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隠岐五箇方言の問いかけ表現法

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Academic year: 2021

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(1)

隠岐五箇方言の問いかけ表現法

五筒方言とは、隠岐島﹁島後﹂ハ隠岐群島中、北部に位寵する最 大の島を指す。︶の北部に位寵する、五箇の生活語をいう。小稿で は、乙の五箇方言にみられる﹁問いかけ表現法﹂について、記述を す す め る 乙 と に す る 。 問いかけの表現は、相手に、何らかの反応・説明を期待する表現 から、自問・自疑の表現にいたるまで、幅広く、かっ、そうとうに 複雑である。勧誘・依頼・命令・反接など、他の諸表現とかかわり あ う 面 も 大 き い 。 問いかけの表現を、形式面からみれば、﹁カ﹂類、その他の文末 詞の友つ場合、疑問詞の立つ場合、文末に、特定の声調の加わる場 合

l

i

の、おおむね三本の柱をみとめる乙とができる。もとより、 ζ れらの諸要素も、現実の相においては、相互に相呼応しておこな わ れ る こ と も 少 な く な い 。 はじめに、文末詞の立つ表現法を中心に、とりあげていくことに し た い 。 ー、文末調の立つ表現 a カ 類 。マタボロケタ力。 注 ま た 落 ち た か 。 ︵ 育 男 ← 小 田 刀 V

誌、話し手が青年男子、聞き手が少年男子であるととを示す.以下、 ζ の 表 記 法 に よる・なお、聞き手の表記のないものは、すべて筆者が聞き手である。

O

フナガオッヵ。 ふ な が い る の 。 ︵ 小 女 ← 同 ︶

O

刈イテモラツタカ・ 買 っ て も ら っ た の 。 ︵ 小 男 ← 同 ︶

O

フガホコッチヨツカ。 火 が お と っ て い る ? ︵ 老 女 ← 育 男 ︶ 単純な問いかけの表現である。右は、文末に、﹁カ﹂の L M っ と と に よ っ て 、 成 り 立 っ た 表 現 で あ る が 、 ま た 、 と と に 、 ﹁ カ イ ﹂ ﹁ カ エ ﹂ の す 一 つ こ と が あ る 。

O

叶 .

4

1

ワナンニチカイ。 今 日 は 何 日 だ い 。 ︵ 老 男 ← 小 女 ︶

O

斗 l サンモエキタカイ。 お じ い さ ん も 行 っ た か い 。 ︵ 古 男 ← 小 女 ︶ 、 、 、

O

カヰチャンワエン外カイ・ か ず ち ゃ ん は 帰 っ た の 。 ハ 中 女 ← 小 女 ︶ ・ ・ ・ 、 、 ‘

0

7

ダ ガ ツ コ 1 ス

7

ンカエ。 ま だ 学 校 は 終 わ ら な い の @ ︵ 中 女 ← 小 女 ︶ r h J v a 斗

(2)

− E ・ E − E ・ 、 、 対 071 エクカエ 1 0 もう行くかい。ハ中男

4

同 ︶ 右 の よ う に 、 今 ﹁ カ イ ﹂ ’ ﹁ カ エ ﹂ の 立 つ 表 現 は 、 ﹁ カ ﹂ の 立 つ そ れ に 比して、親しみがある。﹁カ﹂に、改まり・かたさがみとめられる のに対して、﹁カイ﹂﹁カエ﹂には、気やすさ・やわらかさがみと め ら れ る 。 例 え ば 、 t a − − − E 。ミンナエカシャンスカ。 み ん な い ら っ し ゃ い ま す か 。 の ﹁ カ ﹂ の 位 置 に 、 ﹁ カ イ ﹂ ﹁ カ エ ﹂ は 立 ち に く い 。 ﹁

l

シ ャ ン ス ﹂ の よ う な 敬 体 の 叙 述 下 に は P ﹁ カ ﹂ の 立 つ の が 自 然 な の で あ る 。 なお、﹁カイ﹂﹁カエ﹂は、例文にみられるとおり、上昇調子を と っ て お こ な わ れ る こ と が 、 比 較 的 多 い 。 さ て 、 以 上 に と り あ げ た も の は 、 単 純 な 問 い か け 表 現 で あ る が 、 ﹁カ﹂類文末詞をとる問いかけ形式のもので、また、次下のよう な、複雑な表現もみとめられる。ととに、勧誘・依頼・命令その他 の 諸 表 現 に か か わ り あ う 、 特 殊 面 が 観 察 さ れ る 。 。オツツァンニキlテミツカl。 おじさんに聞いてみる p ︵ 小 男 ← 同 ︶

O

パ lサントアスプカ。 お ば あ さ ん と 遊 ぶ

t

︵ 老 女 ← 小 女 ︶ とれらは、問いかけの形式をとった、勧誘の表現とみるととができ よう。次下の例文も、また、勧誘表現としてとりあげることができ る 。 − − −

O

チットトツタテ芳ジンジンシメ l r ヵ 。 少 し と り た て て 信 心 し よ う で は な い か . ︹ 嬢 寺 ︺ ハ 老 女 ← 老 男 ︶

O

ア ツ チ ペ タ エ 7 ワlッテ、ミメlヵ。 向 う 側 へ ま わ っ て み よ う で は な い か 。 ハ 中 女 ← 老 女 ﹀

O

オ外叶叶サ什エツシヨ対ワシェペlヵ。 お だ て て 酒 を 一 升 買 わ せ よ う で は な い か 。 ︵ 中 男 ← 同 ︶

O

ヤショタニクイメ!カ。 夜 食 に 食 べ よ う で は な い か 。 ︵ 老 男 ← 育 男 ︶ と れ ら は 、 ﹁

l

メ l ﹂ ハ

1

まい﹀の立つ叙述を、﹁カ﹂で統轄、問 いかけの表現にしたてたものである。特色のある、勧誘の表現とな る 。 ﹁

1

メ l ﹂ は 、 い わ ば 、 否 定 の 方 向 の ﹁ 意 志 ・ 決 意 ﹂ を 表 わ す 。 が 、 乙 の 意 を も っ て 立 つ ﹁

1

メ l ﹂は、右のような、問いかけ形式 の勧誘表現におこなわれるのが普通である。この表現は、だいた い 、 中 年 層 以 上 に 多 い 。 否認形式をとる叙述を受けて、﹁カ﹂類の立つ表現がある ρ

O

ヤラッシャランカ。 お や り に な ら な い の 。 ︵ 老 女 ︶ ・・・・・・、、‘

O

エカシャランカエ。 いらっしゃらないの。︵中女←老女︶ 071 エナツシャランカノ。 も う お 帰 り に な ら な い 。 ハ 中 女 ← 老 女 ︶ 乙れも、勧誘または椀曲な命令の表現としてうけとるととができ る 。 否 認 形 式 を と る 叙 述 を 受 け て 、 例 の よ う な も の が あ る 。

4

6-﹁ カ ﹂ 類 の 立 つ 表 現 に 、 ま た 、 次

(3)

O

アケテゴサンヵ。 開けてくれないか。︵小女←中女︶

O

チヨットフロ l ミテゴサンカエ。 ち ょ っ と 風 呂 の 湯 加 減 を み て く れ な い 。 と れ ら は 依 頼 の 表 現 と み る 乙 と も で き よ う 。 。ナオッジヤラ l カ 。 な お る だ ろ う か 。 ︵ 青 女 ← 中 女 ︶

O

シ ェ ン シ ェ l ワウチンジャラ l カ 。 先生は家にいらっしゃるだろうか。︵中女←育男︶

O

寸ダ寸イジヤラ l ヵ 。 ま だ あ る だ ろ う か 。 ︵ 中 男 ← 同 ︶ 推 量 の 問 い か け 表 現 で あ る 。 推量の問いかけ表現形式をとるもので、さらに、次下のような表 現 が 注 意 さ れ る 。 。エチリモゴザンショ l ヵ 。 一 里 も ど ざ い ま し ょ う か 。 ︵ 老 女 ← 老 男 ︶ 独 白 に 近 い 、 疑 い の 表 現 で あ る 。

O

ナンガハズカシカラ l カ ナ 。 何がはずかしいものか。︵小女←同︶ 反 援 の 表 現 と み る こ と が で き る 。 問いかけの形式をとる反接の表現としては、なお、次下のような も の が と り あ げ ら れ る 。

O

モ ド ラ l ツカエ。 帰 る も ん か い 。

O

シ ラ i ツカイ。 ︵ 青 女 ← 小 女 ︶ ︵ 中 男 ︶ 知 る も ん か い 。

O

ツ 7 ラ l ツケ。 で き る も ん か い 。

O

オ ラ l ツ ケ l 。 い る も の か い 。 ︵ 小 女 ← 同 ︶ 強い自己主張を、問いかけの、いわゆる反語形式によって表わし た、反接・反抗の表現である。後二例の文末詞﹁ケ﹂は、﹁カイ﹂ から転靴したものである。さて、﹁ヶ﹂のおこなわれるのは、右の 表現の場合に限られる。との点からも、右の﹁

l

ツケ﹂は、反擦 の表現形式として、ある程度、慣習化したものとみる乙とができよ う。︵ちなみに、﹁

1

ツケ﹂の﹁ツ﹂は、推量助動詞﹁ズ﹂の転 批形である。︶全層によくおこなわれる特殊な表現である。 ﹁カ﹂類は、さらに、次下のように、特殊な問いかけ表現をした て る 。

0

3

ンタオツタカノ。 あなた、いたの。︵中女←老女︶

O

ヨ l 。ゴザッタカノ。 あら。いらっしゃったの。︵老女←同︶ これらは、いずれも、事態を目前にしての問いかけ表現で、聞き手 の、反応・説明を期待する面は、比較的うすい。いわば、発見・確 認 の 表 現 と い っ て も よ か ろ う か 。

O

ム ギ 7 キデスカ。 麦まきですか。︵中女←中男・等︶

O

ク叶ぺ叶カイ。 草 取 り か い 。 ︵ 老 男 ← 老 女 ︶ ︵ 育 男 ← 同 ︶ ︵ 青 男 ← 同 ︶ づ Jf d A 叶

(4)

\ 品 、

O

キコリデスカノ。 木乙りですか。︵中男←老男︶ ζ れも、特定の事態を自ら目撃しての、問いかけ表現である。聞き 手の説明を期待する意識は稀薄で、単なるあいさつの表現とみてよ い 。 ζ れを、また、確認の表現とみるとともできようか。 − z − − − a z−−、、 u ‘

0

7

メ ニ ゴ ザ ン ス カ 1 0 お 元 気 で す か 。 ︵ 中 女 ← 同 ︶

O

オ シ 7 イ デ ゴ ザ ン ス カ 。 今 院 は 。 ︵ 老 女 ︶

O

シ 7 ワシタカノ。 今 晩 は 。 ︿ 中 男 ← 老 男 ︶

O

ヌ ク イ ジ ャ i ネ l ヵ 。 暖かいではないか。︵中男←同︶ 右の表現も、先述したと乙ろに類するもので、問いかけ形式によ る、単なるあいさつの表現とみることができる。 。ソlカノ。 そ う か ね 。 ︵ 老 女 ← 同 ︶

O

ソ ゲ l ヵ 。 そ う か 。 ︵ 老 男 ← 育 男 ︶

O

ソ エ カ 1 0 そ う か 。 ︵ 青 男 ← 同 ︶

O

ホントカノ。 ほんとう?︵小女←中女︶ 問 い か ・ け 形 式 を と っ た 応 答 の 表 現 で あ る 。 い く ら か の 縦 い そ ヘ パ む と ともあるが、単なる受け答えである場合が多い。 以上のように、﹁カ﹂類の文末詞の L V 一 つ 問 い か け の 表 混 は 、 複 雑 な特殊相をみせるととが少なくない。 b ヤ 文末詞﹁ヤ﹂が立って、問いかけの表現の成り J 1 つ こ と が あ る 。

O

ド!チャンワモツテエカシタヤ。 お父さんは持って行かれたかい。︵中女←同︶

O

ドコ汁ャ。 ど こ で ? ︵ 小 女 ← 小 男 ︶ −S E a − \ 切 。ワタシガヤ。 私 が ? ︵ 小 女 ← 青 女 ︶

O

アルイテヤl。 歩いてかい。︵中女←老女︶ 山 中 純 な 問 い か け で あ る 。 ﹁ ヤ ﹂ は 、 先 述 の ﹁ カ ﹂ た 比 べ る と 、 口 問 位 が下がる。ごく親しい者同士のあいだでおとなわれるもので、くだ けだ感じをもっているロ﹁カ﹂に比較すると、使用頻度も低い。 ζ の﹁ヤ﹂が、先述の﹁カ﹂と複合して成った文末詞に﹁カヤ﹂ がある。﹁カヤ﹂も問いかけの表現をしたてる。 − E E E E z − − EE ・ E ・ − − E E E 、 、 ‘

O

シェビロキチヨツタカヤ。 背広を着ていた?︵小女←中女︶ \ V 品 、 。ノラレッカヤ。 乗れるの。︵小男←中女 V

O

斗 キ ガ 汁 ン 刈 ヤ l 。 空気がもれない p ハ ボ l ル ︺ ︵ 小 女 ← 小 男 ︶ ・ ・ ・ ・ 、 、 し ‘

O

ゴ ム ワ ネ l カ ヤ 1 0 ゴ ム は な い の 。 ︵ 小 男 ← 老 女 ︶

- 4

8

(5)

﹁カヤ﹂は、右の例文にみられるように、普透、上界調子をとって お乙なわれる。とのうちでも、特に、後二例にみられる﹁

1

カ ヤ ‘ 、 L 幽 可 ﹄ l ﹂は、特異である・との特異な上昇調子は、実は、一般の問いか け の 表 現 に み ち れ れ Q 冊 目 叶 的 な も の で あ っ て 、 注 目 さ れ る 。 さて、右の﹁カヤ﹂による問いかけ表現には、気やすさ・親しさ が み と め ら れ る , 。 こ の 点 、 後 述 す る ﹁ カ ノ ﹂ と 対 照 的 で あ る 。 ︵ ﹁ カ ノ ﹂ に は 、 比 較 的 、 改 ま り ・ 上 口 問 さ が み と め ら れ る の ︶ ﹁ カ ヤ ﹂ の ゼ つ . 問 い か け 表 現 は 、 全 層 に お こ な わ れ る が 、 特 に 若 い 国 間 に 多 い 。 e ノ・ナ 文 末 詞 ﹁ ノ ﹂ お よ び ﹁ ナ ﹂ が 枝 一 っ て 、 問 い か け の 表 現 の 成 な す る と と が あ る 。 \

O

斗 ツ 斗 カ シ ャ ナ ノ 。 内 い つ い ら っ し ゃ る の 。 ︵ 小 男 ︶

O

オンタ珂タ寸フノガツコ l デスノロ あ な た は ど 乙 の 学 校 で す の 。 ︵ 老 女 ︶ − E E − − − − ・ 1 1 1 F

O

ドコエカシヤルナ。 ど 乙 へ い ら っ し ゃ る の ︵ 中 女 ← 育 男 ︶ 右のように、﹁ノ﹂﹁ナ﹂は、疑問詞と呼応しておこなわれるのが 普 通 で あ る 。 が 、 使 用 畑 山 度 は 低 い 。 ﹁ ノ ﹂ と ﹁ ナ ﹂ と で は 、 ﹁ ノ ﹂ の 方 が 上 品 で あ る 。 ζ の 用 法 に 立 つ場合に限っていえば、﹁ノ﹂の方が、使用頻度もやや高い。いず れ も 、 単 純 な 問 い か け 表 現 を し た て る 。 さて、右の﹁ノ﹂が﹁カ﹂と複合して成った文末詞に、﹁カノ﹂ がある。とれも問いかけ表現に立ち、日常頻用されている。

O

パ I サン。モモガアツカノ。 お ば あ さ ん 。 桃 が あ る の 。 ︵ 小 女 ← 老 女 ︶

O

ナシモアッカノ。 梨 も あ る の 。 ︵ 中 女 ← 老 女 ︶

O

l 汁 タ カ ノ 。 ” も う 出 た の

02H

女 ← 小 男 ︶

0

4

ス汁ス刈ノ。 留 守 で す か 。 ︵ 中 女 ← 老 女 ︶ い ず れ も 、 単 純 な 問 い か け 表 現 で あ る 。 ﹁カノ﹂は、かなり上品である。﹁カ﹂﹁ノ﹂それぞれも、比 z 較 的上品であるととは、先述したとおりである。ことで設怠されるの は、﹁ヵノ﹂の頻用されるのに比して、﹁カナ﹂がほとんどおこな われないという乙とである。乙の事態も、﹁ナ﹂の示す、品位の低 さ に 関 連 す る も の と 思 わ れ る 。 ﹁ ヵ ノ ﹂ の 立 つ 表 現 は 、 女 性 に お こ な わ れ る と と が 多 い 。 d ン 文末詞﹁ン﹂が立って、問いかけの表現の成り烹っととがある。

O

叶 コ ノ ク 叶 ト リ ユ エ ク ン 。 ど ζ の 草 取 り に 行 く の 。 ︵ 中 女 ← 小 女 ︶

O

叶 コ デ キ ツ 什 ン @ ど こ で 切 っ た の 。 ︵ 小 女 ← 中 女 ︶ ﹁ン﹂は‘右の例文のとおり、疑問詞と呼応して用いられるのが普 通である。乙の種の問いかけ表現は、まれにしかおこなわれないロ 主 と し て 、 女 性 に み ら れ る .

e

- 4

9

(6)

文末詞﹁ダ﹂が立って、問いかけの表現の成り立つととがある・

0

ナ 斗 11 斗什升斗ルダ。 何 を 言 つ で い る の 。 ︵ 老 女 ← 小 − 男 ︶

O

汁 ン 刈 イ ダ 1 0 なにをするの。︵小男←同︶

O

叶 ゲ ス ツ 外 。 コ レ @ どうするの@乙れ。︵小女←悶︶

O

汁 ケ 汁 ニ ヤ 叶 ガ ス ツ ダ 。 な か っ た ら ど う す る の 。 ︵ 育 女 ← 老 田 刀 ︶ ﹁ダ﹂は、疑問詞と呼応して、問いかけの表現に取っ。﹁ダ﹂に は、判断・主張の感情の托されるのが普通で、特定の場面にあって は、右の形式による表現が、いわば詰聞の表現となるとともある。 ﹁ダ﹂の立つ表現は、概して下品である。全層にわたって、ひろ く お こ な わ れ る 。 ﹁ダ﹂が、先述の﹁カ﹂と複合して成った文末詞に、﹁ダカ﹂が ある。との﹁ダカ﹂も、問いかけの表現をしたてる。 。 コ ン ヤ エ ク ダ カ 。 今夜行くの。︵中女←中男﹀

O

叶 ン ニ モ 叶 J 4 ダ ヵ 。 晩 に 帰 る の 。 ︵ 中 女 ← 同 ︶

O

カヨlダカ。 遇うの。︹通学︺︵小女←同︶

O

ス寸lスツダカ。 相撲をするの・︵小男←問︶ 以上のように、﹁ダカ﹂は、﹁ダ﹂の立つ表現の場合と異なって、 疑問認を伴わないで用いられる。だいたい、 近い。全層にわたってお ζ な わ れ る 。 f カ ハ ガ ︶ 文 末 詞 ﹁

γ

﹂︵ガ︶が立って、問いかけの表現の成り立つことが あ る 。

O

エンピツアラ l ヵ . 鉛筆があるだろう。︵老女←小男︶

O

スルメジャラlガ 1 ・ するめだろう。︵小女←中女︶

O

4

1

エ 叶 叶 l スメリ炉。 今 日 行 か な い だ ? ? っ 。 ︵ 中 男 ← 同 ︶

O

外ラカ汁

l

y

。 暗いだろう。ハ中男←老男︶ 推量の問いかけ表現である。﹁ Y ﹂は、例文のように、推量の叙述 を受けてお乙なわれるのが普通で、他の形式に関連して問いかけ表 現広立つことはない。乙の﹁ Y ﹂の立つ表現は、先述の﹁カ﹂など の立つ場合と違って、話し手の判断を、聞き手の意図に意を払いな がら、もちかけるおもむきのものである。その意味で、聞き手の、 同意・確認を期待する、特殊な問いかけ表現という乙ともできよ v

右の﹁

γ

﹂が、先述の﹁ナ﹂﹁ヤ﹂と複合して成った文末詞に、 ﹁

Y

︵ ガ ︶ ナ ﹂ ﹁

Y

︵ガ︶ヤ﹂がある。との文末詞も、特殊な問い か け 表 現 を し た て る 。

O

カ 斗

Y

ア 汁 l M H ナ 。 紙があるだろう。︵中女←小女︶ ﹁ ー の か ﹂ の 意 味 に

(7)

0

カ寸叶ナンドオ叶マショ

I

γ

ヤ @ 壁など落ちましょうね。︵老男︶ と の 問 い か け 表 現 ‘ も 、 基 本 的 に は 、 先 述 の ﹁ 一 刀 ﹂ に よ る 表 現 の 場 人 け と、ほぼ同様の機能をみせる。つまり、話し手の判断をもちかけ、 そ F の、同市川了確認を期待する、特殊な問いかけの友現として存なし て い る の で あ る 。

2

、疑問詞の立つ表現 疑問詞によって、問いかけ表現の吠り立つ乙とが多い。その疑問 詞が、﹁カ﹂など、特定の文末詞と呼応しておこなわれる表現は、 すでに、先項でもとりあげてきた。事実、疑問詞は、文表現の末尾 に 位 置 す る 、 判 定 の す ︿ 末 詞 と 共 に 用 い ら れ る こ と が 少 な く な い 。

O J

ナンゾクツデョッカ。 何か食べているの。︵小女←同︶

O

ナンゾヨlジカノ。 何か用事ですか。︵刊男←中男︶

O

ド ゲ エ ツ タ カ イ 。 ど う 一 一 一 一 口 っ た か い 。 ︵ 老 男 ← 中 男 ︶ 右のように、疑問詞は、文末詞﹁カ﹂類と呼応しておとなわれるこ と が 最 も 多 い 。 次 下 の 例 文 の よ う に 、 疑 問 罰 が 、 文 末 詞 ﹁ ノ ﹂ ﹁ ナ ﹂ ﹁ ン ﹂ な ど と 、 一 呼 応 し て 史 つ 問 い か け 表 現 も 注 目 さ れ る 。

O

ド ゲ ノ l Q ど う か ね . ︵ 中 男 ← 同 ︶ \ : 品 、 。寸コエカ斗汁ルナ@ ど こ へ い ら っ し ゃ る の 。 ︵ 中 女 ← 育 男 ︶ ﹁ ダ ﹂ 。 ド コ デ キ ッ タ ン @ どこで切ったの@︵小女←小女︶

O

ナ ニ ス ル ダ ロ 何をするの。︵主女←小男︶ 右の例文にみられる文末詞は、疑問詞と呼応して問いかけ表現に烹 つのが普通である。単独で、問いかけ表現を成りなたせる ζ と は な 、 A O p v 疑問詞をとる表現は、文末詞が﹂札だなくても、問いかけの表現と な る の が 一 般 で あ る 。

O

ドケエク。 ど乙へ行くの。︵老女←中女︶

O

ドコエカシタ。ジlサン@ ど ζ へ い ら っ し ゃ っ た 。 お じ い さ ん 。 ︵ 老 女 ← 老 川 刀 ︶

O

汁 エ

γ

シ タ 。 誰がしたんだ。︵中男←同︶

O

ナlシェハダシデキタ。 なぜはだしで来だの。︿小女←同︶

O

ド コ ウ マ レ ダ 。 どこの生まれだい。︵老男←育男︶ 右の例文のよろに、疑問詞をとる問いかけ表現は、末尾で、上昇調 子をとらないととが多い。いずれも単純な問いかけである。 。 エ ツ エ 刈 汁 . ジ ヤ ラ l 。 い つ 帰 る の だ ろ 弓 。 ︵ 小 田 刀 ︶

O

ドイツノブンダラl。 どの方だろう。︵青女←小男︶ - 51

(8)

-推量の問いかけ表現である。 疑問詞を含む話部が、そのまま問いかけ表現にホつ乙とがある。

O

ド コ カ ラ 。 ど乙か ら︿来 た ﹀ 。 ︵ 青 女 ← 小 女 ︶

O

ド コ ノ l 。 ど ζ の︿犬 ﹀ 。 ︵ 小 男 ← 青 女 ︶

O

エ ツ ゴ ロ l 。 いつ頃 @ ︵ 小 男 ← 同 ︶

O

ド ゲ l 。 どうだつて︵老女←小男︶

O

汁 l

l a な ぜ 。 ︵ 老 男 ← 同 ︶ 親しい者同士のあいだで交される、単純な問いか けである 。

3

、文末声調による表現 問いかけの表現は、叉末に加えられる、特定の戸 加によっても成 り 立 つ 。 、 、

O

エ モ コ ヌ l 。 米られないって。︵ 小 男 ← 同 ︶

O

フ ト ニ ヤ ツ タ l 。 人にやったって 。 ︵ 小 男 ← 同 ︶ ‘ 、 、

O

エンピツガアル | 。 鉛隼があるの 。 ︹ 小 男 ← 老 女 ﹀ 疑 問調および文末詞のない問いかけ表現の文末 では、例火のとお り 、上昇調子をとるのが普通である。 − E E ・ E ・ − − , . . . . . . . 、 、 ‘

O

ア ス コ ニアツタジャ − 7 1 0 あ そ ζ にあっだだろう。︵老女←小男︶ ’ ﹃ E 、 、 対 E ・ E ・ − −

O

ベイチヨ l ダ ラ l 。ミシ ン イ ト ガ 。 入っているだろう。ミシン糸が。︵膏女←小女︶ 推量の問いかけ表現である a と ζ で も 、文末で、上 昇調子 をとって いるのが注意される 。 述部に、活用語の﹁推 量形﹂をもっ 乙の表現 は、例えば﹁寸ダ 汁イ ジ77 1 ヵ 。 ﹂︵まだあるだろうか。﹀な ど、文末 に﹁カ﹂をとる表現とは呉なって、話し手 の 、二定の判 断 ・ 推定をもち かけ、その同意を期待するおもむきのものである。 その怠味 では、また、特殊な問いかけ表現とする乙とができよう 。 文末 の 上 昇調子は、もとより、﹁カ﹂などの文末詞をとる表現に もみ られる。例えば、次下のとおりである 。 \ ‘

O

オ 叶 オ ワ 什 ン ド カ ラ ハ ジ 7 ツタンデスカイ l n お寺は 印 度から始まったんですか 。 ︵ 老 女 ︶ ・ ・ ・ 、 \ 担 、 07 1 エ ク カ エ l 。 も弓行くかい。︵中男←同︶ i l l 、

O

フ 叶 カ ラ 汁 カ ツ 汁 カ ラ 刈 イ ト オ シ ベ ブ 7 P コ ス 州 ヤ 1 。 風呂からあがづてか ら 、 ほんとう に 教えてく れ る ね 。 ︵ 小 女 ← 同 ︶ 、 \ ィ

O

オ寸エタチャ l J 4 コ l d A J 7 汁バ ゾ 汁 7 ス カ ノ l 。 あ な たたちはそ乙を掘っ て 、 何 か 山 山 ま すか ね 。 ︵ 老女 ←中男 ・ 等 ︶ a 司 、 崎 、 、 以上のよ うな上昇調子 のうちで、﹁

1

カ エ l ﹂ ﹁

1

カ ヤ l ﹂、ある E E ・ 、 、 . 、 ・ E ・ 、 、 司 いは先述の﹁

1

ヤ ツ タ

1

﹂ な ど の ような 、 ﹁

l

o

o

1

﹂ 調 の も の は 、 念お しの心意を 表 わ し た も の で あ る 。 出 明 日 的 な戸淵であって注円さ れ る 。

亡 。

(9)

以 上 、 五 箇 方 言 の 問 い か け 表 現 法 に つ い て 記 述 し た 。 対話の生活にあって、相手の反応・説明を求める問いかけの表現 は、基本的に、表現活動の重要な部分をしめているといえよう。明 前の開き子への、直接的なもちかけ・問いかけには、特別な待遇心 意が動く。表現は、おのずからに、豊かな陰影を帯びてくる。この ととが、また、すでにみてきたとおり、勧誘・依頼・命令・反楼な ど、諸他の表現に、深いかかわりをもっゆえんでもある。 問いかけ表現法の討究は、隠岐の、方言表現法を体系的に把握す る う え の 、 重 要 な 作 業 と い え よ う 。 ︵ 本 学 助 教 授 ︶ ハ ベ υ E J

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