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Involvement, Desire driven research, Curiosity driven research, Categorization, Marketing communication, Instore marketing communication, Thinking, Feeling

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(1)

(原稿受領日 2005.11.11)

[研究ノート]

戦略的マーケティング・コミュニケーション管理から見た 消費財類型化についての提案

大 槻   博

A Categorization of Consumer Goods for Strategic Marketing Communication Management

Hiroshi Otsuki

関与度、目的科学、法則科学、類型分類、マーケティング・コミュニケーション、店頭マーケティン グ・コミュニケーション、論理的、情緒的

Involvement, Desire driven research, Curiosity driven research, Categorization, Marketing communication, Instore marketing communication, Thinking, Feeling

はじめに

 筆者は、本誌前号において、マーケティング を論じる際の前提となる視座について述べた。

①法則科学と見なすか目的科学と見なすか、② 行為主体を何者とするか、③論述展開の中枢に 論理を据えるか非論理を据えるか、この3点に ついて言及した。その結果、本稿の視座に関し て次のような前提を置くと言明した。

(1)

(大槻、

2005)

① マーケティング管理は目的科学であると考え る。それにともない、視座は戦略的目的志向 とする。

② マーケティング管理の行為主体はメーカーと する。

③ 論理を基調にして論述する。

1 従来の消費財の分類軸

 従来の消費財の分類方式はさまざまであり、

その分類軸は、論者の数と同じく数多く存在す る。古典的分類では、M . T . コープランドによ る消費者の購買習慣にもとづく分類や荒川祐吉 らの生産・消費様式等による分類などがあるが、

近年のものでは、情報処理理論にもとづく分類 がある。

 それらを列挙するなら、次のような代表例を 上げることができる。

(1) 消費者の購買習慣にもとづく分類

(2)

(M. T. Copeland.1927)

① Consumers’ Goods

  最寄品 Convenience Goods   買回品 Shopping Goods   専門品 Specialty Goods

② Industrial Goods

(2)

100

(2) 生産・消費様式による分類

(3)

(荒川祐吉、

1983)

(3) 情報処理特性による分類軸

(4)

 ブランド・コミットメント  バラエテイ・シーキング

図表1 スーパーマーケット扱い商品の分類

(前掲書

1992)

      

 ところで、メーカーにとって、商品である消 費財をどう分類するかは、製品導入時のチャネ ル計画においてもカテゴリーマネジメント計画 においても、また当然のことながらコミュニ

ケーション管理計画においても重要な戦略であ る。

 分類ということについて言えば、人間が頭脳 によってやる分類を大別すると、類型分類、規 格分類、系譜分類があるといわれている

(注4)

。中 尾によれば、類型分類の出発点はイメージであ る。イメージであるからには、それは実在する 事実であろうと歴史上の過程であろうと、頭脳 の中の理念であろうと、それらがある程度のま とまりとして認識できれば、なんであれ類型分 類はできる。この場合、イメージだけで分類す ると、人によってイメージが多く説得力に欠け るため、なんらかの適当なクライテリオンを見 つけて、あたかもそのクライテリオンによって 分類しているかのように形式を整えるのが普通 である。しかし、これらのクライテリオンの候 補は無数に存在するわけであるから、どのクラ イテリオンを採用するかは、人にとって都合が よいかどうかの基準で選択されることになる。

結局、類型分類は、その採用したクライテリオ ンでもって何かを説明、推理、その他の用途に 使うのに有用か否かによって如何様にも決めら れる。したがって、それはきわめて実用的な小 道具として、分類の王様としての地位を古今東 西にわたり占めてきた。

 しかし、類型分類の欠点は、イメージによっ て形成された1つの まとまり 他のまと まり との境界線に、不明瞭さが必然的に残さ れることである。ところが規格分類は、最初か ら定義にもとづいて分類作業をおこなうもので あるから、この場合には境界線上にあいまいさ が残ることがない、という良さが認められる。

 一方、系譜分類は、系譜のある事象でなけれ ば適用できない方式であるが、いかなる事象に も過去の歴史のないものはないわけであるから、

歴史の網の糸を解きほぐすことによって、なん らかの系譜を導き出せる可能性が残されている。

出所;「流通ソフトウエア共同開発機構:インストア・マーチャン ダイジング・マニュアル1」(財)流通経済研究所(1989)、青 木幸弘作成

54

ページを一部訂正

(3)

以上が中尾(前掲書1990)による考え方である。

この考えにもとづくなら、(1)M .T. コープラ ンドによる分類はイメージによる類型分類にあ り、(2)の生産様式にもとづく商品分類は規格 分類である。

(3)の情報処理特性による分類も、これもイ メージによる類型分類と考えられるが、1)が M . T . コープランド個人のイメージの所産であ るのに対し、3)は複数の消費者のイメージを 集約したものであるという点に違いが認められる。

2 本稿の趣旨に添った分類軸の探索

 本誌前号において、筆者はマーケティング・コ ミュニケーションの目的を達成するのに最適と 思われる戦略的枠組みを提案した。したがって、

消費財の分類もその枠組みに添う形で設定され れば、それぞれの商品に適したマーケティング・

コミュニケーション方式が効率的に行われるは ずである。

 そこで、前号で提案した枠組みである図表2 を再度提示し、確認しておきたい。

 図表2の特徴の1つは、マーケティング・コ ミュニケーションにより消費者に働きかける場 を、(1)来店前の場とするか、来店後の 店頭 の場 とするか、で分けた点にある。他の1つ は、(2)無店舗販売かそうでないかで分けたこ とである。もしそうだとすれば、消費財の分類 も、この2つの規準に依拠して分類されてこそ、

有効なものとなるはずである。そこで、まず、前 者(1)について検討する。

(1)の点については、R. Vaughn が、マーケ ティング・コミュニケーション管理に適うと主 張して次の提案を行なっている。

(1) R. Vaughn による新FCB社モデル分類  彼は、消費者の商品に対する意識に関して、図 表3でタテ・ヨコ2つの分類軸を提示した。表 側は関与度の高低という分類軸である。それに よって消費者の購買銘柄意思決定プロセスが異

図表2 マーケティング・コミュニケーションの戦略的分類枠組み(消費者用品メーカー)

(4)

102

なるのだという。それと、表頭は、論理的購買 か情緒的購買かという分類軸である。(図表3参 照)

図表3 新FCB社モデル

① 関与度とその問題点

 図表3の関与度が注目される理由は、購入し た場合のリスクが大きい商品ほど関与度が高ま り、リスクが小さい商品では関与度が低いとい われているからである。

(7)

なぜなら、リスクが 大きくなるのにともない、前者では店に来る前 から銘柄をよく検討するために探索時間が長く なる。そして事前に充分に検討し計画したもの を購入するからである。その反対に後者では、関 与度の低い商品であるから、銘柄にこだわらず 来店後に銘柄を決定する非計画購入になりやす い。

 この関与度と前掲書

(注4、1992)

にいうブランド・

コミットメントとは、ほぼ正比例するにちがい ない。

 しかし、関与度の高低は、消費者の心理的態 度測定調査によってしか測れない性質のもので あるため、分類作業の実効性において問題があ る。

 そこで、関与度の高低が決まる基盤となる要 因を、さらに追求して考察した結果、あらたに 家計調査にもとづく分類要因を提案することに した。

② 論理的購買と情緒的購買

 次に R. Vaughn による図表3の左列と右列の 分類に関して言えば、消費者が購入に際して、論

理的に購入する場合と情緒的に購入する場合が あるという。このことはマーケティング・コミュ ニケーションもそれに応じて論理的に行なうか、

情緒的に行なうかに関係してくるということに 繋がる。たとえば自動車や食品は、その商品を 論理的に訴求するのがよいが、宝石やファッ ション衣料や酒類やキャンデーなどは、消費者 の感性によく響くように情緒的な訴求をした方 がよいというわけである。

 しかし、この情緒的か論理的かによる商品の 分類は、図表2の構成の根幹である店舗の内外 という要素とはなんら関係がなく、同図表と噛 み合わない。よって、ここでは取り上げないこ とにする。おそらく、この分類は売り場や業態 の組み立て方の問題として、のちに扱われるの が妥当であろう。前掲書1992に記載されている バラエテイ・シーキングの分類軸もこの論理的 か情緒的かの分類軸に近いものと考えられる。

3 本稿における分類軸の提案

(1) 家計調査データによる類型化

 ところで、ここに入手が容易なデータとして 総務省統計局の家計調査がある。この購入頻度 から商品別の商品単価を算出して「商品単価高 低と購買頻度大小」の縦軸・横軸のグラフを作 成すると図表4が得られる。

 よい分類軸とは、曖昧模糊とした規準でなさ れるものよりも、目的に直結していて、しかも 簡潔明瞭なものにこそ実効性がある。また、そ のさい、実際のデータが入手しやすいものであ ることが望ましい。

 新FCB社モデルの関与度と論理―情緒の2 つの軸は、その意図はよいが、両者とも消費者 の心理的態度尺度であって、曖昧模糊としたも のであるという点に難がある。

 その意味から、図表4の2つの軸は具体的な 数字であり簡潔明瞭なものであるから、上に述

 出所;R. Vaughn(6)

(5)

べた条件に適っていると言うべきであろう。こ の表を見れば、すべての商品がこの座標軸上に 配置され、左の上から右下にかけて天の川の流 れのごとくに散在している。

 このグラフの左上の座標にある商品の特性A は、次のように規定される。

◎「A型商品」商品単価が高く購買頻度が小な る商品

 消費者が商品単価の高い商品を購入するとき には金銭リスクが大きいので必然的に内容をよ く検討してAIDAの過程を経て購入する傾向が 強くなるであろう。また、購買頻度がまれであ る商品を購入するときは、次回に購入するまで の間合いが長くてやり直しに日時を要するため、

その意味から、内容をよく検討してから購入す

る。

 つまり、A型商品群は、消費者にとっては図 表3に関していえば関与度の高い商品群である と考えられる。

◎「D型商品」商品単価が低く購買頻度が大な る商品

 A型商品特性の逆が、このDの商品である。す なわち図表3で言えば、関与度の低い商品群に 相当する。

 消費者が商品単価の低い商品を購入するとき には金銭的リスクが小さいので、AIDAの過程 を通らねば購入できないというような必要性を 感じないことが多い。たとえば、店頭で初めて 見かけた納豆を試し買いしようとするなら、単 価150円程度のものであるから、そのメーカーや

図表4 家計調査にもとづく商品分類(平成

16

年家計調査年報、総務省より作成)

(6)

104

ブランドについて調査し検討してから購入する ということはしないであろう。まず、試しに購 入して食してみるであろう。そのことによって 学習し、おいしければ愛顧の情動が生まれ反復 購入が発生する。つまり、図表3の(3)習慣 型の過程をとる。

 この類の商品の購買リスクが小さいのは、な にも金銭的な意味だけではない。購買頻度が大 であるということは、初めて購入した納豆がま ずければ、明日にでも銘柄スイッチができるの であるから我慢して食べ続けなければならない という忍耐のリスクは小さい。逆にこれがA型 商品のエアコンであれば、気に入らないもので あっても7年から10年は我慢して使い続けなけ ればならず、この忍耐リスクが大きいのである。

 したがって、金銭的リスクと忍耐リスクがと もに小さいD型商品は、関与度が低いので衝動 買い促進等のPOPなどが効果的である。

◎「B型、C型商品」その他の右上、及び左下 商品の数は、図表4を見ても分かるように、

AやDに比べて、商品の数が非常に少ない。

 そこで、その商品がどの型に近いかによって、

R. Vaughn による図表3の関与度の高低を大まか に推定することが出来、そのことによって、と るべきマーケティング・コミュニケーションの 手段を決めることが可能となる。

 たとえば、左上方にあるA型商品は関与度が 高く、店舗に来る前に商品をよく検討すること が多いので、マーケティング・コミュニケーショ ンの手段としては図表1の(a)(c)を主とし て適用すべきであろうし、右下方にあるD型商 品は関与度が低いので、前もって商品銘柄を検 討することが少ないため、マーケティング・コ ミュニケーション手段として主として図表1の

(b)(d)の採用が適していると考えられるの である。

4 無店舗販売商品の分類軸

 前節までは、店舗において販売されている商 品についての話である。それでは、無店舗販売 の場合はどうであろうか。これについては、詳 しくは別の機会に述べることにして、ここでは 商品の分類軸のアイデアだけを提示しておくに とどめる。図表5がそれである。

図表5 無店舗販売商品と店舗販売商品

 表頭の2分類は、ある商品の購入を思い立っ てから、その商品の銘柄を決定するまでの期間 が長いか、短いかである。その商品に対する思 い入れが強いようだと銘柄選定に慎重を期し、

長期間探索する。これは Vaughn の表でいえば関 与度が高い商品ということになる。家計調査で はA型商品に該当する。逆にその商品が銘柄な どにこだわることが少ないありふれた日用品等 であれば、銘柄の決定に時間をかけないであろ う。これは関与度が低い商品ということになり、

家計調査ではD型商品に相当する。

 表側の2分類は、その商品を発注してから入 手するまでの許容期間である。すぐ使いたい物 は1晩も待てないから店舗で購入するしかない。

しかし2晩以上待てる場合には、無店舗購入で もよいということになる。アスクルの広告に、重 いもの嵩張るものはアスクルで、というのが あった。以前には、日用品が通信販売されるこ とはほとんど無かったが、宅配便の普及により それが可能となったのである。

 この場合のマーケティング・コミュニケー

 出所;上原征彦教授の示唆に依拠

(7)

ションの手段は、主としてネット広告やDMや ときにはマス広告であり、さらにはプログ等に よる情報宣伝(図表6)なども想定されるため、

店舗販売の商品とは大いに異なる。この点につ いては稿を改めて書かねばならない。

図表6 ウエブ・コミュニケーションの位置付け

引用・参考文献

(1) 大槻博、2005「マーケティング・コミュニケーショ ン管理の戦略的枠組の提案」『経営・情報研究』No.

9、多摩大学研究紀要、p. 28

(2)

M.T. Copeland, 1927 Principles of Merchandising, Chicago: A. W. SHAW COMPANY. p. 27

(3) 荒川祐吉、1983『商学原理』中央経済社、昭和

58

年、p. 16

(4) 田島義博編著、1992『プロモーショナル・マーケ ティング』ビジネス社、p. 109

(5) 中尾佐助、1990『分類の発想―思考のルールをつ くる』朝日選書、朝日新聞社、pp. 329−

331

(6)

Richard.Vaughn, 1980 “How Advertising Works: A Planning Model”, Journal of Advertising Research, Vol.

20, No. 5, October p. 31.

(7)

Assael, Henry, 1981 Consumer Behavior and Marketing Action, 3

rd

ed., Kent, pp. 86− 91.

(8) 喜山荘一、2005「クチコミュニケーションVSウ エブコミュニケーション」(商業学会関東部会2005

10

30

日資料)㈱ドウ・ハウス

著者プロフィール 大槻  博

昭和35年京都大学教育学部卒、社会学・心理学専攻、

同年雪印乳業入社販売企画・市場調査課を担当、昭

45

年退社。

同年(財)流通経済研究所入所、主任研究員、研究 調査部長、常務理事を経る。

平成2年から多摩大学経営情報学部教授、現在同大 学院教授を兼任。

著書『店頭マーケティング』中央経済社、『店頭 マーケティングの実際』日経文庫、『大学教授法』 PHP出版。

論文「セールスプロモーション管理対象領域の分類 枠組」日本商業学会紀要、「デルファイ法と数量化 理論Ⅲ類による学問分類の作業仮説」多摩大学紀 要、「日用消費財メーカーにみるプロモーション戦 略の変化」日本マーケティング協会機関誌、「マー ケティング・コミュニケーション管理の戦略的枠組 の提案」『経営・情報研究』No. 9、多摩大学研究紀

研究ノート「しぐさ利き脳理論を応用した販売促進 に関わる調査」多摩大学紀要、「虚学と実学の差異」

流通経済研究所機関誌、「SPよもやま話」販促会 議。

出所;喜山荘一「クチコミュニケーションVSウエブコミュニケー ション」(8)(2005)

参照

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