• 検索結果がありません。

切削工具損傷のインプロセス検出法の研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "切削工具損傷のインプロセス検出法の研究"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

切削工具損傷のインプロセス検出法の研究

西田 知照*・小島 龍広*

In−process Detection of Cutting Tool Wears by

Noriteru NISHIDA*and Tatsuhiro KOJIMA*

  With the increase of automatic operation of machine tools in factories, the development of the technology to detect cutting tool wears in process is strongly desired. There are many kinds of techniques for in−process detection. In this Study, the vibration of a tip holder is used for the detective signal of tooI wears. The material and the type of tools used in this experiment are cemented carbide M20 and throw away type tips respectively. Thel 翌盾窒求@material is S45C. When the cutting speed ranged from 100 to 200 mlmin at the d6pth of cut 3 mm and the feed O.18 mmlrev and the flank wear width reached from O.2to O.

3mm, the natural vibrations of the tip holder were appeared in cutting forces. From these results, we think that this vibration can be utilized as a detective signal of cμtting tool wear. However, in order to in。

sure this utilization, many experiments under other various conditions may be necessary.

1.緒  言

 近年,製品の製造コストのうちで大きな部分を占め る人件費を減らし,同時に,より高い生産性を実現す るために,工作機械や工場内設備を無人運転化する工 場が増えている。工場の無人運転を可能にするために は,工作機械を含む生産設備全体の自動化を実現しな

ければならない。工作機械自体についてはNC化また はCNC化によって高度の自動化が進んでいる。しか

し,加工に使用される工具。損傷を加工中に自動的に 検出し新しい工具と交換するところまでを自動化しな ければ完全な自動化は実現できない。

 工具損傷に関するインプロセス(加工中における実 時間)検出法としては,工具が損傷を起こしたときに

発する超音波に注目し,これを検出しようとするAE

 くのくの

法  (Acoustic emission法)があるが,特殊な検 出装置を必要とするし,工具の損傷を確実に検出でき るところまで完成された方法ではない。

 本研究では,.旋回を対象とし,刃物引上で検出され る振動の周波数成分に注目し,工具の損傷の検出を試 みた。使用工具の材種は一般に広く使用されている超

硬合金のM20種相当品である。また,工具のタイプは

スロアウェイ・タイプとした。

 一般的な切削条件の範囲内で,フランク摩耗の増加 と共にチップホルダ(バイトのシギンク部に相当)の 固有振動と思われる振動が顕著に現れた。チップホル ダの固有振動数は正確にそれを求めることはむつかし いが,近い値を推定することは容易であるし,実験的 に求めることもできる。工具寿命の判定に上述の固有 振動の振幅値が利用できれば,検出法も簡単であるの で好都合である。ここでは,いくつかの実験データに よって,本方法が工具の摩耗検出法として有望である ことを示し,最後に今後の課題について述べる。

2.工具摩耗と切削三分力の関係

 本実験では,超硬合金工具M20種相当品のスロアウ

エイチップを図1に示すホルダに取付けて使用した。

図2は切削動力計を用いて検出した主分力波形であ る。工具のフランク摩耗幅VBが大きくなるにつれて

動的成分すなわち高周波成分が著しく増加しているこ

とが分かる。背分力および送分力についても同様の傾

昭和61年4月30日受理

 *機械工学科(Department of Mechanical Engineering)

(2)

96.

切削工具損傷,のイ.ンプロセス検出法の研究

6q

6・

⑱3

140 33

15。

◎.

9

150

z 100

5

   0

5。

Flank wear.widt:h

Fig・1

VB冨。.

0 Frequency  kHz 5

  100

B

   0

VB=0.1mm

0 Frequency.@kHz

5

       5。

Dimensions of throw away tip holder.

z .

  100

  0

VB=0.2m冊

0      2.85

Frequency  kHz

5

.8

8

朝 畠

Q .

1000

0

Flank wea.r w・idth VB=0.

0 Time msec

z 100

3

  0

VB=0.3mm

.ノ200

£ 曽

1000

0..

Vθ=0。2mm

     0.      2685      5.

       Frequency..kHz

Fig..3 恥eqμency spectr亡ms.of cutting        force component in cuttihg speed        direction in Fig.2ご

z

  100

B

コ.

0. Time. msec 200 0.U

Flank wear width VB冒Omm

Ftequ『rlcy  kHz

5

乏=.

8

旧...

曜」

り.

1000

0

VB=0.3mm.

名100 B

含.

  0

V8皇0。1mm

0 Frequ6ncy  kH2 5.

0 Tim6  msec 200

Too1.:. C母luented 6arbidβM20, Work:S45C,ρut−

 tiρg speed V=150mlmin・..Feed fニ0・1呂mmlrev・

 Deかth of cUt t=2血m..

Fig.2 .Relation between flank wear・and cutting        force colhponent in cutting spe6d. direction.

2

  1do

  0

VB=q.2mm

叩炉認やられた。.

  図3峠図2の波形を嗣波熱今析したものであう。7 ヲ≠ク摩耗幅vB=ρ・2〜6βmmで周波数が2・85 KH:zの 成今の握幅が著しく塔大.pている.ことが分かる。図4,

図5は背分力,送分力の分析結果を示している。主分

0      2..85

Freq.Eency kH・

.5

2

  1qo

.ヨ

く  0

VB.=0.3mm

Fig.4

0.         218与       5       Frequency  kHz

 Freq血ency spect士t1ms.of cutting  fofce component. in. cutting(車epth

諸四三esa平r.cutti耳9

(3)

客 40

 0

Flank wear width   VB富Omm

0 Frequency  kHz

5

z 40

§

 0

VB=0。1mm

0

Frequency  1〜Hz 5

2 40

 0

VB詔0.2mm

0    2.85 .

Frequency  kHz

5

力の分析結果と同様の結果がえられている。図6,図 7は切削速度をそれぞれV=100および200mlminにし

た場合の結果である。これらの図からも切削速度によ

らず,フランク摩耗幅VBが増大するにつれて2.8kHz 程度の成分が明ら.か.に大きくなつでいることが分か

る。

 以上の結果では,旧誼のフランク摩耗幅が増加する と切削三分力中の特定の周波数成分の振幅が急激に増 大している。従って,広範囲に切削条件をかえた場合 にも同様の結果がえられるのであれば,上述の特定周 波数成分を工具摩耗の検出信号として利用できること

になる。

z 40

VB=0.3mm

  0

   0       2.85      5

        Frequency  kHz

Fig.5 Frequency spectrums of cutting

    force compollent in feed direction     under the same cutting condition in     =Fig.2.

客 100

 』0

Flank wear width   VB=Om田

30

0 Frequency. kHz

5

ZlOO

 0 z

0

Flank wear width   VB =Omm

30

0 Frequency  kHz

VB=0.1mm

5

2

VB;0.lmm

0 Frequerlcy  kHz

0 0

5

2 30

 0

Frequency  kHz

z 100

§

 0

VB=0.2mm

5

VB累0.2mm

0    2.87

Frequency  kHz

0

Frequency  kHz

5

5

z

30

VB=0.3mm

  0

   0      2.85      5          Frequency  kHz

Tool:Cemented carbide M20, Work:S45  C,Cutting speed V=100m!min, Feed f=

 0.18mm!rev, Depth.of cut t=2mm.

Fig.6 Frequency spectrums of cutting

    force component in cutting speed     direction at cutting speed V=100

    mlmin.

2100       VB=0.3mm、

§

  0

   0       ・         2。87        .       5

         Frequency  kHz

Tool:Cement6d carbide M20, Work:S45

 C,Cutting speed V・=200n車1min, Feed f=

 0.18mmlrev, Depth of cut t=2mm.

Fig.7 Frequency spectrums of cutting

    force component in cutting speed     direction at cuttlng speed. V=200

    mlmin.

3. 工具摩耗と工具の固有振動の関係

 工具のフランク摩耗幅の増加とともに切削力波形中 に現われる高周波成分は工具(チップホルダを含む)

自身の固有振動または工具や切削動力計を含めた刃物 台部の固有振動と考えられる。そこで,打撃試験を行 い固有振動の検出を行ってみた。打撃試験は工具およ び切削動力計を切削実験時と同様に刃物台に取付け,

工具先端部を鋼球ハンマで主分力方向へ打撃した。

(4)

98

切削工具損傷のインプロセス検出法の研究

 図8は打撃試験によって切削動力計で検出された主

分力成分波形およびその周波数スペクトル図である。

この図から,低周波成分(560Hz)と高周波成分(約2.

5kH:z)の二つが存在することが分かる。低周波成分は 刃物台部の固有振動,高周波成分は工具の固有振動と 思われる。このことを確認するために,刃物台から工 具および切削動力計を取りはずし,代りに加速度型の 振動ピックアップを取付け,刃物台のみの打撃試験を

行った結果が図9である。この図から,刃物台の固有 振動数は約580Hzと認められる。図8 では560Hzと検

出されており若干のずれが生じている。これは切削動 力計を刃物台から取りはずしたためと思われる。

 以上から,工具摩耗の進行にともなって顕著になつ

.た振動成分は工具の固有振動であったことが分かる。

10

4.切削条件と振動スペクトル

 すでに前節で,切削速度をかえた場合にも工具の固 有振動が工具摩耗とともに顕著に検出されることを明

z 400

0

Flank wear width   VB=・Omm

0

Frequency  kHz

5

  エ、    400

  名   暑   且   夏

z

0

VB=0.2mm

0

9

葺 0

コ 含 く

一100

Time  msec

(a)Wave

 2.45 Frequency  kHz

5

200

z  400

9

 0

z

3

馴 費 く

0.3

VB=0.3mm

0

0 0.56  2.46.

Frequgncy  kHz

(b) Spectrum

5

    0       2.45      5

      Frequency  kHz

Tool:Ce1nented carbide M20, Work:S45C, Cut−

 ting speed V二150mlmin, Feed f驚0.36m卑/rev,

 Depth.of cut t=2mm.

Fig.10 Frequency spectrums of cutting force compo−

    nent in cutting force direction at feed f=Or 36     mm/rev.

2400

0 0

Flank wear width VB;Omm

Frequency  kHz 5

Fig.8 Hammering test of tool attached to a cutting     force dynamometer which is clamped on a     tool holder.

乙 名

400

0 0

VB;0.2mm

  2.73

Frequency  kHz

5

竃 名

費 く

0。3

0 0 0.58

Frequency  kHz

Fig.9 Hammering test of tool holder.

5

乞400

9

VB=0.3mm

   00     2.73    .5

      Frequency kHz

Tool:Cemented carbide M20, Wofk:S45C, Cutting  speed. V=150mlmin, Feed f=0.18mm/rev, Depth  of cut t=3mm.

Fig.11. Frequency spectrums of cutting force compo−

    nent in cutting speed direction at depth of     cut t=3mm.

(5)

らかにした(図3,図6,図7)。他の切削条件すな

わち,送りおよび切込みを変化させた場合の結果を示

したのが図10,図11である。これらの図においても,

工具摩耗が増大するとともに固有振動が明瞭に現われ ている。しかし,切削条件の変化によって,周波数ス ペクトルのレベルは大きく異なっている。

5.結  言

 かなり広範囲の切削条件下において,工具摩耗の進 展とともに,工具の固有振動が刃物台部で検出される ことを示した。この工具の固有振動が工具摩耗の検出 信号として利用できるためには,この固有振動は,ど のような条件のもとでも,工具摩耗の進行とともに検 出される性質のものであることが望ましい。しかし,

現実にはこのようなことは望めないので,どのような 条件下であれば工具摩耗の検出信号として利用可能か

を明らかにしておく必要がある。そのためには,

 (1)切削条件(切削速度,切込み,送り)

 (2)チッフ.およびチップホルダの形状(ノーズ半径,

  逃げ角,すくい角などを含む)

 (3)被削材の寸法・形状および材質

 (4)工具材質

 (5)工具の保持・固定方法

などと上記の固有振動との関係を詳しく調べなければ ならない。さらには,工具摩耗によって固有振動が誘 起される理由を振動力学的に明らかにすることも必要

である。

 切削工具損傷のインプロセス検出法としては,第1

       くヨ  章で述べたAE法以外にいろいろな方法がある。この

中で検出が容易な工具振動を検出する方法について実 験を試みたところ,工具摩耗が進行するとともに,工 具の固有振動が顕著に検出された。本研究では,切削 条件については,かなり広範囲にわたり実験を行った が,他の条件,例えば,チップホルダの形状変化や被

削材形状の変化や寸法変化などの影響は調べていな い。今後,これらを含めて,上記の(1)〜(5)の項目につ

いて実験・検討し,この検出法の実用化を進めていく

予定である。

参考文献

1) 尾上守夫他;アコースティック・エミッション   の基礎と応用,(昭60),コロナ社

2) 森脇俊道;AEによる切削状態認識の現状と将

  来,日本機械学会誌,89−807(昭61),145.

3) 杉田忠彰他;基礎切削加工学,(昭59),247,

  共立出版

(6)

100

参照

関連したドキュメント

⑥'⑦,⑩,⑪の測定方法は,出村らいや岡島

min, temperature at tool flank of a TiAlN-coated carbide tool is approximately 40~50ºC lower than that of a non- coated carbide tool regardless of cutting fluids. Width of a flank

実際, クラス C の多様体については, ここでは 詳細には述べないが, 代数 reduction をはじめ類似のいくつかの方法を 組み合わせてその構造を組織的に研究することができる

これはつまり十進法ではなく、一進法を用いて自然数を表記するということである。とは いえ数が大きくなると見にくくなるので、.. 0, 1,

(( .  entrenchment のであって、それ自体は質的な手段( )ではない。 カナダ憲法では憲法上の人権を といい、

・関  関 関税法以 税法以 税法以 税法以 税法以外の関 外の関 外の関 外の関 外の関係法令 係法令 係法令 係法令 係法令に係る に係る に係る に係る 係る許可 許可・ 許可・

計量法第 173 条では、定期検査の規定(計量法第 19 条)に違反した者は、 「50 万 円以下の罰金に処する」と定められています。また、法第 172

電子式の検知機を用い て、配管等から漏れるフ ロンを検知する方法。検 知機の精度によるが、他