明確にし 、それ ぞれが協 働して、 豊かな心 と生きる 力を育み

(8)

従 って、そ のため の啓発を 進めて いくと同 時に、 虐待やい じめなど の問題に

、 。

ついては 家 庭や地域社会での教育力の回復を図るための取り組みが必要です

児 童虐待の 防止に ついては 、未然 防止、早 期発見 ・対応、 再発防止 に向けて

の 取り組み が重要 であり、 福祉、 保健、医 療機関、 司法機関 、人権擁 護委員、

、 、 、

学校園 保育園等が連携を密にし 市民 への啓発や市職員を対象とした研修会

子育て不安を抱える保護 者への支援の強化を進めます。併わせて、「児童虐待の

防 止等に関 する法 律」や「 児童の 権利に関 する条約 」につい てもその 周知促進

を図ります。

いじめや 暴力行 為及び不 登校に ついては 、各学校 が一人ひ とりの個 性を認め

な がら、子 どもが 愛されて いると 実感でき る魅力あ る教育の 実現に努 めること

が 重要です 。そこ で、教職 員を対 象とした より専門 的な研修 の充実に 努め、教

職 員の質的 向上を 図ります 。また 、生徒指 導体制や 教育相談 体制の確 立のため

の 人的配置 に努め 、一人ひ とりの よさを生 かす積極 的な生徒 指導の推 進を図る

とともに、関係機関との 横断的な行動連携を推進していきます。

(3)高齢 者に関する問題

〈現状と 課題〉

我 が国 の少 子高 齢化 は、 世界 に例を 見な い速 度で 進行し てお り、 本市に おい

て も、 急速に 高齢 化が進 んで います 。今 後、戦 後のベ ビーブ ーム 時代に 生まれ

た 世代 が高齢 期を 迎える こと により 、2 015 年には 全人口 の4 分の1 が高齢

者という状況 が予想されています。

こ うし た高 齢者 人口 の増 加や 家族形 態の 変化 によ り、子 や孫 との 同居が 減少

し、高齢者の ひとり暮らしや高齢者夫婦のみの世帯が増加しています。

今 後、 この 傾向 はさ らに 進む ものと 考え られ 、高 齢者が 地域 社会 から孤 立し

た り、 高齢者 介護 に関す るさ まざま なト ラブル が発生 したり と、 深刻な 問題に

なっています 。

特 に高 齢者 の人 権問 題と して は、寝 たき りや 痴呆 の高齢 者に 対す る身体 的虐

待 や介 護拒否 、金 銭搾取 とい った虐 待行 為が増 加して いる問 題や 、痴呆 性高齢

者 の財 産管理 の問 題、就 職や 賃貸住 宅で 不利益 を受け る問題 、社 会意識 として

存 在す る高齢 者を 疎まし く思 ったり 、邪 魔者の ように 感じた りす る差別 意識の

問題等があり ます。

ま た、高 齢者が 置かれ てい る環境は 一人ひ とり皆 異なっ ており 、個々 のケー

(9)

〈施策の方向 性〉

この ように、 高齢者の 人権の問 題は、高 齢者が自 立し、生 きがいを もって過

ご す暮らし が妨げ られるこ とや、 介護者等 による虐 待などに 関する問 題です。

高齢 者が長年 培ってき た豊富な 知識や経 験を埋も れさせる のではな く、子ど

も 達や若い 世代と の交流を 通じて これを伝 えること で社会に 貢献し、 高齢者が

健 康で自分 らしさ を大切に し生き がいをも って暮ら せる社会 を実現し ていかな

け ればなり ません 。そのた めに、 行政だけ でなく、 関係団体 、民間企 業等とも

緊 密な連携 ・協力 を図り、 高齢者 の社会参 加を促進 するため の取り組 みを進め

ます。

また 、高齢者 が介護や 支援が必 要になっ ても、地 域での生 活が安心 して続け

。 、

られるような社会整備が 必要です 介護保険などの福祉サービスの充実を図り

、 、 、

保健 福祉 医療に関わる機関等との十 分な連携システムを確立するとともに

地 域住民の 主体的 な支え合 いを促 すことで 、高齢者 を地域社 会全体で サポート

する街づくりを推進しま す。

学校 教育にお いては、 高齢者を 敬愛する 心を育て るととも に、介護 、福祉の

問題等高齢社会に関する 基礎的な理解を深める教育を推進します。

(4)障害 者に関する問題

〈現状と 課題〉

障 害者を取 り巻く 社会環境 におい ては交通 機関、 建築物等 における 物理的な

障 壁、資格 制限等 による制 度的な 障壁、点 字や手話 サービス の欠如等 による文

化 ・情報面 等の障 壁、障害 者を庇 護される べき存在 として捉 える等の 意識上の

障壁があります。

以前 は、 障害 者の多 くが 、家 族と 共にひ っそ りと 暮らす か、 施設 で暮 らすか

のい ずれか であ り、障 害者の 人権や プラ イバシ ーは軽 視され がち でした 。障害

者差 別が今 日ま で根強 く残さ れてき たの は、間 違った 障害者 観に よる偏 見が社

会に 存在し 続け てきた ことに よるも ので あり、 現在で もなお 、人 間とし て生き

ていく上で最も大切な権利が十分に保障されていない状 況があります。

、 、 、 、

しかし 最近では 自らの能力を最大限発揮して 自立した生活を送りたい

積 極的 に社会 活動 に参画 して いきた いと いう要 求が強 まって いま す。ま た、障

害 の状 況及び 障害 の程度 は人 により それ ぞれ異 なって いるに もか かわら ず、障

害 者と 健常者 とに 単純に 分け た考え 方を するこ と自体 に問題 があ るので はとい

う指摘もあり ます。

(10)

財 産権 や人権 を侵 害する 事件 が発生 して います 。また 、知的 障害 者は、 自己の

権 利を 主張、 行使 するこ とが 困難な 場合 があり 、自己 の財産 を適 切に保 管し、

こ れを 有効に 活用 するこ とや 、他者 から 権利侵 害を受 けた場 合に 、自ら が侵害

さ れた 権利の 回復 を図る こと 等につ いて 、援助 を必要 とする 場合 があり ます。

精神 障害者 につい ても、 憶測や 偏見に 基づく 差別意識 が存在 してお り、人権

保障について 理解が得られにくいという問題があります。

〈 施 策 の 方 向 性 〉

最 近、街を 歩けば、 ノーマラ イゼーシ ョン(※ 1)の理 念による バリアフリ

ー (※ 2 )化が随 分進み ましたが 、このノ ーマライ ゼーショ ンとは人 の多様性

を 当然の こととし て受け 入れ、互 いに認め 合うこと であり、 一人ひと りがこれ

を実践できる ような取り組みを進めていきます。

障 害者に対 する誤解 や偏見を 払拭する ため、さ まざまな 行事・メ ディアを通

じ て、市 民に対す る正し い知識の 普及と意 識啓発を 進めてい きます。 また、施

設利用者等と 地域住民との交流事業等を一層推進します。

、 、 、

また 就労等さまざまな形での社会参加を促進すること で 障害者が自立し

生きがいをも って暮らせる社会の実現を進めます。

障害児教 育につい ては、障 害のある 子どもた ちの自立に 向けて、 その基盤と

なる生きる力 を培うための指導を行い、人的・物的支援の拡充を図ります。

さ らに、障 害者への 理解と支 え合う心 が育つよ う、交流 教育を積 極的に進め

ます。

( ※ 1 ) ノ ー マ ラ イ ゼ ー シ ョ ン ; 障 害 者 を 特 別 視 す る の で は な く 、 一 般 社 会 の 中 で 普 通 に 生 活 が 送 れ る よ う な 条 件 を 整 え る べ き で あ り 、 共 に 生 き る 社 会 こ そ ノ ー マ ル な 社 会 で あ る と の 考 え 方。 「( 障 害 者 基 本 計 画 」 よ り ) ( ※ 2 ) バ リ ア フ リ ー ; 障 害 の あ る 人 が 社 会 生 活 を し て い く う え で 障 壁 ( バ リ ア ) と な る も の を 除 去 す る と い う 意 味 で 、 も と も と 住 宅 建 築 用 語 で 登 場 し 、 段 差 等 の 物 理 的 障 壁 の 除 去 を い う こ と が 多 い が 、 よ り 広 く 障 害 者 の 社 会 参 加 を 困 難 に し て い る 社 会 的 、 制 度 的 、 心 理 的 な すべ て の 障 壁 の 除 去 と 。(「 」 ) い う 意 味 で 用 い ら れ る 障 害 者 基 本 計 画 よ り

(5)同和 問題

(11)

昭 和40年 の同和 対策審議 会答申 では「同 和問題 は人類普 遍の原理 である人

間 の自由と 平等に 関する問 題であ り、日本 国憲法に よって保 障された 基本的人

権 にかかわ る課題 である。 その早 急な解決 こそ国の 責務であ り、同時 に国民的

課 題である 」との 基本的な 認識が 示されま した。こ の答申を 受けて昭 和44年

に 制定され た同和 対策事業 特別措 置法やそ の後に制 定された 特別措置 法に基づ

き同和行政が積極的に推 進されました。

本 市におい ても、 同和問題 の解決 を市政の 最重要 課題と位 置付け、 市政全般

に わたる諸 施策を 通して、 人権意 識高揚の ための教 育・啓発 、職業の 安定と産

業 の振興、 教育・ 文化の向 上、社 会福祉の 増進、生 活環境の 改善等の 施策を積

極的に推進してきました 。

こ うした行 政の取 り組みと 民間運 動団体や 地域住 民の自立 への努力 とが相ま

っ て生活環 境の改 善等物的 な整備 はおおむ ね完了す るなど着 実に成果 を挙げ、

さまざまな面で存在して いた較差は大きく改善されました。

し かし、物 的な面 での成果 に比べ 、心理面 での重 要な課題 である差 別意識の

解 消は十分 とはい えず、結 婚問題 等社会の 中に根深 く存在し ているの が現状で

す。

ま た、同和 問題の 解決に向 けた取 り組みに 逆行す るえせ同 和行為( ※ 1)や

悪 質な差別 事象の 問題、高 校への 進学率や 小中学校 における 長期欠席 率等の教

育 の問題、 不安定 就労等の 就労上 の問題等 、いくつ かの課題 を抱えて います。

〈 施 策 の 方 向 性 〉

同 和問 題解 決の ため の最 後の 特別措 置法 「地 域改 善対策 特定 事業 に係る 国の

財 政上 の特別 措置 に関す る法 律」が 平成 14年 3月末 日をも って 失効し たこと

に伴い、同和 地区・同和関係者を対象とする特別対策事業は終了しました。

し かし 、部 落差 別が 現存 する 限り、 この 行政 は積 極的に 推進 され なけれ ばな

ら ず、 法の失 効を もって 同和 問題の 早期 解決を 目指す 取り組 みを 放棄す るもの

ではありませ ん。

我が 国は、経 済的には 世界で有 数の先進 国として の地位に あり、経 済だけで

。 なく人権とい う普遍的文化の普及についても国際的に責任ある立場にあります

部落 差別 はそ んな我 が国 にと って 世界に 恥ず べき 固有の 人権 問題 であ り、そ

の解 消なく して 我が国 の人権 の確立 はな いとの 基本認 識に立 って 事業を 進めて

いき ます。 その ために 、差別 の現状 を正 しく捉 えると ともに 、国 際的潮 流とそ

の取 り組み を踏ま え、「今後 におけ る同和 問題 解決の 基本方 針」( 平成1 4年8

月1 日岡山 市策 定)に 基づき 、課題 解決 のため の施策 を積極 的に 推進し ます。

(12)

経緯 を踏ま え、 同和問 題をは じめと する あらゆ る人権 問題の 解決 を自分 自身の

課題 として 認識 し、実 践する ことが でき るよう な教育 ・啓発 の推 進が重 要と考

えます。

そ のために 、具体的 な体験や 事例を取 り上げた 参加体験 型学習を 取り入れる

な ど、内 容や手法 を工夫 し、教育 ・啓発活 動の充実 を図ると ともに、 あらゆる

人 権問題 の解決に 向けて 住民相互 の理解と 差別意識 の解消を 目指した 交流活動

に努めます。

また、え せ同和 行為やイ ンター ネット上 の差別書 き込みな ど悪質な 差別事象

が 発生して いるこ とから、 関係機 関、民間 運動団体 や他の人 権団体等 と幅広く

、 、

連帯するとともに あらゆる差別を許さないという人権尊重意識の高揚を図り

市民と一体となってその 根絶に向け積極的に取り組みます。

そして、 学校教 育におい ては、 差別を許 さない明 るい社会 の実現を 目指す教

育 を推進す るため に、人権 教育を 進める中 で同和教 育を正し く位置付 け、同和

教育基本方針に基づき積 極的に推進します。

(※1)え せ同和 行為; 同和問 題はこ わい問 題である という 人々の 誤った 意識に乗 じ、同 和 問題 を口 実に して 企業な どに 不当 な利 益や義 務の ない ことを 求め る行為をいう 。

えせ同 和行為 は、同 和問題に 関する 差別意 識の解 消に向け た人権 教 育・ 啓発 活動 の効 果を一 挙に 覆し 、同 和問題 に関 する 誤った 認識 を 国民 に植 え付 ける など、 同和 問題 の解 決にと って 大き な阻害 要因 となっている 。

(6)外国 人市民に関する問題

〈現状と課題 〉

政 治・ 経済 ・文 化を はじ めと するさ まざ まな 分野 でグロ ーバ ル化 が進む 中、

岡山市で暮ら す外国人の数は、年々増加の一途をたどっています。

市 内の 外国 人登 録者 は、 平成 14年 12 月現 在、 76ヶ 国7 ,8 76人 であ

、 , 、 , 。

り そのうち永住者が3 803人 非永住 者が4 073人となっています

外 国人 登録者 の多 くは、 第二 次世界 大戦 以前か ら日本 で暮ら し始 め、そ の後も

引 き続き日本に 在留している人及 びその子孫であ る韓国・朝鮮籍 の人々ですが、

最 近で は、ア ジア 近隣諸 国等 から留 学・ 研修等 を目的 に来岡 する 外国人 が著し

く増加してい ます。

(13)

語 、文 化、生 活習 慣、価 値観 等の相 違に 起因し た日常 生活に かか わるさ まざま

、 。

な問題が生じ ており 外国人市民に対する誤解に基づく偏見等が認められます

ま た、 外国 人市 民の 権利 に関 しても 、納 税等 の義 務を日 本人 市民 と同様 に課

せ られ ている にも かかわ らず 、地方 参政 権を通 じて、 意見を 反映 する場 があり

ません。

さ らに は、 毎年 ほぼ 一万 人の 外国籍 の人 が、 帰化 によっ て日 本国 籍を取 得し

て いま すが、 日本 人から は、 帰化し ても なお日 本人で はなく 外国 人とし て見ら

れ たり 、元国 籍の 人々か らは 民族的 信義 に反す る行為 者とし て見 られた りする

など、差別的 な意識を向けられるといった問題もあります。

〈施策の方向 性〉

外 国人 市民 も日 本人 市民 も、 地域社 会の 一員 とし て、お 互い に多 様な考 え方

や 価値 観を尊 重し ながら 、異 なる歴 史、 文化な どを理 解し、 暮ら しやす い共生

社 会を 築いて いく ことが 必要 なこと から 、外国 人市民 と日本 人市 民との 相互理

解 を進 めるた め、 交流促 進、 情報提 供等 に取り 組むと ともに 、外 国人が 抱える

問題の解決を 支援するための取り組みを行います。

そのた めには、外国人市民と日本人市民の相互理解の促進を人権の視点をもっ

て 支援 してい くこ とが必 要で あり、 国際 友好交 流都市 をはじ め、 外国人 市民と

の 市民 交流を 進め る取り 組み を行い ます 。また 、地域 社会の 一員 として 、価値

観 の違 いや歴 史・ 文化・ 習慣 の違い につ いてお 互いに 認識し 、理 解しあ えるよ

う、市民団体 等と連携しながら取り組みを進めていきます。

(7)ハン セン病患者・回復者及びHI V感染者に関する問題

特 定の 感染 症に つい て、 病気 に関す る医 学的 な知 識の不 足等 から 、その 患者

・ 回復 者及び 家族 等に対 する 偏見や 差別 意識が 生まれ 、人権 問題 となっ ていま

す 。感 染症は 、ま ず治療 及び 予防と いっ た医学 的対応 が必要 です が、人 権擁護

の 観点 から、 こう した偏 見や 差別意 識の 解消に 向けた 取り組 みも 、それ ととも

に重要な課題 になっています。

ア、ハン セン病患者・回復者

〈現状と 課題〉

ハ ンセン病 患者・回 復者に対 する差別 意識や偏 見は、我 が国の歴 史の中で古

く からあ りますが 、現在 における ハンセン 病患者・ 回復者の 問題は、 こうした

(14)

期 以降の 徹底した 隔離政 策やそれ を支えて きたらい 予防法等 により生 み出され

てきました。

平 成8年に らい予防 法が廃 止され、 平成13 年には国の 強制隔離 政策に関す

る 違憲判 決、また 、国会 において は隔離政 策を反省 し謝罪す る決議が なされ、

名 誉回復 と福祉の 増進を 図るため 「ハンセ ン病療養 所入所者 等に対す る補償金

の支給等に関 する法律」が施行されました。

、 、

しかしながら 入所者の故郷への復帰がほとんど進んでいない現状をみると

患 者・回 復者に対 する偏 見は未だ に社会に 根強く残 っている と考えら れ、90

年 余りに 及ぶ差別 的な政 策によっ て深く浸 透した偏 見を完全 に払拭す るために

は、ねばり強 い取り組みが必要です。

〈施策の方向性〉

病 気に関す る正し い知識を 持つこ とは非常 に大切 なことで あり、こ れが欠如

すると、憶測や偏見が生 まれ、差別につながります。

病 気に対す る偏見 を未然に 防止し 、または 抱いて いる差別 意識等を なくすた

め には、非 合理で 誤った考 え方に とらわれ ることな く、ごく 自然なつ きあいを

通じて、お互いを理解し 合える社会を共に築いていくことが重要です。

ハ ンセン病 の問題 に関して は、病 気に対す る正し い知識の 普及を図 るととも

に 、患者・ 回復者 等に対す る理解 を進める ための交 流活動等 を行うこ とによっ

て、患者・回復者等の社 会参加を支援・促進します。

(※1)無 らい県 運動; ハンセ ン病患 者の隔 離収容を 進め、 患者ゼ ロの県 を目指そ うとい う 運動 。昭 和4 年、 愛知 県の 民間 運動に 端を 発し 、昭 和15 年に は 、当 時の 厚生 省が 各県 に運 動の 徹底を 要請 、全 国的 な運動 とな った。

イ、HI V感染者

〈現状と 課題〉

HI V感 染者 等の問 題に つい ては 、我が 国に おい て、平 成1 4年 (2 002

年) 末現在 で、 HIV 感染者 5,1 21 人、エ イズ患 者2, 54 9人が 確認さ

れて います 。そ の感染 原因の 多くは 性交 渉によ るもの であり 、特 に異性 間での

性交 渉によ る感 染が半 数近く を占め 、若 年層の 感染の 増加傾 向が 指摘さ れてい

ます。

こ のことは 、感染予 防に関す る意識が 十分でな いことの 現れです 。同時に、

(15)

依然として存 在しています。

〈施策の方向性〉

HI V感染・ エイズの 問題に関 しては、 現在もな お新規感 染者が出 ているこ

と から 、感染 予防 につい ての 教育を 推進 すると ともに 、病気 に対 する正 しい知

識の普及に努 めることで、偏見や差別意識の払拭を図ります。

(8)その 他の人権問題

多様 化する現 代社会に おいては 、これら の他にも さまざま な人権問 題が存在

します 。

アイ ヌの人々 に対する 差別は、 独自の言 語・文化 に対する 理解が十 分ではな

い こと ととも に、 民族の 誇り に対す る認 識の不 足が根 底にあ ると ものと 考えら

れます。

また 、刑を終 えて出所 した人に ついても 、世間の 厳しい目 によって 仕事や生

、 。

活の場から疎 外され 社会復帰がより困難なものになっている現状があります

情報 化が進む 昨今、イ ンターネ ット等を 利用して 行われる 他人への 誹謗・中

傷や差別的書 き込みも大きな問題となっています。

さ らに は、 職業 に関 する 差別 意識、 制度 上の 婚姻 によら ない 夫婦 の間に 生ま

れた婚外子へ の差別、路上生活者等への暴行なども深刻な人権問題です。

地球 温暖化 等の地 球規模 での環 境問題 や、騒 音、水質 汚染、 廃棄物 処理等の

都市環境の問 題も、人間の生命や健康に関わる重要な人権問題です。

ま た、 犯罪 被害 者に 対す る取 材、報 道の あり 方等 に関す る問 題、 インフ ォー

ム ド・ コンセ ント (※ 1 )や 尊厳死 等医 療現場 におけ る患者 の人 権の問 題、イ

ン ター ネット の普 及に伴 うプ ライバ シー の侵害 や著作 権侵害 の問 題等に ついて

も 、や はり人 間の 尊厳を 中心 に置い て問 題を正 しく捉 え、自 ら考 え、対 処でき

るような力を 養う必要があります。

(16)

、 、 「 」

差別意 識や偏見に基づく人権侵害は 多くの場合 相手を 自分とは異なる人

として捉 え、排除したり、軽視したりする意識によって引き起こされます。

しかし 、自分以外の人間が自分とは異なっているのは、当然のことです。

そ の当然 のことを 特別なこ ととして 捉え、「 単なる違 い」に過 ぎないこ とを「優

劣の差」 と錯覚してしまうことで、相手の人権を侵してしまうのです。

また、 現実の日常生活においては、これらの人権課題が重複し、絡み合って問

題化する 事例が多く見られます。

子ども に対する児童虐待と女性へのDVのように、それぞれ別々の個別課題と

して触れ ていても原因や構造が酷似している事例もあります。

このよ うに、複雑に問題が絡み合う人権侵害に対しては、総合的な視点により

関係機関 ・関係部署間での横断的な調整を図ったうえで施策を講じる必要があり

ます。

5 人権教 育・人権啓発の推進に関する基本的方針

(1)あら ゆる場における人権教育・人権啓発

ア 全 市的取り組み( 一人ひとりが自ら気付き考え行動するために )

人権 尊重の意識が社会全体に自然に存在している状況を創り出すための取り

組 みを 推進 しま す。 その ため には、 あら ゆる 年齢 ・性別 ・職 業の 市民を 対象

と した 教育 ・啓 発が 重要 と考 え、す べて の市 民が 参加し やす い講 演会や 研修

会 、イ ベン トを 実施 する とと もに、 これ らへ の参 加が市 民自 らの 意志に より

自主的に行 われるよう努めます。

また 、人権問題への関心を喚起するための「気付き」を促す啓発に続き、関

心に応 じて主体的に学習する「学び」を奨励するため、テーマや学習度合いに

応じた 段階的な学習機会を提供していきます。

さま ざまな人権問題に関する講座を開設するとともに、企業、学校、地域で

、 。

の自主的な 学習を支援するための講師派遣 教材提供等を積極的に行います

イ 学 校園での取り組み( 子どもたちの豊かな人間性を育むために )

すべ ての学校で、開かれた学校運営の推進とともに、人権教育推進体制を確

(17)

くよう人権 教育を積極的に推進します。

就学 前においては、乳幼児期が豊かな人間性を育てる重要な時期であるとの

認 識に 立ち 、人 権尊 重の 精神 の芽生 えを 促し 、こ れを感 性と して 育みま す。

小・ 中学校及び高等学校においては、教科等のねらいや特質に応じ、学校で

の 教育 活動 全体 を通 して 、児 童・生 徒が 人権 問題 の解決 を自 らの 課題と し、

主体的に解 決に向けて取り組む実践的態度を育成します。

また 、豊かな人間性を育むために、ボランティア活動などの社会体験や自然

体験、障害 者・高齢者・在住外国人等との交流活動を重視します。

ウ 地 域社会での取り組み( 地域社会全体に人権意識を満たすために )

現 代社会に おいては、「人と 人とのつ ながりが 希薄にな っている 」と言われ

て いま すが 、人 と人 との 交流 は互い に相 手を 理解 し認め 合う 心を 育み、 先入

観や偏見を 取り除くために最も効果的です。

、 、 、

また 地域に暮らす人たちの生き 方や姿勢は 少なからず互い に影響し合い

と りわ け、 子ど もた ちの 人権 意識の 形成 に大 きな 影響を 与え るこ とから 、地

域 社会 全体 とし て人 権尊 重の 意識を 高め 、日 常生 活にお いて 実践 をとも なう

人権感覚を 培うことが大切です。

その ために、公民館、隣保館等地域に密着した施設を活用し、さまざまな市

民が参 加できる交流促進のための機会づくりを展開するとともに、地域の実情

やニー ズに応じた人権に関する学習機会の提供に努めます。

エ 家庭への 働き掛け( 家族みんなで考えるために )

家 庭での 日常 生活に おい ては、 時と して誤 った認 識が家 族全 員に浸 透した

り 、親 の差 別意 識が 子ど もに 影響を あた えた りと いった ケー スも あるこ とか

ら、人権に 関する教育・啓発の重要な場と考えています。

そこで、家族 みんなで参加できるイベントや、各種メディアを通じての広報

並びに学習 機会の提供等家庭教育に対する支援の充実に努めます。

また、人間の 人格形成過程において、幼児期は極めて重要な時期であるとの

認識に立ち 、家庭内での養育者等に対する人権教育を進めます。

( )

(18)

人 権が尊重 された明 るい職場 づくりの ためには 、就職に 際しての 機会均等

の 確保 、セ クシ ュア ル・ ハラ スメン ト等 の人 権侵 害を許 さな い就 業環境 の実

現 、え せ同 和行 為の 排除 など をさら に徹 底し てい く必要 があ り、 事業主 や公

正 採用 選考 人権 啓発 推進 員な どに対 して 、職 場に おける リー ダー として の自

覚 を促 すと とも に、 公正 な採 用選考 シス テム の確 立等人 権擁 護の ための 取り

組みを要請 し、これを積極的に支援していきます。

(2)効果 的な推進のために

ア 市民との 協働( 市民は教育・啓発の担い手です )

教 育・啓発 は、人の 内心に対 する働き 掛けであ るため、 その内容 や手法に

は 十分 配慮 する 必要 があ りま す。し かし 、従 来の ような 行政 によ る一方 的な

事業展開に は限界があることも明らかです。

そうしたこと から、人権が尊重される街づくりを進めるにあたり、市民を教

育 ・啓 発の 対象 とし て一 面的 に捉え るの では なく 、市民 自身 が行 政や周 囲の

人 々を 教育 ・啓 発す ると いう 教育・ 啓発 の主 体と しての 側面 を重 視しな けれ

ばなりませ ん。

、 、 、

そのため 市民一人ひとりに 重要な人権啓発の担い手としての 自覚を促し

機 会を 提供 する こと で、 さま ざまな 場面 での 市と 市民と の協 働を 進めて いき

ます。

イ 幅広い連 携・協力( 市民と一緒に創る人権尊重社会 )

人権 行政の推進にあたっては、国、県などと連携を図りながらできるだけ広

範 な取 り組 みと なる よう 工夫 すると とも に、 岡山 市域内 だけ でな く市民 の日

常 的な 生活 圏全 域で の統 一的 な取り 組み が重 要で あるこ とか ら、 周辺都 市と

の 連携 によ る「 岡山 県都 市人 権推進 事業 連絡 協議 会」等 を通 して 、地域 的な

広がりをも った事業を実施します。

また 、人権問題の解決を目指す研究機関、民間運動団体、NPO,さらには

地 域に おけ る各 種団 体、 民間 企業等 との 間で 、そ れぞれ の役 割を 踏まえ つつ

幅広い連携 ・協力を図っていきます。

ウ 人材の育 成( 社会生活のあらゆる場面に人権尊重の指導者を )

(19)

も に、 地域 や企 業等 、社 会の 各方面 にお いて 指導 的な役 割を 果た せるよ う、

人材の育成 を積極的に推進します。

その ため、学習意欲のある市民を対象として人権問題について総合的に学習

できる場を設 定することで自主的に人権学習ができる機会を提供します。

企業内におい ては、人権尊重への取り組みを進めていくうえで、中心的役割

を 果た すべ き事 業主 や公 正採 用選考 人権 啓発 推進 員(※ 1) など を対象 に研

修を行うと ともに、こうした取り組みに対する支援を行います。

また 、市政に携わる職員は、市民の信託を受けた公務員として人権文化の構

築 に積 極的 に取 り組 むべ き責 務を負 うこ とか ら、 実践的 な人 権感 覚を身 に付

けることが できるよう、効果的な職員研修を行います。

( ※ 1) 公正採 用選考 人権啓 発推進 員;企 業におけ る適正 な採用 選考シ ステムの 確立と 人 権 が尊 重 さ れる 職 場環 境 づく り を目 的 とす る 制 度で あ り 、岡 山 県で は 10 人 以上 の 事業 所に推進員の 設置が求められている。

エ 地域ネッ トワークづくり( 地域社会が一体となって )

一人ひとりが 人権を尊重し、尊重される明るい社会を実現するために、地域

の ネッ トワ ーク づく りを 進め 、すべ ての 市民 が人 権尊重 の精 神を 正しく 身に

付 け、 日常 生活 で生 かし てい くこと がで きる よう 、家庭 、地 域社 会、学 校な

ど のあ らゆ る場 で、 対象 者の 年齢や 経験 、発 達段 階に応 じて 段階 的に人 権教

育 ・啓 発を 進め ます 。ま た、 地域の 保育 園や 福祉 施設、 幼稚 園、 小・中 学校

等の学校教 育機関と公民館等の社会教育機関との連携を図ります。

オ メディア の活用( 「人権」を日常の話題の中に )

メデ ィアについては、日ごろ人権問題にあまり関心を持っていない層の意識

の 掘り 起こ しに 効果 的で ある ととも に、 市民 の意 識形成 に大 きな 影響を 及ぼ

すことから 、積極的に活用していきます。

そ の際、「 押しつけ 」のスロ ーガンの 繰り返し や視聴者 に嫌悪感 を抱かせる

よ うな 「決 めつ け」 にな って はなら ず、 問題 意識 を喚起 する よう な訴え かけ

(20)

(3)基本 計画の目標達成と見直しについて

こ の基本計 画は岡山 市が目指 す人権教 育及び人 権啓発の 在り方に ついて、

基本的な考 え方をまとめたものです。

岡 山市は 、この計 画の積 極的な推 進を図 るため、「人権尊 重」を市 政の柱と

し て位 置付 け、 関係 部局 の緊 密な連 携と 協力 によ り、本 市が 行う すべて の事

業を人権の 視点をもって実施します。

、 「 」 、

そのためには 平成14年に設置した 岡山市人権施策推進本部 を中心に

市 組織 を挙 げて 取り 組む 必要 があり 、今 後こ の基 本計画 に沿 って 行う本 市の

事 業に つい て、 これ を体 系的 に、よ り具 体化 する ものと して 「岡 山市人 権教

育・啓発実 施計画(仮称)」を策定します。

ま た、人権 教育及び 人権啓発 は長期的 展望に立 った継続 的取り組 みとする

、 。 、

必要があり ますが 人権の状況は時の流れとともに変化します したがって

将 来、 この 基本 計画 が社 会情 勢の変 化や 国際 的な 動向に 照ら して 、社会 の実

態 にそ ぐわ ない もの にな って しまう 可能 性も あり ます。 その ため 、常に そう

し た視 点で 、こ の基 本計 画と 現実の 社会 とを 注視 し続け ると とも に、必 要な

修正、見直 しを行います。

参照

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