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雷鳴の数珠型球列破裂モデル

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Academic year: 2021

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(1)

は じ め に

雷鳴にはさまざまな音のパターンがある.あえて擬音語をつかうなら,すぐ近くの落雷からはバシッと裂ける ような音するし,やや離れた落雷からはドーンと腹に響くような大きな音がやってきて,障子やガラスをビリビ リとふるわせる.また,ジグザグな閃光の直後にバリバリッと爆竹が鳴るような音,ゴロゴロと上空を駆け抜け ていくような遠雷の音,あるいはただゴーッと鳴るだけで嵐が押し寄せてくるような音などさまざまで,注意し て聞くほどその枚挙にいとまない.同じような稲妻から,なぜこのようにもいろいろな音のパターンが生じるの か不思議である.おそらく,稲妻の形状や観測点までの距離,そのときの風や雲の状況などが複雑に影響してい るものと考えられるが,これらを説明する明解な理論はない.

数多い雷鳴のパターンのなかでも,なぜゴロゴロと上空を駆け抜けるような音が生じるかについては,とくに 興味をもつ.なぜこのように聞こえるか,その機構を調べてみたいというのが本編の動機である.実際の稲妻は,

雲と雲とのあいだを,あるいは地上と雲のあいだを,枝分れしながらジグザグにはしる複雑な3次元的形状をも つ.しかしここでの考察では,まずもっとも簡単化した一本の直線的な稲妻,すなわち地上と雲のあいだを垂直 にはしる円柱形の稲妻からはじめる.稲妻から生じる圧力波を求めるにあたっては,Lord Rayleighの見解 にし たがうことにする.これによれば,稲妻を地面に垂直な円柱形の音源としたとき,この音源からの圧力波は,初 期の圧力分布を円柱形とする圧力波動方程式の初期値問題の解になる.しかし,一見簡単にみえるこの円柱音源 の初期値問題を解こうとすると,その計算がまことに面倒であることがわかる .もっとも簡単な1本の垂直円柱 でさえこの状況なら,現実の稲妻に似せて多くの円柱をジグザグにつらねた初期値問題は,まともに取り組むか ぎりとても解けそうもない.そのため,円柱音源をもちいずに現実に近い稲妻の形状と圧力波が再現できる,解 きやすい新たな音源モデルが必要とされる.

ここではこの要請に合う新たなモデルとして,稲妻を数珠型球列音源とみなすモデルを提示する.このモデル では,稲妻を風船球が数珠のように連なった球列音源とみなし,この球列が瞬時に破裂して雷鳴が生じると考え る.数珠をつくる個々の球は音源を構成する要素であり,この球の破裂で生じる圧力波は,いわゆる風船問題の 解として厳密に求まる球面N波である.この球面N波は簡潔な式であらわされ,その振る舞いもわかりやすいた め,複雑な形をもつ音源からの圧力波を求めるには便利な要素波となる.なお,以下の考察においては,大気中 での音の減衰,風や空気密度の違いによる音の屈折の効果はとり入れていない.

Part では,簡単な形状である垂直で有限な長さの稲妻を数珠型球列モデルによって考察し,

1)轟音(clap or peal)が生じる理由,

2)視線に垂直な稲妻のもつ有効長,

3)1つの稲妻から複数の轟音が聞こえる理由,

Shiro SHINOZAKI

(June 2000)

Acoustic Pressure Waves Characterized from  a Finite Lightning Channel PartⅠ:Beads Explosion Model of Thunder 

篠 崎 志 朗

稲妻からの圧力波 Part

雷鳴の数珠型球列破裂モデル

酪農学園大学 環境システム学部 経営環境学科 情報システム研究室

Department of Business Environment Studies (Information Systems),Rakuno Gakuen University,Ebetsu,Hokkaido 069‑

8501, Japan

(2)

4)雷鳴の圧力変化を観測点の位置と時間であらわす関数,

5)圧力の最大値と最小値をあたえる式,

6)円柱音源との対比から求まる数珠型球列モデルの圧力補正係数,

について示してみる.これらの結果は,続編のPart で利用される.

なお,続編においては,

1)さまざまな傾きをもつ直線的な稲妻部分からの圧力波,

2)ジグザグな形をもつ稲妻からの圧力波,

3)雷鳴のパターンを決める主要な因子とゴロゴロ音(rumble or roll)が生じる理由,

4)同じ稲妻からの雷鳴であっても,稲妻からの距離によって聞え方が違う理由,

について述べる予定である.

PartⅠ:雷鳴の数珠型球列破裂モデル 1.1個の球の破裂で生じる圧力波

稲妻を風船球が数珠のように連なった球列と考え,雷鳴はこの球列が瞬時に破裂したときに生じる圧力波によ るものと仮定する.こう考えると,雷鳴は個々の球からやってくる音,すなわち球の破裂で生じる圧力波を重ね 合わせたものになる.したがって,まず1個の球の破裂で生じる圧力波を求めておく必要がある.ここではこの 圧力波が, 風船問題 という名称で知られる初期値問題の解であたえられると仮定する.風船問題とは,時刻t 0で静止している気体の初期の圧力分布が,半径aの球の内部だけその周りの外部と比べてP だけ大きいとき,

その後の時刻での圧力変化を任意の点で求める問題である.これはあたかもt=0で球状の風船が破裂したとき,

風船内外の点での圧力変化を位置と時間の関数としてもとめることと同じである.

ここでは,まず無限に拡がる空間中にただ1個の風船しかないとき,この風船の破裂で生じる圧力波をもとめ る.次いで同じ風船が,完全反射平面の上空で破裂するとき,すなわち境界をもつ空間の中で破裂するときに観 測される圧力波をもとめてみる.

1.1 自由空間中にある1個の球からの圧力波

無限に拡がる大気でみちた空間中には,ただ1個の風船のほかには何もなく,風船は半径aの球で,球内部の 圧力は外部よりP だけ高いものとする.これ以降,問題と式の表現を簡潔にするために,球外の初期圧力をゼロ,

球内の初期圧力をP とおく.球の中心を球座標系の原点とし,原点から観測点までの距離をr,観測点における 時刻tでの圧力をP(r, t),大気中での音速をcとおくと,この風船問題は次のような初期値問題になる.

1

r r (rP)− 1 c

P

t =0, t>0. 初期条件:P(r,0)=Pθ(a−r), P

t(r,0)=0.

境界条件:r=0でP(r,t)は有界,r→∞ でP(r,t)→0.

ここでθ(x)は,x>0で1,x<0で0となる階段関数である.この解P(r,t)を標準的に求めるには,波動方程式 の自由空間中でのGreen関数を,Greenの定理から得られる波動方程式の解の表現式に代入して積分をすればよ い.P(r,t)は,観測点が球の内部にあるか,あるいは外部にあるかによってことなり,それぞれ次のようにあら わされる.

P(r,t)=P θ(t)+ct−r

2r θ(ct−r−a)−ct+r

2r θ(ct+r−a), r<a.

P(r,t)=Prct

2r θ(arct)P (r,t), r a. (1)

なお,あとで球外の圧力の式(1)を用いるため,これをP と表記した.また,(1)の右辺にあるθ関数の引数の絶 対値記号をはずすには,次の関係式を利用する.

θ(ax)=θ(x+a)−θ(x−a).

この解があたえる球内および球外の観測点での圧力変化を,それぞれ図1の左右の図に示してみた.なおこれ

(3)

以降,時刻や時間をあらわすには,時間に音速を乗じた長さの次元ctを用いることにする.右図にある球外の観 測点では,破裂の最初の影響が時刻ctraに到達し,このとき圧力が不連続的にP a/2rとなる.その後圧力 は時間とともに線形的に減少し,時刻ctraには−P a/2rとなるが,その瞬間にふたたび不連続的にゼロ圧 力の状態に戻る.変化の全体の経過時間は 2aで,球の直径に等しいことが特徴である.球外の点で観測される圧 力変化は,英字のNの形と似ている.そのため,この波は(球面)N波とも呼ばれる.こうして,球の破裂で生じ る圧力変化は,時刻tに半径ctactaの球面で囲まれた厚さ 2aの球殻の中に局在し,外側の殻に近い部分 は圧縮された高圧状態に,内側の殻に近い部分は希薄な低圧状態となって,外向き球面波として空間中を速度c で伝播していく.

一方,左の図にしめす球内の点では,時刻ct=a−rまで初期の圧力P に等しいが,このとき突如P から P a/2rだけ低いP(1−a/2r)となる.その後も圧力が線形的に減少し,時刻ctrには圧力がゼロとなるが,そ の後もさらに圧力の減少が続き,時刻ct=r+aには−P a/2rまで下がり,ここでまた不連続的にゼロ圧力の状 態に戻る.この変化全体の経過時間は 2rで,観測点の位置に依存することが特徴である.とくに観測点が球の中 心と一致するとき,r=0のため圧力変化は無限大となる.しかし変化の経過時間はゼロであるため,時刻ct=a までは初期の圧力P であるが,この瞬間に不連続的にゼロ圧力の状態になる.

1.2 完全反射平面上にある1個の球からの圧力波

球の破裂が完全反射平面の上空で生じる場合の圧力波を求めてみる.この問題の系の配置を図2に示す.反射 面に垂直にz軸を設け,反射面とz軸の交点を原点,平面の上方をz>0とする.また,半径aの球の中心をz 上の正の位置ζにとり,観測点をz軸から十分に離れた平面上方にある球外の点とする.系の対称性から圧力分 布は軸対称となるので,円柱座標系(r,z)を用いると都合がよい.球の中心の位置座標を(0),観測点を(r,z),

観測点における時刻tでの圧力をP(r,z,t)とする.このような系の配置で風船問題を解くが,今度はz=0で気 図 1 自由空間中での1個の球の破裂による圧力変化

自由空間中にある半径aの1個の球が破裂したとき,球の中心から距離rの点で観測される圧力変化.球がもつ初期圧力はP,縦軸は変 化する圧力の値,横軸はctで音速と時間の積である.左の図は観測点が球内にあるとき圧力変化,右の図は観測点が球外の場合である.

図 2 完全反射平面の上空にある1個の球の破裂

観測点での圧力波は,z>0にある実際の球からの直達波と,平面からの反射波,すなわちz<0にある鏡 像球からの波との和に等しい.

(4)

体粒子のz方向の速度成分がゼロであるという境界条件が付加される.この境界条件は,z=0で P/z=0とお くことに等しい.

こうして,圧力P(r,z,t)を解とする初期値・境界値問題は次のようになる.

1

r r P

r P z 1

c P

t =0, t>0, z>0. 初期条件:P(r,z,0)=Pθ(a−R),ただしR= r+(z−ζ) ,

P

t(r,z,0)=0.

境界条件:球の中心(0,ζ)でP(r,z,t)は有界,

r→∞ あるいはz→∞ でP(r,z,t)0,

P

z(r,0,t)=0.

この場合も前節と同様にGreen関数をもちいる方法が標準的だが,今度はz=0で斉次のNeumann型境界条件

をみたすGreen関数をもちいる必要がある.この標準的な方法で計算をおこなうと,観測点での圧力はz=ζにあ

る球からの圧力と,z=−ζにある鏡像球からの圧力との和になることがわかる.いま,球の中心z=±ζから観 測点までの距離をR r +(z ζ),z=±ζにある球の破裂で生じる圧力をP(r,z,t 0,±ζ)とおくと,それ ぞれの球からの圧力は(1)に示した自由空間での球面N波の解P をもちいて,

P(r,z,t 0,±ζ)=P (R t)=P R −ct

2R θ(aR ct) とあらわされる.したがって,観測点での圧力P(r,z,t)は次のようになる.

P(r,z,t)=P(r,z,t 0)+P(r,z,t 0,−ζ)=P (R , t)+P (R , t).

ここで観測点の位置を(r,0)にとり,反射平面にのっているものとする.こうする理由は,われわれが雷鳴を耳 にするときのzの値は人の背丈ほどの大きさで,稲妻からの水平距離rにくらべると非常に小さいためである.

このとき,zを人の背丈ほどの値とした圧力とz=0とした圧力との差は,圧力の大きさに比べてほとんど無視で きる.またもう1つの理由には,z=0とおくことで,解の計算とその表現がきわめて簡潔になるという利点があ る.この配置ではR R は等しくなり,その大きさをR =R r +ζ≡Rとおくことにする.圧力はP(r, 0,t)と書かれるが,zの変数部分を省略してこれをあらためてP(r,t)とあらわすと,

P(r,t)=2P (R,t)=P R−ct

R  θ(a−R−ct) (2)

となる.こうして,完全反射平面のすぐ上で観測される圧力は,反射面のないときに距離Rのところで観測され る圧力P (R,t)の2倍に等しくなる.

2.有限な長さの垂直球列の破裂で生じる圧力波

前節では,完全反射平面の上空で1個の球が破裂したときの圧力をもとめた.ここでは,多くの風船球が平面 から鉛直上方へ互いに接しながら直線的に配置され,全体として高さH の球列を作っている場合を考える.そし て,完全反射平面上にあるこの球列が瞬時に破裂したときの圧力を求めてみる.これは雲と地上のあいだで垂直 にはしる稲妻があるとき,その雷鳴のもつ圧力変化を求めるもっとも簡単な近似モデルである.

2.1 個々の球からの N波を重ね合わせて得られる圧力波

図3に示すように,半径aのn個の球がz軸上に中心をおいて並んでいる.列の最下端からj番目にある球の 中心の高さをζ=(2j−1)a,j=1,2,…,n とおく.ただし,球の個数nは 2an=H をみたすとする.球列をつ くる各球の内部圧力は,初期状態で球外の圧力よりP だけ高いとし,この球列がt=0で瞬時に破裂して生じる圧 力波は,z=0の完全反射平面上で原点から距離rの観測点(r,0)で観測されるものとする.

いま,j番目の球が時刻tに観測点でつくる圧力を小文字の記号pを用いてp(r,t ζ)であらわすと,この圧力 は⑵の式にあるRR rζで置き換えたものに等しく,

(5)

p(r,t ζ)=P R−ct

R  θ(aRct), R rζ, (3) であらわされる球面N波の形をもつ.また,P(r,t)を観測点で時刻tに観測される球列からの全圧力とすると,

これは個々の球から次々とやってくる球面Np(r,t ζ)をたしあわせたものに等しいから,

P(r,t)=∑ p(r,t ζ) (4)

となる.j番目の球からのN波は,観測点で振幅P a/Rをもつから,球列の上端に近い球ほど観測点でもつN の振幅は小さく,全圧力に寄与する割合は小さくなる.式(4)は,球面N波の点源を 2aの間隔で長さH の直線 上にならべたとき,この離散的な音源分布からの圧力を求める式と解釈できる.

コンピュータを利用して⑷から全圧力を求めてみる.圧力の計算にあたって,(4)にある球の半径a,球列の高 H,観測点までの距離rに値をあたえなければならない.実際の雷鳴から得た多くのパワースペクトルでは,

その最大値を与える振動数が平均して約 200Hzであることが知られている .この振動数の逆数がN波のもつ 時間幅にほぼ等しいと仮定すると,球の半径aは 0.85mとなる.それゆえ,以後の計算の簡便化も考慮して,球 の半径a=1mとおくことにする.球列の高さHには,実際に観測されている稲妻の平均的な長さ 5,000m を用 いるのがよい.しかしこの大きな値のHでは,球列に 2,500個もの球があることになり,コンピュータの計算に かなりの時間を要してしまう.後の節でくわしく述べるが,垂直音源からの圧力波の本質的な特徴を知るには,

球の半径と観測点までの距離で決まるある一定以上の高さの音源であれば十分である.そのため,ここではこの 条件をみたす球列の高さH として 300mをもちいることにする.稲妻と観測点のあいだの距離rには,これ以降 さまざまな近似計算を示していく上で,あまり小さな値としない方が都合がよい.このため,中程度の大きさで あるr=1500mをもちいることにする.

図4には,150個の球の破裂の場合についての計算結果を示してみた.球の半径a=1m,球列の高さH=300 m,観測点の位置r=1500m,音速c=340m/sとおき,コンピュータでの計算の際の時間刻み幅については,図

⒜でΔt=10 s,図⒝でN波の最小到達時間間隔(これは次節で示すが 4a/rcであたえられ,いまの場合 7.84 10 sである)より小さいΔt=5・10 sとしている.図の縦軸にはP を基準とした圧力P/P の値を,横軸には 音速に時間を乗じたctをとり,縦軸目盛りの間隔は 0.001,横軸目盛りの間隔は球の半径aと同じ大きさにして いる.横軸の最初の目盛りがもつ時刻の値はctRaで,これはN波が観測点に最初にやってくる時刻であ る.なお,a,r,H,cの設定値を計算条件と呼ぶことにし,これ以降この名称で適宜引用する.

図4から,圧力変化にはいくつかの特徴があることがわかる.観測点では,まず最初に大きな振幅をもつ圧力 変動,すなわち大きな轟音(clap)が1回あり,その時間経過は 3a程度(実時間になおすと約9ms)である.こ の変動の最大圧力は時刻cta/2の近辺で,最小圧力は時刻ct+2aで生じていることが図4から読みとれる.そ の後は,高い振動数をもつ非常に微小な振幅の圧力細動がしばらく続くが,図をよくみるとこの微小な圧力細動 の振動数は時間とともに小さくなっていくことがわかる.そして最後に,時間幅 2a程度で,圧力が負のへこみし

図 3 完全反射平面上にある高さH の球列の破裂

球列の最下端にある1番目の球は反射面と接し,その中心は(0,a),中心から観測点までの距離はR ある.最上端の球の中心は(0,H−a)で,球の個数nは 2an=Hをみたしている.平面は完全反射で あるから,z<0の軸上の対称な位置に鏡像の球列があるが,この図では描くのを省略している.

(6)

かもたない小さな振幅の圧力変動,すなわち小さな音がもう1回おき,時刻ct=R+aですべての圧力変動が止 む.この変動全体の経過時間,すなわち雷鳴の継続時間T TR R+2a r +(H−a)− r+a+2a で,観測点までの距離rH aにくらべて非常に大きいとき,T H /2r+2aと近似できる.いまの場合,こ の近似式に上記の計算条件を入れるとT 32a(実時間になおすと約 0.1s)となる.一方,図4に示した圧力変 動は 32番目の目盛りの位置で終了しており,双方の結果は一致している.

2.2 N波の重ね合わせで轟音が生じる理由

個々の球からやってくるN波を重ね合わせると,なぜ図4のような圧力変動がえられるのか,その理由を示し てみたい.説明が詳細にわたる点もあるが,これを示しておくことは,これ以降での計算結果や式を解釈する上 で役立つと考える.

式(3)と図 1からわかるように,まず最初に観測点に到達するのは,最下端にある1番目の球からのN波で,こ N波の先端が到達する時刻はct=R−aである.その後,少しおくれて2番目の球からのN波が到達し,これ 以降も次々とその上にある球からのN波が観測点に到達する.いま,jを最下端から数えた球の番号とおくと,

j番目のN波の先端が到達する時刻はct=R−aとなる.図3にある系の配置からもわかるように,一連のN が観測点に到達する時間間隔は一定ではない.その到達間隔は,球列の上にいくほど徐々に大きくなる.いま,

P =0.00894,P =−0.00843

2a 0

a

図 4 有限な長さの垂直な数珠型球列からの圧力波

個々の球からのN波を式(4)によって直接に重ね合わせて得た圧力波.図⒜には圧力変動の全過程を,図

⒝には到達直後から6目盛り幅分の時間について時間スケールだけを拡大し,圧力スケールは変えずに 示している.N波を重ね合わせているため微小な圧力細動があらわれている.計算条件は,球の半径a=

1m,球列の高さH=300m,観測点までの距離r=1500m,音速c=340m/sである.コンピュータで の計算時間刻み幅は図⒜では 1/10,000秒,図⒝では 5/1,000,000秒である.両図とも縦軸にはP/P 値を目盛り間隔 0.001で,横軸にはctの値を到達直後の時刻ctを最初の目盛りにして間隔aで表示し ている.

0.01

−0.01

c(t−t)  P

P

−0.01  P P

c(t−t) 0a

0 0.01

10a 20a 30a

図(b) (a)

(7)

j番目と(j−1)番目のN波の到達時間間隔をΔとおく.観測点までの距離rH aに比べて非常に大きい とき,到達間隔ΔRR Δ 4a(j−1)/rと近似できる.すなわち,2番目のN波は 4a/r時間後に,

3番目のN波は(4a/r)・2時間後に,4番目のN波は(4a/r)・3時間後にと,到達時刻の間隔が 4a/rを差と して等差級数的に大きくなっていく.観測点でのN波の到達状況をみるには,時間軸に沿ってΔづつずらせて振 P a/R N波を描いてみるとよい.図5⒜には,個々の球からやってくるN波をすべて,図4と同じスケー ルで示してみた.時刻ctの直後にやってくる一連のN波は,到達間隔が小さいため密に描かれてぬりつぶされた ようになっているが,その後は時間の経過とともに徐々に粗い配置で描かれている.図5⒝には,時刻ctの直後 の時間幅 3aだけについて,この間に到達するN波のようすを時間スケールのみを拡大して示してみた.

N波の稠密さの変化を知るため,到達直後の時刻ctと圧力変動の最後の時刻ct でのN波の稠密さを比較し てみる.この比は到達時間間隔の比Δ/Δにほぼ等しいから,Δ/Δ (2aH/r)/(4a/r)=H/2aとなる.いま の場合a=1,H=300であるから,N波の到達直後の密度は,終わりの時刻の密度とくらべて 150倍にもなる.

あるいは,別の見方でもN波の粗密の程度を知ることができる.時刻ct の直後の時間幅aの間に,すなわち図 5⒜の最初の時間目盛幅aのあいだに含まれるN波の先端部分の個数をmとおくと,mは(m−1)個の到達時 間間隔の和が時間幅aに等しいとする近似式

Δ+Δ+…+Δ=(4a/r)・m(m−1)/2 a

から求めることができる.この式からm r/2aとなり,a=1,r=1500とおくと,最初の時間幅aの中にある N波の先端の数m 27となる.同様に,2番目の目盛りまでの時間幅 2aの中にあるN波の先端の数はm

r/a 39となる.それゆえ,2番目の目盛り幅aの中だけにあるN波の先端の数は39−27=12と求まる.図5

⒝から2番目の目盛り幅aのなかにあるN波の先端の個数を読みとると 12個であり,これは近似式から求めた 個数と一致する.

観測点でのこのようなN波の到達状況を念頭におくと,最初のN波の到達直後になぜ大きな圧力変動が生じ

図 5 観測点でのN波の到達状況

図⒜には変化の全過程で観測点にやってくるN波を示した.これは図4⒜にある圧力変化をつくる全て N波であり,図4⒜と重ね合わせて対比できるよう圧力と時間の双方とも同じスケールで描いてお り,計算条件もおなじである.図⒝には,到達直後から時間幅 3aのあいだだけについて,この間に到達 するN波を拡大して描いている.この圧力スケールは図⒜のときの 1/10である 0.0001としている.近 似式でのN波の先端の個数計算によると,最初の目盛り幅aの中には 27個のN波の先端があり,2番 目の目盛り幅aの中には 12個のN波の先端があると求まる.図を見ると,2番目の目盛り幅aの中に 12個のN波の先端が確認できる.しかし最初の目盛り幅aでは 22個までは確認できるが,残りの5個 は最初の1本の太線のなかに含まれてしまっている.

a 0.001

0

−0.001

a/2 c(t−t)

 P P

0

2a

3a  

P/P

00

a   c(t−t)

− 0.002 0.002

図(b) 図(a)

(8)

るかが理解できる.図5⒝からわかるように,到達直後の時間幅aのあいだには 27個の稠密に配置されたN波の 圧縮部分,すなわち正の圧力部分しかない.いま,この図の時刻a/2の位置での圧力を求めるとしよう.そのた めには,時刻a/2の位置に縦線を引き,この縦線とまじわるすべてのN波の圧力の和をもとめればよい.もしこ の縦線を時刻a/2よりすこし左にずらすと,縦線と交わるN波の数が減るため,圧力の和は小さくなる.また,

縦線を時刻a/2よりすこし右にずらすと,今度は時刻a/2以降にであらたにやってくるN波の数だけ,縦線とま じわるN波の数が増える.しかし,圧力に大きく寄与するN波の稠密部分の交点の圧力は,縦線位置がa/2のと きより低くなり,この稠密部分からの圧力和は減少する.この減少量の大きさは,時刻a/2以降にやってくるN 波が少ないため,あらたなN波による圧力の増加分を上まわる.こうして,時刻a/2より右の位置の時刻でも圧 力が減少する.以上の理由から時刻a/2での圧力が最大となり,比較的滑らかな曲線をもつ凸型の正の圧力ピー クがつくられる.(図4からの目算で,ここでは圧力が最大となる時刻をa/2と推定した.後の節で圧力が最大と なる時刻を式から求めるが,その結果は上の推定時刻とほぼ同じである.)

一方,引き続いて生じる負の圧力ピークも,同じような理由で説明される.今度は図5⒝で時刻2aの位置に縦 線を引き,この縦線とまじわるすべてのN波の圧力の和をもとめればよい.すぐにわかるように,時刻aまでの 間に到達した 27個の稠密なN波の希薄部分,すなわち負の圧力部分は圧倒的に多く,その和は時刻a〜2aのあ いだにやってくるN波の正の圧力部分の和を上まわる.もし,時刻 2aのすこし左の位置に縦線を引くと,N の稠密部分の交点までの長さが短くなるため,圧力が増すことになる.また,時刻 2aのすこし右の位置に縦線を 引くと,交わるN波の数が激減するため,この場合も圧力が増すことになる.こうして,時刻 2aで圧力が最小に なることがわかる.

その後の時刻では,次々とやってくるN波の圧縮部分と希薄部分のあいだで相殺が生じていく.この相殺の割 合は時間の経過とともに徐々にたかまり,圧力がゆっくりとゼロに近づいていく.そして,圧力変動の最後の時 間部分 2aでは,球列の上端部分からやってくるN波の希薄部分を相殺するような圧縮部分が後につづかないた め,相殺が不完全となって圧力が負のへこみ部分だけが残ることになる.

2.3 N波の重ね合わせで求めた最大圧力と最小圧力の式

前節で考察したN波の到達状況をもとに,N波を離散的に重ね合わせて時刻a/2での最大圧力P ,および時 刻 2aでの最小圧力P をあたえる式を導いてみる.計算を簡単にするためにr≫aと仮定し,時刻 2aまでに到 達するすべてのN波の振幅を一定値P a/rで近似する.

まず,時刻a/2での最大圧力P をもとめる.観測点では,時刻a/2までにm個のN波の先端がやってくる とする.j番目のN波が時刻a/2でもつ圧力をpとおくと,

pP a

2r, pP a 2rP

r (ΔΔ+…+Δ), Δ=(j−1)(4a/r), 2 j m

となる.Δj番目のN波の到達時間間隔,mは(4a/r)・m(m−1)/2 a/2をみたす整数値である.こうして,

最大圧力P

P =∑p=P a 2m+P

2r 4a

r j(j+1)=P a 2m+P

3r 4a

r m

2(m−1)(m+1) となる.これにmのみたす式およびmの値(1/2) r/aをいれると,最大圧力の式は

P 1 3P a

 r P

 a r

と求まる.後の節で示すが,圧力が最大になる正確な時刻はa/2より少しあとの(a/2)(1+ a/r)である.これを 考慮して,さらに時間幅(a/2)a/rの間に到達するN波の先端の個数も含めた計算をおこなうと,P で正規化し た最大圧力の式は

P P 1

3  a r 5

12 a  r

となる.この式にa=1,r=1500を代入すると最大圧力値 0.00880を得る.これは図4⒝に示したコンピュータ での計算結果の最大圧力値 0.00894にほぼ等しい.

次に,時刻 2aでの最小圧力の式を求めてみる.この場合も最大圧力のときと同様な方法で求めるが,今度はN  

(9)

波の圧縮部と希薄部で相殺が生じるため,最大圧力の計算より少し面倒になる.N波を2つの群に分け,1つは N波の先端が時刻aまでに到達する群で,これから負の圧力和P を求める.もう1つは,時刻aから2aまで N波の先端が到達する群で,これから正の圧力和P を求める.こうして求めた2つの圧力式を加えて最小圧 力の式をえる.計算の詳細を省略してその結果だけを示すと,

P

P =− 2 3 a

 r a 3r, P

P 2−1 3 a

 r a 3r, P

P P +P

P =−1

3 a r  2

3 a  r

となる.この式にa=1,r=1500を代入すると最小圧力値−0.008162を得る.これは図4⒝に示したコンピュー ターでの計算結果の最小圧力値−0.00843よりやや大きめである.

2.4 稲妻の有効長および稲妻から複数の轟音が聞こえる理由

前節でおこなった最大・最小圧力の計算から,最初の大きな圧力変動には,球列の下端部分からやってくるN 波しか寄与しないことがわかった.すなわち,雷鳴の主要部分である最初に耳にする轟音は,地上からわずかな 高さまでの稲妻部分から生じる音が重ね合わさってできたもので,それ以外の大部分の稲妻からやってくる音は 互いに相殺しあって消えてしまう.そこで,轟音をつくるのに必要な稲妻の最小な長さ,すなわち最初の大きな 圧力変動に寄与する球列の長さを求めてみたい.

図4からわかるように,最初に生じる大きな圧力変動の時間幅は 2a程度であり,この変動に寄与するN波は最 初の時間幅 2aのあいだにやってくる.このN波の個数mは,前節 2.2でおこなったように,(m−1)個のN の到達時間間隔の和が時間幅 2aに等しいとおいてm r/aと求まる.これは球列の下端部分にある球の個数に 等しいから,この個数に対応する球列の長さをL とおくと,

L=m・2a=2r a

となる.この長さL を稲妻の有効長と呼ぶことにする.この有効長が半径aと距離rの 2つだけで決まることは 興味深い.いまの場合,a=1,r=1500であるから,有効長はL 77メートルとなり,これは球列の全長H=300 の約 1/4でしかない.また,十分にはなれた点からこの垂直な稲妻を眺めたとき,この有効長L がつくる観測点 での仰角θは,ラジアン単位でθ=L/r=2a/rとなる.

ここで轟音が生じる理由をよく振り返ると,これはなにも地面に垂直な稲妻だけにあてはまるものではないこ とがわかる.もし観測者が見上げた上空に,観測者の視線に対して垂直にのびた稲妻の部分があれば,これにつ いても上と同様な考察があてはまる.

この有効長の考えから,次のような考察ができる.実際の稲妻をジグザグ形で多くの直線的な部分からなるも のとみなすと,このような稲妻には視線にほぼ垂直となる部分がいくつかあると考えてよい.この垂直な部分の 数は,稲妻全体の長さに比例するだろうから,長い稲妻ほど垂直部分を多くもつはずである。したがって,長い 稲妻ほど有効長より長い垂直部分を多くもつと考えられる。この有効長より長い垂直部分は,それぞれ観測点か らの距離に応じた振幅と時間差をもって,観測点に轟音を生じさせる.図4からわかるように,垂直な1本の稲 妻からは1回の轟音しか生じないが,たとえ1本の稲妻であってもそれが複雑なジグザグ形であれば,このよう な稲妻からは視線に垂直で有効長より長い部分の数だけの轟音がやってくるはずである.そのため1本の稲妻か らの雷鳴の中に,複数の轟音を聞くことができる.

以上の考察から,轟音をつくるのに必要最小な稲妻すなわち音源の長さを 視線に垂直な音源の有効長 とよ び,この長さをL であらわすことにする.

2.5 球列の連続音源近似で得られる圧力波

垂直な球列の破裂で生じる圧力波には,図4で示すように微小な振幅で高い振動数をもつ細かい圧力変動があ らわれていた.これは,各球からのN波が離散的な時間間隔で到達するために生じたものである.したがって垂 直球列は,球面N波の点源を直線にそって間隔 2aで配置した離散的な音源とみなせる.一方,地上と雲との間を 垂直にはしる稲妻を円柱形と考えれば,稲妻は円柱形の連続的な初期圧力分布をもつ円柱音源とみなせる.本来 は連続的な音源である稲妻を,離散的な音源である球列に置き換えた近似をして求めたのが図4の圧力変化であ

(10)

る.それゆえ,初期の圧力分布を球列ではなく円柱とするなら,このような高い振動数の微小細動は本来あらわ れないはずである.

ところで,多数の電球を直線的に一定間隔で配列し,これを遠くから眺めると一本の明るい連続した直線に見 えることはよく経験する.たとえば,遠くから見た電光掲示板がそのよい例である.これと同じく,観測点から 十分にはなれた遠方で球列の破裂がおきるとき,観測点では連続した一本の細い円柱の破裂とよく似た圧力波を 観測するだろう.光と音波では物理的な性質が違うため,つねにこのような予想が成り立つとはかぎらない.し かしここでは,この予想にそって,球列を連続的な音源分布に近似して圧力波の和を積分に変換し,連続音源で はあらわれないはずである図4の微小な圧力細動を除いてみる.だが,ここで連続近似を導入する大きな理由は,

圧力細動の除去のためではなく,むしろ連続近似で得られる積分式から垂直音源の圧力波関数を求めておくこと にある.すなわち,図4にあるような圧力変動を表現する関数を導出し,これをさまざまな形状をもつ稲妻から の圧力波の導出に適用したいためである.

系の配置は図2と同様とするが,離散的な和である(4)を積分へ近似するための条件として,球の半径aは観測 点から球列までの距離r,および稲妻の高さH にくらべると非常に小さいが,しかしゼロとはできない有限な値 をもつと仮定する.この仮定によって,z軸上の微小な区間dζには個数dζ/aの球があるとみなせるから,十分 に遠方にある観測点の圧力P(r,t)を与える(4)は,次のような積分式に近似される.

P(r,t) dζ

2p(r,t ζ)=P

2a dζ r+ζct

r+ζ  θ(a r+ζ−ct). (5) なお,積分の正しい上限値はHaであるが,上で述べた近似条件からH とおいた.ここで積分変数の変換ζ r sinhξをおこない,ξとξをそれぞれa=r sinhξ,H=r sinhξをみたす値とすると,(5)は

P(r,t) P

2a dξ(r coshξct)θ(ar coshξct)=P P となる.ここで,右辺にあるP を次のようにおいている.

P P

2a dξ(r coshξct)θ(r coshξ±act).

この積分を求めるには,ctの大きさによってθ関数の引数が正になるξの範囲が変わるため,ctの大きさに応じ て妥当なξの積分区間を設定することに注意する.ここでr coshξ±actをみたすξをξとおき,r coshξ=

r+a,r coshξ= r +H であるから,積分P PP

2a dξ(r coshξ−ct), ct< r +a±a PP

2a dξ(r coshξ−ct), r +a±a ct< r +H ±a,

P=0, r +H ±a ct,

で与えられる.この結果をもちいると,(5)の圧力P(r,t)はctの大きさで5つの場合に分けられて,次のように なることがわかる.

1)ct< r +a−aのとき,P(r,t)=0. (6.1)

2) r +a−a ct< r +a+aのとき,

P(r,t)=P

2a (ct+a)−r −a+ct・ln   a r +a

cta+ (cta)−r . (6.2) 3) r aa ct r H aのとき,

P(r,t)=P

2a (ct+a)−r − (ct−a)−r +ct・ln ct−a+ (ct−a)−r

cta+ (cta)−r . (6.3) 4) r +H −a ct< r +H +aのとき,

(11)

P(r,t)=P

2H− (ct−a)−r +ct・ln ct−a+ (ct−a)−r

H rH . (6.4) 5) r H a ctのとき,P(r,t)=0. (6.5) なお,ξξ,ξの値は,それぞれ

ξ=ln ct a+ (ct a)−r

r , ξ=ln a ra

r , ξ=ln H r H r で与えられる.

図6⒜には(6.1)〜(6.5)であたえられる圧力波を示してある.この図6の両図は,離散的な球列音源からの圧 力波である図4の両図と比較するため,ともに同じ計算条件で計算し,同じスケールで示してある.[すなわち,

連続近似のもとになっている球列は,半径a=1m,高さH=300mの 150個の球からなるものとし,観測点の位 r=1500m,音速c=340m/s,コンピュータでの計算時間刻み幅を図⒜の場合はΔt=10 s,図⒝の場合はΔt=

5・10 sとして描いている.また,図の縦軸にはP を基準とした圧力P/P の値を目盛り間隔 0.001で,横軸には 音速に時間を乗じたctを目盛り間隔aにとり,これも図4の場合と同じである.]

図6の両図からすぐわかるように,離散音源のときにあらわれていた微小振幅の圧力細動は消え,圧力変動は 滑らかな曲線となっている.また,圧力波の到達直後に生じる大きな圧力変動,および変化の過程の最後で生じ

a

0 c(t−t)

−0.01 0  P P 0.01

P =0.00844,P =−0.00827

c(t−t)   2a

a

−0.01 0  P P 0.01

図 6 有限な長さの垂直数珠型球列を連続近似して得られた圧力波

個々の球からのN波の離散和(4)を積分(6)に近似し,これによって得られた(6.1)から(6.5)の関数をも ちいて描いた観測点での圧力変動.これは図4に対応する図で,計算条件および描画の条件はすべて図 4と同じである.図⒜には圧力変動の全過程を,図⒝には到達直後から6目盛り幅分の時間について時 間スケールだけを拡大し,圧力スケールは変えずに示している.連続近似をしたため圧力細動が消え,

圧力の変化する様子が滑らかな曲線であらわされている.圧力の最大・最小値の絶対値がともに図4の 場合より小さくなっている.

図(a)

図(b)

参照

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