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本校 における, これまでの研究 と, これからの研究について考 える

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Academic year: 2021

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(1)

本校 における, これまでの研究 と,

これからの研究について考 える

は じめに

今,21世紀 に入 り,私 たちを取 り巻 く社会 は大 きく転換 を図ろ うとしている そ して,特別 な教育 的ニーズや障害児 を取 り巻 く環境 な ども急速 に変化 している こう した変化 に適切 に対応す るため, 盲 ・聾 ・養護学校 の学習指導要領 は平成11年3月 に改訂 された ところである 学習指導要領では,完 全週五 日制 の下で,児童生徒 に, 自ら学 び 自ら考 える力 ,豊か な人間性 ,た くま しく生 きるための健 康や体力 な ど,「生 きる力」 を育成す る こ とをね らい とし,児童生徒 の障害 の重 度重複化 や社会 の変 化 を踏 まえ,一人 ひ と りの障害の状態等 に応 じた きめ細 かな指導 を一層充実す ることな どを基本方針

としてい る

そ して,障害の重度重複化や社会 の変化 に対応 して,指導 の一層の充実 を図るため盲 ・聾 ・養護学 校 では,個別の指導計画, 自立活動 ,総合 的 な学習の時 間の実施や,地域 における体験活動 ,交流活 動 の充実 な どについて,地域 や児童生徒等 の実態 に応 じた創 意工夫 した取 り組 みが求め られてい る

ところで,私 たちは,校 内の共 同研 究 として実践研 究 を行 い,その成果 を教育計画や実践 にフィー ドバ ック しなが ら教育課程 の改善 をすすめて きた。そ して,今 ,学習指導要領が改訂 され,21世紀 の 特殊教育のあ り方が答 申された時期 を とらえ,基礎基本 となる教育内容 を見直 し,指導形態等 の改善 の手がか りや方向性 を探 る, とい うサ ブテーマの もとアセスメ ン ト機能 をもった内容表の作成 に取 り 組 んだ。

この研 究 を,今後,特色 ある教育課程 の創造 に発展 させ てい くため に,そ して,新 たな発想 によ り 特色 ある学校 を創造 してい くため に,原点 に立 ち返 って,研 究のあゆみや,教育課程等 の特色 を,概 観 してみたい。

1

本校の研究のあゆみ

(1) 研 究テーマの あゆみ

昭和47年 「一人 ひ と りの力 を伸 ばす には養護 ・訓練 をどの ように計画 し,指導 した らよいか」

研究紀要第 1集 昭和49年 「一人 ひ と りの力 を伸 ばす には養護 ・訓練 をどの ように計画 し,指導 した らよいか」

研 究紀要第2集 昭和53年 「意欲的 な学習 を 目指 した精神薄弱児 の指導 は, どうあれば よいか」

〜教育課程 の改訂 を 目指 して欲求の発達 を探 る〜 研 究紀要第3集 昭和54年 「生活力 を伸 ばす ための合宿単元学習 は どの ように計画 し,指導 した らよいか」

研 究紀要第4集 昭和56年 「教育課程 の編成」〜教育課程編成 の手順 をさ ぐる〜 研 究紀要第 5集 昭和58

「指導法の研 究

〜 よ りよい授業 の創造 をめ ざ して〜 研 究紀要第 6集 昭和60年 「教育課程 の見直 しの方法 をさ ぐる」〜「数 と計算」 の学習 をとお して〜

研 究紀要第 7集 昭和62年 「一人 ひ と りの子 どもを見つめ た実践 と評価」

平成元年 「社会生活 を豊か にす るコ ミュニケーシ ョンの指導 その

1

平成3

「社会生活 を豊か にす る コ ミュニケーシ ョンの指導 その

2」

平成 5年 「"自らが生活 を充実 させ ようとす る"教育 を求めて」

平成 7

「自立 を支 える指導法の研 究」

〜 自ら考 えて行動す る子 どもを育 てる授業 のあ り方 を探 る〜

平成9年 「子 どもの内面 に焦点 を当てた評価 のあ り方 と授業改善

一人 ひ と りが主体 的 に取 り組 め る授業 をめ ざ して〜

その1:診断的評価 か ら目標設定 を考 える

平成11

「子 どもの内面 に焦点 を当てた評価 のあ り方 と授業改善」

一人 ひ と りが主体 的 に取 り組 める授業 をめ ざ して〜

その2:形成的評価 か ら授業改善の方法 を考 える 平成13年 「教育課程 の再編成」

研 究紀要第8集 研 究紀要第9集 研 究紀要第10集 研 究紀要第11集 研 究紀要第12集

研 究紀要第13集

研 究紀要第14集

(2)

〜アセスメン ト機能 をもった内容表試案 を作成 し, 指導形態等の改善の手がか りを探 る 研究紀要第

15集

( 2 ) 主な研究内容のあゆみ

本校では昭和

5

6年 に教育課程 を編成 した。その後昭和

60

年 に教育課程の見直 しの方法 をさぐる研究 に取 り組 んだ。 さらに,それ以後,社会の動向や障害児教育の理念の変化 などを先見的 にキャッチ し ようと努め,次の ようなキーワー ドを含 む研究 に取 り組 んで きた。そのキーワー ドとは主 に次の よう なものである

" 一人ひとりの子 どもを見つめ る"" 社会生活 を豊かにす る""自らが生活 を充実 させ ようとす る"

"自立 を支 える' '"自ら考 えて行動す る"" 子 どもの内面 に焦点 をあてる' ‥̀ 主体的 に取 り組 む"" 諺 断的評価""目標設定"" 形成的評価' '" 授業改善"など

昭和6 2年度〜昭和6 3年度

「 一人ひとりの子 どもを見つめた実践 と評価」の研 究 にとり組み,改めて " 一人 ひ とりの子 ど もを見つめる" ことの必要性 を説 くようになる

○ 平成元年度〜平成

3

年度

「 社会生活 を豊かにす るコミュニケーシ ョンの指導 その

1

,その

2」

の継続研究 を行 った。

コミュニケーシ ョン指導内容の指導の順序 と範囲を示 した 「コミュニケーシ ョン指導内容表」 の 作成 と,その指導内容の基本的指導方法 を示 した 「コミュニケーシ ョン指導 プログラム」 の作成

をし,実践事例研究 を行 った。

コミュニケーシ ョンの研究では,気持 ちの通 じ合いの大切 さや,子 どもの意図 を読み とること の大切 さを知 ることがで きた。 また,子 どもの意識の流れに沿 った授業の展開を考 えること,千

どもと教師 との意図の交流や調整 を図 りなが ら授業 を展開す ることの大切 さにも気づ くことがで きた。 この時期 は子 どもの気持 ちや意識等の内面 を重要視す る指導のあ り方へ と大 きく転換 した 時期で もある。

平成

3

年度〜平成

5

年度

O 「 QOL J 「ノーマ ライゼーシ ョン 」 「自立 」 な どをキーワー ドとし,"自らが生活 を充実 させ よ うとする"や "自ら考 えて行動する' 'など,子 どもの 自立 を願 って,子 どもに主体性 を求める研 究 を行 った。

平成

5

年度〜平成

7

年鹿

本研究では,能力論的な視点だけではな く, 自分の意志や意欲 ・自主性 といった観点か ら自立 をとらえ, 自分で考 えて行動す る子供 を育てるための指導法 について研究 した。指導仮説 を授業 実践 によって検証 しなが ら,①授業の組み立て方,( 参効果的な活動の させ方や手だて ・教師の働

きかけなどを明 らかにする研究 にとり組 んだ。

○ 平成

9

年度〜平成

11

年度

" 子 どもの内面 に焦点 を当てた評価 のあ り方"の研 究 に取 り組み,知識や技能面の評価 と同様, 情意面,態度面の評価の重要性 を説 き,その ような視点か ら,評価のあ り方 を求める研究 に取 り 組 んだ。 また, このころは,診断的評価や形成的評価 を授業 にフィー ドバ ックすることをとお し

て,一人ひとりが主体的に取 り組める授業 をめざし,授業改善 を図ろうとした時期で もある

平成

11

年度〜平成

13

年度

教育課程の再編成の研究 に取 り組み,基礎基本 となる中核 的内容 を求め "アセスメン ト機能 を もった内容表試案作成' 'の研究 に取 り組 んだ。

この ように,本校 は,その時代 のニーズに応 じて適時性のあるテーマによる実践研究 を手がけ,一 人 ひとりの子 どもの内面や発達 に迫 り, 授業改善の研究 を重ね,その時々の成果 を地域へ発信 して きた。

2

本校の教育課程の特色

教育課程の編成 に当たっては,学校教育法並 びに国立学校設置法等の関係法令及び学習指導要領の 示す ところに従い,かつ,長崎大学教育学部附属の学校である使命 も考慮 に入れ, さらに特色あるも のにす るために創意工夫 をしている

(1)

子 ども観について

① 子 どもたちは,発達 し続 ける存在である

子 どもは,知的にも身体的にも情緒的にも変化 してい く。 この変化の源 に欲求がある ととらえる。

(3)

子 どもたち自身,変化 したい とい う欲求 をもっている し, より高い次元 と思われる欲求‑ と変化 させ てい くことが教育であろう

私たちは, この欲求の変化 を発達 ととらえ,すべての子 どもたちは発達する可能性 をもっていると とらえている。

② 子 どもたちは,一人ひ とりもが う存在 である

子 どもたちはそれぞれに特別 な教育的ニーズ をもっている

障害の種類,程度のちがい と共 に一人 ひとりに特性がある

一人ひ とりに応 じた適切 な教育 を行い,一人ひとりの長所や もっている力 を最 大限に伸 ば し,社会 自立や社会参加 をす るための力 を培 ってい く

(2)

内容 について

① 小学部 ・中学部 ・高等部の一貫 した教育課程

小学部 ・中学部 ・高等部の1

2

カ年の一貫教育 をとお して,一人ひとりの個性 を尊重 しなが ら社会参 加 ・社会 自立 をめ ざす。そのために,小学部では 「 意欲づ くり」,中学部では 「 基盤づ くり」高等部 では 「 適応づ くり 」 を教育課程の柱 として位置付 け, これを‑貢教育の理念 として,教育課程 を編成

している

( 参 経験 による教育の重視

子 どもたちは実際の行動 を離れて思考 した り,学習 したことを他の場面で応用 した りするのが困難 である

したがって,生活その もの を学 んだ り,で きるだけ具体的な生活経験 をとお して学習するよ うに している

すなわち生活主義及 び経験主義 による教育 を基本 に して教育課程 を編成 している

( 彰 教育課程の二重構造上の特色

知的発達の遅れに伴 う心理的特性や学習上の特性 に応 じるため,教育課程上の工夫 をしている

本校では,教育 目標の具体化 として とらえられる教育内容 を分野 ごとに組織 しているところに特徴 がある

さらに,その内容 を,学習指導要領で示す教科領域等 と関連 させ,知的障害児が取 り組みや すい よう組織化 し,再編成 している

これを指導形態 とよび,その指導形態 ごとに,指導内容 も再編 成 している。 この ように して教育課程 を構造化 した ものを,教育課程の二重構造 とよんでいる

本校 では子 どもたちの発達 を願 った特色ある教育 目標 を目指 して,教育課程 を編成 している

( 3) 方法について

① 調和的発達 を意図 した教育課程

発達段階や特性等 を十分考慮 し,なおかつ,豊かな人間性や社会性 を育成するため,そ して,人間と して調和の とれた発達 を図る とい う観点か ら,特色ある指導形態 を設定 し,教育課程 を編成 している

( 参 集E Z l のなかで,個 に応 じた指導 を充実 させる教育課程

子 どもたちはお互いの関わ り合いのなかで欲求 を変化 させ,発達 してい く

集団のなかで個の意識 を刺激 し,個の長所 を集団にフィー ドバ ックして集団の意識 を高めなが ら,集団づ くりを行 ってい く

仲間に学 び,仲間に教 え,仲間に励 まされ,仲間を助 けて,仲間 と共 に育 ってい くことか ら,集団に よる教育 を中心 に据 え, しか も,障害の状態,能力,特性,興味 ・関心や性格 などに着 目して個 に応 じた指導 を充実 させ るような教育課程 を編成 している

3

本校の指導方法の特色

(1)

生 きる力が身に付 くよ う,体験的な学習を大切 にする。

生活その もの (くらし,たの しみ, しごと,けんこう等) を学習する

具体的な操作や生活経験 をとお して学習す る。

(2)

形成的評価 を大切 に した授業 を仕組む。

授業の中で,評価 を繰 り返 し行 い,それを子 どもたちにフィー ドバ ックし,一人ひとりがわ かる授業 を目指す。

形成的評価 は,教師 自身の評価 で もある。子 どもか らの発信 を謙虚 に受け止め,子 どもに学 ぶ姿勢 をもって,授業 にフィー ドバ ックする

(3)

子 どもたちの内面 を読み取 る感性 を発揮 して授業 をする

内面 を読み取 った うえで,子 どもと教師 との意図の調整 を図った授業 を展開す る。

(4)

子 どもを中心 に据 えた指導であ り,教師の授業への意図を, きちん と子 どもに伝 える授業 を する。

(4)

それぞれの発達段階に応 じた, 自己理解, 自己選択, 自己決定の学習を重視する

社会 自立,社会参加のためには, 自分 を知 って,周 りの人たちとの関係 をつ くることが大切 である

日常的 に, 自己選択, 自己決定の経験 を適切 に仕組み,習慣化 を図ることが大切である。そ の定着が,子 どもたちの豊かな生活 に通 じる ものである。

(5)

テ ィームテ ィーチングによ り,一人ひ とりの教育的ニーズに応 じた指導 を している。

学級 は,担任の主体性 と副担任の 自発性 によるティームティーチ ングによって, ダイナ ミッ クに機能す る

授業 は主担 当が リーダー とな り,主体的に, しか も,責任 をもって行 う。サブは,主担当の 意 を くみ取 った動 きを臨機応変 に行 う

この ような,テ ィームティーチ ングの技量が,子 ども の指導 にフィー ドバ ックされている

これは,個別の課題 に基づ く個別の指導計画が,全職月 で共通理解 されているとい う背景があるか らである。一人ひとりの子 どもの特別なニーズ を, 全職月が理解 して,学校教育活動全体 の なかで,全点 で子 どもを育 てる とい う,全員 による

テ ィームティーチ ングも有効 に機能 している

4 今後の取 り組みの課題

研究的視点か ら,本校が取 り組 むべ き課題 を考 えてみたい。

(1)

第三者 にも分 かりやすい研究を追求する。

私たちが,研究 によって培 った専 門性や,実践の積み重ねによって身に付 けた力量 を,保護者や地 域の学校や多 くの人々に活用 して もらいたい。個人の力量の高 ま りにとどめてお くのではな く, また, 公開研究発表会や研究紀要だけでな く,いろいろなス タイルで研究情報 を提供で きるよう努力 を した い。地域の特殊教育のセ ンター的役割 を果たす方法 を, さらに開拓するとともに,研究 をス リム化す るな どして研究内容 をわか りやす くする事 も必要である。

(2)

医療 ・福祉 ・労働等 との連携による研究

教育は,医療 ・福祉 ・労働等 との連携 を常態化 させ,子 どもを多面的に理解 し,そのニーズ を見極 め対応 したい ものである

学校 は,子 どもの育ちを トータルで診断 し,個々の可能性 を十分 に引 き出 すため,教育の力 だけでは不十分 な分野 に気づ き,あるいは,教師の特性 をさらに発展 させ るために も,学校外 に,研究のパー トナーを求めたい。 これか らは,開かれた学校であるためにも,教師一人 ひとりが,教育 に必要 な様々な資源 を求めて,ネ ッ トワークを広 げてい きたい。

( 3) 大学 との連携 による専門性の一層の向上

地域への貢献や地域のセ ンター的役割 を果たすためには,附属 だけの単独の力 より大学 との研究の 協力 をもってす る方がはるかに地域への貢献度は高い。附属 は大学の知見 を活用 し,大学 は附属の実 践か ら研究 を深め られるとよい。今 は単独 の知恵の時代 ではな く知恵の複合化の時代である。ネ ッ ト

ワークを拡大 してい くことにより,児童生徒一人ひとりのニーズが より明確 にな り専門的対応 を一層 充実 させ るように したい。

(4)

保護者 との研究的かかわり

これ まで,本校 では,保護者のニーズ を知 り,それを指導や教育 に生かすために,担任や学校 は, 様 々な形で努力 をして きた。 しか し,保護者か ら得 られた,子 どもの変容や学級 ・学校への願い,発 達段階 に応 じた育て方,進路や卒業後のことなどの情報が,客観的資料 として連続 した ものがない。

これか らは,保護者の子育ての考 え方,基本的生活習慣 の定着の させ方など,保護者の子育ての専 門 性,卒業生か らの発信 などをもっと研究 に取 り込み,個人別の客観的資料 を整 えることで,一貫性の

ある指導の充実 を図 りたい。

教頭 青木 瑞恵

参照

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