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モルフォロジィ理論のファジィ化に関する研究

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Academic year: 2021

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長野工業高等専門学校紀要 ・第30 (1996) 41

モル フォロジィ理論のファジィ化 に関す る研究

―ファジィモルフォロジィ基本演算―

古川万寿夫 梅澤昌大 (平成81031日 受理)

A study of Fuzzy Mathematical morphology

Masuo Furukawa and Masahiro Umezawa

Mathematical morphologyprovidesaneffectivetoolforimageanalysis.Thspaper developsfuzq mathematicalmorphologies.Themathematicalmorphologiesareextended tofuzzy dilation,fuzzyerosion,fuzzyopnlngandfuzzy closing.

1.ま え が き

モルフォロジィ理論は、フランスの国立高等鉱 山学校の研究者G.MatheronJ.Serra 鉱石の幾何学的特性 と物理的特性 との間の関係 を研究 中に得た着想か ら生まれ、1975年 G.Matheronが数学的基礎を完成 させた形で紹介 した。モル フォロジィ理論は与 えられた二 倍画像または濃淡画像か ら特徴抽出をす ることができ、集合論的操作演算か らなる対象画 像の変換の手法の理論である。 この理論の基礎 となるモル フォロジィ演算は対象画像か ら 特定の形 を特徴 として抽出 した り、分離 をす ることのできる一種のフィル タ演算である と いえるOモル フォロジィ演算は集合論を基礎に してお り、単純な二倍演算 を基本 としてい る。

モルフォロジィ理論は画像処理の分野で多 く応用 されてい る。その応用 として画像 中の 特徴抽出をは じめ とし、画像中の特定の形状の存在 を認識す る形状認識、特定の形状を画 像か ら分離す る形状分解な どが挙げられ る1)2)3)

従来のモル フォ ロジィは二倍演算が基本であった。 しか し、少 し形状が歪んでいた り、

崩れていた りも しくは汚れていた りす る画像の場合、特徴抽 出、特徴認識や形状分解な ど が うまく行われない可能性がある。本研究では、ファジィ理論の考え方をモル フォル ジィ 理論にとりいれ ることにより、少 し形状が歪んでいた り、崩れていた りも しくは汚れてい

本研究は平成7年度科学研究費補助金 ・奨励研究(A)の助成を受けて行われた

●電気工学科 講師

◆平成7年度電気工学科卒業

(2)

42 古川万寿夫 ・梅津昌大

た りする画像に対 して、歪み、崩れ、汚れなどに影響されずに処理できることをめざ し、

モルフォロジイ理論をファジイ化 したファジイモル フォロジイ理論を確立することが研究 目的である。本稿ではファジイモルフォロジイ理論の基礎 となるファジイモルフォロジイ 基本演算を提案 し、簡単な文字画像に対 してファジイモル フォロジイ基本演算を適用 を試 みた。

2.モル フォ ロジ ィ理 論

2‑1 モルフォロジィ基本演算

モルフォロジィ基本演算には、 4種類の基本演算がある。以下に、二つの集合x,Bに対 す るモルフォロジィ基本演算を示す。画像処理に応用する場合、xは原画像、Bは特徴を示 す構成要素 となる。

(1)Dilation : ×⑳B=(x+b:x∈X,b∈B)

Dilation、XBについて平行移動 したものの和であ り、画像を拡張させる効果があ る。

(2)Erosion : XOB=(x:x‑+b∈×,b∈B)

Erosion、XBについて平行移動 した ものの積であ り、画像を収縮 させ る効果がある。

(3)Opening : (×◎B)eB

Opening、XBについてErosionしたものに対 して、さらにBについてDilation たものであり、画像の境界面を滑らかにし、狭い地峡形状、′J島、及び鋭 くとがった出っ 張 り等を除去す る効果がある。

(4)Closing : (XOB)◎B

Closing、XBについてDilationしたものに対 して、さらにBについてErosion た ものであり、画像の境界面を滑らかにし、狭い間隙及び小 さな穴等を除去する効果があ る。

2‑2モルフォロジィ基本演算の適用例

手書きアルファベ ッ トrQ」の文字画像に対 してモルフォロジィ演算を施 した結果を第 1図に示す。第 1図において(a)は演算対象 とした原画像、 (b)は演算に用いた構成要素で ある。

第 1図(C)Dilation演算の結果を示す。原画像に比べ、画像が拡張されている。第 1 (d)Erosion演算の結果を示す。原画像に比べ、画像が収縮 されている。また第1(e) Opening演算の結果を示す。原画像に比べ、閉じた 「輪」を開く効果が現れている。第1 図(f)はClosing演算の結果を示す。原画像に比べ、文字の 「谷間」が埋まってい る。いず れの結果も演算後は二倍画像 となる。

(3)

モル フ ォロジ ィ理論 の フ ァジ ィ化 に関 す る研 究 ‑ フ ァジ ィモル フ ォ .,ジ ィ基本 演 算 一

(e)opening

(b)構成 要素B

1・一‑‑‑・‑1一

1

七・一′〜‑‑

1図 モルフォロジイ基本演算の適用例

43

(4)

44 古川万寿夫 ・梅浮昌大

3.モル フォ ロジ ィ理 論 の フ ァ ジ イ化

3‑1ファジィモルフォロジイ基本演算

本研究で提案するファジィモルフォロジィ基本演算を以下に示す。 ここでXは二億の原 画像、Bは 0か ら1の間の値をもつ多値の構成要素∨はMAX演算子、∧はMIN演算子であ

る。

(1)FuzzyDilation:×◎B=62Ib'BFLbXb

FuzzyDilation、XBについて平行移動 し、重ね合わせたものをMAX演算 したもの で、画像 を拡張させる効果がある。また、構成要素の値によってはエ ッジを渉ます ことも あ り得る。

(2)FuzzyErosion:×◎B=6hFLbXb

FuzzyErosion演算は、XBについて平行移動 し、重ね合わせたものをMIN演算 したも ので、画像を収縮 させる効果がある。また、MIN演算なので演算結果のグレー ドは小 さくな る。

(3)FuzzyOpening:(×㊧B)◎×

FuzzyOpening演算は、Fu212:yErosion演算の結果 に対 し、 さらに Bについて Fuzzy Dilation演算 したもので画像の境界面を滑らかに し、囲まれた部分を広げる効果があり、

構成要素によってはエ ッジが渉んで表示 される。

(4)FuzzyClosing:(×◎B)◎X

FuzzyClosing演算は、Fuz21yDilation演算の結果を、さらにBについてFuzzyErosion 演算 したもので画像の境界面を滑らかにし、狭い間隙や小 さな穴等を除去する効果があり、

構成要素によってはエ ッジが渉んで表示 される。

3‑2ファジィモルフォロジィ基本演算の適用例

2(a)および(b)に演算に用いた原画像 xと構成要素Bを示す。原画像は二倍画像で ある。構成要素は、サイズが5×525ドッ トで、グレー ドは中心が1.0で、中心の近傍8

ドッ トが0.5、さらにその外側近傍16ドッ トが0.2とした。

2(C)〜 (f)にファジィモルフォロジィ基本演算の適用結果を示す。第3(C)Fuzzy Dilationの結果を示 し、画像が拡張され、画像のエッジが渉んでいることがわかる。第3 (d)Fuz21yErosionの結果を示 し、画像が収縮 されているOまた、この画像のグレー ド はは0.2である。第3(e)FuzzyOpeningの結果を示 し、囲まれた部分が拡張され、ェ ッジが渉んで表示 されている。 第3図(f)はFuzzyClosingの結果を示 し、穴が埋まるよ うに渉んで表示 されている。

FuzzyOpeningFuzzyClosingが演算結果がグレー ドの低い画像になる理由は、両演算 ともMIN演算を含んでいるか らである。

(5)

モル フォロジ ィ理論 の ファジ ィ化 に関す る研究‑ ファジ ィモル フォロジ ィ基本演 算‑

(C)FuzzyDilation

(e)FuzzyOpening

. I .

′ ・ . ■ J I ● .. . . I . ■ ′ . . I . . I ( . .

′ ● ▼・ J .

.I.

, I. .I..I.●.I..I.・I.

(b)構成要素 B

(d)FuzzyErosion

(f)FuzzyClosing

2図 ファジイモル フォ ロジィ基本演算の適用例

45

(6)

46 古川万寿夫 ・梅津昌大

4.まとめ

本研究では、少 し形状が歪んでいた り、崩れていた りもしくは汚れていた りす る画像に 対 し、歪み、崩れや汚れな どに影響 されずにモルフォロジィ理論によって画像処理ができ ることをめざしている。本稿ではモル フォロジィ理論をファジィ化 したファジィモルフォ ロジイ理論を確立することを 目的とし、ファジィモルフォロジィ理論の基礎 となるファジ イモルフォロジィ演算を提案 し、簡単な文字画像に対 してファジィモルフォロジィ演算 を 適用 した。

今後は、本稿で提案 したファジィモルフォロジィ基本演算を、実際に画像処理に適用 し、

その効果を検討 してい くことが望まれる。

参 考 文 献

1)間瀬 茂,上 田 修功 ;モルフォロジーと画像解析 [Ⅰ],電子情報通信学会誌,γol.74, No.2,pp.166‑174(1991)

2)間瀬 茂,上 田 修功 :モルフォロジーと画像解析 [Ⅱ],電子情報通信学会誌,γol.74, No.3,pp.271‑279(1991)

3)RobertM.Haralick,Stanley氏.SternbergandXinhuaZhuang:ImageAnalysisUsing MatheJnatical Morphology, IEEE Transaction on Pattern Analysis and Machine Intelligence,γol.pamト9,No.4,pp.532‑550(1987)

参照

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