奈良教育大学学術リポジトリNEAR
カルチベーター刄の耕耘抵抗に関する実驗
著者 太田 ?敏
雑誌名 奈良学芸大学紀要
巻 3
号 2
ページ 213‑217
発行年 1953‑12‑25
その他のタイトル Experimental studies on the Cultivating Resitance of the Cultivator Blade
URL http://hdl.handle.net/10105/5112
(213)
カルチベーター匁の耕転抵抗に関する実験
太 田 頼 敏 (農業工学教室)
(昭和28年9月27日受領)
Yol・itosiOJ1.1:E某l)PrimelltalStlldies olltlLeCllltivELtillg Resitance of the CtlltivatorI主Iatle
L 緒 論 l・実験方法 l・実験拝具 lV・供試土の土質実験
Ⅴ.考 察 W.結 論
I・緒 論
カルチベーター刃の受ける土壌抵抗につき之を土質の例から観察せんことを思い立って本実験 を行った。刃わ申耕刃の形状のものを試作して佃之を畢輪付の台枠に装置し、自由に耕洋を調節 し得る如く実験器具を製作して之を使用した。佃供試土壌わ泰艮農場から振放し之を大型の木箱 中に入れ実験前の土壌硬度、含水率等を目的に応じて変化しうる如く工夫した。土壌に対して作 用する之等の器具の主要部をなす耕転刃の受ける抵抗わ、従来の研究によると耕転機の進行速 度、耕深、土質、耕転刃の形状等によって変化するものなることを述べているが、この内土の物 理工学的性質の上から見て之を深く研究した例わ割合に僅少であり両もその対照わ大部分が日本 在来の翠について行ったものである。想う忙中耕刃が土中を進行する場合、刃の前方、側方、或 わ叉刃の面に沿って夫々圧縮力、努断力、戎わ粘着力等が働くものであらうことわ充分考えられ るが、これらの点を夫々個々に分析研究し、その結果綜合力として考えられる土壌抵抗を土質力 学的に取扱い以てこの問題を多少なりとも解明する手懸りを得るべく実験計画を立てたのであ る。木実験遂行上多大の御援助を得たる中晴氏に対し厚く感謝する。佃実験器具製作の面で特別 の御厚意を賜りし日本鋼機株式会社奈良支店機械係の赤路技師に探謝する。
∬・実 験方 法
緒論で述べた如く専ら土質力学的に梯転抵抗を観察する削勺の為、耕転刃わすべて試作機によ って測定した。実験機具わPig.1に示す如く、木箱に圃場土を詰め、これの表面を均平にした上 で、箱上に二本の鉄製パイプをビームとしその上に取付けたレール上を耕深調節の出来る軍輪付 の装置を進石させ、このときの牽引力を棒状のスプリングノヾランスで測定した。刃の前進に伴い 抵抗わ増加し間もなく試料土の表面にクラックが生する。このクラックの部分から刃先にかけて とり面が生じているわけであるが、この瞬間に抵抗わ少さくなるのが常である。故に此の受動土 圧的最大の外力を以て耕転抵抗力に代表せしめた。耕転刃は鋼鉄製ご図示の如き中耕刃形状であ る。錦浅耕のときわ7kg用、叉深くなるときわ20kg用のスプリングバランスで測定した。測定後 わ供試土を崩壊後小型ローラーにて均平にし、針による貰入抵抗試験によって常に試料の硬度を 測定した。佃含水率の差による耕怒抵抗力の変化わ著しいものがあるが、含水率測定わ嬢乾燥法 によって行った。叉水分を与えるときわ専ら撒水揖土法を採用した次に実験装置を図示する。
烹良学芸大学紀要 第3巻第2号 昭和28年12月離日
(214) 太 田 弼 敏
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l・実 験 結果
供試土わ淘汰分析の桔巣、粘土描%、沈泥12%、秒72%であり、U.S.BllTeall0r SOilsゐ分類 法に依れば、「Salldylo几m」に属する。
(1)耕淀と抵抗との関係。(含水 率12.8%)
(2)含水率と抵抗との関係、
(耕探3伽m)
Pig.3
fig.2
垂塘顔∵㍗
J2 /牛 は /g ノ0
台 来車 %
カルチベーター刃の耕在抵抗に関する実験
Ⅳ・試料士の土質賓瞼
け)含水率と買入抵抗
∫∫
ナナ
貝‡0 人、
貴
(mエrニー
(2)含水率と圧縮抵抗
直径5.5cm′高さ5.0enlの円塔形の試験 片を作製し、これを二枚の木製板で挟 み下を固定し上の額龍荷重をかけ、試 験片の破壊.されるときの外力の大いさ から圧縮応力の大いさを測定した。
(胡 含水率と抗弟強度及び凝集力 Pig.6の如く弟断面を2つ持つ3重箱 式勢断抵抗礫を使用し、箱に土を詰
Tig.G
N。
0 0 0
. ヽ J I O ぐ 一
−
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へヽ忘告\さ食々也︳噌
(215)
発端のとがった径血皿の顧鋼製 金属棒を鉛直に土に接して支えこ れを急に離して買入せしめる方法 で試験した。
−→巳
/上 川 / /P 〜O J2 合 ノK 李 %
め、木片を載せ、之に荷重謡(kg)加う。−
5分位の後ハンドルを廻し、樺を引く と、引く力即ち努斬抵抗力が目盛に現わ れる。引くカが強くなり、抵抗力が限度 に達すると平衡が破れて中の福が飛び出 す。そのときの目盛の読みをⅣ0に対する 努断抵抗力Po(kg)とする。Ⅳ0を変化し て対応するPoを求める。予め空引きの 時の抵抗力P!(kg)を求めてをけば、土 壌の抵抗力わP=甘。−F′(kg)で表わさ
れる。
箱の断面をA(cm2)とすれば上下圧わ之 をγとすればN=No+GhA/1000(kg)と なる。
但しGわ土壌lcmSの重量である。
勢断抵抗強度r=P!2A(hg!cm曾)と荷圧 強度n=芸(kg/叫との問にわ次の関
(216) 太 田 頼 敏
係がある。
r=山加β+C,柁撃擦角、e(hg/Pnlヨ)わn=0のときのrの値で、之を凝集力という。
土質調査委員会報告第4輯第2部に依れば試料が秒の場合、次の結魔を報告している。
Pig.7
!0 /∫ JO
占十年・・.、
(Oの曲線)
___ L
2√ フ0
筆者わ木製の簡単な試験音詩を製作して 測定して見たがその結果、含水率15.8
%附近が最大のPを示した。ここでは 未発表の段階とノ考えるのでいずれ機会 を得て発表する予定であるが、傾向と してわほぼ同債な結果になると考え る。
Ⅴ.考 察
金属刃が土中に於て受ける耕転抵抗力わ、耕藻が増すに従って急激に増加し、一方含水率の増 加に伴い、増加わするがそれにわ限界があり本実験に於てわ16%附近で最大でそれを越すとむし ろ減少の傾向をたどる。
一方これわ供試土の金属針の質入量に於てわ16%附近で最小、云いかえればこの附近が貫入抵抗 力が最大ということになり、叉圧縮抵抗力も16%附近が最大、更に弟断抵抗力も筆者の実験でわ 不完全だが大体18%附近で最大となる事実からして或る程度推論出来るものと思う。想うにカル チベーター刃の如き形状の場合わ土中進行の場合その側方に於てわ、土の弟断抵抗力が作用し、
叉前方に於てわ最初圧縮抵抗力が作用するが、更に土のとり画形成による勢断抵抗力が作用する ことになりこれらの力が綜合された結果、以上の現象が起成されるものと考えてよいと思う。
斯く思考すれば圃場土の土質力学実験、例えば勢新抵抗試験を行うことにより耕転抵抗力の最大 わ如伺なる含水率の場合に起り、そしてその傾向わどう表われるか等について一応予淑伯勺に之を 吟味し、耕転中耕作業に於ける参考資料として利用出来るものと思う。
本実験に引つづいて現在刃の形状による影響を計画中であるので之も機会を得て実敏結果を発表 する予定である。
Ⅶ・結 論
以上の結果を綜合するに
仕)耕潔の増加と共に耕転抵抗力わ増加する。
(2)含水率の増加と共に耕転抵抗力が増加するが限界があり、16%を越すとむしろ減少する。
カルチベーター刃の耕転抵株に関する実験 (217)
(3)耕怒抵抗力に関係する要素中、買入抵抗力、圧縮抵抗力、勇断抵抗力等わ本実験に於て含水 率16%附近で最大値を示し、それを境にして左右に値わ減少し(2)の事項の理由を裏書きする。
参考文献
農業機械学会琵 機 械 化 黄 葉 土質調査委員会報告書 農業土木研究
増田正三 トラクタr貴樺具 AgficultuTalEngilleeTiIlg 卓上武雄 土 質 力 学