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最適レギュレータによる制御における

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Academic year: 2021

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(1)

最適レギュレータによる制御における

駆動能力と制御速応性とのトレードオフに関する実験的考察

久 貝 克 弥 * 丸 山 信 太 郎 対

Experime!1tal_s~udy

about ! h e  

tr~de-of(

between d r i v i n g  performance  and quick r e s p o n s e  by u s i n g  optimum r e g u l a t o r  ‑ c o n t r o l  

K a t s u y a  Kugai  *  S h i n t a r o u  Maruyama  *  * 

To pursue the superior characteristic of optimum regulator control, which can make廿ade‑offbetween input energy and  response, this  paper studies about the required driving perfonilance towards the demanded response time by using  experimental method through the invert pendulum. 

Keyword  Optimum Regulator, Invert Pendulum 

1  .序論 。

[rad]Angle ofPendulum  倒立振子は制御理論を学ぶ上で良く用いられる題材で

あり、最適レギュレータを応用した例も多い。本研究では 倒立振子を題材に、消費エネルギーと制御特性とのトレー ドオフが可能であるという最適レギュレータの特長をさ らに追求し、目標とする応答特性に対して必要となる駆動 系の運動能力の関係について、実験的に考察する。そのた めに、実験用の倒立振子システムを製作し、その各種物理 パラメータを計測および同定により求め、シミュレーショ ンにより応答特性と、それに必要な入力パワーとの関係を 調べる。そして、実機によりその関係の正当性を検証する。

2 .

倒立振子について

本研究では、Fig.lに示すような台車型の倒立振り子を題 材に研究を行った。

Fi2'.l 

O v e r v i e w   o f   I n v e r t  Pendulum Svstem 

ここで、モデル化される物理パラメータは下記のようなも のである。

x[ m] : Position of truck 

M[kg]: Msoftruck  m[kg] : MsofPendulum  2L[m] : Length ofPendulum 

J[kg*m2] : Moment ofinertia ofPendulum 

μp[kg*m2/s]  : ViscousictioncoecientofPendulum  μc[kgls] : Viscousictioncoeicientof truck  f[N] : F orce of truck by motor 

次に、このシステムを数値モデル化するために、ラグラン ジュの運動方程式を求め、それを(J=0の近傍で線形化し、

xを一般化座標とする式とOを一般化座標とする式に直 すことで、次式を得た0

~. (~~ i ‑ 笠+笠

=(M

+m)云 +mZB+ μ~cx

(1) 

dt ¥ み ) dx 

a x  

d ( 8L 

8L  8F  .̲.'::. I T • ...2;;  ...̲'fl. ̲̲  1¥  (2)  一│ーで卜一一+ーで=mlx+ (J + ml2)e ‑mglθ+μpθ=0  dt¥ 8θjδ()  8θ 

上記2つの式から、入力である台車の駆動力/に対する倒 立振子の挙動

x=

β Ildx/dt d Il /dり'は次の状態方程式で表 すことができる。

l

lX 8 8 1 0 o 0 o o 1 0 l  Ux xx86

, 

0 0 

=10 

‑恒星 ‑udl

mlf.1

1

. : . 1 + 巴 喧 w

D  D "   D'  IXI 1 D  (M+m)'mgl  ml1{ 

i

M+m)A  ml 

D  ‑ D"  D  'Y)  '

"

 1. e. 

X = AX + Bf (/)  (3)  ここで、 Dは

(M + m )( 

+ mZ2 )一(mZ)2 (4)  である。このモデル化により、振子を倒立させながら、台 車を指定位置に戻すという 2つの制御を同時に行うこと ができるようになる。

E E4

(2)

3 .

最適レギュレータによる制御 応答を示す。その他のパラメータは全て lとしている。

評価のための指標を与え、その指標に従って最も適した 25

制御則を見いだす設計法を最適レギュレータという。ここ では、 (3)式において、以下の2次評価関数を最小とする入 力を求める。

J = j f

I

仰 仲 f パ 仰 ο (

t

Q は制御目的の重みを定める半正定対称行列であり台車 位置、振子角度、台車速度、振子角速度の4つの成分を持 っている。 Rは制御入力

f

の重みを定める定数である。最 適レギュレータでは制御性能と入力パワーのトレードオ フが可能で、 Qを大きくすると制御の速応性が増し、 Rを 増加させると制御入力を抑えることができる。

そして、最適レギュレータ理論においては、上記Jを最 小にする制御入力

f

は、

̲R‑1B

PX 

(6) 

で与えられる。ここで、 Pは下記Riccatiの行列方程式に おける正定値な解である。

A

P+PA+Q‑PBR‑

1

B

= 0  (7) 

このようにして求められた制御入力fを用いることで、制 御設計者はQRの値を自由に設定でき、かつ制御系の 安定性が保証されているのが最適レギュレータの利点で ある。

4 .

重み付けに関する検討

制御目的の重みを定める半正定対称行列 Qを詳細に表 すと次式のような構成になっている。

ハUUハU

A υ

υ  

' K

 

k ( )

o  k

Q =

。 。

(8) 

o  0  0  k e  

ここで¥

kx:台車位置の重み付け ん:振子角度の重み付け k̲. :台車速度の重み付け k~ :振子角速度の重み付け

θ 

である。最適レギュレータでは(5)式におけるJを最小にで きることが保証されているが、この4つのパラメータと、

制御入力

f

の重みを定める定数Rの計5つのパラメータを どのように設定すれば、目標とする収束時間で制御目標値 に達するかについては理論化されていない。

そこで、シミュレーションにより、これらのパラメータ と制御応答の関係を調べた。シミュレーションでは、台車 の初期位置をO(m)、振子の初期角度を5(deg)とした。 Fig.2 にkxをlから 107まで 10倍づ、つ増加させたときの台車の

2

¥4

~日 15

t' 

k

0̲10 :~

Q.。口口5.. 

日日 1. 1. 2.

Time(sec)  2. 3.0 

FU!.2 Responses ofTruck according tοkx 

このシミュレーション結果から、んの値が台車の応答に大 きく影響していることがわかる。また、んの値を大きくす るほど台車の収束時間が短くなる。同様にんの値を 1か ら106まで100倍づっ変えて台車の応答をシミュレーショ ンすると、 Fig.3のようになる。

0.10 

0.08 

F

¥ー0.0

、誌

0.04 k

Eご0.02

.もd

~ 0.00 

Q... 

‑0.02 

0.0  5

Time(sec)  1.5  2口 Fi‑e.3 Responses ofTruck accordine‑toι 

この結果から、

ι

の値は台車の応答にあまり影響を与え ないことがわかる。同様にん.ん‑の値を変えて振子の応 答をシミュレーションすると、 Fig.4およびFig.5のよう になる。

0.10  O.OB 

0.06  弓¥

̲Q)04

¥ 0̲02

4

0.00

Q:̲ 

』、0.02 Q.) 

1::...0.04 

t::  0.0

日日E

口口 0.5  2.

Time(sec)  1.5 

Fie‑.4 Responses ofPendlum accordine‑to 

! s . &  

E

(3)

0.1 ロロ日

晶、 J

b.o   ¥¥

̲C!)ロロ'1‑4日

4r JIIII  宅 口 口2

:::" 

ミロ白日

15口口2

、 同

きー口似

.0.0

.0.08 

口口 5 1

'me(よec) 1.5  2 Fie‑.5 Resvonses ofPendlum accordine‑to 

K (

J' 

これらの結果から、振子の応答はん •k(J'の値の変化に対 して、影響が少ないことがわかる。

以上の結果から、以降では ι=10000000

=10000 k9=10000  k&=10000

という値を用いることとした。そして、残りのパラメータ である、制御入力/の重みを定める定数Rの値を調整する ことで、制御の即応性と、それを実現するのに必要な台車 の駆動能力との関係について解析することにした。

5 .

制御の評価方法の検討 5.  1 制御の収束時間と台車の駆動能力について

例としてR=1000でシミュレーションを行うと、台車の 挙動x[m]、振子の挙動B[rad]、台車が出力した推進力[N]

はFig.6のようになった。

0.12  0.10  0.08  0.06  0.04 

& [rad] 

0.06 

0.0  0.5  1.0  1.5  2.0  2.5  1.2 

1.0}

← ‑

Peak Value of日 ax 0.8 

0.6  0.4  0.2  0.0 

‑0.2  0.0 

Output Force of Truck 

f [ N ]  

Time[s] 

2.5  3. 0.5  1.0  1.5  2.

Fi!l.6 Examole of A Result of Ootimum Re!lulator Control 

ここで便宜上、台車の収束は目標位置に対して:::!:O.005[m] 以内に収まった時点、振子の収束は目標角度に対して±

O.015[rad]以内に収まった時点で判断することに決めた。

また、 Fig.6から分かるように、台車が発生させる最大の 力β mは、制御開始時に発生することがわかる。

5.  2 制御の収束時間と台車の駆動速度について 次に、同じく R=1000の時の台車の動作速度をシミュレ ーションした。その結果をFig.7に示す。

0.30  0.25  0.20  0.15  0.10  0.05  0.00 

‑0.05 

‑0.10 

0.0  0.5 

Peak Value of x'= x'max 

Speed of Truck x' [m/s] 

Time[s]  1.0  1.5  2.0  2.5  3.0  Fi!l.7  Soeed ofTruck on the same Condition as Fi!l.6. 

ここで、台車の最大速度は制御開始直後に発生し、それを

X'maxと表すことにする。

3.0 

6 .

制御目標が与えられた際の台車の設計方法 台車は一般にモータで駆動されるため、必要となる最大 速度と、最大加速度が与えられなければ、設計ができない。

最大速度は選定するモータの最大回転数や減速比、タイヤ 径に依存する。また、最大加速度はモータの最大トルクや 減速比、タイヤ径、台車の自重に関係する。本研究では、

以上のことを考慮し、制御目標が予め与えられた場合に、

必要となる最大速度x'[rnIs]およびパワーウエイトレシオ Pr[N/kg]  (

マ " m

axlM=最大加速度[rnIs2]) を求める方法につい

て考案する。

最適レギュレータの制御において、 Rの重みを変化させ、

fmaxの値がどのように変わるかを調べた。

lax(N)

50  45  40  35  30  25  20  15  10 

0.01  0 10  100  1000  10000 

Weight of R 

Fie‑.8 Relationshiv between R and hn

U

1i  

(4)

当然のことながら、 Rを大きくするに応じて、 fmaxの値は 小さくて済むようになる。

次に、 Rの重みを変化させ、収束時間がどのように変化 するかを調べた。ここでの収束時間は、台車の収束時間と 振子の収束時間の長いほうを選定している。

Convergence Time(sec)  10 

Q U F O a

n ζ n u

0.01  0.1  1 0  1 00  1 000  1 0000  Weight of R 

FU!.9 Relationshio between R and Convere‑ence Time 

Fig.8において縦軸を台車の質量Mで割ることでパワーウ エイトレシオを求め、、 Fig.9と合わせると、 Fig.l0が得ら れる。

Power‑Weight Ratio Pr(N/kg)  140 

120  100  80  60  40  20  0 

2COMAion Time(3ec) 

Fie‑.l0 Relationshiv between Conversion Time and  Power Weie‑ht Ratio 

この図から、今回想定している振子の長さ、質量、初期 角度の値に対しては、約1秒弱の辺りでグラフに大きな変 曲点があり、約1秒弱の収束時間よりも短い収束時間を要 求された場合、台車に要求される加速能力が極端に増え、

その割には、収束時間を短くする効果がなくなることが分 かる。また、 Fig.l0の縦軸スケールの関係上、読み取りに くいが、要求される収束時間が長くて良いのならば、台車 に要求される加速能力はその分、少なくて済むことが分か った。

同様に、台車に必要な最大速度計naxは、要求される収 束時間に対して以下のグラフの関係になることが分かつ た。

Maximum Speed of T ruck(m/ s) 

0.7  0.6  0.5  0.4  0. 0.2 

10  Convergence Time 収束時間(sec) Fie‑.ll Relationshiv between Conversion Time and 

Maximum Sveed ofTruck 

この結果においても、約1秒弱の辺りでグラフに大きな 変曲点があり、約1秒弱の収束時間よりも短い収束時間を 要求された場合、台車に要求される最大速度加速能力が極 端に増え、その割には、収束時間を短くする効果がなくな

ることが分かる。

7 .

本設計方法の実機での検証

上記Fig.l0およびFig.llによって求められる、「要求さ れる収束時間」に対する「必要な台車のパワーウエイトレ シオと最大速度」に沿って、台車を設計し、振子の倒立実 験を行った。

ここでは、収束時間を1.5(s)とし、 Fig.l0およびFig.ll より、運動性能が

1 )パワーウエイトレシオPr=4.5Nlkg

2 )

最大速度x'=0.28m1s

となる台車を設計・製作した。最適レギュレータの制御に おけるパラメータ Qは4.で設定した値を使い、RはFig.9 より、収束時間を1.5(s)で、制御で、きる値R=100を用いた。

Fig.12に実験結果における台車の位置と振子角度の挙動 を示す。

Fi!!.12 An Exoerimental Result ofInvert Pendulum 

A斗&

(5)

この結果から、実機においては設計値の1.5sより若干遅 い、 1.85sで収束していることが分かる。この誤差の原因 としては、台車や振子の静摩擦をモデル化していないこと が考えられる。(動摩擦はモデルに考慮されている)

また、振子の挙動がノイジーになっているが、これは振子 の角速度を計測するのに、ポテンショメータからの出力を 微小時間で差分しているために発生する検出誤差が要因 であると思われる。

次に、この制御において台車が発生したパワーウェイト レシオをFig.13に、速度をFig.14に示す。

Fig.13 Experimental Result of Power Weight Ratio 

ことから、制御性能と入力パワーのトレードオフを行うこ とができる特徴を持つ。そして、重み付けをパラメータと した評価関数を最小にすることができる。しかしながら、

制御系として必要となる収束時間に関しては解析的な解 が得られるわけではなく、重み付け設定の試行錯誤を行う ことになる。また、制御を行った結果、発生した最大の加 速度や速度についてはシミュレーションにより求められ るが、実際のものづくりにおいては、必要となる収束時間 がまず与えられ、それに対して必要なパフォーマンスを持 つ台車を設計することが求められる。

本研究では、最適レギ、ュレータ制御における、要求され る収束時間に対して、どのようなパフォーマンスを持つ台 車を設計すればよいかについて、シミュレーションを用い て、設計規範を求めた。また、台車を用いた倒立振子の実 験装置により、その設計規範が正しいことを確認した口

*近畿大学工業高等専門学校 機 械 シ ス テ ム 工 学 科 教 授

**近畿大学工業高等専門学校 生産システム専攻科 2年

参考文献

1)  [1]南茂夫,木村一郎,荒木勉:はじめての計測工学,019/210, 講談社,2005

2)見城尚志,佐渡友茂:イラスト・図解 小型モータのすべ て,014/340,株式会社技術評論者,2005

3)黒須茂,山崎敬則:メカトロ・エンジニアリング(9) (ロ ボット力学) ,0831146パワー社,1999

4)木下源一郎:システム制御工学入門, 0011263,コロナ Fig.14 Experimental Result ofTruck Speed 社,2000

5)白石昌武:入門現代制御理論,019/108,日刊工業新聞 このグラフにおいては、先に説明した振子角速度の計測 社,2005

ノイズにより、 0.2sの辺りで値が大きく乱れているが、そ れを無視してグラフを読み取ると、

1 )最大パワーウェイトレシオPr5N/kg 2 )最大速度x 0.3m1s

となっており、台車はほぼ設計した能力以内で、その能力 を最大限に利用していることがわかる。即ち、本研究で考 案した台車の設計方法が最適であることが確認できた。

.結論

最適レギュレータによる制御は、安定性が保証されてお り、制御性能と入力パワーの重み付けを自由に設定できる

‑15‑

参照

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