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佐々木祐二

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Academic year: 2021

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(1)

ノーマライゼーションの実現に向けたスペシャルオリンピックス活動の効果

‑‑‑‑‑80参加学生と 80非参加学生の態度の比較を通して

障害児教育専攻

佐々木祐二

1 .問題の所在と目的

障害のある人を取り巻く社会環境の様々な障 壁除去のために ノーマライゼーション社会の 実現に向けた各種の施策が推進されており,そ の中に障害者スポーツ活動が挙げられている。

そこで,知的障害者を対象としたスペシャルオ リンピックス(以下,

s o

と略す)を取り挙げ

s o

参加学生と

s o

非参加学生の障害児・者に 対する態度を比較分析し,ノーマライゼーシヨ

ンの実現に向けての効果を検番

f

することにした。

ll. 方 法 1.調査方法

郵送による質問紙調査を行ったO 2.調査対象および調査期間

調査対象は,

s o

に参加している学生ボラン ティアと,

s o

非参加学生として鳴門教育大学 に在籍する学部学生である。調査期間は 2003 年8月から 10月の間に実施した。

3.調査内容

質問項目は,先行研究をもとに知的障害児・

者に関する 58項目を作成し 5段階評定によ って回答してもらった。また, ,:t

拐 U

,年齢,ス ポーツ活動への関心,ボランティア経験などに 関しでも記入してもらったD

4.分析方法

質問紙から得られた回答の得点化を行い,そ の値から項目問の相関行列を算出し,主因子法

指導教官八幡ゆかり 協 力 教 官 渡 蓬 謙

による因子分析を行った。そこから因子数を定 め,バリマックス法による回転を行い,回転後 の因子負荷行列をもとに各因子の解釈を試みた。

班.結果および考察

質問紙調査の有効回収数は参加学生が105名 (有効回答率410/0),非参加学生が208名(有 効回答率560/0)であった。

1.知的障害児・者に対する態度測定について 主因子法により態度尺度の構成を試みた。そ の結果,知的障害者問題に対する態度の測定に 有効とみなされる「理念的好意J,

r

統合意識j

「実践的好意

J

r

能力肯定

J

の4個の尺度を作 成し,知的障害児・者に対する態度の測定とし た。

2.尺度の信頼d性について

尺度の信頼性の指標としてα係数を求めたD

各尺度におけるα係数値は,全て

77

以上であ ったことから, 4個の尺度いずれも内的な一貫 性が高く,尺度としての信頼性が高いといえたD

3.知的障害児・者に対する態度について

1)  SO

活動と態度をの関連について

参加学生と非参加学生の態度の特徴を比較す るために分散分析を行ったOその結果,

r

統合意 識J,

r

実践的好意J,

r

能力肯定Jの尺度におい て有意差が認められたD 自分との関わりが深く なる現実的・具体的な次元に属する尺度の態度 得点は低くなるといわれているが,参加学生は

A

斗 ・ 占

U

η/

 

(2)

これらの態度得点で高い値を示しており

s o

活 動の効果があったといえたD

2)性差と態度との関連について

本研究において,参加学生および非参加学生 の男女の比率が異なっていた。そこで,性差と 態度との関連を検討したところ, T検定の結果 では,性差による有意差は認められなかったD

3) SO活動への参加期間による態度について SO活動への参加期聞が長くなるにつれ全て の態度尺度の得点は概ね高くなったD 多重比較 の結果 1統合意識」において,参加期間が九 年未満」の学生と12年以上

J

の学生に 5%

水準

で有意差が認められた凸

現実的・具体的な次元の「実践的好意J,1能 力肯定jは佐藤が指摘した,スポーツの効果に より障害児・者に対する態度が早い段階で好意 的に形成されたと考えられた。また, 1統合意識」

においては, 1実践的好意J,1能力肯定jほどで はないが, SO活動に継続的に参加することで,

態度が好意的になるということがわかった白 4.非参加学生における SOへの意識について

粂野・花村

( 2 0 0 0 )

は,日本におけるSOへ の意識の遅れを指摘しており,本研究でも,非 参加学生の SOの不認知率は 8

1 .

8%で、あった凸 このことより,本研究で取り挙げた非参加学生 においても SOへの意識の遅れが確認された。

しかし, SO活動への参加意欲に関する調査で は, 48.5%の学生が参加したいと考えているこ とから, SOの存在や活動内容に関する認知度 を高めることが必要であると考えられる白

5. SO活動がもたらすノーマライゼーション の効果についての意識

参加学生および非参加学生にSO活動のノー マライゼーションの実現に向けた効果の有無に ついて質問した結果,参加学生の87.6%,非参

加学生の 59.7%が効果があると答えた。逆に,

ノーマライゼーションの実現に向けての効果が ないという回答について,参加学生は 2.9010, 非参加学生では23.4%だ、った。このことについ て,参加学生は, SOの活動でアスリートと一 緒にスポーツを楽しみ実践することで知的障害 児・者に対して好意的になり, SOの活動はノ ーマライゼーションの実現に向けて効果がある のだと感じるようになったと推測された。一方,

非参加学生の肯定的回答が比較的高かったのは,

質問紙の中で説明したSO活動に共感したので はないかと推測された。

おわりに

本研究の結果,知的障害児・者と自分との直 接的な関わりが深くなる現実的・具体的な次元 に属する尺度の態度得点について有意差を認め ることができた。また, SOの活動に参加期聞 が長くなるほど知的障害児・者に対する意識が 好意的に変化していくこと明らかlこなったD

位頭(1987) は,健常児の障害児に対する理 解の段階として,第

1

段階を拒否と偏見をもっ 段階,第

2

段階を向情と憐↑関の段階,第

3

段階 を対等の仲間であると思えるようになる段階を 示している。本研究の結果から,参加学生およ び非参加学生の知的障害児・者に対する理解の 段階は,参加学生は第3段階,非参加学生は第 2段階ということが考えられた。

このように, SOの活動はノーマライゼーシ ョンの実現に向けて効果的であるといえようD

今後の課題として,分野・専攻別に態度を比 較した研究,健常者のSO参加前後の態度の変 容について比較した研究が求められる。

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