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和服縫い目についての研究 (第4報)

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(1)

和服縫い目についての研究 (第4報)

著者 横山 綏子, 小林 たへ

雑誌名 紀要

22

ページ 47‑53

発行年 1968‑01

URL http://id.nii.ac.jp/1118/00000960/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

(2)

和服縫い目についての研究(第四報)

和服を着用しての日常生活において,さけられない人 間工学的な腰部の動きのもたらす携えの引張りの力が,

背縫いの縫い目におよぼすくずれを,材質,針目の各条 件によって,前実験を試み報告をした。今回は背縫いを 省略できない市販のウール和服地をつかって,背縫いの 最良の針目と,しまつ法をみつけるために前報と同様な 実験を試みた。

実験の条件

1.平常着に多く利用されている平織ウール地を用い た。

2・横の引張りは腰国寸法の変化から割出しておこなっ た。7%増の伸長で前回と同じ要領で実験した。

3.針目を1cm間に3臥 4臥 5日の3種にわけてお こなった。

4.背伏せ布は市販の綿布(羽二重)を使用した。

5.背縫い代は1cmとし,きせは0.15cm,くけ日は1 cm間隔としておこなった。

(回 り

6・手縫いとミシソ縫いにわけて,おのおのの針目の被 検布から4日を測定した。

7.着衣時間の実際にてらして,加力,除去をくりかえ した。すなわち1日24時間のうち8時間の睡眠とし,

残りの16時間を着衣の時間と仮定しておこなった。

β・一枚の着物を大体5日続けて着用するものとして,

横 山 顕 子  小 林 た へ

5日同じ条件でくりかえし,加力,除去後と8時間放 置してから針穴の直径および縫い目のはだかりをしら べた。

試料および装置

市販の和服用ウール地(ウール100%)を使用した。

試料の密度,厚さは表1に示す通りである。

蓑1

試料および装置は(第二報)図1〝図5に示したと同 じである。

(1)手縫いの場合の用糸 絹 糸(白)花ビリケソ印

(2)用 針

4の1(クロバー印)

(3)ミシン縫い

ミシンはシソガー家庭用電動ミシソを使用 用糸 羽二重糸(白)3本諸

(4)用 針

11番シソガ一針

(5)縫い方

手縫いの場合は,背伏せ布と布地と3枚になるため針 目が流れ易いので一針抜きで縫い,はじめとおわりは一 針返して玉留めをした。背伏せ布にはきせがかゝらぬよ うに表布にだけアイロソを使用してきせをかけ,くけ日 は1cm間隔に放糸を2本ずつすくってくけた。ミシソ の場合は上下の糸調子をととのえて,縫いはじめと縫い おありは上下の糸を結んでおいた。背伏せ布にはやはり きせがかゝらぬように,衰布にだけきせをかけて,くけ 方は手縫いと同様にした。

実験結果および考察

試料に16時間引張りを加えて8時間休め,5回くりか えして縫い目,くけ目におよぼすいたみとして残る針穴 直径と,縫目のはだかりを比較してみた。(譜の縫目お

よび背伏せのくけ目と同時に測定)

I l

(3)

表2

手 遜

縫い目のはだかり(cm)

3日/cm

はず し た直後l 8 時間放置後

1

3

5

0  0  0  0

0.3 0.2 0.3 0.3

0.5 0.4 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5

0.5 0.5 0.5 0.5

はず し た直後 8時間放置後

0.5 0.4 0.5 0.5

0.5 0.4 0.5 0.5

0.7 0.7 0.7 0.7

0.7 0.7 0.7 0.7 0.8 0.8 0.8 0.8

0.3 0.3 0.3 0.3

0.4 0.4 0.5 0.5 0.5 0.4 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5

手 縫

縫い目の針穴直径(cm)

3日/cm

はず し た直後 8 時間放置後

0.2 0.2 0.2 0.3 0.5 0.5 0.5 0.4 0.5 0.5 0.5 0.4 0.5 0.5 0.5 0.5 0,5 0.5 0.5 0.5

4日/cm

回数\

1

2

はず した直後l 8時間放置後

0.2 0.1 0.1 0.1 0.3 0.3 0.3 0.3 3 10.3 0.4 0.3 0.4

0.4 0.4 0.4 0.4

0.4 0.4 0.4 0.4

0  0  0  0

0.2 0.2 0.2 0.1 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2

はず し た直後l 8 時間放置後

0.2 0.1 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2

0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0,2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2

手 縫

くけ日のはだかり(cm)

3日/cm

はず し た直後l 8 時間放置後

0.4 0.4 0.3 0.3 0.5 0.5 0.4 0.5 0.8 0.7 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8

0.1 0  0  0.1

0.2 0.2 0.1 0.1 0.3 0.2 0.2 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3

はず した直後18時間放置後

0.3 0.2 0.3 0.2 0.8 0.7 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8

0  0  0  0

0.5 0.5 0.4 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5

長野県短期大学紀要

0     0     0     0     0 0     0     0     0     0 0       0       0       0       0

(4)

5日/′cm

よさl は ず し た直後 8 時間放置後

0.2 0.2 0.2●0.2 0.4 0.4 0.3 0.3 0.8 0.8 0.8 0.7 0.8 0.8 0.8 0.8

0.8 0.8 0.8 0.810.8 0.8 0.8 0.8

忘、巨ずした直後l8時間放置後

ミ シこ/

縫い目のはだかり(cm)

3日/cm

はず し た直後  8 時間放置後

1io o o o

0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2

0  0  0  0

0  0  0  0

0  0  0  0

0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1

ゝtはずした直後l8時間放置後

0  0  0  0

0  0  0  0

0  0  0  0

0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1

1     2     3     4     5

2     e U     8     8 0       0       0       0 3       6       8       8 0     0     0     0

3       5 0     0

7     8 0       0

6       8       8 0       0       0

(5)

4日/cm

ミシ′ソ

くけ目のはだかり(cm)

3日/cm

はず した直後l 8時間放置後

はず した直後l 8時間放置後

0   0  0  0

0,3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3

0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3

0  0  0  0

0  0  0  0

0  0  0  0

0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2

5日/cm

はず し た直後

ミシソ縫

くけ目の針穴直径(cm)

3日/cm

8 時間放置後

はず し た直後l 8 時間放置摸

0  0  0  0

0.2 0.2 0.1 0.1 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2

はず し た直後l 8 時間放置後

長野県短期大学紀要

U

 

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O

 

O

 

O O   O   O   O   O O   O   O   O   O O   O   O   O   O

(6)

∴王 一二)

/UZ jr 中二 ㌻潜

くけ訝り1才打かリ

/才 ヱ  タ と・,

多  ′好

くIT房つ新た五経

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7  

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(7)

(腐り

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くけ目つけ灯か\り

/皇プ

j シ ′耳

はだかり

前回同様大針(3日/cm)がはだかり大きく,8時間 放置後のもどりも多い。どの針目もだんだんもどりが減 少し,4回以後は何れも0.5cmにとどまった。即ちはだ かりはさけられぬ結果である。きせのセット加工にでも

よって,はだかりをカバーしたい。

くけ日のはだかりは縫目のはだかりよりも多く,大針 の方がはだかりも少なめで,もどりもよいが,くり返す

少′アリ

/♂

/‡ヱ タ ダ タ屈

くけ即新たを拷

/UZ j:タ・予虻

うちに残存し小針(5日/cm)にするともどりも悪い。

3回位から固定して全然戻らない。よって,背伏せのし まつ法は考えものである。

背伏せ布は表にくけつけないで背縫代を包むようにし て左身頃の縫い目にくけつけるのがよいと考える。

針穴直径

縫い目の方は大針程大きいが何れもよくもどる。針先 の太さの影資が少く,大針は常にもどる。小針の場合は

長野県短観大学紀要

㍗・∵亨三二誓∴二レ ヴ仰げ云云二竹釦が打ム

(8)

毒≡〔竺竺

五男項

(図り

0.2cmに固定している。

くけ目の方は小針ほほキんど開かず,完全に戻り,問 題がない。

概して針は適当なもの,針先のいたんでいないものを 使えは,針目の大小などは縫い目もくけ日も針穴として

第22号1967

あとえほのこらないことがたしかめられた。

結 語

手縫いの場合と,ミシン縫いの場合を比較してみる と,ミシン縫いの方がはだかりははるかに小である。そ してミシソ縫いの場合は3日の大針よりも4日か5日の 方が,はだかりは小さくもどりも大きい。これはくけ日 も同じ結果を示している。ミシン縫いの方が縫い目のは だかりほ小さいが,くけ日におよぽす影響は手縫いの場 合と同様,もどりほ大きくとも,はだかりとして,残存 し,みのがすことが出来ない。背伏せ布は出来るだけ用 いない。従来のミシン縫いは大針でと云う考えを否定 し,かえって4日/cm,5日/cmの小針の方がはだかり を考えるとよいことになる。よって贋囲上下30cm位の 間はミシソの針目を他より小針に調節して縫うとよいと 考える。

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