ステップ・モータの特性解析(II)
著者 岩原 正吉, 藤宗 寛治, 村本 浩, 本堂 義記
雑誌名 福井大学工学部研究報告
巻 21
号 2
ページ 7‑17
発行年 1973‑09
URL http://hdl.handle.net/10098/4695
ステップ・モータの特性解析( n )
岩 原 正 吉 " ・ 藤 宗 寛 治 州 ・ 村 本 浩 持 ・ 本 堂 義 記 縛
Characteristics of the Stepping Motor (II)
Masayoshi IWAHARA. Hiroharu F U J I s o u . H i r o s . h i MURAMOTO. Yoshinori HONDOU C R e c e i v e d Ap r . 1 6
,1 9 7 3 )
I n t h e preceding paper
,we had r e p o r t e d on t h e d i g i t a l s i m u l a t i o n o f ‑ c h a r a c t e r i s t i c s o f t h e s t e p p i n g motor. And we s u g g e s t e d t h a t t h e r e a r e more important parameters with concerned t o t h e e l e c t r i c a l systems o f t h e stepping moto r . I t had shown t h a t t h e s e p a r a m e t e r s had e f f e c t s on t h e damping behaviour o f t h e r o t o r o s c i l a t i o n o f t h e s t e p p i n g moto r . But a t t h a t t i m e we had n o t . enough e x p e r i m e n t a l r e s u l t s t o be compared with our t h e o r e t i c a l foundation on t h e d i g i t a l s i m u l a t i o n . I n t h i s t i m e we have experimented i n more d e t a i l on t h e s t e p response o f t h e s t e p p i n g moto r . Then. we r e p o r t on our e x p e r i m e n t a l i n s t r u m e n t s and i
t's r e m a r k a b l e r e s u l t s a s b e l o w .
1 ま え が き
ステップ・モータの歩進動作時に発生する同回転子 の 静 止 位 置 近 傍 に お け る 振 動 に は 著 し い 非 線 形 性 が 存 在することは良く知られた事実である。われわれはさ きに1)2)へ そ の 特 性 を 解 析 す る に は ス テ ッ プ ・ モ ー タ を非線形連立系として取扱わなければならないことを 示した。そして,同時に振動を特徴づけるいくつかの 重 要 な 要 因 の 存 在 を 明 ら か に し 点 。 そ れ ら の 結 論 は ステップ・モータに関する物理的考察により十分妥当 なものであると考えられるが,それらの諸点にわたっ て比較検討されるべき実験結果が今だ報告されていな いため完全とは言えない。従来より発表されている多 くの研究もまたそうであるが,ある特定の状態に隈っ てその理論的妥当性を比較検討するのが常であった。
て.一組の初期条件に対する系の様子が知れるのみで あ っ て 系 全 体 の 様 子 を 知 る に は ぼ う 大 な 量 の シ ュ ミ レーションを必要とする。その上各種の外部定数の影 響 を 定 量 化 し に く い と 言 う 欠 点 が あ る 。 し か し , 十 分 なる実験データが存在すれば前述のシュミレーション の理論面の妥当性も十分検証可能となる。
そこで,われわれは従来からの多くの研究に対して 適 切 な る 比 較 検 討 の 対 象 を 与 え る べ く , ま た さ き に 行 ったシュミレーションの理論面の妥当性を保証するべ く幾分詳細なる実験を試みたので以下それについて報 告する。
2 実 験
2・1 実 験 の 栴 要
然、るに,ステップ・モータの回転子の振動のように本 今日までステップ・モータの回転子の振動に関する 質的に非線形であるものは単に一つの特定な条件のも 十分なる実験データが報告されていない理由はいくつ とで比較検討するだけでは全く不十分である。特に, かあるが,その一つにはステップ・モータがモータと この種の解析においては系の振舞いについての解析解 称 さ れ る に も か か わ ら ず 所 謂 普 通 の モ ー タ の ご と く 連 が得られることは殆んどなく多くの研究がなんらかの 続 的 な , 切 れ 目 の な い 回 転 を す る 回 転 体 で な い こ と が シュミレーションによっているのが普通である。従つ ある。そのために普通のモータのように構造と直接関
骨電気工学科 H 東海大学電気工学科
係した定数を決定しにくい。連続的に歩進指令のノfル スを与えた場合に関する特性定数の規定はいくつか考 えられているが,ステップ・モータの駆動回路も含ん だ定数となるためにステップ・モータ単体の定数とは 言えない。従って,このモータに関する限り効率とか 出力とかの規定は必らずしも明確ではない。無論,普 通のモータの場合と同様に回転ートルク特性と言った 特性を測定より得ることも出来るがモータ単体に対し ては余り直感的な情報となり得ない。そこで,このス テップ・モータに関する限りは全く別の規定方法が必 要となる。すなわち,回転子の振動それ自体を明らか にする特性,過渡応答特性がモータの特性を規定する 方法となる。これより出発してさらに連続パルスによ る特性を規定することとなる。然るにこの特性を調べ るために実験を行う際,ステップ・モータのもう一つ の障害事項が問題となる。単なる電気回路に対するこ の種の実験が全く容易であることは周知のとおりであ るが,機械的な部分に対しては必らずしも容易とは言 えない。特に対象とするステップ・モータは一般に使 用されるモータに比べて,多くは非常に小型であり,
回転子の慣性モーメントが可能な限り小さくなるよう に設計されている。加えて,一度に歩進する回転角は 通 常
1 0
数度ないしはそれ以下である。それゆえにステ ップ・モータの過渡応答特性を明らかにするためには 相当に高い精度で位置(角度)検出が出来なければな らない。 lステップ巾の内側で回転子が振動するとす れば,静止点近傍において:t1 0
度内外の振動となるた め振動を精度1%
で測定するには実に0 . 1
度 の 角 度 分 解能を必要とする。この値は従来から知られている方 法を用いても不可能ではないが,広い範囲にわたって となると難しい。さらに,モータが小型で、あることを 考慮すると一層可能性は薄くなる。測定を行う場合の 大原則は「測定を行うことによって被測定体の状態を 著しく変えてはならない」と言うことである。この条 件を満足させるには測定によって負荷効果を生じない かまたは十分無視し得る程度の効果であるかのいずれ うでなければならな ~'o 無論,被測定体が比較的良く 知れていて一現実には分からないから測定する!一負 荷効果が完全に既知である場合は必らずしも十分少い 負荷効果でなくても良いが測定後データよりその効果 を取除かなければならないことは言うまでもない。従 って,始めから負荷効果は可能な限り小さくしなけれ ばならない。しかし,このような高い角度分解能と少 い負荷効果を持った一般的な測定装置はなにもない。そこでわれわれは先づ計測の手段から開発することに した。基本的には1)有接触法.
2 )
非 接 触 法 の2
法 が 考 え ら れ る が 負 荷 効 果 の 点 か ら は わ が 望 ま し い 。 2)に 属 す る も の と し て イ ) 光 学 的 な 方 法 ¥ ロ ) 電 気 的な方法の2
種類を試みたがイ)では必要な範囲をカ ノイーするには装置が大きくなるばかりでなく技術的に も高度の精度が要求されるため実用的でなく, ロ)は 静電容量の変化による方法を試みたが安定性に問題が あったためこれも実用とはしなかった。結果的には1) の方法に属するもので比較的良くその負荷効果の分か つている方法を採用し,小型のステップ・モータに対 しでも一応満足のゆく実験方法を考案した。以下その 詳細について述べる。2・2 実 験 装 置
さきに行ったわれわれのシュミレーション3)の 結 果 によれば粘性摩擦負荷.あるいは単に摩擦負荷がステ ップ・モータの外部負荷として加えられでもステップ .モータの回転子の振動特性にはそれ程強い影響が現 われないことが分っている。それに対して慣性負荷が 外部負荷となる場合にはその効果が著しいことも分っ ている。従って,これら2点より考慮して慣性モーメ ン卜が比較的小さく摩擦負荷的性質の強いものであれ ば,少々摩擦負荷が大きくても十分角度検出機構に利 用可能であることが予想される。こうした性質を有す るものであれば前述の1)の方法でも十分良い結果が得 られるであろうことは想像にかたくない。そこで,こ のような条件を満たすものを調べた結果,巻線型の可 変抵抗器,すなわちポテンショ・メータが適当である ことが分かったO ポテンショ・メータはアナグロ計算 機 用 を 始 め と し て 各 種 の 形 の も の が 作 成 さ れ て い る が,いずれも抵抗の精度の点からみる限りではここで 必要とする角度分解能を満たすに十分である。問題と なるのは負荷効果の点からみた場合であって,前述の ように摩擦負荷とみなせればどのように大きくても良 いと言う訳ではない。やはり可能な限り小さいことに こしたことはない。しかし,全く無視できない程度の 負荷の許容度は一般の場合よりも大きく対象とするス テップ・モータの粘性摩擦トルク項の数分のー程度ま では可能のようである。このような観点に立って各種 のポテンショ・メータを検討した結果
.N
社 製 の 関 数 発生用のもっとも軽いものを角度検出用として用いる ことに決定した。その公称値は抵抗1KQ. 同 直 線 性 :t0 . 2 % .
同直線偏差:t1%
で回転トルクは2
g‑cm 以 最近かなり有望な手法を発見し現在製作中であり現在得られているデータよりも更に良い精度が期待 できる。ただし.1)に属する。下 , 有 効回転 角 は 実 測 値 で
3 5 5
0‑0 . 3
。のそれぞれであ る。l度 あ た り の 抵 抗 値 は2.8Qと 与 え ら れ る が , 構 造 上2.8Qあたり何 回 導 線 が 巻 か れ て い る か に よ っ て 機 械 的 な 角 度 の 分 解 能 が 定 ま る が 中 間 点 の ス ラ イ ド 片 の 大 い さ を 考 え て も ま づ 問 題 と は な ら な い。む し ろ . 後 述 の 実 験 結 果 か ら も 明 ら か の ご と く ス ラ イ ド 片 と 導 線 と の 密 着 度 が 問 題 と な り 精 度 上 好 し く な い 結 果 を 生 ずる。以 上 述 べ た よ う な ポ テ ン シ ョ ・ メ ー タ を 角 度 検 出 機 構 に 採 用 し た 過渡応 答 特 性 の 実 験 装 置 を ブ ロック線図 で図1に示す。図1の 中 の ス テップ・モータとポテン シ ョ ・ メ ー タ を 接 続 し た 部 分 に つ い て は 写 真 1に 示 す。写真中.左側 は 被 測 定 体 の
3
相可変リヤクタンス 型のステップ・モ ー タ で , モ ー タ よ り 出 て い る リ ー ド 線 は 励 磁 巻 線 の 引 き 出 し 線 で あ る。また,右側は角度検出用のポテンショ ・メータを取付した測定ブロック
でステップ・モ ー タ と の 接 続 を 正 し く 行 う た め の 取 付 け調整部を有している。
2
組 あ る リ ー ド 線 の う ち 左 側 はポテンショ ・メ ー タ に 電 圧 を 供 給 す る た め の も の で あ り , 左 側 は 角 度 信 号 を 取 り 出 す た め の も の で あ る。このポテンショ ・メータに印加する電圧は原理的には
全 く 任 意 で 良 い が , 計 測 の 容 易 さ を 考 慮 す れ ば 高 い 程 扱い易くなる。しかし,そうすればポテンショ ・メー タ の 自 己 加 熱 を ま ね く こ と と な り 確 度 上 望 ま し く な い。従 っ て , 実 際 に は 各 種 の 測 定 量 の 確 度・精度上の 考 察 に よ っ て あ る 範 囲 に 限 定 さ れ て い る。ここでは信 号 を 観 測 す る オ シ ロ ス コ ー プ の 感 度 に 合 せ て ポ テ ン シ ョ・メータに 1mA (DC)の 電 流 が 流 れ る よ う に 調 整 している。これより適当に定めた静止位置に対するス テップ・モ ー タ の 回 転 子 の 振 動 の 様子を観測すること が可能となる。
所 で , 既 に 述 べ た よ う に ス テップ・モータの過渡応 答 特性の 実 験 は 機 械 系 と 電 気 系 の 連立系として取扱わ なければならない。従って , 角 度 信 号 の 他 に 電 気 回 路 の信号も必要となる。そ の 対 象 と な る 信 号 は 励 磁 巻 線 に 流 れ る 電 流 で あ る の で . 巻 線 に は 電 流 検 出 用 の 低 抵 抗 を 直 列 に 播入する。そ し て , 抵 抗 両 端 よ り 電 圧 に 換 算 さ れ た 電 流信号 を 得 る。所 で , 過渡応答の実験では 現 象 が あ る 時 刻 を 境 に し て 突 然 発 生 す る た め オ シ ロ ス コ ー プ の 内 部 ト リ ガ ー に よ っ て 現 象 を 観 測 し た 場 合 . 現 象 の 発生 原 点か ら 現 象 の 観 測 が 出 来 な い こ と が 生 じ て望ましくない。そこで,あらかじめオシロスコープ の 掃 引 を 開 始 さ せ て おくことが必要となる。この機能 を 有 し て い る の が 図l中の起動装置であって,先行ト
リガーの発生と理想スイ ッチの役もはたしている。こ の 装 置 の 利 用 価 値 は 極 め て 高 く 他 の 部 門 に お い て も 利
。
図1 過 渡 応 答 実 験 装 置 の ブ ロ ッ ク 線 図
・‑,・
← ー マ
一 勧 ト
W 町 一 耐
,岬‑・四w耐一・ ・H w世‑w v‑一一・一v・・・w・・
4・
'‑・‑二‑"険
‑ ‑ 帽・ ・・
写 真l 実 験 装 置 中 心 部
用 可 能 で あ る と 思 わ れ る の で そ の 細 部 に つ い て 図
2
に . ま た 同 図 の 主 要 部 分 に 開 す る タ イ ム・チャー卜を 図3に示す。起 動 装 置 は 図2により明らかのように2
ケのゲートICとlケの単安定マルチノイイプレータICお よびSCRの ゲ ー ト 駆 動 用 ト ラ ン ジ ス タ か ら な る 時 間 制 御 部 と 電 力 の ス イ ッ チ 用SCRと か ら な る。先 行 ト リ ガ ー と 電 力 用 ス イ ッ チ の 関 係 は 図3のtdによって示さ れ る が こ れ は 図
2
中の説明のように容易に変更するこ とが出来る。3 実 験 結 果
前 節 で 述 べ た 実 験 装 置 を 用 い て ス テ ップ・モータの 過波応答の実験を行う。供 試 モ ー タ はS社製の 3相 可 変 リ ヤ ク タ ン ス 型 の も の で
1
相あたり8
極 . 電 気 角2
π に相当する機械角は極ピッ チの 450• 最大静止トル
( 6J)
*鞍守定申Lすに4ず~-,司 cnIC左 f U寸志.
Power c。 吐 廿 @ し 同 町 同1;f'‑ 剛丈肘事 r, 13Rt 支える :::t.~叫
~q島町時間的7遅延 t1!:~~t tP.制rim.)
tf'司宵Eで晶:'.
+vcc
tul.l:e Ior<lll¥J:.
(foUleY" out.)
o
図2 起動装置の回路図
よか,.yte¥"
5Cf'. RQ'εt
『再々C'C
品CR
C::rA.te
$cR
図
3
起動装置のタイム・チャートクは500g一cmである。そのおもな構造定数は回転子の 慣性モーメント
3 . 3 g
一cm2,巻線抵抗7.72Q.励磁電流 の最終値1A時の巻線の自己インダクタンスを採用し て.その平均値3 0 . 7 m H .
偏差巾1 1 . 3mH.
粘 性 摩 擦 係数はだ行運転特性より推定して70g一cm2/s程度である。
実験は回転子の静止位置ー十分長い時間経過した後 回転子の停止している位置ーを適当に決めて,その点 を回転子の振動の原点とした後
ccw
方向またはcw
方 向へ角度の方向を決める。その上で,原点より適当な 角度だけずらせた後安定化電源の電圧を励磁電流の最 終値になるよう調整し起動装置を作動させる。これよ り過度応答の様子が知れる。ただし,初期条件として は本来3
つ存在するが自由に変化できるのは1つだけ で残りの2つは常に一定となる。すなわち.この実験 では回転子の初期角θ。と同初期角速度80,それに電気 回路の初期電流ioの3
つが任意定数となるが,そのう ち全く任意に決定できるものはθ。のみである。ここでは80もioも共に零と与えられる。また, 80に つ い て も 出来る限り再現性を良くするため写真1に示される分 度器には頼らず残りの
2
相を用いて初期位置を与える こととした。これによって実験結果にも示されるよう に初期角。。は1 5
0とほぼ2 2 . 5
0の2
種類のみとした。先づ実験を行うにあたってさきに予想したことが正 しいか否かを検討するために初期角を150に 固 定 し て 回転子の振動と電流との関係を調べた。その結果は写 真
2
に示す。同ーの初期条件で励磁電流の最終値のみ が変化させである。写真中上側の2倍の周期を有する 波形が電流を示しており,下側の波形は回転子の振動 を示しているo これらの結果を考察してみるとさきの われわれの予想2)が正しいことが分かる。ここでも機 械系と電気系の連立系としての取扱いの重要性が明ら かとなる。さらに,回転子の振動それ自身を詳細に検 討するため回転子の振動の様子を観測した結果を写真 3に示す。写真のみでは特に電流の影響が著しいとも 分からないため同写真より数値化し,整理してみた。数値化する場合,特に決った方法もないのでここでは 線 形 系 と の 比 較 が 容 易 で あ る よ う に 分 類 ・ 数 値 化 し た。線形系.特に減衰項を含む
2
次振動系はいろいろ な意味でこのステップ・モータの回転子の振動と対照 付けられる。すなわち.2次振動系を特徴付けるもの として,減衰係数どと振動の周期2π/ωが存在する。それに対してステップ・モータの回転子の振動につい ても同様の量を考えることが出来る。これらの量の様 子を示したものが図4‑図7である。図4および図5
は振動のピーク点の値に注目したデータで線形系の張 動の振巾係数の様子を示している。線形系の減衰振動 はこの係数が単純な指数関数による減衰を行うように 振舞うが,ステップ・モータの場合はそうはならず図
(a) (b) 縦 軸 上 49mA/div.下 7.140/div.
Io=0.2A
U 横軸 10ms/div.
縦軸 上 98mA/div.下 7.140/div. In=0.4A
U 横軸 10ms/div.
(c) (d)
縦 軸 上 196mA/div.下 7.140/div. In=0.6A
V 横 軸 10ms/div.
縦 軸 上 196mA/div. 下 7.140/div. In=0.8A
U 横 軸 10ms/div.
(e)
縦 軸 上 196mA/div. 下 7.140/div In=l.OA
U 横 軸 10ms/div
写 真2 励 磁 電 流 の 最 終 値 で 比 較 し た 電 流 波 形 と 回 転 子 の 振 動 波 形 (初期条件 t=O,θ
。
=150,80=0)初期条件 励 磁電 流
Io=0.2A
Iu=0.4A
Io=0.6A
Io=O.8A
I)I=l.OA
θu=<1
5
0, 80=0。
0=.220,8u=0(a) (a)
︑︑ ︐
JLU ︐
︐ 目 ︑
︑ ︑︑ ︐
ノb
r'
t︑︑
(c) (c)
(d) (d)
(e) (e)
写真3 励 磁 電 流 の 最 終 値 と 静 止 位 置 近 傍 に お け る 回 転子の振動 (縦 軸7.140/div. 横 軸20ms/div.)
舎一一ー・ 10 =0. 2A
*一一‑‑‑'JC, 10 =0. 4A 合一一‑‑610=D. 6A
O一一一一o 工。=0.BA
,
Dー‑‑010=1.0A
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足以
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口
‑一ー一一・10=0.2A 持ーー‑‑‑‑'11110=0.句A
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0‑ーー‑ Io:;:;O.2A 持一一~ Io=O.4A
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20 12 16 NO. of the peak point l2 l6 20
NQ. of the peak point
。
0=220(d)
回転子振動の特性(電流パラメータ) (θ
。 =
0 . ill= 0 )図4 θ
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θ
。
=220 (d)回転子振動の特性(ピーク点パラメータ) ((}II=
0 .
io=0 )
。
0=150図
5
(c)
︑ ム!ja‑
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回転子振動の特性(区間パラメータ)く周期特性相当〉
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6
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10
2 斗 6
NO. of the sect ion 10
NO. of the section
θ
。 =22
0回転子撮動の特性(電流パラメータ ) <周期特性相当〉
(
θ
。 =
0 . io= 0 )︑ ︐ ノ'h
J u
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︑
。
0 =1 5
0図
7
(a)4に示される如く時刻とともに減衰の仕方が変化して いる。加えて.図5で示されるごとく励磁電流の最終 値の影響も著しく受けることが分かる。
周期についても同様にして極めて興味深い結果を得 る。現象の推移が早いため実際には半周期についての データが図
6 .
図7
に示されているがこれらの結果も また非線形系の特徴をはっきりと示している。図6
の(a) . (b)は周期が時間とともに短くなっているこ とを示しているし, (c) . (d)は 電 流 の 影 響 も 同 時 に相当強く現われていることを示している。
4 結 果 の 考 察
次 に 結 果 の 考 察 を 行 う 。 前 述 の ご と く ス テ ッ プ ・ モータの回転子の振動はかなりの程度の非線形性を示 すが,基本的にはやはり
2
次 振 動 系 で あ る と み な せ る。これは次のような考えにもとづく。われわれが非 線形系の解析を行う場合しばしば母解と言う考え方を 利用する。この母解とは一般に非線形性を取除いた残 りの部分に対して成立つ解析解である。すなわち,非 線形系は根本的には線形系の骨組みの上にいくらかの 非線形性を加えたものであると解釈し,これより非線 形系の振舞いを知ろうとするものである。従って,非 線形系も基本的には線形系と同じような解の形を有す ると考える。そして,非線形性のためにその形が非線 形性に応じて修整されるものと考える。このように考 えるとステップ・モータもまた例外でないことは明ら かである。従って,先づ解析の手順として対象とする 系の母解を与える必要が出る。ここで再びステップ・モータの系の方程式を示せば
x "
+2 t x '
+ i/sinx=O・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (1) となるが,振動の巾を一一二三π2
~,^,,'x>
一一ーに限定すると2
siux
f L
となる。従って 系の方程式はx"+2tx'+ 山
となる。ただし X'三」しである。
α τ
この (2)式が非線形であることは言うまでもない が,さきに述べた方法で考察してみよう。 (2)の非線 形性を抽出すると先づ、
t
項がそれである。これを取除 い た 方 程 式 (3)は一応線形とみなされる。勿論,定 係数でないからその一般解を求めることは必らずしも 容易ではないが期待は出来る。然るに,非線形項を除 いた方程式は減衰を含む2
次振動系と基本的には閉じ であると考えられるから母解としてはG.S=ρcos(ωτ+θ)
・ . . . . . . . •.••.. . . . . . t . ・
(3) となる。ここでG・Sは Genera ting solution (母 解)の略である。またρ,θは積分定数で.ωは角周波 数にあたる。こうして母解が求まると次に非線形項を 加えた場合の解の形を推定することが出来る。その方 法は各種の方法が考えられているがここでは定数変化 法の考え方を用いてみる。この方法にもとづいて非線 形パネの振動の解析4)が既になされていて,その解の 形 は (2)式にも有効であると思われる。それを示せ ば.2+α x+ b x
3=O
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (4) となって (2)式 と 比 較 す れ ば 良 く 似 て い る こ と が 分 かる。 (4)式 の 母 解 も (3)式 と 同 様 で , こ れ よ り 出 発して近似解を求めると3 b x
20x=xocos
C 1 +すず
)ωt.. . . .・・・・・・・・・(5) となることが分っている。ただし .w2=α.初 期 条 件 としてt=O
、でx=xo
・x=O
としてある。これよりステップ・モータの回転子の振動について も同様の振舞いが期待される。すなわち,母解はやは り (3)として
ρ=ρ(()o, 10)
( )
=
()(()o. 10). (6)
なる解析解の形が得られることが予想される。 (6)式 の係数の振舞いは今回われわれが行った実験によって 推定することが可能である。この点に関しては現在実 験データを考慮しながら解析的な形でステップ・モー タの回転子の振動を解明しつつある。データ自体にか なりの誤差もあり必ずしも十分とは言えないが,周期 が初期角に依存することは勿論のこと,指数関数的に 周期の短くなることも実験結果と一致しており相当良 い結果が期待される。解析解の得られることがいかに すぐれているかは言うまでもない。それにしても理論 上の根拠があいまいでは困るのでさきのシュミレーシ ョンの理論的な妥当性を検討してみた。その結果は図 8に示す。図より明らかなように根本的には間違って いないことが示される。なお,線形系との相違点を明 示するために合せて線形であるとした場合のデータも 書いておいた。
5
ま と め以上,まとめてみると次のようなことが言える。1) 従来必らずしも十分明らかでなかったステップ・モー
タの回転子の振動の全容が明らかとなった。
2 )
さき‑
~ t=O; Xo~150. Xo=O.O Initial Condi tions
00.
山
﹄ 門
(・叫ω
唱 )
constants of the stepping motor も=0.01 凶=10斗7 S"
R=8.7叫.0. Lo=30.7mH Ld=ll. 3mH Linear System
"0・e"p(・毛官)
Obs. va1ue
.‑‑‑ Pea 比value of Plus side
x‑‑‑Peak value of Minus Side
0 0 . 0 4 0 0 .
的
H F
ロ 叶 0白
ω υ
ロ臥
W F M ω
山ω白
ω ZH V
巨
O' HL 明 口
O叶
μ M U叶
﹀口ω
50.0 40.0
回転子の振動のピーク点に関する理論値と実験値の比較 (励磁電流の最終値Io=lA時)
30.0 (mS) Time 20.0 10.0
図
8
文 献
1) 藤宗,村本,岩原:ステップ・モータの過渡特性,電気回北陸支 都大.p.l3. (970)
2) 藤宗,村本.岩原 ステップ・モータの過渡特性 (n).電気四 北陸支部大.p.29. (971)
3) 岩原,村本,藤宗:ステップ・モータの特性解析(1)福井大工 報, 20. 59. (971)
前 沢 ..非線形常微分方程式.第4章 . ダ イ ヤ モ ン ド 社 ( 昭44) 4)
のシュミレーションにも増して電気系の影響が無視し 得 な い も の で あ る こ と が 判 明 し た 。 3) その反面,
データとしてはその採集方法上やむを得ない面もある がやはり精度をもう少し良くすべきである。と言った ようなことが言える。
これに対しては前述のごとくさらに精度を高める方 法を検討中であり,また解析もすすめている。残され た問題点については別の機会に報告したい。