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ヘ キ サ メ チ ル ジ シ リル ス ル フ ィ ドの 合 成 森 下 浩 史

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Academic year: 2021

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長 崎 大学 教 育 学 部 自然 科 学 研究 報 告 第32号59〜61(1981)

ヘ キ サ メ チ ル ジ シ リル ス ル フ ィ ドの 合 成

長 崎大 学 教 育 学 部 化 学教 室 (昭 和55年10月31日 受 理)

The Synthesis of Hexamethyldisilylsulphide

Hirofumi MORISHITA

Department of Chemistry , Faculty of Education, Nagasaki University, Nagasaki 852

(Received October 31, 1980)

Abstract

Hexamethyldisilylchalcogenides were prepared in order to study their structures.

He xamethyldisilo xane C (CH3)3 SiOSi ( CH, )3) , he xamethyld isilylselenide C ( CH, )3 SiSeSi- ( CH3)3) and hexamethyldisilyltelluride C ( CH, )3SiTeSi (CH3)3) were synthesized in accordance with the literaturesi'2) which had already been reported. Hexamethyl- disilylsulphide C ( CH, )3SiSSi (CH3)3 J was prepared by Burger 's1) modified method , and the product was obtained in a high yield.

1緒

SiX,‑y‑SiX、(X‑C1,H,Me;Y‑O,S,Se,Te)タ イ プ 分 子 の 構 造 の 研 究 の 一 環 と し て, 今 回 は ヘ キ サ メ チ ル ジ シ リル カ ル コ ゲ ナ イ ドを 合 成 し た の で 報 告 す る 。 ヘ キ サ メ チ ル ジ シ ロ キ

サ ン 〔(CH、)、SiOSi(CH、)、 〕 の 合 成 に つ い て は 多 数 の 報 告3‑7)が な さ れ て い る が,ト リ メ チ ル ク ロ ル シ ラ ン の 加 水 分 解 に よ っ て 容 易 に 得 る こ と が で き た 。 そ の 反 応 式 を 下 に 示 す 。

(CH3)3SiC1十H20‑→(CH3)3SiOH十HC1 2(C]ヨ 【3)3SiOH‑(CH,)、SiOSi(CH,)3十H20

ヘ キ サ メ チ ル ジ シ リル セ レ ナ イ ド 〔(CH、)3SiSeSi(CH3)3)お よ び ヘ キ サ メ チ ル ジ シ リル テ ル ラ イ ド 〔(CH、)、SiTeSi(CH、)、 〕 の 合 成 はBUrgerら の 方 法1)に 従 っ て,ト リ メ チ ル ク ロ ル シ ラ ン に リ チ ウ ム セ レ ナ イ ド又 は リ チ ウ ム テ ル ラ イ ドと の 反 応 に よ り合 成 し た 。 そ の 反 応 式 を 下 に 示 す 。

2(CH,)、SiC1十Li2X‑→(CH3)3SiXSi(CH3)3十2LiC1(X=Se,Te)

ヘ キ サ メ チ ル ジ シ リル ス ル フ ィ ド 〔(CH、)3SiSSi(CH,),〕 の 合 成 は す で に 報 告8)さ れ て い る 。 しか し,こ の 方 法 よ り も,上 に 述 べ たBttrgerら の 方 法 をmodifyし て 適 用 す る こ と に

(2)

60

森下浩史

より,簡単にしかも高収率で目的物を合成することができた。そこで,特にこのヘキサメチル ジシリルスルフィドの合成法について報告する。

2 実

2−1 リチウムスルフィド(Li,S)の合成

 リチウムスルフィドの合成の反応式は2Li+S→Li,Sで示される。この合成の実験装置を Fig.1に示した。冷却器と回転式試験管のついた三ツロの丸底フラスコに,細かく削った金 属リチウムを3.8g(O.55モル)とった。リチウムは空気中で

ただちに酸化されるので,窒素雰囲気下で取り扱わねばなら ない。冷媒としてアセトンードライァイス(一78℃)を用 い,その反応フラスコヘ液体アンモニァを約50m1集めた。

約1時間撹伴することによって,リチウムを完全にアンモニ アヘ溶かした。その時,フラスコ中の溶液の色は深青色より 黄金色になった。ジョイント部を回転させることによって,

固体の物質が反応フラスコ中へ滑り落ちるように作られた回 転式試験管に,硫黄*1)粉末8.Og(O.25モル)をあらかじめ 入れておいた。硫黄とリチウムのアンモニァ溶液との反応は 激しいために,約1時間かけて麗拝しながら少量ずつ硫黄を 加えた。リチウムスルフィドの白色沈澱が生成した。さらに

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1時間撹伴を続けた。その後アンモニアを除去し,白色固体のリチウムスルフィドを約11.4g

(0.25モル)得ることができた。この物質は空気により分解されるので窒素雰囲気下に保っ

た。

2−2 ヘキサメチルジシリルスルフィド〔(cH3)、sissi(cH3)、〕の合成

 ヘキサメチルジシリルスルフィドの合成の反応式は2(CH3)3SiC1+Li,S→(CH、)3SiSSi一

(CH、)、+2LiC1で示される。この合成の実験装置をFig.2に示した。冷却器と滴下ロ ートのついた三ツロの丸底フラスコに,リチウムスルフィド11.49をとり,無水のベンゼン 200m1を加えた。滴下ロートに54g(0.5モル)のトリメチルクロルシランと60m1の無水の

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Fig.3AdistillationapParatus

(3)

ヘキサメチルジシリルスルフィドの合成 61

ベンゼンをあらかじめ入れておいた。トリメチルクロルシランは加水分解するので窒素雰囲気 下で取り扱わなければならない。リチウムスルフィドのベンゼン溶液を激しく撹拝しながら,

トリメチルクロルシランのベンゼン溶液を2時問かけて滴下した。反応フラスコ中では激しい 反応が起り*2)白色沈澱を生成した。その後,反応容器を80℃に保ち撹伴しながら還流を24 時間行なった。この合成物質は加水分解するので,それを防ぐために蒸留の場合にも窒素雰囲 気で行なった(Fig.3)。流出温度155℃から165℃の留分として30g(o.17モル)のヘキ サメチルジシリルスルフィドが得られた。ただちにこの無色の液体を減圧蒸留により試料管に とり,分解を防ぐために封管した。

*1)硫黄は二硫化炭素溶液からの再結晶により得られたものを用いた。

*2)反応の激しさに応じて,反応フラスコを冷却する必要がある。

3 む す び

 ヘキサメチルジシリルスフィドの合成はBUrgerらの方法をmodifyして,簡単にしかも 高収率で合成できることがわかった。プロトンNMRスペクトルに於て9.667(ppm)にシン グレットバンドが観測され,ラマンスペクトルの(ρ)435αガ1,赤外線吸収スペクトルの 495㎝一1に骨伸縮振動(〃Si−s−Si)のバンドがそれぞれ観測されたことにより,ヘキサメチ ルジシリルスルフィドの確認がなされた。なお,ヘキサメチルジシリルカルコゲナイドのスペ クトルおよび分子構造の詳細については別に報告9)する。

 本研究に有益な御指示をいただきました本学部浜田圭之助教授に深甚なる感謝の意を表わ し,また,NMRスペクトルの測定に協力していただいた薬学部稲田勝博技官に謝意を表わし

ます。

References

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参照

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