養護実習の計画に関する研究(4)
一養護実習の期間に関する検討一
大 谷 尚 子
(1984年11月5日受理)
は じ め に
本学の養護実習の運営は,試行錯誤で改正を繰り返しながら今日に及んでおり,その実習形態は,全 国の養護教諭養成機関で行われている養護実習1)の中でも,幾つかの特長をもっている。2}3周実習形態 のうちでも特に実習期間については,大幅な変更がなされ今日に至っている。
片上5)は,教育実習の期間について「教育実習の意義をふまえながら,ニオぞ実書稜あ慈贔る巌育実
● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●
K内容等々と関係づけ,他方で教師教育カリキュウムと関係づけて具体的に検討してみなければ,実習 期間について提言しえない」と言及していた(傍点筆者)。
本研究は,本学の養護実習の運営方針という一つの枠の中で,実習期間が適切であるかを,おもに実 習状況から検討を試みたい。
研 究 方 法 璽 本学の養護実習の実施概況
実習の目標は,3年課程の初期から現在に至るまで大きな変化はない。また,前期,後期各々の重点
一一一一}r_一
目標は,3年課程後半期から現在に 表1 養護実習の実施概況(S44〜現在)
至るまで同じ内容であ(表1参照お
1
前 期 実 習 後 期 実 習
3年課程の時の運営が,現行の運 cと異なることとして,実習校の配 末@がある。3年課程の時には,養
3年
易必 附属小学校[圃(約飽名配置)一一→協力中学校で教育実習(保健)2週間のあと引 狽ヘ 続き[互璽固](各校1〜2名)
国ョ中学校[璽コ(約16名配当)一一→協力中学校で教育実習(保健)のあと協力小学校で
@ [璽囲恪椥一2名)
成所側が独自に実習校を決めた。そ 課 48 附小又は協力小学校で巨1蔓塵](各 協ヵ中学校で教育実習(保健)2週間のあと引 校3〜4名) 続き[2週間](各校1〜2名)
の結果,後期実習の実習協力校は,
?N同一校であり,同時に配当され
程 藍
同上 [2週+a] 同 上
崔 53 同上(各校2−3名)さらに学校訪 協力中学校で匡墜到(各校1〜2名)
た教育実習生の所属は,教育学部生 覆 〜 問の回数増加 2週+α+α
(2週間)以外に,人文,理学部生 ( ・基本実習として,概要を理解,把握 ・前期実習で学んだことをもとに,さらに実習する。 を深める。
(3週間)の場合もあった。
タ習期間の変遷は表1の通りであ
窯考星
る。
2 分析した資料 表2 調査対象者(実習生)
毎年度,実習終了後約1週間以内に質畦紙(反省記
録)調査を実施していた。本研究では,表2に示す年度 実習 実習生 反省記録提出
の実習生の反省記録を分析した。 課程別 者数(分析者数)
なお,これらの集計結果の一部は,毎年,抄録として 年度 人 数 前期 後期 まとめ,養護実習反省会の資料,次年度学生のためのオ 47 3年課程 36 35 35 リエンテーションの資料としても用いていた。 50 〃 43 43 40 51 ノノ 42 42 42 結 果 と 考 察 53 4年課程 49 49 49 54 〃 43 42 43 55 〃 39 39 39 1 実習生の実習期間に対する意見 56 〃 41 41 34
1)前期実習について 57 〃 43 43 43
(1)年次推移
「それぞれ体験した実習期間が適当であったか」という質問に対する回答は,次の通りであった。
実習期間が1週間の時代(S47)には,「適当」とする者は5割に達しなかった。その後2週間+α
(学校訪問)という形態になって,6割が「適当」と回答していた。さらに,4年課程になり,学校訪 問の定着化とともに余裕ある授業時間割で,学校訪問の回数も多くなったたあカ、約8割が「適当(問 題なし)」と回答していた。なお,「適当でない,問題あり」の回答は,ほとんどが「もっと長く」で
あった。
② 理由
「1週間でよい」とする理由は,3年間の養成期間では致し方ないというものである。春・夏休みま で看護実習をせざるを得なかったほどの過密スケジュールから生じた声と言えよう。また,前期実習を 後期実習の基礎ととらえ,前期実習の目標を1週間でできる範囲内に設定すれば,これでよいとする意
見もあった。
「2週間+α(学校訪問)でよい」とする意見の理由では,学校訪問制度を充分生かせば本実習は2 週間で足りるとする内容が最も多かった。また,本学独自の分散実習の特色を前提に「後期実習が3週 あるのだから」や「前期実習で完成させる必要ない」とする意見も少数ではあるがみられた。なお,
「体力の面から,これ以上は無理」とする回答も多くなっていた。
「2週間+αでは足りない」とする理由は,前期実習の段階でも,養護教諭の職務全般に関して,ま た,特に児童の対応に関して,自分自身が納得し,自信がもてるほどにやってみたいとする内容であっ た。単に見学や参観というのではなく,自らの判断に基づく行動(実習)をし,その反応を確かめたい ことのようだ。いくら,学校訪問制で健康診断を参観し,学校や児童に慣れ摺としても,その充実に よって,本実習の補充にはならないという意見ということで注目したい。
2)後期実習について
(1)年次推移
S47年度実習生は,2週間の実習期間を「適当」とする者が約5割みられた。また,「もっと長く」
とする意見が約3割ほどみられる。
S51 52年度生の場合は,2週間を「適当」とする者は8割弱,「もっと長く」は2割であった。こ の当時の実習は,養護実習の前に中学校において教育実習が行われており(表1参照),約半数が,実
習校を変え,養護実習を行うという変則的なものであった。実習生の拘束される実習そのものの期間は,
4週間という長さであったが,ほぼ全員が,養護実習を2週間以上必要とする意見であった点は注目さ れよう。
4年課程(S53年〜)になって,実習期間は3週間となったが,その期間を「適当」とする意見は約 6割, 「もっと長く」は1割弱であった。前述の3年課程後半期の実習生の意見と比べて,肯定的に受 けとめる割合が減少している。特に,S53年度生(4年課程1回生)の場合は「実習期間に問題あり」
とする者が6割を占めていた(理由は後述)。
「3週間は短い,4週間以上必要」と回答した者は,4年課程全員の5%弱であった。
(2)理 由
「3週間は長い,2週間でよい」とする理由で最も多いのは,健診などの行事が少なく,やることが 少ない,単調であるという内容であった。そのほか,実習の計画・運営と深く係わる意見が多くみられ た点が注目される。
その内容の1つは,実習の時期が教員採用試験の二次試験と重なったり,健康診断の受診の為に大学 や保健所に行かなければならず,止むなく実習を欠勤・早退したなどの不都合による理由であった。こ のことは,特に,4年螺程1回生の場合において,実習生だけでなく,大学教官も事前に予知すること ができなかった為,当事者にとっては,厳しい状況になった。そのため,49名中12名(245%)が,
この理由を3週間の問題点にあげていた。
あと1つは,一緒に実習校に配当されている実習生(副専)が2週間で切り上げるため養護実習生が 1週間だけ取り残される状態になり,実習校に迷惑になったり,実習生が邪魔者扱いされるという理由
(「問題あり」者のうちの23%)であった。
「現行の3週間でよい」とする意見は,本当はもっと長い期間が必要だと思うが,実習校側にこれ以 上迷惑をかけられない(「適当」者のうち3%)とか,体力的にこれ以上は無理だから(同10%)とい
う意見も含まれている。
また,実習内容の達成状況からの意見は,具体的に種々の理由があげられていたが,次の2つに大別 できる。1つは,子どもとの対応において,2週間では理解もできず対応もできないという内容である
(同11%)。あと1つは「1つの課題にじっくり取り組むには3週間は必要」「2週の後半から3週 目になると意欲や興味が出てくる」「3週目に自信もってできるようになる」など,自主的,・実践的な 実習を実施したい為に3週間の必要性をあげていた(同8%)。
「4週間必要」という意見は,「まだまだやりたいことがあったから」や「生徒を知り,生徒の中に 入れるようになってから,さらに実習が必要。せめて1ケ月位」というような内容であった。
以上,後期実習については,教育学部教育実習の運営・計画の中で行われていることであり,その運 営上生じる問題により,3週間を問題とする者が多くなっている。そして,実習内容や達成状況に基づ いて言及している意見は,「やることなし」と期間の短縮化を望む者がいる一方子どもとの対応上,
あるいは,自主的実習をやり遂げる為に,実習期間の現状維持や延長化を望む者がいることが注目され る。このように,実習期間に対して異なる意見に分かれてしまう原因としては,実習生の実習目標のと らえ方や実習姿勢あるいは,実習内容とその自己評価などの差異によることも大きいと思われる。
2 実習実施状況からみた実習期間の検討 表3 第3週目の実習充実状況囲 (後期実習について)
繩厲タ習は,卒業直前の総仕上げの実習で
第3週目
@の状況
プラスに 変化な し マイナス
項 ある。その実習の必要とする期間について,
タ習状況から検討していきたい。 目
変 化 ずっと
[実 その他 に変化
1)第3週目の実習充実状況(第1・2週との比較) 44。2 51.1 ・ 4.7
前項で記したように,実習生の実習期間に対 忙 し さ 7ag 154 7.7
する意見には, 「3週間は単調」という意見と (128,26)
「第3週目になって初めて実践ができる」とい 39.5 53.5 7ズ)
う意見に分かれた。そこで,第3週目の実習が ハしてどうなっていたのか,S54・55年度生に
実習内容の質 6a2 257 5。1 (2α5, 52)
質問した結果が表3の通りである。
@S54年度生については,4割前後の者が,第 R週は第1・2週よりプラスに変化したと回答
実習姿勢i自主性)
349 55B 9.3
@ 25.6692 ⑫α4,52) 51
していた。S55年度生においては,7割ほどの 上段は54年度生n=43 下段は55年度生n=89一 者が,自主的姿勢で多忙に,質的にも充実した ,
状態で3週目の実習をしていた。
上記のような回答結果は,回答者で あるS54・∈6年度生は,実習期間が3 % 5D T間(以上)について肯定的に受けと めている者が,高率であったことに注 目しなければならないであろう。しか 0
! 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4
.し,概して,3週間実習の場合は始め s53 s54 s55 s56 s57
から終りまでが平坦な進行ではなく, 図1 実習目標の達成状況
㍽沁タ習の進行期間と共に,内容が (年度別,目標別修得できなかつた割合)
高度化し,充実化する傾向にあると言えるのではなかろ 0
50 100
うか。
目 標 1
A実習目標の達成状況(自己評価)との関連 (糠畷・)
図1は,実習生自身が目標到達状況を評価し「あまり
把握(修得)できなかった」と回答した割合を示してい 目標 ・
る、(目標内容は図2参照)。 (1灘騰
目標の種類年度によりバラッキもみられるが,実習
目 標 3
目標2(撚員との連携についての理解)につい嵐 儲の職務の理解と)
どの年度においても,「修得できなかった」と回答した
者が,3割前後の高い割合を示している点は注目される。 児暴徒晶解.福
アの図によると,S53鞭蝋目標2だけでなく,(蕊騰
目標1・4においても修得できなかった者が非常に多い。 □雛・た 目大体把握した ■把握てきなか・た M
それにもかかわらず,前記したように「実習期間は3週 隆難劉黙;製圭斜紬雑萬嚇謬).す。群..、。
は問題がある」とする者が多かった。これは・S53年度 図2 実習期間に対する意見別にみた目標 生においては,実習達成状況が不十分であっても,実習 達成状況
の運営上の問題から生ずる支障の方が大きく問 表4 3週間実習により
題視され,実習期間の延長化等を希望すること 生徒との対応が充実できること など考えられないことだったようだ。 1.生徒と接することができた
図2は,実習期間が3週又はそれ以上がよい 。 1・2週ではなかなか来室しなかった。心に問題の
?髏カ徒が3週目に来室してきて接することができ とする群と,2週でもよい(3週に問題あり) る
とする群に分けて,それぞれの目標達成状況を ・ 保健室に出入りの少ない学年(例3年生女子)の 鼾〟C保健委活動を通じて徐々に話しあうことがで 示したものである。 き,3週目には,親しみをもちあって話すことがで 目標1,2においては, 「3週間」群の方が, きるQ.問題生徒が誰であるかを見抜き,その生徒と意図的
「把握・修得した」と評価する者が多い傾向に にかかわることができた
ある。そして,逆に目標3・4においては, :羅魏灘題をもつ生徒
「2週間」群の方が「把握・修得した」と評価 3.生徒理解が深まった
するものが多かった。 。 第3週目になって,生徒の全く違った面をみるこ ニができ,生徒理解ができる(2週目までの理解は 実習期間が短くてよいとする者は,必ずし 誤っていた)
も,全ての目標を達成したと自覚している者で 4.生徒との対応が上達した
@。 頻回来室者については,各人の家庭環境やそれま
はなかった。ただし,目標3・4の実践・体得 での経過がわかってくるので,3週目頃には自分で することについては,修得したと自己評価する 対応することができる
B 生徒に慣れてきて,余裕をもって対応できる(第 者が多い傾向はみられた。 3週目になって,初めて慣れてきたと実感できる)
3)生徒への対応能力と実習期間との関連 。 生徒との対応の仕方がスムーズになり,ラポール ェ形成される(コミュニケーションが深められる)
最近の中学校の保健室(養護教諭)に期待さ 5.指導する力が身についた
れることは表面にみえる外傷の手当というより 。 とくに不定愁訴に対する指導ができる は,むしろ,見えない心の傷の手当であり,生
徒指導の一端を担うことである。このような期待に応 翁生徒への対応.ベル時期到 達 の 1週目 2週目 3週目 謬
望肇聖肇 前 後シ 半 芋
えられる為に生徒への対応能力の修得が,中学校実習 40 一応の処置ができるよ
(後期実習)において,重要な課題である。 穀 20
、になる
① 3週間実習ゆえに修得できたこと 的 400 処 処置にあわせて保健指導
3週間実習だったためにできたこと,やり遂げられ 置 20烽ナきるようになる たことは,どんなことかという質問に対して,最も多 如ョ取事項については一
内 応もれなくできるよう20
く回答のあった項目の一つが「生徒との対応のこと」
科 になる
(33%)であった。その具体的な内容および,前述し
的
40
皷桙フ判断ができる 2G
た「3週間実習がよい」とする理由の具体的回答をま 処
40
とめたのが,表4である。 置 生徒が納得するような 2D
指導ができる
ある年の反省会の席上,指導教官養護教諭が,「実
習開始してしばらくは常連の生徒もやってこない。保 頻 40レし,話しかけること
回 ができる 20
健室の入口でちょっと顔を出し,実習生がいるとみる 来
室
と帰ってしまう。それが2週目後半や3週目の頃にな 者 40P人で対応することが
@ 2
へ できる
ると,以前のいつもの保健室に戻ってくる(常連も来 の 400 室する)」と話していた。生徒の側でも実習生に対し
慧 家庭環境,背景が把握
@ 舶できる
て,親近感を覚え,1人の養教(実習生)と人格的触 0
れあいに至るまでには,最低2週間は必要ということ 図3 生徒に対する対応能力の修得状況
を意味している。
② 実習時期別にみた到達状況
保健室で行う生徒との対応を外科的処置内科的処置および頻回保健室来室者への対応という3種に 区分し,それらの到達レベルを提示していつそのレベルに達したかを実習生に質問した結果が図3で
ある。
外科的処置は2週間のうちに,一応のレベルに達することができると言えよう。
内科的処置に関して拭3週間では到達せずという者が3割に及んだ。修得できたとする者も症状を 訴える生徒に対して,一応の判断を下し,指導することができるようになるに拭 3週目になってから
という者が多かった。生徒の性格・心理や生活環境を把握することも必要であるため,現職養護教諭で も判断を下すことが難しいと言われている。実習生のこの修得状況は致し方ないところと思われる。
頻回保健室来室者への対応については一人で対応することができるのカ㍉2週目後半である.また,
その時期に,生徒について情報も収集し,理解できる状態になっている。実習生が来室生徒と話しをす るということ拭やさしそうで案外と難かしいことがわかる。実習生が生徒のことを理解するというこ とだけでなく,生徒の方も実習生(人格)を知り,
轤ニ思われる。
両者間に信頼関係が形成されることが必要であるか
以上のことより,内科的処置や頻回来室
保健活動 実施時期
実習前 前半後半前半後半前 半後半実習後
1一煮への対応においてに 3週間又はそれ以
調 査 福 準
10
上の実習期間が必要と思われる。実習期間 視力の認識 備
生活時 間 b
が2週間であった場合,来室生徒に関する 疲 労 叢 10 深い理解なしに対応することを余儀なくさ 心身の健康悩み c事 れ,不満足感を覚えたり,自信を失ったま 讐 10
(36例) 置
ま実習を終えることになるであろう。 0
@4) 測 定 検 査距ヘ検 査
a瀟 5
保健活動の組織的遂行体験と実習期 1
(体位測定) b義 5
間との関連 血圧測 定i16例) C 後 5
養護教諭の職務は,前項のような生徒1 環境衛生検査 a需 5
人ひとりへの対応という対個別的活動があ 驤齦禔C全校生,全教職員にかかわる形で
(照度検査水質検査) 蓋 10
清掃方 法 C
組織的活動をすすめていくことも要求され 凄 10 ている。そのような職務の特性を理解・把 (27例) 誇 握するために,実習生が各種の保健活動を 保 健 保 導 a蕃 5
実際に計画から事後措置まで体験してみる (集団対象個人対象) b羅 5
ことが望まれる。 (16例) c妻 5
① 3週間実習ゆえに修得できたこと a口計画段階(問題発見,目標設定,計画立案)
「3週間だったためにできたことは何か」 b■実施段階(各々の保健事業の実施)
という問に対して・調査の実施とそのまと ・皿事後措置結果の考察・評価,集約した資料の作成 関係教職員への説明
め(33.3%),測定・検査(結果報告まで)
図4 保健活動の実習の時期(過程)(28・2%),集団対象保健指導(154%) (56。57年度 n=44校)
等の回答があった。
例えば調査については「姿勢が悪いという問題に対して,机・いすの検査を行い,3週目にその結 果をもとに姿勢に関するアンケート調査を実施し,保健指導資料につけ加えた」というような内容であ る。実習生の問題意識に沿った調査が展開さ礼その結果を教育活動につなげていけたということで注 目したい。
また,測定・検査については「1・2週かけて実施した検査の結果を3週目にまとめることができた」
とある。多くの中学校では,昼休みや放課後を使っての測定・検査であるため,測定・検査の所要期間 が長くならざるを得ない。3週目になってからようやくまとめができる状況のようだ。
② 実習時期別にみた遂行状況
図4に実習生が計画から事後措置までかかわった保健活動についてその準備から事後措置の実施時 期を示したものである。これら1弍実習期間が初めから3週間という日程で組まれていたものであり,
実習期間が2週間又は4週間という場合には,当然異なる日程になろう(検討に際して1弍 この点に留 意しなければならない)。
計画・準備は1週目あるいは実習前から行われていた場合も多い魁それらを実施し,生徒等に働き かけるのは2週目が中 巳そして,事後措置は3週目がピークになっている。実習後にまで持ち越して
しまった事例も多い。S56年度には,調査の事後措置魁実習後になってしまった事例が6事例あった。
そこで,次に,調査の所要期間について,
詳しくみてみたい。事後措置の終了時期別に
分けて,調査の実施過程をまとめたのが図5 分 実施時 善 1 W 2W 3 W 善
類 期
前 Aり 前 後、 、 前 後、 , 、
である。これによると,調査を持ち越してし 後
終半を事 N駄1
まった事例は,調査の実施が 3週目になっ 了ま3後@で週措 ●
に前置 2 (〉一◎一一一◎
てからの事例が多い。しかし,Nα12のように, ゆ F O ■■ ゜°°@°鱒 .°° 冒゜.冒゜°°°・ ・。冒77 −・… 脚 。・ 昌 .甲 . . . 甲
o..●
計画を実習前に始め,実施を2週目前半に行 凄 3
措 4 ■
っていた場合にさえ持ち越すこともありえる。 襲 5 o
調査をして最も短期間に終了したのは2週 晶 6 ●
後 7 ■
間(Nα2,NQ 11)であり,最長期間は4週以 詣 8
■
上(Nα12,Nα13)である。調査を実施して事 縁 9 ●
10 (トー●一一一一◎
後措置を終了するには(実習期間内に終了し 了
。一昌・
11
た事例において),ト15週間という事例が .・曾■■o , o.. , ,,.・■一゜,.・唱゜・7曜.層ロ ー,.■・・φ,.層.・,冒,.●.匿.■墨・邑■,...●7冒,層. o乳
ま 事 12 ●
多かった。調査を実施する場合,3週間のう で 後
掾@措 13 ●
ち1b週(調査〜事後措置)+α(計画・準備 ち 置 ア を
14 ●
期間)が使われたのであれば,実習期間が2 す 実@覆
15 P6
:
週間になった場合,他の実習内容も濃密化し に 17
多忙になることを考えあわせると,到底実習
O:計画・準備開始 ●:「調査」の開始 0:事後措置終了 期間内には終了することは不可能と思われる。
調査は,実習期間が3週間になって始めて 図5 「調査」実施校の事後措置実施時期別にみ た進行状況(56年度)満足できる形で実施できると思われる。
ま と め
本学で行われている養護実習の実習期間について,実習生の反省記録をもとに検討を加えた結果,
次のような所見を得た。 (2)〜5)は,後期実習に関すること。)
1)実習生は,実習期間1週間という時代を除いて,自己の体験した2週間,3週間といラ期間に対 して, 「問題なし」とする者が多い。特に,前期実習に対しては,肯定的な受けとめ方が強く,延長を 希望する者も多い。それに対し,後期実習に対しては,教育実習全体の運営上の支障をともなう為に,
現行の3週間に対して,否定的意見をもつ者も少なくなかった。
2)第3週目の実習は,1・2週目と比べて,より仕上げ的な色彩が濃く,実習生が自主的に取組み,
質的に向上している傾向にある。
3)実習期間の短縮化を望んでいた群は,養教の職務の体得や生徒への対応という実習目標に対して は「把握した」と自己評価していたが,学校保健や教職員の連携に関する理解は,把握していないと評 価する傾向にあった。
4)外科的処置は2週間実習で修得可能なようだが,内科的処置や頻回来室者の対応は,3週間目以 降に修得する者が7割に及んだ。
5)実習期間が3週間以上の場合には,実習生は,調査や測定・検査などの保健活動の組織的活動を 体験することができる。
注
P)大谷尚子,久保田京子「全国養護教諭養成機関に齢ける教育,養成に関する実態調査 第2報 養護実習の 運営について」 日本学校保健学会講演集 1980
2)大谷尚子 養護教諭養成課程に凄ける教育実習・養護実習の現状と問題点一とくに養護実習を中心に一 曽茨城大学教育学部教育研究所紀要 漕612 1980
3)大谷尚子 養護実習の計画に関する研究(1)一養護教諭養成所における養護実習の総活・一一おもに二期制・
二校種制について i茨城大学教育学部教育研究所紀要燃11 1979
4)大谷尚子 養護実習の計画に関する研究(2)一前期実習の前に行われる「学校訪問」について一一 茨城大学教育学部教育研究所紀要 ズ613 1981
5)片上宗二教育実習問題の分析的検討 i茨城大学教育学部教育研究所紀要 薫12 1980 6)同上4)