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母語(日本語)の影響について

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(1)

中国語受動文の学習過程における 母語(日本語)の影響について

︑イ︐

富 榮

      はじめに

 ここ数年、中国は目覚しい経済発展を遂げている。地域による貧富の差がまだ残っている ものの、全体的には大きな進歩を見せている。中国の経済力の増大とともに、経済交流など の面における中国語の需要も拡大されつつある。こうしたことを背景に、第2言語としての 中国語を勉強する学習者が増えつつある。最近日本文部省の調査によると、中国語を学習し たい大学生は、全体の約60%を占めており、英語に次いでの第2位となっている。

 要するに、第2言語としての中国語の教育は、ますます重要視されつつある。最近、中国 語学科がおおくの大学で設定されているのも、こうした時代の要求に応ずるものと見なされ

よう。これに伴って、第2言語としての中国語教育に関する研究もおおく現れてきた。これ は実に喜ばしいことである。しかし、第2言語としての中国語をいかに教育すればよいか、

中国語の特徴はどこにあるか、中国語発音の声調をいかにして早く身につけることができる か、などのような研究は比較的おおくなされているものの、学習者の直面している中国語の 学習問題点を検討するものはきわめて少ない。とくに中国語の学習過程における母語の影響 を検討するものはあまり見当たらない。第2言語としての中国語の教育現場にとっては、こ のような研究がきわめて重要であり、早急に行うべき研究課題である。なぜならば、母語が 第2言語の学習に影響を及ぼすものと認めるならば、母語が異なると、中国語の学習問題点

も異なってくるからである。こうした中国語の学習問題点を提示することは、教育現場の教 育者に対して、学習者の抱えている学習問題点の発見を手助けすることができるだけでなく、

教材作成のための指針を与えることもできるからである。

 ところで、なぜ本論は他の視点ではなく、第2言語としての中国語学習における母語の影 響にこだわるのであろうか。それは、学習者が成人であれば、中国語のみでなく、いかなる 第2言語の学習にも母語の影響がかならず存在すると考えているからである。その原因及び その理論的根拠は以下である。

 ①人類のすべての学習活動に「最小努力原理」が働いている。おおくの研究によって明    らかにされたことであるが、人間は外界を認知するとき、あるいは問題解決を行うと    き、意識的にまたは意識せずに、自分の所有しているあらゆる情報を利用しようとす    る。つまり、最小の努力をして、最大の効果を求めようとする傾向が人間のあらゆる

(2)

  学習活動に存在している。これがすなわち「最小努力原理」である。ゆえに、成人が   第2言語を学習するときも例外ではない。彼らが自分の持っている言語情報(母語に   関する情報知識)を意識的に、あるいは無意識的に利用しようとすると思われる。

②ピアジェの認知発達研究によると、人間は認知活動を行うとき、認知発達の不十分さ   から制約を受けるのである。つまり、ある対象に対する認知量が不十分なため、ある   いは認知発達がまだ未熟しているため、その対象に対して正確的なおかつ客観的に認   知することはできないのである。子どもの認知発達過程に現れている自己中心性がそ   の典型的な例である。従って、成人は第2言語が自然であるか否かを判断するとき、

  その第2言語に対する知識が不十分であるため、母語の知識体系から制約を受けざる   を得ないと考えている。

③学習課題を遂行するとき、よく「構え」という概念が聞かれる。それは、学習者が一   定の学習手段を用いて長期的にある学習課題を解きつづけると、その学習手段が定型   化されてしまい、その定型化された学習手段がより効率的な新しい学習手段の発見を   妨害しがちであることを言っている。第2言語を学習する際、一番効率的な学習手段   は、おそらく脳裏の知識との抽象的な結合ではなく、言語の使われているその場、そ   の場との具体的な結合であろう。子どもの母語の学習は常に具体的な場面との連合に   よって行われている。たとえば、お母さんは通常「これは「リンゴ」だよ」とリンゴ   を指差しながら、子どもに「リンゴ」という単語を教える。子どももリンゴを見なが   ら、「ああ、これはリンゴなんだ」というようにその場のリンゴという実物と連合し   ながら「リンゴ」という単語を学習する。しかし、子どもと違って成人のほうは、本   を使っての学習によって脳裏の知識との連合で学習を行う手段が、学校の勉強生活を   通じて長年定着されてしまうのである。それはかえって具体的な場面との連合を妨げ   てしまう。ゆえに、日本に来てから、そして日本人の先生から日本語を教わっている   にもかからわらず、中国人の日本語学習者は、「お手洗いはどこですか」とは言わず、

  「お手洗いはどこにありますか」と言う人が多いという。かれらの耳にインプットさ   れている日本語は、きっと「お手洗いはどこですか」のはずなのに、彼らから産出さ   れた日本語は、それではなく、母語から翻訳された「お手洗いはどこにありますか」

  になってしまう。この事実は、第2言語の使われている環境に身をおきながらも、成   人は、場面との連合ではなく、脳裏の知識と連合して第2言語を学習していることを   物語っている。

④従来の知覚研究によって明らかにされたことであるが、人間は、外界の刺激を知覚す   るとき、その刺激をありのままに知覚するのではなく、できるだけまとまるものとし   て知覚する傾向をもっている。これは知覚の「体制化」という。また人間には、新し   い情報を記憶する際、その新しい情報を独立して記憶するのではなく、すでに記憶装   置に貯蔵されている知識体系のどこかに体系化して記憶する傾向があることも記憶の   研究から示唆されている。このことは、第2言語の知識を記憶するときにも言えるこ

(3)

   とである。たとえば、中国人の成人した日本語の学習者は、日本語の受身文を学習す    るとき、日本語の受身文を中国語の受身文と切り替えて覚えようとする傾向が薦    (1993)の研究から見られた。

 以上の理由より、成人した学習者は、第2言語を学習するとき、自分の所有している母語 から影響を受けることが判断できる。ところで、母語の影響は、第2言語の文法学習のみで なく、発音などの面においても存在することがよく指摘されている。しかし、本論は、発音 ではなく、受身表現という文法の学習に焦点を絞る予定である。それは第2言語としての中 国語の学習にとって一番大事なことは、構文順序の学習であると考えているからである。も ちろん、日本人にとって発音も難しいことは難しいであるが、しかし、学習期間が長くなる につれて、中国語の発音を次第に把握できるようになる。ところで、中国語の構文順序は、

長期間第2言語としての中国語学習者を悩ましている問題である。というのは、中国語には 格助詞などもなく、尊敬語や謙譲語などもほとんどなく、また動詞の時勢の変化もないのに 対し、同じ言葉の並び方によって意味がまったく違ってしまうからである。たとえば、 和他不去 は「私と彼は行かない」という意味であるが、否定を表わす の位置だけを 変えて 我不和他去 となると、「私は、彼と一緒には行かない」という意味になってしま う。この構文順序こそ第2言語としての中国語学習者の大きな学習問題点だと思われる。受 身文を選んだのは、日本人にとって母語と対照しやすいので、母語から影響を受けやすいだ ろうと予想し、しかも受身表現は構文文法の一大部分を成しているので、非常に検討する価 値のあるものだと判断したからである。

 よって、本論は、第2言語とする中国語受身文の学習における母語(日本語)の影響を検 討することにした。この研究によって、中国語受身文の学習における母語の影響が原因で日 本人におこりうる問題点が明らかにされればと期待している。

       本研究の目的 本論の目的は、主として4つ挙げられる。

①日本人が中国語の受身表現を学習する際、日本語の受身表現に関する知識から影響を   受けるか否か。

②母語から影響を受けるのであれば、その母語の影響には、いかなるものがあろうか。

  すなわち、日本語の受身表現に関する知識が日本人の中国語受身表現の学習を促進す   るのであろうか、それとも干渉するのであろうか。あるいは促進的影響と干渉的影響   の両方が存在するのであろうか。

③日本人は、中国語の受身表現のどの部分の学習に母語から促進的影響を受けるか、ど   の部分の学習に干渉的影響を受けるのであろうか。

④中国語の受身表現を学習するとき、日本人の抱えている問題点は何であるか。その原   因はどこにあるか。

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      仮説 本論では、以下の仮説が立てられた。

仮説①:日本人が中国語の受身表現の自然さを評定するとき、母語である日本語と共通す     る部分おいては、中国人と類似する傾向が見られるが、日本語と相違する部分に     おいては、中国人と相違する傾向が見られる。

仮説②:日本語と共通部分の中国語の学習は日本人にとって比較的容易であるため、学習     エラーは少ない。一方、日本語と相違部分の中国語の学習は日本人にとって比較     的困難であるため、学習エラーはおおく現れる。

       研究の方法

 本研究では、質問紙による調査法を取ることにした。質問紙は、36項目の中国語の短文か ら構成されている(添付された質問紙を参照)。36項目の内、受身表現でない文もあるが、

それは日本語と中国語の受身表現の違いを出すために設けられたものである。たとえば、項 目の32番と34番はみな受身表現ではないが、どちらも受身表現を使うか否かという日本語と 中国語の違いを検討するためのものである。被験者は、36項目の中国語がそれぞれ自然であ るか否かという評定課題が出された。評定方法は、 非常に自然である;比較的自然である;

あまり自然でない;たいへん不自然である の4段階に分けられた。得点は1から4までで あり、点数が低いほど自然であることを意味している。36項目の内、日本語の受身文と中国 語の受身文が対応している文(日本語と中国語の両言語とも自然である文、または両言語と も不自然である文)は8項目あり、対応していない文(同じ意味を表わすとき、中国語では 受身表現となるが、日本語では能動表現となる。あるいはその逆である)は28項目ある。

 調査の対象は、中国で中国語を学習している日本人の成人学習者と中国のある大学の大学 生である。日本人は3つのグループ(グループ1・グループ2とグループ3)に分けられた。

グループ1:24人であり、平均年齢26歳、中国語の学習歴平均9ヶ月、中国での在住期間平  均7ヶ月である。

グループ2:25人であり、平均年齢32歳、中国語の学習歴平均1年4ヶ月、中国での在住期  間平均1年4ヶ月である。

グループ3:28人であり、平均年齢28歳、中国語の学習歴平均2年8ヶ月、中国での在住期  間平均2年1ヶ月である。

グループ中:中国のある国立大学の63人の大学生から構成されている。

 調査は、日本人は個別に実施し、中国人は集団で実施された。以下、日本人のグループ1、

グループ2とグループ3はそれぞれG1、 G2とG3と略称され、中国人の大学生グループ中は G中と略称される。

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      結果と考察  調査の結果をTable 1に示す(Table 1を参照)。

 調査の結果を検討しやすくするために、質問項目を4つのカテゴリーに分けられ、それぞ れCJ・cj・JcとCjと表記される。 CJは両言語とも自然な項目であり、cjは両言語とも不自 然な項目である。そしてJcは日本語としては自然であるが、中国語としては不自然な項目 である。CjはJcの逆である。それから、 CJ、 cj、 JcとCjの順で質問項目を並べなおした。

質問項目の左の番号は、調査時の質問紙における質問項目の元の番号である。

Table 1 各質問項目における各グループの評定平均値

1.昨天我被老帰批t平了。

2.礼物里辺添了一封信。

4.姫的意児被上司采納了。

9.王先生被南升大学任命力文学部学部長。

15.辻部屯影受到了大家的好評。

32.剰的阪我都吃了 34.姓受到了大家的称騎。

16.迭部屯影被大家好i平了。

3.礼物里辺被添了一封信。

5我被老帰経経地拍了一下肩膀。

8.送本1]被出版了。

1L我感劫干那主人公了。

12.那Al小愉被附近的人捉了。

14.那介小愉附近的人捉了。

18.那介行李被小送了。

20.那張画几被墨水腔了。

2L那張画几用墨水脱了。

23.包草毒的紙染虹了。

25我被虫子咬了月金。

28.刊架中同的木板力刊弩了。

30.他伯的元理要求被我伯已経拒絶了。

33.姓被大家称賛了。

36.姓的FII包被人没愉走。

6.我的肩膀被老帰軽経地拍了一下。

7 .ig本Hi出版了。

10我被那主人公所感劫了。

13.那!↑ 小愉被附近的人捉住了。

17.那Al行李被小張送去了。

19.那張画几被墨水弄脱了。

22.包草毒的紙被染虹了。

24.窟戸被小王打升了。

26.我的股被虫子咬了。

27.A架中1司的木板被刊力蛮了。

29.他伯的元理要求已経被我伯拒絶了。

31.剰的t反都i上我吃了。

35.弛的lli包没被人愉走。

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(6)

 仮説①を検討するために、日本語と中国語の両言語とも自然であるCJ項目と両言語とも 不自然であるcj項目の結果を比較してみた。 Table 1から分かるように、両言語とも自然な 項目の7項目の内、項目2だけはG中の評定平均値は比較的高く、他の項目に関してはいず れも評定値が低かった。また日本人のどのグループも評定値が比較的低かった。よって項目

2以外には、日本語と共通部分の中国語の評定においては、中国人と類似する傾向が一応日 本人に見られたと言えよう。これは仮説①を支持する内容である。ところで、なぜ項目2に 対する中国人の評定平均値が予想以上に高かったのであろう。これは、おそらく が使 われたからだと考えられる。これについて日本にいる数人の中国人に尋ねてみたら、この場 合は より を使ったほうがよいとの返事であった。これはおそらく長年日本に滞 在している著者が逆に日本語から影響を受けたからではないかと思われる。しかしながら、

日本語と中国語の両言語とも自然である項目においては、日本人は中国人と類似する傾向が 全体的に見られた。一方、日本語と中国語の両方とも不自然な項目を検討したところ、日本 人の3つのグループとも中国人と類似する結果を出した。つまり、中国人の評定値も日本人 の評定値も不自然なほうに偏っていることがTable 1から分かる。よって仮説①が基本的に 支持されたと言える。

 仮説②を検討するために、各グループのエラー率を計算してみた。エラーの計算方法であ るが、日本人被験者の評定値を中国人の評定平均値で引いて、その差が1、5を超えるものが エラーとされる。なぜならば、評定値は1から4までの4段階であるので、中国人との差が

1、5を超えると中国人の評定値と逆の方向になると考えられるからである。日本人の各グルー プにおける一人当たりのエラー率はTable 2に示されている(Table 2を参照)

Table 2 各カテゴリーにおける各グループのエラー率(%)

両言語とも自然 両言語とも不自然

日本語自然、中国語不自然 中国語自然、日本語不自然

G1

4.17%

0.00%

4.17%

25.64%

G2

10.29%

60.00%

24.27%

19.08%

G3

13.78%

64.24%

23.57%

26.92%

 Table 2から分かるように、両言語とも不自然である項目におけるエラー率は、 G2もG3 も高かった。これは、予想に反する結果である。これについて今後項目数を増やして再検討 する必要がある。このカテゴリーにおける項目を1つしか設けなかったことは本研究の欠陥 だと思う。しかし、この項目を除いて見る限りでは、両言語の共通部分におけるエラー率よ

り、相違部分におけるエラー率のほうは3つのグループとも高かったことが分かる。しかも、

学習の年数が経っても、相違部分の学習におけるエラー率が必ずしも減少してはいかないこ ともTable 2から分かる。これは、相違部分の学習に母語による干渉がおおいに存在してい

(7)

ることを物語る結果であり、仮説②を支持する結果である。

 しかしながら、両言語共通部分においては、学習年数の長いグループほどエラー率が高かっ たのは予想に反している。これはどういう原因によるものかは明瞭ではないが、言えること は今回の調査にいくつかの反省点が残っていることである。

①まず、アンケート用紙を配って持ってかえってもらって後日回収するという形を取っ    たのは信愚性の低い結果を招いたと思われる。なぜなら、アンケート用紙に明らかに    直した跡が残っており、初心者の学習者からも中国人にきわめて近い結果はおおく得    られた。G1は中国語の学習歴は平均9ヶ月しかないので、学習歴が2年8ヶ月に達    した学習者よりも成績がよかったことは考えにくい。これは、おそらく9ヶ月しか中    国語を学習していない学習者にとっては、この質問紙は難しすぎたのではないかと思    われる。まだ受身表現を学習していない可能性があるので、自分では判断できないか    もしれない。

②上にも述べたように、もう1つ反省すべきことは、両言語とも不自然である項目をたっ    た1つしか設定していないことである。よって、この項目にエラーが出ればすぐエラー    率が上がり、逆にたまたまエラーが出ないとエラー率は一気に0%に下がるという結    果になってしまったと思われる。

③中国人の大学生を対象にした調査にも問題があったと思われる。というのは、回収し    たアンケートには、36項目にすべてとても自然である 1 をつけたり、あるいはす    べて非常に不自然である 4 をつけたりしたものが比較的多くあった。これは調査    を実施するまえの事前説明の不足によるものだと思われる。

 以上の点を次回の研究で改善し、中国語の構文文法の学習における母語(日本語)の影響 について、中国語の文法構造の大きな部分をなしている受身表現だけでなく、使役表現から も再検討する必要があると思う。これをぜひ今後の研究課題にしたい。

      全体的な考察

 ところで、成人した学習者は、第2言語を学習するとき、なぜ母語から影響を受けなけれ ばならないのであろうか。また成人による第2言語の学習過程は、どういった処理過程を辿 るのであろうか。認知心理学的な視点からそれを解釈しようとして、薦(1997)が成人によ る第2言語の学習過程を図で示した(Fig.1を参照)。

 この図から以下のことが読み取れる。

①第2言語の学習過程は、決してインプットされた言語材料の単純な模倣ではなく、そ    の材料を自分なりに処理して、再構築し、または再創造する過程である。母語と対応    のある第2言語を学習するときは、再構築が行われ、その処理過程はUp down式と    なる。一方、母語と対応のない第2言語を学習するときは、再創造が行われ、その処    理過程はDown up式となる。いずれにしても、学習者は受動的ではなく、能動的な

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Fig.1 成人の第2言語構文文法の学習プロセス図 第二言語のインプット材料

母語の 知識体系

探索 探索

対応物なし 母語影響なし母語影響なし 学習困難

学習のルール  不明確

学習簡単 学習のルール   明確

対応物あり 母語の干渉的

R

R

体制化

母語の促進的 影響

表面上の対応

体制化

影響 実質的な対応

回⇒﹁閣︷﹁回

産出

体制化

産出

回︷﹁憎︷ひ回

体制化

産出 産出

︷窟匡別互Uサ舜㌃

80

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勘ひ︵Oひ蒔二 塑津へ● ■通 ひ︵O︿

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劉ひ︵Uサ舜㌃

  挑苫O︿ 回へ﹃ 潮曽d︿

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  存在である。

②膨大な第2言語の材料を処理するとき、インプットされたものを個々独立的に処理す   るのではなく、変換や群化などの有意味操作によって再体制化をして、記憶する。こ   のとき、体制化を行うための母体は母語に関する言語知識である。

③成人した学習者は、第2言語を学習するとき、まず母語の知識体系から学習材料の対   応物を探索する。そこに2つの可能性があり、対応物がある場合とない場合である。

  前者はUp downの過程になるが、後者はDown upの過程を辿ることになる。

④母語と対応のない部分の学習におけるエラーは過剰に一般化するものが多い。なぜな   らば、この場合に母語の影響があまりないため、第2言語の知識を再創造しなければ   ならない。再創造するための方略として知っているルールの一般化がよく用いられる。

(9)

  しかし、第2言語の知識がまだ不足しているために、過剰に一般化する可能性は十分   にある。一方、母語と対応のある部分の学習には母語の影響が強く存在しているため、

  このときのエラーは母語の干渉によるものが多い。しかし過剰の一般化によるエラー   にせよ、母語の干渉によるエラーにせよ、いずれも学習者の用いる演繹的な推理の結   果である。        .

⑤母語にない表現は第2言語にあるか否かに関わらず、学習者はそこで回避という現象   を起こしてしまう。つまり母語にない表現の学習を拒む傾向がある。しかし、同じ回   避を起こし、表面上同じようにエラーはなくても、実際は2つの可能性がある。1つ   は、母語と実質的に対応する場合であり、いま1つは表面上しか対応していない場合   である。前者では回避を起こしても問題はないが、後者では回避を起こすと問題にな   る。なぜなら、第2言語にあるべき表現を学習していないからである。そこには学習   のエラーがほんとうは存在しているが、ただ回避によって顕在化されていないだけで   ある。

⑥学習が成立する条件として、学習者による問題発見である。つまり、自分のエラーに   気がつくと学習は進むが、気がつかないとエラーだと認識できないため、学習は進ま   ないことになる。ゆえに、第2言語の教師にとっては、常に学習者の抱えている問題   点を指摘し、学習者は母語からどのような影響を受け、どのようなエラーが起こりう   るかをできるだけ察し、それを教育現場で学習者にはっきり提示することが重要だと   思われる。

鷹 富榮 日本語学習における母語の影響

 引用文献 風間書房 1999年

参照

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