平成 28 年度卒業論文
可解リー代数に対するリー群の存在定理
広島大学理学部数学科
B133737
近藤裕司 指導教員 田丸博士 教授2017
年2
月10
日はじめに
任意の有限次元実リー代数
g
に対して,
ある単連結なC ω
級リー群G
が存在して,
そのリー代数L(G)
がg
と同型となることが知られている.
その証明はまず,
リー代数が(1)
可解な場合, (2)
半 単純な場合を示し, (1)
と(2)
を使って(3)
一般の場合を示すという構成になっている.
本論文は, (1)
の可解リー代数に対する主張を主定理として,
その証明を紹介するものである.
まず第
1
章では,
リー代数を定義し,
準同型や半直積などを定義した.
次に第2
章では,
リー群を定義し,
準同型や半直積などを定義した.
最後に第
3
章では,
本論文の主定理を紹介し,
証明の準備としていくつかの命題や定理を挙げ,
最 後に主定理を証明した.
本論文の執筆にあたり
,
指導教員の田丸博士先生をはじめとして,
奥田隆幸先生,
久保亮先生,
及 びゼミの先輩方には多くの助言,
御指導を頂きました.
この場をお借りして,
深く御礼申し上げ ます.
目次
1
リー代数1
1.1
リー代数の定義. . . . 1
1.2
リー部分代数とイデアル. . . . 2
1.3
リー代数の準同型. . . . 4
1.4
リー代数の半直積. . . . 5
2
リー群9 2.1
リー群の定義. . . . 9
2.2
リー群の準同型. . . . 10
2.3
リー群の半直積. . . . 10
3
主定理の証明13 3.1
証明の準備. . . . 13
3.2
主定理の証明. . . . 14
1
リー代数この章では
,
リー代数に関する基礎事項を述べ,
リー代数の半直積を定義する.
1.1
リー代数の定義定義
1.1.
実線型空間g
と写像[, ] : g × g → g
を考える.
このとき,
組(g, [, ])
がリー代数(Lie
algebra)
とは、以下が成り立つこと:
(i) (
双線型性)
写像[, ]
は双線型.
(ii) (
交代性)
任意のX, Y ∈ g
に対して, [X, Y ] = − [Y, X ].
(iii)
任意のX, Y, Z ∈ g
に対して, [X, [Y, Z]] + [Y, [Z, X ]] + [Z, [X, Y ]] = 0.
リー代数
(g, [, ])
に対して,
写像[, ]
を括弧積(bracket product)
と呼ぶ.
また,
条件(iii)
の等式 をヤコビ律(Jacobi identity)
と呼び,
線型空間としての次元を,
リー代数g
の次元と呼ぶ.
命題
1.2.
写像[, ] : g × g → g
が双線型であるとする.
このとき,
リー代数の定義の条件(ii)
は,
次と同値である: ∀ X ∈ g, [X, X] = 0.
証明
. (ii)
を仮定すると,
任意のX ∈ g
に対し, [X, X] = −[X, X]
であることから[X, X] = 0
で ある.
逆は括弧積の双線型性と仮定より,
任意のX, Y ∈ g
に対し,
0 = [X + Y, X + Y ]
= [X, X] + [X, Y ] + [Y, X] + [Y, Y ]
= [X, Y ] + [Y, X ]
となることからわかる.
命題
1.3. g
を1
次元リー代数とする.
このとき,
任意のX, Y ∈ g
に対して, [X, Y ] = 0
である.
証明.
任意にX, Y ∈ g
をとる. g
の基底を{ Z }
とする.
このとき,
∃ a, b ∈ R s.t. X = aZ, Y = bZ
となるから,
命題1.2
より, [X, Y ] = [aZ, bZ] = ab[Z, Z] = 0
例
1.4. M (n, R ) := { X : n
次実正方行列}
に括弧積を[X, Y ] := XY − Y X
で定義したものは リー代数であり,
その次元はn 2
である. (
これを,
一般線型リー代数(general linear Lie algebra)
と呼び, gl(n, R )
で表す).
証明
. [X, Y ] = XY − Y X
が上の(i), (ii), (iii)
を満たすことを確かめれば良い.
これらは容易に 確かめられる.
次元については, 1 ≦ ∀ i, j ≦ n
に対して第(i, j)
成分のみ1
でその他が0
であるよ うなn
次正方行列をE ij
とすると, { E 11 , · · · , E nn }
が基底となることからわかる.
1.2
リー部分代数とイデアル定義
1.5. g
をリー代数とし, g ′ ⊂ g
とする.
このとき, g ′
がg
内のリー部分代数(Lie subalgebra)
とは,
以下が成り立つこと:
(i) g ′
はg
内の線型部分空間.
(ii) g ′
は括弧積に関して閉じている.
すなわち,
任意のX, Y ∈ g ′
に対して, [X, Y ] ∈ g ′ .
命題1.6.
リー部分代数はリー代数である.
より正確には, g
をリー代数とし, g ′
をg
内のリー部 分代数とすると, g
の括弧積の制限に関してg ′
はリー代数になる.
証明
.
リー代数g
の括弧積を[, ]
とし,
その制限を[, ] ′
とすると[, ] ′ : g ′ × g ′ → g ′ : (X, Y ) 7→ [X, Y ]
であることから容易にわかる.
例
1.7.
次で定義されるsl(n, R )
はgl(n, R )
内のリー部分代数である. (
これを特殊線型リー代数(special linear Lie algebra)
と呼ぶ.)
但し, tr(X)
は行列X
のトレースを表す:
sl(n, R ) := { X ∈ gl(n, R ) | tr(X) = 0 } .
証 明
.
ト レ ー ス の 線 型 性 か ら, sl(n, R )
がgl(n, R )
内 の 線 型 部 分 空 間 で あ り,
さ ら に, tr(XY ) =tr(Y X) (X, Y ∈ M (n, R ))
と合わせて,
括弧積で閉じていることもわかる.
定義
1.8. g
をリー代数, g ′
をg
内の線型部分空間とする.
このとき, g ′
がg
内のイデアル(ideal)
とは,
次が成り立つこと: ∀ X ∈ g, ∀ Y ∈ g ′ , [X, Y ] ∈ g ′ .
命題
1.9. g ′
がリー代数g
内のイデアルのとき, g ′
はg
内のリー部分代数でもある.
証明. g ′ ⊂ g
であることから明らかである.
例
1.10.
特殊線型リー代数sl(n, R )
は一般線型リー代数gl(n, R )
内のイデアル.
証明
.
線型部分空間であることはすでに示した.
残りの条件についても,
トレースの性質から容易 にわかる.
定義
1.11. g
をリー代数, a, b
をg
内の線型部分空間とする.
次で定義される[a, b]
をa
とb
の交 換子(commutator)
という:
[a, b] := {
∑ n i=1
[X i , Y i ] | n ∈ N , X i ∈ a, Y i ∈ b(1 ≦ i ≦ n) } .
命題1.12.
定義1.11
において, [a, b]
はg
内の線型部分空間である.
証明
. a, b
がともにg
内の線型部分空間だから, 0 ∈ a, b
となり, [0, 0] = 0
だから0 ∈ [a, b]
である.
また括弧積の双線型性から,
和とスカラー倍で閉じていることもわかるので, [a, b]
はg
内の線型部 分空間である.
命題
1.13.
定義1.11
において, [a, b] = [b, a]
である.
証明.
括弧積の交代性より,
∑ n i=1
[X i , Y i ] =
∑ n i=1
( − [Y i , X i ]) = −
∑ n i=1
[Y i , X i ] (X i ∈ a, Y i ∈ b)
であり
, [a, b], [b, a]
はともに線型空間だから,
スカラー倍で閉じている.
よって, [a, b] = [b, a]
であ る.
命題
1.14. a, b
がともにg
のイデアルならば, [a, b]
もg
のイデアル.
証明.
任意のZ ∈ g, W ∈ [a, b]
をとる.
このとき,
∃X i ∈ a, ∃Y i ∈ b (1 ≦ i ≦ n) s.t. W =
∑ n i=1
[X i , Y i ]
と書ける.
括弧積の双線型性とヤコビ律を用いると,
[Z, W ] = [Z,
∑ n i=1
[X i , Y i ]]
=
∑ n i=1
[Z, [X i , Y i ]]
=
∑ n i=1
([X i , [Z, Y i ]] + [[Z, X i ], Y i ]).
a, b
はともにg
内のイデアルだから, [Z, Y i ] ∈ b, [Z, X i ] ∈ a
となり, [a, b]
が和で閉じていることか ら, [Z, W ] ∈ [a, b].
したがって,
イデアルとなる.
定義
1.15. g
をリー代数とする.
このとき, [g, g]
をg
の導来イデアル(derived ideal)
といい, g (1)
と書く.
さらに,
任意のn ∈ N
に対し,
第n
導イデアルg (n)
をg (0) := g, g (n+1) := [g (n) , g (n) ]
によって帰納的に定義する.
定義
1.16. g
をリー代数とする.
このとき, g
が可解(solvable)
であるとは次が成り立つこと:
∃n ∈ N s.t. g (n) = 0.
例
1.17.
次で定義される2
次の上三角行列全体の成すgl(2, R )
内のリー部分代数t(2)
は可解: t(2) := {
( a b
0 c
)
∈ gl(2, R) | a, b, c ∈ R}.
証明
.
例1.4
の証明で定義した記号を用いると, t(2)
の基底{ E 11 , E 12 , E 22 }
に対して, [E 11 , E 12 ] = E 12 , [E 12 , E 22 ] = E 12 , [E 22 , E 11 ] = 0
となることから
, t(2) (1) =span { E 12 }
である.
さらに, [E 12 , E 12 ] = 0
であるから, t(2) (2) = 0
とな り, t(2)
は可解である.
1.3
リー代数の準同型定義
1.18. g 1 , g 2
をリー代数とする.
写像f : g 1 → g 2
が準同型写像(homomorphism)
とは,
以 下が成り立つこと:
(i) f
は線型写像.
(ii) ∀ X, Y ∈ g 1 , f([X, Y ]) = [f (X), f (Y )].
さらに
f
が全単射のとき,
同型写像(isomorphism)
という.
リー代数g 1
とg 2
の間に同型写像が存 在するとき,
これらは同型(isomorphic)
であるという.
例
1.19. f : gl(n, R ) → sl(n, R ) : X 7→ X − tr(X)
n I n (I n : n
次単位行列)
は準同型写像である.
証明.
まずtr
の線型性より, f
がwell-defined
な線型写像であることがわかる.
次に準同型を示すた めに,
任意にX, Y ∈ gl(n, R )
をとる. f
が線型であることとtr
の性質より, f ([X, Y ]) = XY − Y X
となる
. (ii)
の右辺については,
括弧積の双線型性を用いると,
[f(X), f (Y )] = [X − tr(X)
n I n , Y − tr(Y ) n I n ]
= [X, Y ] − tr(Y )
n [X, I n ] − tr(X)
n [I n , Y ] + tr(X)tr(Y )
n 2 [I n , I n ]
となり
, [X, I n ] = [I n , Y ] = [I n , I n ] = 0
だから, [f (X), f (Y )] = [X, Y ] = XY − Y X
となる.
し たがって, f
は準同型写像である.
1
次元リー代数について,
次が成り立つ.
命題
1.20.
全ての1
次元リー代数は互いに同型である.
証明
. g 1
とg 2
を任意の1
次元リー代数とする.
次元が等しいから,
線型同型写像が存在する.
その 写像を,
f : g 1 → g 2 : X 7→ f (X)
とする
.
後は,
このf
が括弧積を保つことを示せばよい.
任意にX, Y ∈ g 1
をとる. f
が線型であ ることと命題1.3
より,
f ([X, Y ]) = f (0) = 0, [f (X), f (Y )] = 0
となるから, f
は括弧積を保つ.
したがって, g 1 ∼ = g 2
である.
1.4
リー代数の半直積リー代数の半直積を定義するために
,
まずリー代数上の微分代数を定義する.
定義1.21. g
をリー代数, D : g → g :
線型写像 とする.
∀X, Y ∈ g, D([X, Y ]) = [D(X), Y ] + [X, D(Y )]
を満たすとき
, D
をg
の微分(derivation)
という. g
の微分全体の集合を微分代数といい, D (g)
と 書く.
命題
1.22.
上のD (g)
はリー代数である.
証明
. Hom R (g, g) := {f : g → g :
実線型写像}
とする.
このとき任意のf, g ∈ Hom R (g, g)
に対 し,
括弧積を[f, g] := f ◦ g − g ◦ f
で定義すると, Hom R (g, g)
がリー代数になることが容易にわか る.
したがって, D (g)
がHom R (g, g)
内のリー部分代数となればよい.
まず線型部分空間となることを示す
.
零写像0 : g → g : X 7→ 0
を考える.
これはHom R (g, g)
の零元である.
さらに,
任意のX, Y ∈ g
に対し,
0([X, Y ]) = 0,
[0(X), Y ] + [X, 0(Y )] = [0, Y ] + [X, 0] = 0,
だから
, 0 ∈ D (g)
である.
さらに,
任意のD, E ∈ D (g), X, Y ∈ g
に対し,
微分の定義と括弧積の 双線型性から,
(D + E)([X, Y ]) = D([X, Y ]) + E([X, Y ])
= [D(X), Y ] + [X, D(Y )] + [E(X), Y ] + [X, E(Y )]
= [D(X) + E(X), Y ] + [X, D(Y ) + E(Y )]
= [(D + E)(X), Y ] + [X, (D + E)(Y )]
となり
,
和に関して閉じていることがわかる.
スカラー倍についても同様にしてわかる.
よって, D(g)
はHom R (g, g)
内の線型部分空間である.
次に括弧積で閉じていることを示す
.
任意のD, E ∈ D (g), X, Y ∈ g
をとる. [D, E]([X, Y ]) = (D ◦ E − E ◦ D)([X, Y ])
= (D ◦ E)([X, Y ]) − (E ◦ D)([X, Y ])
であり,
微分の定義と微分が線型であることから,
(D ◦ E)([X, Y ]) = D(E([X, Y ]))
= D([E(X), Y ] + [X, E (Y )])
= D([E(X), Y ]) + D([X, E(Y )])
= [(D ◦ E)(X), Y ] + [E(X), D(Y )] + [D(X), E(Y )] + [X, (D ◦ E)(Y )]
となる
. (E ◦ D)([X, Y ])
も同様にすることにより, (D ◦ E)([X, Y ]) − (E ◦ D)([X, Y ])
=[(D ◦ E)(X), Y ] − [(E ◦ D)(X), Y ] + [X, (D ◦ E)(Y )] − [X, (E ◦ D)(Y )]
=[(D ◦ E − E ◦ D)(X), Y ] + [X, (D ◦ E − E ◦ D)(Y )]
=[[D, E ](X), Y ] + [X, [D, E](Y )]
となり
, [D, E ]([X, Y ]) = [[D, E ](X), Y ] + [X, [D, E ](Y )]
である.
すなわち, [D, E] ∈ D (g)
であ り, D(g)
はHom R (g, g)
内のリー部分代数である.
したがって, D(g)
はリー代数である.
命題
1.23. g
をリー代数, a, b
をそれぞれ, g
内のイデアル,
リー部分代数とする.
このとき,
次で 定義されるσ
は準同型写像である:
σ : b → D(a) : Y 7→ σ(Y ), σ(Y ) : a → a : X 7→ [Y, X].
証明
.
まず, well-defined
であることを確かめる.
そのためには, σ(Y ) ∈ D (a)
であることを言えば よい. a
はg
内のイデアルだから, [Y, X ] ∈ a
である.
括弧積の双線型性より, σ(Y )
が線型写像で あることもわかる.
さらにヤコビ律を使うと,
任意のX, Z ∈ a
に対し,
σ(Y )([X, Z ]) = [Y, [X, Z ]]
= [[Y, X ], Z ] + [X, [Y, Z]]
= [σ(Y )(X), Z ] + [X, σ(Y )(Z )]
となる
.
したがって, σ(Y ) ∈ D (a)
となり, σ
はwell-defined
である.
続いてσ
が準同型写像で あることを示す.
括弧積の双線型性より, σ
は線型写像である.
さらにヤコビ律を使うと,
任意のY 1 , Y 2 ∈ b, X ∈ a
に対し,
σ([Y 1 , Y 2 ])(X) = [[Y 1 , Y 2 ], X]
= [Y 1 , [Y 2 , X]] − [Y 2 , [Y 1 , X ]]
= [Y 1 , σ(Y 2 )(X)] − [Y 2 , σ(Y 1 )(X)]
= σ(Y 1 )(σ(Y 2 )(X)) − σ(Y 2 )(σ(Y 1 )(X))
= (σ(Y 1 ) ◦ σ(Y 2 ) − σ(Y 2 ) ◦ σ(Y 1 ))(X)
= [σ(Y 1 ), σ(Y 2 )](X)
となる
.
したがって, σ([Y 1 , Y 2 ]) = [σ(Y 1 ), σ(Y 2 )]
であるから, σ
は準同型写像である.
命題
1.24. a, b
をリー代数, σ : b → D (a)
をリー代数の準同型とする.
直積集合a × b
上に,
和と スカラー倍を成分ごとに定義し,
括弧積を,
[(X 1 , Y 1 ), (X 2 , Y 2 )] := ([X 1 , X 2 ] + σ(Y 1 )(X 2 ) − σ(Y 2 )(X 1 ), [Y 1 , Y 2 ]) (X 1 , X 2 ∈ a, Y 1 , Y 2 ∈ b)
により定義したものはリー代数である.
証明
. a × b
がリー代数になることを示す. a × b
が線型空間となることは明らかである.
次に,
括 弧積がリー代数の定義を満たすことを示す.
まず交代性を示す.
任意の(X 1 , Y 1 ), (X 2 , Y 2 ) ∈ a × b
をとる. a, b
それぞれにおける括弧積の交代性により,
[(X 1 , Y 1 ), (X 2 , Y 2 )] = ([X 1 , X 2 ] + σ(Y 1 )(X 2 ) − σ(Y 2 )(X 1 ), [Y 1 , Y 2 ])
= ( − [X 2 , X 1 ] − σ(Y 2 )(X 1 ) + σ(Y 1 )(X 2 ), − [Y 2 , Y 1 ])
= − ([X 2 , X 1 ] + σ(Y 2 )(X 1 ) − σ(Y 1 )(X 2 ), [Y 2 , Y 1 ])
= − [(X 2 , Y 2 ), (X 1 , Y 1 )]
となり交代性を満たす
.
双線型性を示すために,
任意の(X 1 , Y 1 ), (X 2 , Y 2 ), (X 3 , Y 3 ) ∈ a × b, a, b ∈ R
をとる. a, b
それぞれにおける括弧積の双線型性と, σ
が準同型, σ(Y 1 )
が線型であること から,
[(X 1 , Y 1 ), a(X 2 , Y 2 ) + b(X 3 , Y 3 )]
=[(X 1 , Y 1 ), (aX 2 + bX 3 , aY 2 + bY 3 )]
=([X 1 , aX 2 + bX 3 ] + σ(Y 1 )(aX 2 + bX 3 ) − σ(aY 2 + bY 3 )(X 1 ), [Y 1 , aY 2 + bY 3 ])
=(a[X 1 , X 2 ] + b[X 1 , X 3 ] + aσ(Y 1 )(X 2 ) + bσ(Y 1 )(X 3 )
− aσ(Y 2 )(X 1 ) − bσ(Y 3 )(X 1 ), a[Y 1 , Y 2 ] + b[Y 1 , Y 3 ])
=(a[X 1 , X 2 ] + aσ(Y 1 )(X 2 ) − aσ(Y 2 )(X 1 ), a[Y 1 , Y 2 ]) + (b[X 1 , X 3 ] + bσ(Y 1 )(X 3 ) − bσ(Y 3 )(X 1 ), b[Y 1 , Y 3 ])
=a([X 1 , X 2 ] + σ(Y 1 )(X 2 ) − σ(Y 2 )(X 1 ), [Y 1 , Y 2 ]) + b([X 1 , X 3 ] + σ(Y 1 )(X 3 ) − σ(Y 3 )(X 1 ), [Y 1 , Y 3 ])
=a[(X 1 , Y 1 ), (X 2 , Y 2 )] + b[(X 1 , Y 1 ), (X 3 , Y 3 )]
となり
,
交代性を用いることで,
[a(X 1 , Y 1 ) + b(X 2 , Y 2 ), (X 3 , Y 3 )] = a[(X 1 , Y 1 ), (X 3 , Y 3 )] + b[(X 2 , Y 2 ), (X 3 , Y 3 )]
も示される
.
したがって,
双線型である.
最後にヤコビ律を示す.
ここで,
任意のX ∈ a, Y ∈ b
に 対し, (X, Y ) = (X, 0) + (0, Y )
であるから, a × b
における括弧積のヤコビ律を示すには, a × b
の 元が,
(X 1 , 0), (X 2 , 0), (X 3 , 0) (1)
(X 1 , 0), (X 2 , 0), (0, Y 3 ) (2)
(X 1 , 0), (0, Y 2 ), (0, Y 3 ) (3)
(0, Y 1 ), (0, Y 2 ), (0, Y 3 ) (4)
の4通りの場合に確かめればよい
. (1)
と(4)
の場合にヤコビ律を満たすことは, a, b
におけるヤコビ律からわかる
. (2)
のときをまず考える. σ
が準同型でありσ(0)
が零写像であることから, [(X 1 , 0), [(X 2 , 0), (0, Y 3 )]] = [(X 1 , 0), ([X 2 , 0] + σ(0)(0) − σ(Y 3 )(X 2 ), [0, Y 3 ])]
= [(X 1 , 0), ( − σ(Y 3 )(X 2 ), 0)]
= ([X 1 , − σ(Y 3 )(X 2 )] + σ(0)( − σ(Y 3 )(X 2 )) − σ(0)(X 1 ), [0, 0])
= ( − [X 1 , σ(Y 3 )(X 2 )], 0) ,
[(X 2 , 0), [(0, Y 3 ), (X 1 , 0)]] = [(X 2 , 0), ([0, X 1 ] + σ(Y 3 )(X 1 ) − σ(0)(0), [Y 3 , 0])]
= [(X 2 , 0), (σ(Y 3 )(X 1 ), 0)]
= ([X 2 , σ(Y 3 )(X 1 )] + σ(0)(σ(Y 3 )(X 1 )) − σ(0)(X 2 ), [0, 0])
= ([X 2 , σ(Y 3 )(X 1 )], 0) ,
[(0, Y 3 ), [(X 1 , 0), (X 2 , 0)]] = [(0, Y 3 ), ([X 1 , X 2 ] + σ(0)(X 2 ) − σ(0)(X 1 ), [0, 0])]
= [(0, Y 3 ), ([X 1 , X 2 ], 0)]
= ([0, [X 1 , X 2 ]] + σ(Y 3 )([X 1 , X 2 ]) − σ(0)(0), [Y 3 , 0])
= (σ(Y 3 )([X 1 , X 2 ]), 0)
となる
.
したがって, −[X 1 , σ(Y 3 )(X 2 )] + [X 2 , σ(Y 3 )(X 1 )] + σ(Y 3 )([X 1 , X 2 ]) = 0
となればよい がこれは,
括弧積の交代性とσ(Y 3 ) ∈ D (a)
であることからわかる.
次に, (3)
のときを考える. σ(Y 2 ), σ(Y 3 )
が線型でありσ(0)
が零写像であることから,
[(X 1 , 0), [(0, Y 2 ), (0, Y 3 )]] = [(X 1 , 0), ([0, 0] + σ(Y 2 )(0) − σ(Y 3 )(0), [Y 2 , Y 3 ])]
= [(X 1 , 0), (0, [Y 2 , Y 3 ])]
= ([X 1 , 0] + σ(0)(0) − σ([Y 2 , Y 3 ])(X 1 ), [0, [Y 2 , Y 3 ]])
= ( − σ([Y 2 , Y 3 ])(X 1 ), 0) ,
[(0, Y 2 ), [(0, Y 3 ), (X 1 , 0)]] = [(0, Y 2 ), ([0, X 1 ] + σ(Y 3 )(X 1 ) − σ(0)(0), [Y 3 , 0])]
= [(0, Y 2 ), (σ(Y 3 )(X 1 ), 0)]
= ([0, σ(Y 3 )(X 1 )] + σ(Y 2 )(σ(Y 3 )(X 1 )) − σ(0)(0), [Y 2 , 0])
= ((σ(Y 2 ) ◦ σ(Y 3 ))(X 1 ), 0) ,
[(0, Y 3 ), [(X 1 , 0), (0, Y 2 )]] = [(0, Y 3 ), ([X 1 , 0] + σ(0)(0) − σ(Y 2 )(X 1 ), [0, Y 2 ])]
= [(0, Y 3 ), ( − σ(Y 2 )(X 1 ), 0)]
= ([0, − σ(Y 2 )(X 1 )] + σ(Y 3 )( − σ(Y 2 )(X 1 )) − σ(0)(0), [Y 3 , 0])
= ( − (σ(Y 3 ) ◦ σ(Y 2 ))(X 1 ), 0)
となる
.
したがって, − σ([Y 2 , Y 3 ])(X 1 ) + (σ(Y 2 ) ◦ σ(Y 3 ))(X 1 ) − (σ(Y 3 ) ◦ σ(Y 2 ))(X 1 ) = 0
す なわち, σ([Y 2 , Y 3 ]) = σ(Y 2 ) ◦ σ(Y 3 ) − σ(Y 3 ) ◦ σ(Y 2 )
となればよいがこれは, [σ(Y 2 ), σ(Y 3 )] = σ(Y 2 ) ◦ σ(Y 3 ) − σ(Y 3 ) ◦ σ(Y 2 )
であることと, σ
が準同型であることからわかる.
よって, a × b
に おいて括弧積はヤコビ律を満たす.
以上より, a × b
はリー代数である.
定義
1.25.
命題1.21
のように定義したリー代数を,
リー代数の準同型σ
によるa
とb
の半直積(semidirect product)
といい, a × σ b
と書く.
2
リー群この章では
,
リー群に関する基礎事項を述べ,
リー群の半直積を定義する.
2.1
リー群の定義定義
2.1. G
が群かつ可微分多様体であるとする.
このときG
がC ∞
級リー群(C ∞ -Lie group)
であるとは,
以下が成り立つこと:
(i)
積をとる写像G × G → G : (g, h) 7→ gh
がC ∞
級. (ii)
逆元をとる写像G → G : g 7→ g − 1
がC ∞
級.
定義
2.2. M
を可微分多様体とする.
このとき, M
がC ω
級多様体(
解析多様体)(C ω -manifold,
analytic manifold)
であるとは、全ての座標変換が解析的であること,
すなわち収束する冪級数で表すことができること
.
以下,
写像が解析的であることをC ω
級であるという.
定義
2.3. G
を群かつC ω
級多様体とする.
このとき, G
がC ω
級リー群(C ω -Lie group)
である とは,
以下が成り立つこと:
(i)
積をとる写像G × G → G : (g, h) 7→ gh
がC ω
級. (ii)
逆元をとる写像G → G : g 7→ g − 1
がC ω
級.
例2.4. R n
は通常の加法によりC ω
級リー群.
証明
.
まず, R n
は座標近傍{ ( R n , id R
n) } (id R
n はR n
上の恒等写像)
により, C ω
級多様体である.
また,
群演算は次のような写像である:
(
加法) G × G → G : (g, h) 7→ g + h, (
逆元) G → G : g 7→ − g.
この
2
つの写像は,
成分の多項式で書けるから,
ともにC ω
級である.
例2.5. S 1
はC ω
級リー群.
証明
. S 1
は以下のように定義される座標近傍{(U i ± , φ i ± )} i=1,2
により, C ω
級多様体である: U i ± := { (x 1 , x 2 ) ∈ S 1 | ± x i > 0 } ,
φ 1 ± : U 1 ± → R : (x 1 , x 2 ) 7→ x 2 , φ 2 ± : U 2 ± → R : (x 1 , x 2 ) 7→ x 1 .
また,
積と逆元をとる写像は次のように書ける:
(x, y)(x ′ , y ′ ) = (xx ′ − yy ′ , x ′ y + xy ′ ),
(x, y) − 1 = (x, − y).
この
2
つの写像は,
成分の多項式で書けるから,
ともにC ω
級である.
2.2
リー群の準同型定義
2.6. G 1 , G 2
をC ω
級リー群とする.
写像f : G 1 → G 2
が準同型写像(homomorphism)
と は,
以下が成り立つこと:
(i) f
はC ω
級. (ii) f
は群準同型.
さらに
f
がC ω
級同相のとき,
同型写像(isomorphism)
という.
リー群G 1
とG 2
の間に同型写像 が存在するとき,
これらは同型(isomorphic)
であると言う.
例
2.7. f : R → S 1 : x 7→ (cos x, sin x)
とする.
このときf
は準同型写像である.
証明
.
まず上の例に挙げたように, R
とS 1
はともにC ω
級リー群である.
また,
三角関数はC ω
級 だからf
はC ω
級である.
次に,
準同型を示すために,
任意のx, y ∈ R
をとる.
三角関数の加法定 理とS 1
上の積の定義から,
f (x + y) = (cos(x + y), sin(x + y))
= (cos x cos y − sin x sin y, sin x cos y + cos x sin y)
= (cos x, sin x)(cos y, sin y)
= f (x)f (y)
となり
, f
は群準同型である.
以上より, f
は準同型写像である.
2.3
リー群の半直積単連結なリー群を考えるために
,
単連結であることの定義を述べる.
定義2.8. X
を弧状連結空間, a ∈ X
とし,
次のような連続写像を考える:
ε a : [0, 1] → X : t 7→ a.
このとき
, X
が単連結(simply connected)
であるとは,
次が成り立つこと: π 1 (X, a) = { [ε a ] } . (
ただし, π 1 (X, a)
とは点a
を基点とするX
の基本群である.)
例
2.9. D 2 := { (x 1 , x 2 ) ∈ R 2 | x 1 2 + x 2 2 ≦ 1 }
は単連結.
証明
. D 2
の基点として, 0 ∈ D 2
を考える. π 1 (D 2 , 0) ⊃ { [ε 0 ] }
は明らかである.
任意の[f ] ∈ π 1 (D 2 , 0)
をとる.
f : [0, 1] → D 2 : t 7→ f(t) (f (0) = f (1) = 0)
とする
.
ここで,
φ s : [0, 1] → D 2 : t 7→ (1 − s)f(t) (0 ≦ s ≦ 1)
とする. f
が連続だからφ s
も連続である.
さらに,
φ s (0) = (1 − s)f(0) = 0 , φ s (1) = (1 − s)f(1) = 0 ,
φ 0 (t) = f (t), φ 1 (t) = 0 = ε 0 (t)
で ある
.
よ っ て, φ s
はf
とε 0
の間のホモトピーとな り, [f ] = [ε 0 ]
である.
したがって, π 1 (D 2 , 0) ⊂ { [ε 0 ] }
であるから, D 2
は単連結.
リー群の半直積を定義するには
,
リー群上の自己同型群が必要となる.
そこで,
自己同型群を定義 する.
定義
2.10. G
をC ω
級リー群とする.
このとき,
次で定義されるAutG
を,
リー群G
の自己同型 群(automorphism group)
という: AutG := { f : G → G | f :
リー群同型} .
リー群の自己同型群について
,
次のことが知られている.
命題
2.11. (
参考文献[2], P219,
定理4.4.6)G
を単連結C ω
級リー群とする.
このとき, AutG
はC ω
級リー群である.
以下
,
リー群は全て単連結とする.
命題
2.12. A, B
をC ω
級リー群, φ : B → AutA : b 7→ φ b
を準同型,
写像A × B → A : (a, b) 7→
φ b (a)
をC ω
級写像とする.
このとき,
直積多様体A × B
に積を, (a 1 , b 1 )(a 2 , b 2 ) := (a 1 φ b
1(a 2 ), b 1 b 2 )
により定義するとき, A × B
はC ω
級リー群となる.
証 明
. A × B
がC ω
級 リ ー 群 で あ る こ と を 示 す.
ま ず 群 で あ る こ と を 示 す.
任 意 の(a 1 , b 1 ), (a 2 , b 2 ), (a 3 , b 3 ) ∈ A × B
をとる. φ b
1 が同型だから,
((a 1 , b 1 )(a 2 , b 2 ))(a 3 , b 3 ) = (a 1 φ b
1(a 2 ), b 1 b 2 )(a 3 , b 3 )
= (a 1 φ b
1(a 2 )φ b
1b
2(a 3 ), b 1 b 2 b 3 ) , (5) (a 1 , b 1 )((a 2 , b 2 )(a 3 , b 3 )) = (a 1 , b 1 )(a 2 φ b
2(a 3 ), b 2 b 3 )
= (a 1 φ b
1(a 2 φ b
2(a 3 )), b 1 b 2 b 3 )
= (a 1 φ b
1(a 2 )φ b
1(φ b
2(a 3 )), b 1 b 2 b 3 )
= (a 1 φ b
1(a 2 )(φ b
1◦ φ b
2)(a 3 ), b 1 b 2 b 3 ) (6)
である.
ここで, φ
が準同型であることから,
φ b
1b
2= φ b
1◦ φ b
2(7)
となる
. (5), (6), (7)
より積が結合則を満たすことがわかる. A, B
の単位元をそれぞれe A , e B
と すると, (e A , e B )
がA × B
の単位元となることが容易にわかる.
また,
任意の(a, b) ∈ A × B
に対 し, (φ b
−1(a − 1 ), b − 1 )
が逆元となることも容易にわかる.
したがって, A × B
は群である. A, B
は ともにC ω
級多様体だから, A × B
もC ω
級多様体である.
最後に,
積と逆元をとる写像がC ω
級 であることを確かめる. 2
つの写像はそれぞれ次のように書かれる:
(
積) (a 1 , b 1 )(a 2 , b 2 ) = (a 1 φ b
1(a 2 ), b 1 b 2 ), (
逆元) (a, b) − 1 = (φ b
−1(a − 1 ), b − 1 ).
まず前者については
,
写像A × B → A : (a, b) 7→ φ b (a)
がC ω
級であることと, A, B
それぞれに おいて,
積がC ω
級であることからわかる.
後者については,
写像A × B → A : (a, b) 7→ φ b (a)
がC ω
級であることと, A, B
それぞれにおいて,
逆元をとる写像がC ω
級であることからわかる.
以 上より, A × B
はC ω
級リー群である.
定義
2.13.
命題2.12
のように定義したリー群を,
リー群の準同型φ
によるA
とB
の半直積(semidirect product)
といい, A × φ B
と書く.
3
主定理の証明本論文の主定理を述べる
.
定理
3.1.
任意の有限次元実可解リー代数g
に対し,
単連結C ω
級リー群G
であって,
そのリー代 数L(G)
がg
と同型なものが存在する.
ここで
, L(G)
はG
上の左不変ベクトル場全体のなすリー代数である.
3.1
証明の準備この節では
,
主定理の証明の際に使う命題や定理を紹介する.
まず可解リー代数について以下の ことが成り立つ.
命題
3.2. g
を可解リー代数とする.
このとき, [g, g] ⫋ g
である.
証明.
背理法を用いることで示すことができる.
命題
3.3. g
を可解リー代数, a
をg
内のリー部分代数とする.
このとき, a
も可解リー代数.
証明. g
が可解だから,
∃n ∈ N s.t. g (n) = 0
となる
. a ⊂ g
だから, a (n) ⊂ g (n) = 0
である.
したがって, a (n) = 0
となり, a
は可解リー代数で ある.
命題
3.4. g
をn
次元可解リー代数とする(n ≧ 2).
このとき, g
内のn − 1
次元可解リー部分代数a
が存在する.
証明
. dim g = n
であることと命題3.2
より, dim[g, g] ≦ n − 1
である.
したがって, g
内のn − 1
次元線型部分空間a
であって, [g, g] ⊂ a ⊂ g
となるものが存在する.
任意のX ∈ g, Y ∈ a
に対し,
[X, Y ] ∈ [g, g] ⊂ a
であるから
, a
はg
内のイデアルとなり,
命題1.9
よりa
はg
内のリー部分代数である.
命題3.3
よ りa
も可解である.
弧状連結空間の基本群について考えるために
,
次を定義する.
定義
3.5. X, Y
を弧状連結とし,
それぞれの基点をx 0 ∈ X, y 0 ∈ Y
とする.
連続写像f :
(X, x 0 ) → (Y, y 0 )
に対し, f ∗ : π 1 (X, x 0 ) → π 1 (Y, y 0 ) : [u] 7→ [f ◦ u]
を, f
による基本群の誘導準 同型(induced homomorphism)
という.
命題
3.6.
誘導準同型に関して,
以下が成り立つ.
(1) id X : X → X
による誘導準同型は,
恒等写像(id X ) ∗ : π 1 (X, x 0 ) → π 1 (X, x 0 ).
(2)
連続写像f : (X, x 0 ) → (Y, y 0 ), g : (Y, y 0 ) → (Z, z 0 )
に対して, (g ◦ f ) ∗ = g ∗ ◦ f ∗ .
証明.
誘導準同型の定義よりわかる.
基本群について次のことが成り立つ
.
命題
3.7. (
参考文献[2], P204,
命題4.3.4)X, Y
がともに弧状連結, x 0 ∈ X, y 0 ∈ Y
のとき,
次が 成り立つ:
π 1 (X × Y, (x 0 , y 0 )) ∼ = π 1 (X, x 0 ) × π 1 (Y, y 0 ).
この命題から
,
単連結なものの直積も単連結であることがわかる.
リー群の接空間とリー代数の関係として,
次のことが成り立つ.
命題
3.8. (
参考文献[1], P8,
補題3.4)G
をリー群, e
をG
の単位元, e
におけるG
の接空間をT e G
とする.
このとき,
次の写像は線型同型写像である:
ε : L(G) → T e G : X 7→ X e .
最後に
,
リー代数の半直積とリー群の半直積に関する定理を紹介する.
定理
3.9. (
参考文献[2], P408,
定理5.8.4)A, B
を単連結C ω
級リー群, a, b
をそれぞれのリー 代数とし, σ : b → D (a)
を準同型, g := a × σ b
とする.
このとき, σ
から誘導されるリー群 準同型φ : B →AutA
が存在して, G := A × φ B
が定義される. G
は単連結C ω
級リー群で, L(G) ∼ = g := a × σ b
である.
3.2
主定理の証明以下で
,
本論文の主定理を証明する.
証明