47
算数科教科書の分析的研究
平 岡 忠
1 研究の目的と対象とした教科書
小学校の算数科教科書を,主として領域別に分析検討し,曾っての国定教科書と比較す ることによりそれらの領域がどの様に表われているかを調べる。またそれに関連して起ぐ カリキュラムや学習指導上の問題及び昨年の9月実施された文部省の全国学力調査,更に 来年度に予想される学習指導要領の改訂との関係等も考慮して分析研究を行った。
対象とした教科書は国定教科書昭和10・一15年度:尋常小学算術一青表紙一(全学年)と 昭和16川18年度:カズノホン・初等科算数(一部)と昭和31年度使用の検定教科書(全学 年)のうち県内の小学校に於て比較的多く使用されているもの及び特色のあるもののうち から10種類をえらんだ。これにより分析の結果からの偏見は大方避けられるものと期待さ れる。尚おこれらの10種類の教科書を順序不同にA,B, C, D, E, F, G, H,1,
Jと呼ぶことにし,それらの平均を示すものをMと呼ぶことにする。更に国定教科書:尋 常小学算術書一黒表紙一の一部も参考に使用した。尚お以下における表やその他の箇所に おいて「尋」とあるのは尋常小学算術一青表紙一を指すものとする。
2 分析研究の方法と領域の分類
分析の方法は始めは学年別に各教科書について一頁毎に各々の領域に属する内容をしら ぺていった。この場合単に頁毎についてだけでなく頁の部分についても考慮した。領域の 分類は昭和26年の現行学習指導要領算数科編においては(i)溜(9)までの9領域に分けている が,昨年度実施の全国学力調査の際はこれを(1)数概念とその意味,(亜)計算,(皿)計量,
(IV)割合と数量関係,(V)統計的表とグラフ,(VD式,(VID図形とそれによる表現,(四)
指数と対数と計算尺,の8領域に分けている。これは小・中・高の縦の系統の関係及び今 後のことも考慮しての分類と見られるが,小学校については現行の9領域を7領域(−L記 のうち(珊)は無関係)に改編したことは現行指導要領発行後六,七年を経ている今日,
或意味ですっきりしたものが感じられる。
以下に於ては上記(1)一(田)の他に珠算を計算から独立させて(H、)として扱ったQ尚
48 茨城大学教育学部紀要 第七号
お実際の分類に当っては,いくつかの領域に跨がつていてはっきり区別し難い内容は,出 来るだけ本質的な領域に入れ関連度に比例して他の領域にも適当に配分して分類する様に し,努めて主観的にならぬ様に心掛けたつもりである。例えば,小数概念と測定値,分数 概念と割合の概念,数計算と測定値の計算や量計算,計量における面積・体積等と図形に
よる求積,縮尺や相似形と割合との関係などははっきりと分類し難いものがある例として 挙げられる。また問題解決の内容は全領域に関係するので(VI)としては挾い意味に限って 扱った。
3 分析研究の結果とその考察
3.1 上述の方法によって学年毎に教科書の頁数を領域別に分析した結果は第1表(そ の一々その六)に示す通りである。以下の表その他で示されている頁数は総ぺて,扉・口 次・指導内容又は単元一覧表・テストの答等を除いた本文のみの頁数を示すものとする。
一一
教科書別,領域別による頁数
第1表(その一) 第1表(その二)
1年 1 H 皿 w V 〜圧 皿 合計 12年 1 1 班 w V w「粗1 合 計
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平 岡:算数科教科書の分析的研究 49
第1表(その三) 第1表(その四)
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一
第1表(その五) 第1表(その六)
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50 茨城大学教育学部紀要 第七号
分析は幾分なりとも位置的・時期的な分布の様子が見られるように,2年以上は上・下 二分冊毎に調べた。1年用のみは10種類のうち半数は全一冊となって居り,また1年用は 性質上領域の分類がし難いので全一冊のまま分析した。現行の検定制度のもとでは絶対条 作・必要条件の検定基準によって各教科書の間に根本的な相違が見られぬのは当然である が,第1表から分るように教科書によって総頁数や領域別内容の位置的分布,比率,更に 学年による分量の増減の様子などには差が見られる。教科書により総頁数の最大と最小の 間にも相当の開きが見られる。5年の約70頁の開きは多すぎるといえる。全体的に見れば 学年が進むに従って総頁数は増加する傾向にあるが,同学年の青表紙に比較すれば2年を 除き各学年ともに大幅な差が見られ,これは高学年において特に甚だしく,全体として現
行教科書の頁数は青表紙より遙かに多い。数理的内容は必ずしも頁数の分量には比例しな ・ い場合もあるが,一般にはその間に強い相関があることは疑えない。量的に比較すれば現
行教科書と青表紙には斯く大巾な差があるが,次に質的な面についても考察してみよう。
曾っての 日常の計算に習熟せしめ,思考を精密にし,生業上有益なる知識を与ふる こ とを要旨とした黒表紙教科書と異なって, 児童の数理的思想を開発し,日常生活を数理 的に正しく指導する ことを目的とした青表紙は,30有余年の国定教科書編纂の伝統を破 って根本的な改良を加えて編集されただけに劃斯的なものとして,現行教科書と比して頁 数こそ少けれその数理的内容に於て却って現行教科書を凌ぎ,問題等も豊富に集中的に扱
ってあることが目につく。また黒表紙が数及び計算に主力をおいて扱ってあるのに対し,
青表紙は児童中心に具体的生活と結びつけ作業や行動を通して学習する様な考慮が払って あることも現行教科書に近いものが感じられる。
第2表教科書別による領域の比率(1周6学年の合計)
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B 12.3 40.6 3.5 23.6 2.5 8.9 3.5 5.1 !00.oi 1467
C 12.7 42.7 3.9 2L6 3.2 4.0 6.2 5●7 100.oi1163
D 13.0 39。4 4.0 22.5 2.3 7.3 6.0 5.5 100.oi 1373
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F 11.5 44.7 3.4 2L3 3.0 6.7 5.5 3.9 正00.oi1334
G 13。9 38.9 3.1 21.9 2.4 8.4 5.5 5・9 100.oi1255 0
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平 岡: 算数科教科書の分析的研究 51
籾て教科書によって総頁数が異なるので,比率をとって集計したものが第2表である。
現行10種類の教科書には大した差が認められないが,それらの平均Mと青表紙を比較すれ ば青表紙では計算・珠算が多く,また割合や図形も強く扱われてある。それに引き換えM では数概念と計量が多いことが知られる。従ってMではもっと計算や割合図形等につい ての内容を強化する必要があるといえる。
次にこれらのことに就いて更に詳しく見るために下の第3表と第4表を検討しよう。
第3表 領域別による学年の比率 学年一
1年 2年 3年 4年 5年 6年 合 計 領域
一一一一一
% % % %一一一 % %皿 %i P.
M 25・2 13・1 12.3 20.9 20.7 7.8 100.Oi 157.1 1 尋 38.2 14.7 10.3 23.6 13.2 0.0 100.oi 68.0 匠 M 3.7 19.1 20.4 19.8 18.7 18.3 100・oi524・1 尋 12.4 28.1 27.2 17.2 9.5 5.6 100.Oi421.0
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班 M
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100.oi 83.2
P1・・.・i8鉱5
第3表と次の第4表からわかるように,総頁数の相違は1の数概念ではMは青表紙の倍 以上もあり,比率も青表紙が高学年に准むにつ性て急激に少なくなるのに比してMは平均 して分布している。黒表紙で5年で扱った分数は青表紙では3年で扱い,小数は2年で扱 っている。Mでは分数の素地は2年から,小数は3年で扱っている。亜の数計算はMが一 様に分布しているのに比し,青表紙は一年から数量の増減・加減計寛式の扱いをやって 居り,2年で乗法九々・除法をやっている。尤も現行教科書中にも一トや一の記号を導入し て式の扱いをやっているのもあるが極めて僅かである。また青表紙では分数や小数の乗除
を5,6年で扱い,それらの四則計算を小学校で一応完成しているQ全体的には高学年で 急激に形式的な計算が少くなり,代って割合・比を集中的に扱い,計測表・グラフ,図 形等が比較的重く扱ってある。皿1の珠算は黒表紙時代は日常生活の一切の計算が珠盤(
ソロバン)で行われていたにも拘らず教科書には取り入れていなかったが,青表紙になっ
52 茨城大学教育学部紀要 第七号
て初めて4年下から扱われる様になり5年を指導の山とした。現行教科書では殆んど大部 分が4年上から扱い,4年をその山として順次実務的内容等と結びつけて指導する様にな っている。青表紙とMでは全学年の総頁数に大きな開きがあるにも拘らず,珠算の分量は 青表紙の方が多いことも注目される。皿の詳1量は何れも平均して扱ってあるが,Mが5年 で多いのは面積・体積・重さ・尺貫法・速さ等が扱われているからであり,青表紙では4 年で体積・面積をはじめ時間・暦及び速さが扱われて居り,6年で測定・測量をはじめ種 々の求積・量計算等が扱われて居るので比率も多くなって表れている。現行教科書につい ては計量領域はもっと系統化すると同時に部分的に一段と強化する必要が感ぜられる箇所 がある。IVの割合・比はLと同じく青表紙が圧到的に多く,Mが6年以外では殆んど扱わ れていないのに比して,青表紙では学年と共に徐々に強く表われ,高学年では比・比例の 指導に重点をおいて居り全学年を通じて重く視られている。Vの表・グラフは何れも平均
して居り,青表紙では比較的低学年にも扱ってあることが目につく。また両者共6年で強 く扱われているのは円グラフが角度とも関係するので,この学年で種々のグラフをまとめ て扱っているためといえる。表やグラフは理科や社会をはじめ他教科との関連も深いので 相当学年でしっかり指導しておくことが必要である。VIの式は文章題の問題解決における 立式,式の扱い方・括弧の使い方,等式・公式等の用い方等を含むものであるが,問題解 決は先にも述べた様に全領域に関係して居り,青表紙では 応用問題 の形で非常に多く 扱われている。Mでは比較的学年順に増加の傾向にあるのに,青表紙では中学年に多く低 学年でも割合多く扱われて居る。冊の図形はMでは学年順に上昇の傾向にあるのに青表紙 は4年と6年が山となり,之は先の計量で述べた様に計量における求積が図形と関連して
領域
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11.2 54.4 − 22.4 0.1 3.6 2.3 6.0 T.6 67.3 − 11.1 3。4 3.4 5.2 4.0
100.oil84 ilOO.0,176
3 M 8.8 47.9 − 24D6 1.0 6.3 5.6 5.8 1P00・Oi222
尋 3.8 61.5 − 16.7 L6 4.6 6.2 5.6 100.oi 186 圏
1SM l2・840・312・013・20・66・88・95・4 一P00.01257 100・〇−90
5 M@尋
11・534・73・832・11・4到45・16・0100・Oi2825.725.321.212.713.66.36.38.91100.0158 1 1
1テ1:1襯ll::111:lll:弩:;瀦1111:識
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鰯 上 巻 i2年1 ρFヒ 1〜 53 . オ ;
難農!1 : レ 1 9 オレ 2 オ字 レx ヨでひきαごλXP÷10
騒黙上巻
包含除・等分除・割算1・。までのjk除1下巻 掛算・割算一
0 25 0 75 100. 15 150 15 200 5 250
平 岡: 算数科教科書の分析的研究 53 扱われているためといえる。現行教科書中には指導要領に示されている線よりは若干強化
された内容(概念,図形,図形の求積,その他対称形や円周率など)が時により研究の様 な形式で扱われているものも多いが,更に図形教材自身についてもはたまた小・中・高等 の縦の関連から見ても一段と系統化され強化されることを望むものである。
3・2次に算数教育の代表的内容の一つとして乗法九々(以下簡単に九々と呼ぶ)につい て考察する。九々については被乗数,乗数の何れを先唱とすべきか,総九々か制限九々
(片九々)の何れを採用するか等の問題についての歴史も古い。こ〜で外国の九々指導に ついての概況を眺めて見よう。
アメリカでは1から12までの各数に12までの各数を乗じた144個の総九々が行われて居 り・このことはイギリスでも同様といえる。然し新しいアメリカの教科書では我国と同様 9までの九々を扱っているものもあり,九々は3年後半から4年の前半にかけて指導し,
簡単なものは2年頃から覚え始める。ソ連やフランスでは20迄の加減と同時に乗除まで指 導する。その上ソ連では積が20までの37個の九々は乗除までを1年で徹底的に指導し,2 年で100以下の加減乗除も扱い九々も完成する。イタリヤでは2年から九々に入り,3年 で完成する様に指導している。ドイツでもやはり2年で九々を指導し,100までの加減を 済ませてから2の段に入り乗除並進で順次完成するが,どの段の九々も1から10までの10 個ずつある。ソ連やフランスが数観念の発達と共に九々を伸ばすのに較べ,我国やアメリ
カ・イギリスでは100以下の加減と100以下の漠然たる数観念を与えてから一挙に九々を指 導する方法をとっているということも興味ある対照といえる。九々の暗記については各国 とも我国ほど強く要求することはないが初めの基礎では或程度徹底した扱いがなされてい る。指導の順序はドイツの或る教科書によれば2今10今5−>4−>3今6−>8今9−>7の順 となって居り・練習の中にはHの段・12の段等も含まれている。アメリカ・イギリスやド イッ等で12段までの九々を扱っているのは数詞の影響が大きく,その他日常の数量単位が 我国と異なるためと思われる。
探て我国の場合,九々指導の時期は青表紙では第5図表で見る通り2年一ヒで主に扱い,
割算との関連のもとで2年下でも練習を続ける様にした。カズノホンでは2年下で扱い引 き続いて3年の初等科算数で包含除・等分除,更に一般の割算へと進み関連させて九々の 練習を行っている。現在では九々は3年で相当の時間をかけて扱っているが,その置かれ ている位置,分布状況も教科書により差があり,集中的なものや分散的・断片的なものと まちまちである。九々は算数計算の原動力となるものであるから,指導法に於ても充分の 研究を必要とする。科学教育の振興が叫ばれている今日,九々はなるべく早い時期に最も
54 茨城大学教育学部紀要 第七号
効果的な指導の必要が感ぜら 第6表 主として単元別〔目録別〕による
れる。 生産生活,消費生活等の比率
九々指導の順序として何の 4 年 5 年 段から入るかに就いては先に ・lbi・idl T ・lbi・ldi T
ドイツの場合の例を示したが
A
。% %:%
T.oi25.0 :
男
V0.0 %
P00.0(20)
5髪 %:%
T.5i 5.5
% W3.5 %
P00.0(18)
教科書によっても差があり第 B 0.0 6.7i20.O I 73.0 100.0(15) 0.0 6.7:26.766.6 100.0(15)
C 0.O 7.7i38.553.8 100.0(13)17・1 7.2i17.8 67.9 100.0(14)
5図表で見るように,5今2 D 3.6 ;V.1:21.4 : 67.9 lOO.0(28) 3.6 :P0.7ilO.7 75.0 100.0(28)
一〉……又は2−>5−〉……の段
ゥら始めるものが多い。黒表
?ナは2今3今4−>5−>6−〉
E O.O
@iテ1:liHiO・0
6.7i36.6 1 :1 4・5122・8
@ 16.3il8.7
@ 飢・i3飢・
56.7 U8.2 G1:1
100.0(15)
P00.0(22)
P:1:1811 13.3
R.8 O.0 P0.0
13.3i13.4 脚
V.7i26.9
P0.5i10.6 脚
Q0.oi15.0 60.0 U1.6 V8.9 T5.0
100.0(15)
I00.0(26)
P00.0(19)
P00.0(10)
……ニ順に9の段まで進めて
IIg.2 11JIO.Ol L.
4.5i3L8
O.oi20.O I
54.5綴}1;m9.2 P・01
1O・0…9・2i81・6
P00:10070.0 °1 1
100.0(11)
P00.0(10)
いる。また一番理解の困難な i一例えば7の段一からがよ
lML_」
1.7
一YL,i31・41 一一h
P00.0
9.214.6 U.3」_レ_−
@123・8
70.0 100.0
いというような実験例なども 1尋 ゴ Pαgl独5191・gi 1・α・〔55〕i 8・5iα・:1生6i76・91・q・〔41〕
見られるので,今後とも心理 『一
6 年 (4十5十6)年の平均 学的面からの協力を得て大い
・lb…・}d鑑
一山一
・lbi・}dl −一一
T
p一一一一一一一一
に研究する余地があるが,大 フにおいて青表紙に見られる
一一
̀B
6毯17.8
%1%P2.5i18.7 :3,610.7 :
% U2.5 U7.9
@%一一
P00.0(16)
P00.0(14)
3肇i
T.9
V.7116.4%1%
≠Vil9・1 % V3.0 U9.3
1。認〕1・・.・1
辺の線に近いものがよいので C 4.6 0.oi22.7172.7 100.0(11) 3.914.9i26.3 64.9 100.0
はないかと思う。第5図表中 D 5.4 2R,621.4 : 69.6 100.0(28) 4.21
7.1i17.8 :
70.8 100.0
Jなどは比較的特徴のある進 ン方をしているといえる。
@一方九々には多分に技術的 v素が含まれるので時期的に
EFGHIJ 14.3
P0.O 撃n.5 P5.O 撃U.7 P6.7
1:謝:1:1先3ilα17銑7
P:li落:llll:l l iO.Oll6.666.7−,.一一二_」一一_
100.0(14)
P00.0(20)
P00.0(19)
P00.0(10)
P00・0丸6)11・7旨 P0飢0(9)1
9・2ト9・li20・2
U,115.7124.9 :
R.5{7.4i13.3 :,8・316・7…20・0
@ 1・5i19・2 浮X13・3il氏5172・2
61.5 U3.3 V5.9 U5.0 U7.6
100.0 P00.0
@ し
P00.0 P00.0 P00.O 撃nO.0
も或程度集中して扱うことが 一
]ましいと思う。その後で断
i
l 11.7
3.7:16.8
。16乳al°α゜ 6.6
5,919.3
ァ「6a∵°飢゜
続的に少しずつ練習をするよ
耳 1 %13.8:B.517坤・軌・〔26〕i6・312・21・・gl8q6[1・…
うにしたい。そのため九々に (註)a:生産生活 b:学級費・遠尼の費用等 c:一般消費
生活 d:数学的項目。その他 T:合計引き続いて割算に入ることは
( )内は総単元数 〔〕内は総目録数 児童の九々に対する関心を保
持させ,反面練習を兼ね益々確実にならしめることにおいて効果的といえよう。またその 後の練習の時期が夏休み等のことも考慮すれば,置かれている時期も一学期の青表紙に近
!
平 岡: 算数科教科書の分析的研究 55 いあたりの線が望ましいと思われる。(註:第5図表中,ドは導入,レは練習,テはテス
ト,オはおさらいでや〜綜合的な練習・復習,モはモンダイを示しているQまた一。一・一 印はヒ巻と下巻の境界を示す。)
ち現行教科書を主として単元別に(単に単元のみでなく内容も若干斜酌して)分析した。
青表紙では小目録が多く,それらの大部分は数学的な題名となって居り,生産や消費生活 に関する題名は一学年当り一,二しかないので,主に「イロイロナ問題」や雑題の内容を 吟味して加えてある。現行教科書で斯る立場をとれば更に多い比率になると予想される。
当然なこと乍ら低学年では消費生活的内容が多く反対に生産生活的内容は殆んどないの で4年以上のみについて比較した。低学年では数概念や数計算等に関する内容として消費 的内容は切りはなせず,それはまた日常生活と直接且つ密接に結びついていることも論を 倹たない。現行教科書は学年が進むに従い消費生活が減少し生産生活が増加の傾向にはあ るが,青表紙に比し総頁数が多い上に比率が約倍近くなっていることから見れば,平均し て消費生活内容が多過ぎる嫌いがあるといえよう。従ってもっと生産生活に関する内容を 多く扱うことが望ましい。青表紙には数理的内容が強く扱われ,表で見る通りd項目が圧 到的でありb,c項目は学年と共に多くなる傾向にあるが, a項目はMと殆んど等しい。
その中でも高学年では工業,農林,水産業及び機械,歯車,その他の内容が目につく。上 記の内容は表やグラフ等と結びつけることにより,また他教科との関連も考慮して有効に 扱うことが出来よう。
3・4 戦後の教育に見られた著しい特徴の一つとして,教科に「実務」と「問題解決」
の領域が大きな位置を占めて表われたことを挙げることが出来る。問題解決は単元制度と 結びついて教育に新たな方向づけをなした。昭和22年度の学習指導要領は翌23年に,続い て26年に改訂され今日に至っている。その中で述られている様に社会生活を有効に処理す る経験や能力を養うことを目標の一つとする算数科が,社会事象との密接な関連の上で指 導することはもとより論を侯たない。社会生活と関連する代表的な項目としては 実務 の領域をあげることが出来るが,現在の教科書ではこの実務的内容が多すぎるのではない
かと思う。単なる比率のみでは第7表の通り青表紙と大差ないが,第8表に示す通り,4 年以上について云えば実務的内容:時刻表,買物,商店,出納簿,会計簿,郵便料金,電報 料金,請求書,領収書,貯金申込書,支払書等に関することのうち会計・簿記,郵便など についての方法・手続等で殆んど数学的でない内客が高学年で相当の比率を占めているこ
1
56 茨城大学教育学部紀要 第七号
とがわかる。青表紙にも実務的なものは或程度あるが殆んど大部分が数学的内容と関連さ せて扱われている。
現行指導要領では小学校の社会科(第5学年2の(7)が僅かに関係している),家庭科(
生活管理の金鐘の使い方が関係している)等も斯る会計,郵便等についての方法・手続的 な而は殆んど扱つて居らず主として中学校の職業・家庭科(の第3群)で扱うようになつ ているが社会科や家庭科等の関係教科でも或程度扱うようにして,算数科はもつと基礎教 科としての数理的内容を効果的にしっかり扱)ようにすべきと思う。高学年に於てはその 代りに分数等を十分に指導し,一応小学校で小数・分数の四則まで扱うようにすぺきであ る。単に形式的に実務内容を減らすということのみ考えず,扱い方の面でもつと数学的に されることが望まれる。珠算との関係をはじめ扱い方によつては却って効果的であること は申すまでもない。
第7表(実務に関する頁数)/(総頁数) 第8表(非数学的実務の頁数)/(実務の総頁数)
ll4年昨6年呼均 ll4年5年6剣平均
% % % % 1 % % % %
A 15.08 7.24 3.82 8.71 A 1.3 33.3 10.5 15.0
B 18.03 7.09 17.41 14.18 B 7.8 17.0 31.3 18.7
C 16.90 6.46 12.10 11.82 C 2.4 6.5 28.6 12.5
D 18.00 7.30 11.02 12.17 D 3.2 15.6 28.8 15.9
E 24.00 14.08 7.94 15.34 E 6.6 8.5 33.1 16.1
F 16.93 12.18 9.62 12.91 F 5.9 6.9 18.9 10.6
G 11.44 7.74 4.77 7.98 lG 23.2 15.9 41.7 26.9
H 7.04 12.18 8.40 9.27 H 30.0 31.3 44.4 35.2 1 5.66 2.91 4.06 4.21 1 26.9 0.0 9.5 12.1 J 1053 6.44 7.88 8.28 J 16.1 27.8 10.0 18.0
Ml14368・36&7・匝47 M 1乞31㌫325・7i1&1 尋1生・5乙221&7・動99 ㍗一
q匝・q・45115
ついでながら他教科との関連のうち特に理科については,青表紙の高学年では地学のう ち天文・気象との関連が強く,続いて物理一力学・光一となり,社会科の中では産業,
地理に関するものが多い。また図画工作や家庭科との関連も深いことが注目される。
3・5 次に計最領域について考察する。昨年実施した全国学力調査の算数の結果には計 量領域(正答率21・9%)が図形(11・7%),割合(19・7%)の領域と共に低い正答率を 示している。また昭和29年に主要指導内容の難易について調査した文部省の結果からも,
各学年とも計量教材が困難度に於て上位をしめていることがわかる。計量教材は実測や実 習をやらなければ学習の成果は得られず,同時に計量教材の指導目的の大半を失い意味の
平 岡: 算数科教科書の分析的研究 57 ないものとなることはここで繰返すまでもないことである。従つて当然教具・設備が必要 とされ指導上多くの時間を要することになるので,現状に於ては幾多の問題が関係してく る。これらの点と上述の調査結果の関係についての考察は,別報「算数科における計量教 材の研究一実態調査及び教科書分析調査による一」に詳述してある。
扱て現行教科書を学年毎に分析して計量領域の内容項目の比率をとつたものが第9表で ある。前掲の第2表で見た様に計量領域は他領域に比して断然多い比率で扱ってある。青 表紙は黒表紙より数次の修正・改訂を加えて,途中度量衡法の改正等を機会に一段と計量 教材は強化されたのであるが,それにも増して現行教科書は青表紙より遥かに重い比率で 扱つている。従って実測・実習を重要視してこれを充分行う様な指導をすれば相当の成果 が期待されるものと信じ,斯かる面の指導に努めることが望まれる。
第9表 学年別による計量教材項目の比率 学 年
1 年 2 年 3 年 4 年 5 年 6 年
項 目 1
% % % % % %
(1)長 さ 21.7 26.7 19.0 24.5 14.8 16.3
② 重 さ 0.0 0.0 12.8 16.5 10.1 5.8
(3)広 さ 0.4 2.5 1.4 1.9 20.5 29.2
㈲ かさ(容積・体積) 0.O 0.6 12.3 6.4 21.6 6.3
七曜㈲時間・時刻・ 年暦
29.8 43.3 20.1 21.7 15.4 14.2
(6)方 向・位置 22.5 4.1 12.9 4.4 0.2 2.2
(7)速 さ 0.0 0.0 1.1 1.9 7.4 5.8
⑧角 度 0.0 0.0 4.1 0.3 1.5 11.2
⑨ 温 度 0.0 0.0 7.3 13.1 1.3 2.0
⑳ 貨幣・その他 25.6 22.8 9.0 9.3 7・21 7・1
合 計i1・α・戸・呵1・α・ll・飢・「1・a・[1・a・
表から分るように計量教材では全学年を通して長さと時間の項目が最も多く扱われて、 、 る。物指の目盛の読み方は将来の計器の見方の基礎をなすだけに充分に扱うことが必要で ある。また長さは面積や体積・容積に関係し時間との関係で速懇にも影響する。時間・時 刻も日常生活で四六時中関係が深い。重さ,面積,体積・容積については尺貫法の単位が 5年で入つてくるので,高学年で急激に多くなり,そのうち面積,体積・容積は図形の求 積とも関係する。方向・位置はその概念と共に,案内図や縮図等とも関係し,速さは平均 の概念を必要とするので5年を山として高学年で指導している。温度は体温や気温をもと にしてグラフとの関係が深いし,また角度は図形と結びつき高学年ではグラフとも関係さ せて扱つてある。
表中で貨幣その他が高い比率に表われているが,これは低学年では おかね に関する