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気泡一水相間の酸素の物質移動に関する研究

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(1)

気泡一水相間の酸素の物質移動に関する研究

樋ロ 敏三* 吉村 和昭** 朝木善次郎***近藤 良夫***

(昭和54年5月1.日受理)

Mass.Transfer of Oxygen between Gas Bubbles and Aqueous Solution

Binzo HiGucHi, Kazuaki YosHiMuRA, Zenjiro AsAKI and Yoshio KoNDo

(Received May 1, 1979)

 ln order to study the mass transfer of oxygen from air bubbles to the aqueous solution, the effects of bubble velocity, vB, equivalent $pherical diameter of bubble, ds, and bubble frequency, n, were examined.

 The experimental results are summarized as follows.

(1) As the frequency of rising gaS bubbles, n, increases, the liquid−film mass transfer coefficient of oxygen adjacent to the bubble, kL, decreases. However, the individual effect of vB, ds and n on kL was not very clear because of the mutual interactions among the factors.

(2) The Sherwood number obtained in this work at higher bubble frequency was lower than those obtained in the previous works on a single gas bubble.

(3) By applying a technique of multiple regression, the ma$s transfer coefficient was expressed as follows.

       kL=6.28vBLI.051dsl,525nrro,111

1.緒

 金属製錬の工程には多くの不均一系反応が採用されてい る。特に気液系の反応は乾式製錬における製鋼用または銅 製錬用転炉,あるいは湿式製錬における浄液,ガス還元の 工程など極めて広範囲に用いられている。

 これらの気晶系の反応は種種の物理的および化学的過程 が複雑に組み合わされたものであるため,反応の種類ある いは反応条件等によりその反応機構も種種異なっている。

気液反応操作によく採用される方法の一つとして融体もし くは水溶液中に設置したノズルから反応ガスを液体中に吹 き込む方法がある。このようにして吹き込まれたガスが液 体中を気泡として上昇する途上で溶質と反応する場合に は,気泡表面の気液界面で熱および物質の移動が起こり,

これが総括速度に大きい影響を与えることが考えられる。

したがってこのような気液反応の速度論的研究には液体中  *金属工学科

**京都大学工学部(現関東自動車㈱)

***椏s大学工学部

の気泡の挙動に関する知見が必要であると考えられる。

 Leibson(1)は水槽中に設置された垂直上向き単一ノズル から空気を噴出させ,発生する気泡の平均径とノズルにお ける空気流れに関するレイノルズ数との関係について検討 を加えている。また,只木等(2)〜(5)は密度および粘度の異 なる種種の液体中に垂直上向き単一ノズルを設置し,液体 中を上昇する気泡についてその形状,上昇経路,速度など を測定し,さらに気泡径分布等についても検討を加えてい

る。

 ・一・一方,気泡一液相間の物質移動に関しても幾つかの硫究 結果が報告されている。Hammerton等(6)は水中に直径4

〜6mmのエチレン,酸素および水素の単一気泡を上昇さ せ,液境膜物質移動係数を求め,次式で示される無次元式 を提出している。

Sh=O.11Re・Scl/3 (1)

またJohnson等(7)も水中に直径4〜20mmのエチレン,二 酸化炭素およびブタンの単一気泡を上昇させ,次の無次元 化式を提出している。

(2)

津:山高専紀要第17号(1979)

sh..1.13Rel/2−SC(一a:.2is{Iltr:2aEM4s ee.2d)

(2)

 これらの研究はいずれも単一気泡から水溶液への物質移 動に関するものであり,工業的に採用される発生頻度が高 い連続気泡あるいはジェット流からの物質移動に関する研 究は未だ不十分であると考えられる。

 そこで本研究においては単一気泡に近い低い発生頻度か ら連続気泡に至る高頻度までの空気気泡を水中に上昇さ せ,気泡中に含まれる酸素の水溶液中への物質移動速度を 測定し,さらにこれらの検討結果と従来の単一気泡に関す る研究結果との比較をも併せて行なうこととした。

2.実験装置および方法

2.1実験装置

本研究に使用した実験装置の概略図Fig.1に示す。

(7「

A   B C D E   F

@G

N M

園O OO

L K   I

@ H  J

   Fig.1 Experimental arrangements

(A) N2 gas bottle (B) Compressor

(C) Pressure controller (D) Air reservoir

(E) Flow meter (F) Electromagnetic valve

(G) Circuit controller (H) Reaction vessel

(1) Oxygen−meter electrode (J) Nozzle

(K) Thermometer (L) Thermostatic water bath

(M) Oxygen meter (N) Recorder

 実験開始前に試料溶液中の溶存酸素を除去するための高 純度N2ガスの供給にはボンベAを,実験中に試料溶液中 への空気の吹き込みにはコンプレッサBを使用した。

 コンプレッサから送り出された空気は圧力調整器C,蓄 気室D,流量計Eを経て,さらに気泡発生頻度を調整する ための電磁弁Fを経たのち反応槽H内に設置されたノズル

Jから気泡として水溶液中に送入される。

 Fi窟・2に示した反応槽は内径78 mm,高さ212 mm,

容量660mlの摺合せ蓋付き円筒型のガラスフラスコであ る。またその蓋にはノズル,温度計および整準酸素計電極 の挿入口がそれぞれ設けてあり,さらに蓋の壁面はそこに 到達した気泡が円滑に上昇を続けるように勾配60。に設計 されている。また気相と液相とが接触する水溶液表面積は

!ぱ11   璽Dl   6

oΦ 1

@1︒岩

ざ。

N9

ぐ一一一一一7 8 D

胴0 unit;m

Fig.2 Reaction vesse1 0・58cm2と極力小さくなるように設計されている。

d;O,44  0.75  0,80  0.92

d

6OD

D o⑩ oめN

32

un詮 mm  ●

Fig.3 Vertical nozzle

(3)

 Fig.3に示した気泡発生用ガラス製ノズルは気泡発生頻 度が低い場合に,実験中に水がノズル内に侵入するのを防 ぐため,毛細管部の長さを約100mmとした。また毛細管 部の内径が0・44,0・75,0・80およびO・92mmの4種類の

ものを使用した。

 2.2実験方法

 試料水溶液には脱イオン水に試薬特級の塩化カリウムを 1/1000Mの濃度になるよう添加したものを用いた。この水 溶液を実験中,すなわち気泡発生中には反応槽上部の円筒 形部分まで達するように注入し,反応槽L内で250Cに保持

した。実験はまず,反応槽内にN2ガスを吹き込むことに より,試料水溶液中の溶存酸素を除去し,次いでコンプレ ッサから所定流量の空気を吹き込むことにより行なった。

水溶液中の溶存酸素濃度はユニオン技研㈱製溶存酸素計に 記録計を接続することにより連続的に測定した。

 一方,反応国内を上昇する気泡をBolex H16 SBM 16mm シネカメラを用いて64コマ/sの速度で撮影した。このフィ ルムを方眼紙上に1コマ送りで投影することにより,気泡 の大きさ,上昇速度,反応槽中の滞留時間および上昇経路 を求めた。

3。実 験 結 果

3.1物質移動係数の算出

気泡中の酸素ガスが重液界面を経て水中に溶解する過程 は総括的に式(3)で示される。

02ご02 (3)

さらにこの過程は(1)気泡内部の気半国内の酸素ガスの物 質移動(2)唾液界面における酸素ガスの溶解および(3)こ の界面に接する液聖上内の溶存酸素の物質移動の三つの素 過程を経て進行すると考えられる。これらのうち気境膜物 質移動に関する抵抗は気泡内のガス還流によって一般に無 視しうる場合が多く(8),むしろ液脳膜内の物質移動が総括 速度に大きい影響を与えると考えられる。

 いま酸素ガスの溶解速度が液境膜内の物質移動によって 律速き.れそいると彼走渉ると,をの総括速度は次式によっ て示される。

    ・留≧・・砺(ceo2−Co2)  (・)

ここでleLは液境膜物質移動係数(cm/s), Vは水の体積

(cm3), Sは気泡の全表面積(cm2),θは時間(s), ceo 2は 溶存酸素の飽和濃度(mol/1), Co2は溶存酸素濃度(mol/1)

である。

 いまCO2fceo2−Xとし,θ=0のときX=0の初期条件の 下に式(4)を解くと次式が得られる。

    in (i−x) =一SfeLe (s)

 内径0・75mmのノズルを用いて気泡発生頻度nが1・9,

2.1,32.0および64.0(s『1)の実験条件で得られたln(1−X)

とθとの関係をFig.4に示した。この図に見られるように 両者の間にはいずれも良好な直線関係が認められる。すな わち水中への酸素ガスの溶解速度が射撃膜内の物質移動に よって律速されているという仮定の正当性を示していると 考えられる。またこの直線の勾配からSleLの値が求められ

る。

o

:︐一1.0

一2.0

     レ

つ愚鴨

 り壱イθ

   sソ

:9i   Sソ

 一一3,0

  0 IO 2.OXIO

      e (s)

Fig.4 Rate of oxygen dissolution (dN=O.075cm)

 さらに映写フィルムから観察された上昇気泡の形状は回 転楕円体であったのでその長径a(cm)および短径b(cm)を 測定するこどによって気泡一個当りの表面積s(cm2)を求 めることができる。さらに気泡発生頻度%(s−1)および気 泡の水中での滞留時間t(S)から反応槽内に滞留する気泡 の全表面積S(cm2)は次式で求められる。

S=nts (6)

これらの値から算出された軌の値を他の諸量とともに Table 1に併せて示した。

 3.2気泡の上昇速度と物質移動係数

 映写フィルムの投影により求められた気泡の水平方向速 度Vx(cm/s)および垂直方向速度vア(cm/s)の測定結果の 一例をFig・5に示した。

 この図より判るように,Vyは気泡発生後急速に上昇し,

ある程度上昇すると終端速度に達してそのまま反応槽上部 の蓋壁面に衝突するまで一定値を保ちつづける。またVxは 正弦波を描いていることが判るが,観察によってノズルか ら発生した気泡は水中をらせん状に上昇することが認めら

(4)

津山高専紀要第17号(1979)

Table 1 Experimental results

1234567890123

         11■⊥−占

Nozzle diameter  (cm)

O. 044 0. 044 0. 075 0. 075 0. 075 0. 075 0. 080 0. 080 0. 080 0. 080 0. 092 0. 092 0. 092

n

1

S

00910090707302012341404284

34  36  16 16

a

(cm)

O. 42 0. 55 0. 46 0. 47 0. 44 0. 51 0. 46

0.48

0. 48

0.48 0.41

0. 47 0. 77

b

(cm)

O. 36

0.39

0. 32

0.31

0. 33 0. 35 0. 32 0. 37 0. 29

0.38

0. 32

0.34

0. 53

 ︶占しS ︵

O. 64 0. 56 0. 64 0. 66 0. 64 0. 47

0.75

0. 66 0. 67 0. 61 0. 55 0. 52 0. 36

 kL

(cm/s)

2.50×10−2

4. 42 × 10−2 6. 02 ×10−2 3. 52 × 10+2 3. 40 ×10−2 3. 16 ×10−2 10. 03 ×lo−2

3.30×10−2

3. 56 ×10−2 1. 85 ×10−2 4.70×le−2

4. 62 × 10−2 4. 54 × 10−2

 VB

(cm fs)

32.1

35. 8

31.1 30.4 30.2

35. 2

26.8

30. 0

31.4

32. 2

28.7

29. 6 40. 5

ds

(cm)

O.399 0. 500 0. 415 0.416 0. 420 0.457 0.413 0. 439 0. 419 0. 445 0. 378 0. 423 0. 690

 20 達10so

タ_10

一一Q0

o o

o

o o

  oo  o

  o e,

 oo iOO

︒o O

o O o ocrooO Oo

Xlo−2 15.0

10.0

40

 30c.

E

v20

10 o

      o

o 一〇〇

 〇 .O   oO o

Oe  Oo o

o

o

O. 一一.一L O o oooo oo o    o

 o  O 5 10 15 20

       Height above the nozzLe 〈cm)

Fig.5 正R)rizontal and vertical velocities of rising    bubbles, vx and vy(dN=O.075cm, n==1.9s−1)

︵o︑Fにり︶ ﹂説

5.0

AOロ

o A

v

れた。したがって気泡の移動速度VB(cm/S)は次式で与え られることが判る。

vB := 1/vy2+vx2,max (7)

 このようにして得られたVBとkしとの関係をFig.6に示

した。

 いま単一気泡を想定すると,気泡の移動速度の増加に伴 い気泡の液面膜は薄くなり,kしが増加することが考えら れる。しかし,Fig.6から判るように,本実験結果におい てはVBの変化に伴う厩の顕著な傾向は認められなかっ

た。

0

20 30 40

        v, (cml$)

      Fig.6 kL vs. vB

 O:dN=O.044cm A:dN==O.075cm  ]:dN==O.080cm V:dN==O.092cm 3.3気泡表面積相当直径と物質移動係数

50

 上に述べた気泡の移動速度VBと気泡表面積相当直径ds

(cm)との関係をFig.7に示した。また,本実験における dsと軌との関係をFig.8に示した。

 Fig・7より判るように, dsの増大に伴いVBが増加する比 較的顕著な傾向が認められた。このことよりdsの増大とと もに気泡の上境膜は薄くなり,kしが増加することが考え られる。しかしdsとleLとの関係についてはdsとともにkしも 増加する,leLに極大値がある,あるいはleLはほとんど変 化しないなど従来研究者によって種種の結果が報告されて

(5)

︵ω︑Eど︒>

50

40

30   ノ

,,堰、

   o  /  A V ..

  /

it口/

t

20

 0.3 O.4 O.5 O.6 O.7

      ds (cm)

       Fig.7 vB vs. ds

  O:dN==O.044cm A:dN==O.075cm   Iコ:dN=0.080cm  ▽:d1》=0。092cm

Xlo−2 15.0

考えられる。したがって,気泡の移動速度が同一である場 合にはnの値が増加するに伴い,気泡の液に対する相対速 度は減少し,気泡の液境野が厚くなるためfeLが減少する

と考えられる。

 本実験におけるnとkしとの関係をFig。9に示した。同 図より判るように,nが5以下の場合には, kLはnの増加 に伴って急激に低下し,nが5以上になると,軌のそれ以 上の低下は緩かになる。

Xlo−2 15,0

10.0

g

v

10.0

s

5.0

A

 囚ロ▽叡  O

o

o

O.3 O.4 O.5 O.6

         ds 〈cm)

      Fig.8 kL vs. ds

 O:dN=O.044cm A:dN==o.e75cm  n:dN==o.080cm v:dN==o.092cm

v

O.7

いる(8)。一方,Fig・8から判るように,本研究の実験結果 からはdsの変化に伴うkしの顕著な傾向は認められなかっ

た。

 3.4気泡発生頻度と物質移動係数

 水溶液申を気泡が上昇する際には,気泡と液との摩擦に よって液は反応門内で還流を起こす。すなわち,気泡の発 生頻度n(s−1)が増加するに伴い,液の還流も激しくなると

5.0

A

  ﹁  ︸ 〜 ⁝ ㎜ 〜 ︸ ︸o︸ ︷ 才

 〜▽〜 〜 泊

▽硲

 O 10 20 30 40 50 60

         n (1/s)

       Ng.9 kL vs. n

 O:dN=O.044cm A:dN==o.075cm  U:dN=:O.080cm V:dN=O.092cm

一方,ノズル径dNの相違によるleLの変化はFig・6, Fig・

8およびFig.9のいずれにおいても明らかには認められなか

った。

4.考

 まず本研究結果と従来報告されている結果との比較を試 みることとする。

 Fig.10に示した直線1および2はそれぞれRanz・and Marshall(9)およびFr6ssling(10)による無次元式であり,

いずれも液滴と気体間の物質移動係数を示したものであり 両者の間には極めて良い一致が認められる。これらよりも 若干高い値を示す直線3はRowe(11)による無次元式であ

り,これは固体球の周りに水を流動させて得られたもので ある。これらの直線1および2と3との相違は球体の周り の流体が気体であ.るか液体であるかの相違によるものであ る。また直線4および5はそれぞれHammerton and

Garner(6)およびJohnson et al(7)によるものであり,水中 を気泡が上昇する場合の無次元式である。この場合には気

(6)

津山高専紀要第17号(1979)

泡表面がその周りを流動する流体に対して粘性力をほとん ど及ぼさないため液境膜厚さは液滴あるいは固体球の場合 と比較してかなり薄くなり,このためShが大きい値を示 すものと考えられる。

4.0

4. 5

oXo o

すなわち,式(8)の両辺の対数を取り,重回帰分析によっ て,A,α,βおよびγの値を求めて次式が得られた。

︵1︾002

3.0

2.0 3

1 N2

oo毛︒

0

1eL =6. 28vBFI・ 051 d, 1.525 n O,111 (9)

  1.0

  2.0 3.0 4.O

       tog Re〈一)

      Fig.10 log Sh vs. log Re

I Ranz−Marshall(9): Sh ==2+O.6Rel/2Scl/3 2 Fr6ssling(10): Sh ==2十〇.55Rel/2Scl/3

3Rowe(11): Sh=2十〇.79Rel/2Scl/3

4 Hammerton and Gamer(6): Sh==O.11ReSci/3 5 Johnscm, Besile and Hammerton(7):

         sh..1.13Rel/2Scl/2(wh.4s eo.2d)

O: this work

式(9)より βおよびnが増加すると耽が減少すること,ま たdsが増加するとkしも増加することが判る。

 一方,式(9)の右辺にVB, dsおよびnの値を代入するこ とにより求めたleLの計算値を実験により求めたleLの測定 値に対してプロットしてFig.11を得た。同図より判るよう

に,計算によるleLと実験によるkしとは多少バラツキが認 められるが,系統的な偏りは認められない。

︵ω︑Fご︾.冨り.醒

6.0

4.0

2.0

口△

     A

O o/A

▽♂

 一方,本研究結果は同図に○印で記入したとおりであ り,直線4および5と比較的良く一致していると考えられ る。しかし彼等の研究はいずれも水中に単一気泡を上昇さ せて行なわれたものであり,本研究は気泡発生頻度を種種 変化させて行なったものである。したがって本研究におけ るShの値は気泡の上昇に伴って生ずる反応槽内の溶液の 還流の効果を含んでいるため,彼等の研究のそれよりも若 干低い値を示したものと考えられる。

 以上述べたように,気泡の移動速度,気泡表面積相当直 径および気泡発生頻度などの因子は溶存酸素の液境膜物質 移動係数に何らかの影響を及ぼしていると考えられるが,

Fig.6,8,9および10より判るように,それぞれの因子の 効果は互いに交錯して物質移動係数に影響を及ぼしている と考えられる。そこで物質移動係数を次式で表わし,互い に交錯しているそれぞれの因子の効果を個個に知ることと した。

leL === AvBadsPnr (8)

  o   O 2.0 4.0 6.O

       kL・obs (cmls)

Figユ1 Comparison of calculated and observed k:L values     O:dN==O.044cm A:dN=O.075cm

    [1:dN==O.080cm V:dN=O.092cm

5.結

 本研究においては水溶液中に設置された上向きノズルか ら単一気泡に近い低い発生頻度から高頻度の連続気泡に至 るまでの空気気泡を水溶液中に上昇させ,酸素の水溶液中 への物質移動速度の測定を行ない検討を加えた。さらにこ れらの測定結果を従来の単一気泡に関する研究結果と比較

し検討を行なった。

 得られた結果を要約すると次のようになる。

 (1)気泡発生頻度の増加に伴って物質移動係数は減少し た。しかし,物質移動係数に何らかの影響を及ぼしている と考えられる気泡の移動速度,表面積相当直径および発生 頻度の因子の効果は互いに交錯しており,実験結果からこ れらそれぞれの因子の顕著な影響を見出すことはできなか

った。

 (2)従来報告されている単一気泡の研究結果と本研究結 果とを比較すると,気泡発生頻度の高い本研究結果の方が

(7)

若干低いシュミット数を示した。

 (3)それぞれの因子の影響を知るために重回帰分析を行 ない次式を得た。

kL ==6. 28 vB−1,051  d,1,525 n−O.111

(1) 1. Leibson, E.G. Holcomb, A.G. Cacoso and J.J.Jacomic;

 A. 1. Ch. E. Journ., vol.2 (1956), 296

(2)只木禎力;化学工学,vol.23(1959),181

(3)只木禎力;化学工学,vol.24(1960),603

(4)只木禎力,前田四郎;化学工学,vol. 25(1961),254

(5)只木禎力,前田四郎;化学工学,vol. 27(1963),147

(6) D, Hammerton and F. H. Gamer ; Trans. lnstn. Chem.

Engrs., vol. 32 (1954), 18

(7) A. 1. Johnson, F. Besik and A. E. Hamielec; Can. J.

Chem. Eng., vol. 47 (1969), 559

(8)日比野真一;最近の化学工学,(1969),89,化学工学 協会

(9) W. E. Ranz and W. R. Marshall ; Chem. Engng. Progr.,

 yol.48 (1952), 141

(10) N. Fr6ssling;Beitr. Geophys., vo;. 52 (1938), 170

(11) P. N.Rowe, K. T. Claxton and J.B.Leuis; Trans. lnstn.

 Chem. Engrs., vol. 43 (1965), T14

参照

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