体育 学 研 究
42
:349−362
,
1998
大 学新 入 運動 部 員
を め ぐ る ソ
ー
シ
ャル ・
サ
ポ
ー
ト
の
縦 断 的 検 討
:バ
ー
ナ ウ ト
抑制
に
寄 与 す
る ソ
ー
シ
ャル
・
サ
ポ
ー
ト
の
活 用 法
土
屋 裕 睦
1〕 中 込 四郎
2)Al
{婁ngitu 磯inal
study of social supPortfor
varsity−
athletefreshme
韮 :Utilization
ofpreventive
ef 正ects against ath 】etebumout
Hironobu
Tsuchiyal
andShiro
Nakagomi2
Abstract
A
study was conducted to explere the utilization of effective social support toprevent
athletebur・
nout
.
First
,76
varsity−
athletefreshmen
whobelonged
to4
different
clubs answered aquestionnaire
composed of the Athletic Social Support Scale(ASSS ;Tsuchiya & Nakagomi ,1994)
,
Athletic Bur−
nout Inventory(ABI
;Kishi
et a1.
,
1989)andNetwork
Map ,
whichis
a modi 五cation of the Psychologi−
calDistance
Map
(Wapner ,
1978 ),
and they alsodescribed
their perceived stressby
thefree
descrip
・
亡
ion
methDd.
We
carried out 4 measurements after the subjects had started club activjties;one weeklater
(1W
),
two monthslater
(2M
),
four
monthslater
(4M
)and six mo 且thslater
(6M
),
Secondly,
eight of the studyfreshmen
wereinterviewed
during
the
investigatiQn
(60
min x4
sessions ),
The
main resu [ts ob 辷ained were as follows;1)
The
freshmen
encountered 3different
types c・
f
stress,
which were characterizedby
their transitien period.
The
且rst type of stress,
termed “confusic・
n ab。ut athle レic
life
”
was experienced morefrequenUy
in
IW ,
the second type,
termed‘
‘
unease about perfomlanceenhancenert
”
,
occun・
edin
4M ,
and the third type,
te ed“
complicated relationships with odhers”
,
oc−
cured
in
6M ,2
)The
althletes’
perceived stress andburnout
tendencies were significantly correlated,
and both tncreased throughout the study period
.
However,
ヒhe burnout tendency of freshmen withgood social support was arrested
,
whereas that of freshmen with poor social support increased sig・
ni 丘cantly after 2M
.
Furthernlore,
path analysis of a longitudinal modelfor
social support and athleteburnout showed that a supPortive environment
for
fresh
皿 en at thebeginning
of theiI「
activities was criticalfor
mitigating the stress−bumout
relationship.
3
)Ef
琵ctive social supportfor
these three types of stress were observed throughout the case study,
andidentified
by
multiple regressionanalysis.
It
is
suggested that instrumental support
from
seniorsin
IW
, esteem and companionship support fromteammates and new
friends
in
2M ,
instructive
supportfrom
coaches and trainersin
4M ,
and esteem supportfrom
seniors and teammatesin
6M
couldbuffer
the negative effect of stres∈LFuture
work shou 】d
expand these抽dings
into
an educationalintervention
programfor
freshmen.
Key
wor δs:social 即 Port,b
皿 no皿t
,long
藍tudinal
study , varsity・
athletes freshmen(
Japan
J.
Phys.
Educ .42
:349−362,
January,1998
)1
) 大 阪 体育 大 学 体 育 学 部 生 涯スポー
ツ学 科〒59(}
−04
大 阪府 泉 南 郡熊取 町 野田1558−1
2
) 筑 波 大 学 体 育 科 学 系〒
305
茨 城 県つ くば 市 天王台1−1−1
1.Osalea
Universily
ρプHenlth
a咒d
Sl
)07tS
〔’
iens8s
,
1558L1
ハlb血,
K
麗matori−Chou,
Osaka
590−.
04
2.Jnstiinte
{ゾHenlth
andSPort
So
ゴ6πsθs.
350
土 屋・
中 込 キー
ワー
ド:ソー
シ ャ ル・
サポー
ト,
バー
ナ ウ ト,
縦 断 的検 討, 大学新入部員 問 題 の 所 在大 学 運 動 選 手は
,
競技
生活
を通じて種々 の問
題
注ユ)に直
面す る,
そ し て一
部の選
手に おい て は,問題解決
に む け た取り組み の失 敗 を契
機に競技状
況で慢 性 的 なス トレス に曝され,結
果的
に バー
ナ ウ ト (burnout)
注2)へ と発 展さ せて しま う場 合 が ある.
現 在, この問 題の理 解 を深 めるい くつ か の 報 告がな さ れて お り14・
15・
2e・
29),特
に社会
的な対 処資
源,
つ ま りソー
一
シ ャル・
サポー
ト (social sup−
port
,
以 下SS
と略 す ) を積
極 的に活
用 す るこ と で,
その予 防 あ るいは 問 題の緩和
に役
立っ との指摘
が な さ れ ている5・
14・
32),
本 研 究 は,
大 学 運動選
手の パー
ナウ ト予 防の観点
か ら,SS
の実 践 的 な 活用法を探求
す る試
みである,
SS
は一
一
般に,
「あ る人を取
り巻
く重 要 な 他 者 (家 族,
友人,
同僚,専門
家な ど)
か ら得
られ る さ ま ざ ま な形の援 助」 (久田9))
と捉え られてい る.
1970年代
のコ ミ ュ ニ ティ心 理 学に端 を 発 し たSS
研 究1・
2 )は, 近 年 体 育・
スポー
ツ領
域の研
究 においても注目さ れる ように なっ て き てい る24・
41 >.
し か し,
バー
ナウ トに対す る有 効 性 を確かめた実
証 的
な研 究は少な く,
特にSS
の享 受か らバー
ナ ウ ト抑制
にいた る ま で の因果 関連
性の検 討,
バー
ナウ ト抑 制に寄 与 する具 体 的なSS
の探求
の2
点 が 課 題 となっ て い る.
Cohen
andWills3
)に代 表 され るSS
の ス トレ ス緩衝
効 果に関 する先 駆 的な研
究が発表
さ れ て以 来,SS
の 心身の健康
に対す るポジテ ィ ブ な 効 果 を主張 する際 に は, 対 処 要 件 となる ス ト レ ス事象
を同 定 する こ と が 必要 と考
え ら れ て き た40 ),
し か し,
選 手のバー
ナ ウ トを扱
っ た研 究では,
この 点 が 十 分 検 討 さ れて い ない、
例 え ば,
Van
Yperen41
)の研
究で は,横 断的
な調査
を実
施 しSS
とバー
ナ ウ トとの間に負の相 関 関 係 を 見い だ し てい る が,
こ の結 果か らSS
のバー
ナ ウ ト抑 制 効 果に言 及 す るには 不 十分で ある,
SS
はバー
ナ ウ トを規 定 するス トレ スの悪 影 響 を緩
和し, 結果
と し てバー
ナ ウ ト抑制
に寄与
す る5 )と仮
定 さ れ る べ きである.
ま た
,
ある時 点のSS
は そ れ ま で に培われた対 人関係
に よっ て規 定さ れ るこ とを 考え合 わ せる と, 横 断 的 な 手 法に よ る調 査か らSS
の バー
ナウ ト抑制効果
を調べ ることには限 界があ る.
この点 につ いて は,
最 近 留 学 生の環愛
適 応 を扱っ た研究
に おい て時
系 列 的な因果 関 連モデルが 構 築 されて お り(
周11))
,新
た な視点
が提供
さ れ てい る.
彼 女のモデル で は,
ある時 期に お け る調 査 対象
者の 適 応 状 態が単にその時 期に享 受 したSS
だ けでな く,
そ れ以前
に享受
し たSS
と, その結 果 と して も た らされ た適
応 状 態に よっ て規 定 さ れる と考え ら れ てい る.
この モ デル を援 用す ることで , 有 効 なSS
の活
用の視
点か ら,
具 体 的な介入時 期に関
わる情 報 も収 集で きるは ずである.
以上 よ り, 本 研 究では対 処 要 件 とな るス トレス事
象
を同定
しながら,SS
と受
け手のパー
ナ ウ ト傾 向
と の間の 因果関連
性 を縦断
的に検討
す ること が 必 要 とな る.
大 学 運 動 選 手のSS
につ いて縦 断 的に観察
する の であれば,少
な く と も そのネッ ト ワー
クの構
築 段 階 か ら調 査 が 開 始 さ れ な け れ ば な ら な い.特
に , 「競技
集 団の形 成 期(
forming
stage)
は期
間が非常
に短い に も関わ ら ず そ の後に 重
要
な意味
を持
つ 」(
Etzel
andLantz4
))と の指 摘がある
.
したが っ て, 本 研 究では 大 学 新入部員
を調 査の対
象と し,
彼らの活動状況
を考慮
しつ つ,
入部 直 後 よりで きる か ぎ り短い期 間で調 査 を 繰 り返 しな が ら,
少 な くとも新 環境
へ の適
応 期ま での期 間に わ たっ て詳
細な検討
を行
っ てい か な け れ ば な ら ない.
とこ ろで
,
仮にSS
とバー
ナ ウ ト抑 制 との間
の 因 果 関連性
が 明 ら か に さ れて も,
そ の こと でSS
の活 用 法に関 わる知 見 が充 分に得
られる と は限ら ない.
環境
移行
に伴 う種々 の ス1
・
レ ス事 象に対 し て, 具 体 的に 「誰か ら得 られ る 」「ど の種のサポー
ト」がバー
ナ ウ ト抑 制に寄 与 する の か とい っ た 視 点33)か らの,
よ り詳
細な検討
が必 要で あ るこ と は 言うま で も ない.
そ の際 最 も重 要 なこ とは,
受
け手
と な る選
手が抱
え る問 題の本 質 を 慎 重に見極
め る態度
である.
例えば, オー
バー
トレー
ニ ソ グ状 態にある選 手に対
してコー
チ が叱 咤 激 励 す る大 学 新入運 動 部 員をめぐ る ソ
ー
シャル・
サポー
トの 縦 断 的検 討351
よ う な 場 合,一時的
に競技意
欲の喚
起
がな さ れる か も知 れ ないが, 長 期 的に み ると非常
に大
き な危
険
を は らん でい るこ と がある.
選 手 が抱え る問題 の本 質 を 離 れ たSS
の供 与は,競技
へ の 「固執
」(
中
込・岸
2°))
状 況 を産 み 出 し,
情 緒 的・
身 体 的 な 消 耗 過 程へ と移 行さ せ る原 因と な る可 能 性が含 まれてい る か ら で あ る.
し た がっ て, 選 手が抱え る問題
の, 本 質 的 な 解 決に役 立つ 具 体 的 なSS
を 探 求 するた めに は,研
究者 自身
が選
手の問 題 解 決 に向
け た取
り組 みを共 感 的に理 解 する ほか な く,
面 接による事
例検討
が 必要
である と思わ れ る.
以上 よ り, 本 研 究では ま ず, 環
境
移行期
にある 大 学 薪 入 部 員に対して縦
断 的に質
問紙調査
を行
う ことで, 選 手が直 面 す るス トレス事
象の同 定と,
SS
のス トレ ス緩和効
果な ら び にバー
ナ ウ ト抑 制効果
の検討
を行 う、
さ らに, 事 例 検 討によ り,
バー
ナ ウ ト抑 制に寄 与 するSS
の具 体 的内
容を探求
すること に な る.
方法
1
. 質問紙調査
の方
法1
) 調 査 対 象 者 と調 査 時 期T
大 学体
育 会 球 技 系A
部,B
部, お よ び格技
系
C
部,D 部
に所属
す る大 学 新入生76
名(
い ず れ も体育専
攻 生)
に対 し, 継 続 して4
回 の質
問 紙 調 査 を 実 施 した (以 後それぞ れ の時期
に お け る 調 査 を 調 査1,調
査2 ,調査
3
, 調 査4
とする).
4
つ の調査時
期は,
入部 直 後,
新入生 歓 迎 行 事 終 了 後, 夏 期 強 化 練 習 中,
試 合期
の ように,
そ れ ぞ れの運動
部の活動
を考慮
して決 定された ため,
運 動 部 間で最 高2
週 間 程 度のず れ が あっ た が,概
ね4
月初旬
よ り約2
か月毎
に実
施 され た,
また,4
月初旬
に は同様の質 問 紙 調 査 を,
上 記の大 学 運動
部に所属
す る2 ・
3
年
生100
名 (
い ず れ も体 育 専 攻 生 ) を対 象 と して実 施 した.
彼 らは,新環境
へ の移行
が完
了し てい る と考
え ら れ るこ と より,
新入部員
の適 応 状 況 を理 解 す る た めの対 照 群 と位 置づ け られた.
な お,
調 査 対象
者な ら び に対 照 群 が 所 属 する4
運動
部の競技
レ ベ ル は大
学の トッ プク ラス にあり, 週6
日聞の専 門 的 な トレー
ニ ソ グ を行っ て い る.
2
)
質
聞紙
調 査の 内 容質 問 紙 はフ ェ
ー
ス シー
トの他, 以 下の調 査 項 目・
測定
尺度
より構 成 さ れ た.
「ス トレス調 査 」:不
安
や 不満
を感
じる事柄
(
ス トレッ サー
あ るいはス トレス源,
す な わ ち刺
激
とし て の ス ト レ ス.
以下ス トレス事 象 とす る) の内容
を自
由記述
で求め, さ らにそれぞ れ のス ト レス事 象につ いて 不安
や不満を感
じ る程度 (
心理 的 反 応 と してのス トレ ス.
以 下ス トレス度
と す る) を7
件 法で 回答 させ た,
回答欄
には,5
つ の事象
を記
入 す ること がで き, 思いつ くま ま 自 由に 記 入 する よう求 め られた.
「競 技 者 用
SS
尺度
」:大 学運動選
手に とっ て必 要なSS
の構 成 要 素の検 討31)を 経て , 土 屋 ら37)に よ り開発
さ れ た尺 度であ り,理 解
・
激 励 サ ポー
ト,尊
重・
評 価 サポー
ト,
直 接 援 助 サ ポー
ト,
情 報提
供サポー
ト, 娯楽
共有
サポー
トの5
タイ プのサポー
トが 設 定 さ れてい る.
こ の尺 度で は,
Sarason
et at.
26>の尺度 (
Social
Support
Questionaire
) と同 様にSS
の満 足 度が 問わ れ,調査対象者
は7
件 法で回 答が求 め られ た.
ま た,5
項目の総
和をSS
得 点と した.
「競 技 者 用バ
ー
ナ ウ ト尺 度」:Maslach
andJackson17
)の 尺度 (
Maslach
]3urnout
Inventory
;MBI
)
を, 競 技 者に適 用で き るよう 翻 訳・
修 正 した 尺 度である.
MBI
に ほ ほ対 応す る 因子 構造,
な ら びに信 頼 性・
妥 当 性は,岸
ら16)に よ り確
認 さ れ てい る.
本 研 究で は,
土屋・
中 込31)に な ら い,12項
目 の総和
を もっ てバー
ナ ウ ト得点
と し た.
回答には7
件 法を用いた,
「ネッ トワ
ー
ク 地図 」: これ は,
Wapner43
)の心理的 距
離
地図 (Psychological
Distance
Map
;PDM
)
を若
干修
正 し,SS
ネヅ トワー
ク の指標
と した もの である.
PDM
は重要
な他
者に対 する親密度
を白
地 図上 に投 影 させる調 査であり, 本 研 究 で はSS
提供者
のカテ ゴ リー
(例えば 「部の指導
者やコー
チ」r
高 校 時のチー
ム メイ ト」,他)
を記
号で示 すよう求 め 記 載 人 数を儲 限し な かっ た.
こ の ネ ッ ト ワー
ク地 図か らは,
以 下の2
種類
のネ ッ トワー
ク得
点,
す な わ ち 人数得
点(
一
人 記 載 さ れ る毎
に1
点を与えて得 点 化 ) と距 離得
点 (自
352 土 屋
・
中 込 分 を表 す 中 心 か らの実 測 値 をミ リ単 位で測 定 し,
そ の逆 数に100
を 乗し て得
点 化)
が算
出で き る,
本研
究では そ れ ぞ れの カ テ ゴ リー
にあたる他者
を 大 学入学 以 前か らの知 り合い か ど う か を 基 準に 「新環境
」 「旧環境
」と し て分類
し, そ れ ぞ れ個 別 に上述
のネ ヅ ト ワー
ク得 点を算出 し た.
2.
事
例検討
の方法
1
)
面 接の対 象質
問紙調
i
査に お け る全調査対象者
に予め面接
へ の参 加 を 呼 び か け, 同 意の得 られ た35
名の う ち 各 運 動 部 よ り2
名 ずつ,
計8
名 を 無 作 為に抽 出 し た注3)。
2)
面 接 時 期 と内 容
質
問 紙 調 査実
施 直後
(1
週間
以内)
に計
4
回の 面 接 (以 後 面 接1
, 面 接2
, 面 接3
, 面 接4
とす る)
を実
施 した、1
回 の 面接
時 間は60 分
で あ っ た.
いずれ の面 接で も,
上記の面 接 対象
者が直
面 してい るス トレ ス事 象と享 受 し たSS
の具 体 的 内 容につ いて問いか け が な さ れ た,
な お,
面 接 はい ず れ も筆
頭著者 (
T
大 学 内のスポー
ッカウンセ リン グルー
ム・
ス タッフ) が 行い, 必 要に応 じて 共 同硯
究 者 (同ルー
ム・
貴任
者)
よりスー
パー
バ イ ズ を受け た。
結
果1
.
質問紙調査
にお ける各
尺度得点
の特徴
質 問 紙 調 査の分 析では, 全て の 回答に記 入 漏 れ の な かっ た苅照群の2 年
生99
名と,新
入部員
56
名の うち, 面 接の対 象 となっ た8
名 を 除いた48
名を分析
の対象
と した,
1
) 各 得 点の推 移新
入部 員の ス トレス度得
点,
バー
ナ ウ ト得点
の 推 移 を検 討 した ところ, 条 件の効 果が有 意であ り (順 にF
(3
,141)=
=3.
35
,F
(3
,141
) ==2.
70,
と もにp
<.
G5
),LSD
法 を 用い た多 重 比 較の結 果, いず れ も調査 1
<調査 3
≒調
査4
の関係
が確
認さ れ た(
Mse
=
2
.
10
,
42 .
87
,
い ず れ もpく.
05
),
両得
点 の推 移に は共 通 して 上昇 傾 向が認 め られた ので, ピ ア ソン の相 関 係 数 を 求 めた ところ,
調 査1
か ら調
fi
4
ま で の全体
で r=.
301
で有意
であっ た (p
<.
05
).
SS
得 点にっ い て も分 散分析
を行
っ た が, 条 件の効 果は有 意で はなか っ た (F
(3,
141
) ==1.
02
,p
>,
10
)
.
次 に,
2
種類
のネ ッ トワー
ク得
点につ い てその推移
を検討
した.
まず,
人数得点
で は全体
で み る と条 件の効 果 は 有意
では な く (F
(3
,141)
=O.
07
,p
>.
10),
い ずれの調i
査時期
で も12名
程度
の記載
が あるこ とが 分 かっ た.
「新 環 境」「旧環 境」別に 同様
の分析
を行
っ た とこ ろ, 「旧環境
」につ い て は条 件 の効 果が有 意で あ り(
F
(
3
,
141
)= =4
.
02
,
p<.
05),調査 1
≒調
査2
>調査 4
の 関 係が認め られた (Mse
・・2.
93
,
p
〈.
05
).
も うひ とつ のネッ トワー
ク得 点,
す な わ ち 距 離得
点で も条
件の効 果は有
意で は な かっ た(
F
(
3
,141
)
=O.
88
,p
>.
10
).
人数
得 点 と同 様に 「新 環境
」「旧環境
」別に分析
を行
っ た とこ ろ,
「旧環境
」 につ いては 条 件の効 果 が有 意であ り (F
(3
,
141
)=5.
96
,p
〈.
01),調 査 1
>調査 3
≒調 査 4
の関
係,
な ら び に調 査2
>調査
4
の関 係が認 め られ た(
Mse
=
・
O
、
42
,p
く.
05
).
2
) 対 照 群との比 較 ネ ッ トワー
ク得 点の推 移の うち,
「新 環 境」お よ び 「旧環境
」の人 数得
点につ い て は,
調 査1
と対 照 群との間に有意
な差が見.
ら れ た が(
t(145)
=
・
1.
57
,p
<.
05
, た だ しウ エ ル チ 法 ,t
(145
)
=2
.
7
,p
〈,
01
), 調 査3
で は 認 め ら れ なか っ た (t(145 )
=o.
58
,t
(145)
=1.
27 ,
と もにp
>.
10
).
同様
に 「新
環境
」お よ び 「旧環境」 の距 離 得 点に っ いては,
調 査1,調
査2 ,調査
3
と対
照群
と の 間で有意
な 差が見 ら れ た が(
調 査 1
;t(145 )
=2.
07 ,p
<.
10,
t(
145
)
・
3
.
10
,
pく.
Ol
, 調 査2
;t
(145
)==2.
48
,p
<.
05,
t
(145
)= ・2.
95
,p
〈.
01 ,
調 査3
;t
(145
)=2 .
35
,t
(145
) =1.
38 ,
と も にp
〈.
05),調査 4
で は認め ら れ な か っ た (t(
145
)=O
.
85
,
t
(145
)=
=
0
.
20
, と もにp
>.
10
).
以 上
,
新 入 部 員 を 対 象 とし た調 査4
の各得
点 に は,対
照群
の値
へ の近似
が確 認 され たこ と よ り, こ の時 期まで に新入部 員の新 環 境へ の移行
は,
おお よそ 完 了 した と推 測 さ れ た.
表 1
に は,
ス ト レス度得
点, バー
ナ ウ ト得 点,SS
得
点,
ネ ッ トワー
ク得 点に.
つ い て, 新入部 員大学新入運動部 員を め ぐ るソ
ー
シャル・
サポー
トの縦 断的検討353
表1
各得点の推 移 調 査1
調 査2
調 査3調 査4・
照 群 ス ト レス度 得 点 (1項目)4.
201
、
904
.
441
.
814
.
93L594.
85L734.
881
.
65
ノく一
ナウ ト得点 (12
項目合計) 30.
906.
1
工 32.
888.
5434
.
0010,
4734
.
2310.
9634
ユ110,
13
SS
得 点 (5
項目合計)23,
966
.
0323
.
924
.
5722
.
946
.
5424
.
005
.
1723
.
465
.
48
対 人 ネッ トワー
ク (人 数 得 点)12.
504.
1012
.
815
.
7312
.
644
.
8912
.
806
.
5412
,
196.
31
辱
,
門
尸
り
P尸
劉
新 環境「噛
内麕
曽
7.
50* 3,
86凾
・
幽
吶 國
8.
024.
87噛
8.
334378.
9G5
.
078.
845
.
26 旧環 境5.
00
* *2,
634
.
79
*2,
814312
β93
.
902
。
833
.
752
,
54
対 人 ネッ トワー
ク (距 離 得 点)4291
,
844
,
251
.
04
「 PP4
.
031
.
13P
りP睥謄
4,
10
工、
194
,
221.
23
「 ,
,
り
”劉曽 「
新 環 境噂咽
噂
訥吶
「
¶「
弼
睥
噌
曾
2.
54
*L55
,
2.
53
*1.
07
曽
,P2
.
57
*.
95
雫
胴
2.
83
.
982
.
981
.
01
凾
旧環境1.
75事 * 1.
041
.
72柳1.
011
.
46*,
961
.
27
.
861
.
24.
88 注)表 中上 段に は平均値,
下 段に は標準偏差を示 した.
対 人 ネッ }・
ワー
ク の各 平 均 値に付 され た*お よ び* *は,
紺 照 群との 間で平 均値の比 較 (t 検定)を行っ た結果,
有意な差が認め ら れ たこ と を示 す.
* p<.
05,* * p<.
01 の各調
査 時期 に お け る 平均値
と標準
偏 差, な ら び に対 照 群におけ る平 均 値と標 準 偏 差 を示 した.
2.
ス トレス事象
の出
現 頻度
ま ず, 先 行 研 究 36)にな らっ て記 載 さ れ た
218
件 のス トレス事象
につ い て分類
を試
み た とこ ろ, そ れ ら は 「競技
生活に対 する戸 惑い」「競 技 力 向上 へ の 不安
」 「対 人関係
に お け る軋轢
」に ま と め ら れ ることが 分 かった.
次に, 各 調 査 時 期において 調 査 対 象 者 が 最も深 刻に受け とめてい るス ト レス の タ イプを,
そ のス トレス度
に基づ き同定
し た.
その際,
同じス トレ ス度が評 定 され た2
件の デー
タで は,
記 載 順 位が 上位の ものを選 択し た.
各 調 査 時 期 間でその出 現 頻 度を検 定 した結 果, 有 意な偏 りが認 め られ (X2 (6
)=
・
・
12
.
67
,
p
〈.
05
),
裹 2 各ス トレ ス事 象の出現 頻 度 ス ト レス ト2
注 ) 表 中ス トレス,
,
は そ れ ぞ れ 「競 技生 活 に対 す る戸 惑い」「競 技:力向 上へ の不 安」 「対 人 関 係にお ける軋 轢」 を示 す.
tp<.
10,
*P
〈.
05,
* *P
<.
01
入部 後の時 間 経 過 に 伴って選 手 が 直 面 するス ト レ ス事 象 が異 なると予 想さ れ た.残差分析
の結 果, 調 査1
で は 「競技
生活
に対 する戸 惑い」,
調 査3
では 「競 技 力 向 上へ の 不安
」,
そ して調 査4
では 「対
人関係
に お け る軋轢
」 が, ス トレ ス事象
と し て多 く挙 げ られてい るこ と が分
かっ た(
表2
参 照).
3
.
バー
ナウ ト抑制効
果の検 討1
)
SS
の ス ト レ ス緩和効果
な ら び にバー
ナ ウト
抑制効
果まず, 調 査 対 象 者の
SS
得 点に基づ き,
調査対
象者
をSS 満
足群,
SS
不満 屋 群の2
群に分 類 し た注4).
次に, ス トレス度につ い てSS
要 因 (SS
満 足群
・SS
不満
足群
の2
水 準)
×調 査 時 期 (調 査1
か ら調 査4
まで の4
水準)
の混 合計
画に よ る2 要
因分
散分析
を行
っ た.
その結 果, 調 査 時 期 要 因の主効 果が有 意であるほ かにSS
要 因の主 効 果にも有 意 傾 向 が認 め られ (F (3
,138 )
E6.
46 ,
pく.
01
,
F
(
1
,
46
)
=3
.
41
,
p
<。
10
)
,
いず れの調 査 時 期において もSS
満 足 群の ス ト レ ス度
が低い こ とが分
かっ た,
さ ら に,
パー
ナウ ト得 点に つ い て同 様の分 析 を 行っ た 結 果, 交 互 作 用 が 有 意であり (F (3
,138)
=4
.
11
,
p
く.
01
),
図1
に示 す よ うに,
調 査3
回 目 以降 SS
不満
足群
の バー
ナウト得 点は有 意に上昇 するこ とが分かっ た (MSe
=165
.
26
,p
く.
05 ).
354
土 屋・
中込 4o↑
3S;
:
1
薄
:
1
点 2sロ
コ
S.
S不 満 足 群 m一冒
蕪
藏
ノ/
。
/ 一 ノー
。L
調 査ユ 調 査2 調 査3 調査4 (約1週 間 ) (約2か月) (約4か月) (約半年〉 靄 査 回 数 (入 部 後の経 過 日数 ) 図 1ソ
ー
シ ャ ル・
サ ポー
トの バー
ナ ウ ト抑 制効果 寧 *黷
.
586**
図2
時系列 的な因果関 連の検討 注 )図中SS
は ソー
シャル・
サ ポー
ト得 点,
BO
は バー
ナウ ト得 点 を示 し,
そ れ ぞ れに付 け られ た数 字 は 調 査 時 を 示 してい る,
決 定 係 数 な らびに標 準 偏回 帰 係 数に お け る* はp<.
5
であり,:
←* はp<.
O.
1
で あ る.
2)
時 系 列 的 な 因果 関 連の検 討
現時点
にお け るSS
お よび過
去の バー
ナ ウ ト傾
向 が,
現 時 点で のバー
ナ ウ トを どの よ うに説 明 す る か を検 討す る た め,
「時系
列 的な 因果 関連
モ デ ルー
[(
周勘
に則 して重 回 帰 分析
を行
っ た注5).
そ の結果、
いずれの分 析に おいて も予 測 変 数の影 響 力は有 意であ り,SS
か ら は負
の パ ス係 数が (そ れぞ れμ=一.
294
,
β=一.
289
,
β=一.
634
,
β=
一.
347
),
バー
ナ ウ ト傾 向 か ら は 正のパ ス係 数 が 示 さ れ た (そ れぞ れ β=.
657 ,
β=.
265 ,
β=、
534
).
パ ス係 数と説 明 率を併せ て パ スダイ アグ ラムに示 した もの が図2
である.
この図よ り,
ある時 点の バー
ナ ウ ト傾 向は,
そ の時点
で享受
し たSS
と密 接 な 関 連 が あるばか り で な く, そ れ以 前の バー
ナウ ト傾 向 か ら も影響
を 受 けていること が確認
さ れ た.
さ ら に, い ず れの 時 点のSS
も,
そ れ以前
のSS
より影響
を受
け て い るこ と よ り, 調 査1
の時 点,
す なわ ち 入部直
後
に お け るSS
の有
り様
が,
以後の パー
ナ ウ ト傾 向に対
して間接的
な影 響を及ぼ し続けて い るこ と が分 かっ た.
た だ し,
BO1
を 基準変数
と し た場 合の決 定 係 数(
R2
=.
087
) と,
BO2
を 予 測変数,
BO3
を基準
変数
と し た場 合の標 準
偏回帰 係 数 (β
=.
265
)は有 意であ る が 値が小 さ く,
本 研 究 の モ デル に組み込ま れ た予 測変
数 以 外の要 因 を考慮
に いれて考
察 する必要のあることが 示 さ れ た.
4
.
事 例 検 討こ こで は
,
各事
例 に お け るバー
ナ ウ ト得
点の推 移を参 考に,
環 境 移 行 期におい て パー
ナ ウ ト傾 向 を強
め た 時 期 (得
点 が10点
以.
上 上昇
し た時期
; 以 下 危 機 と記 す)
やバー
ナウ ト傾 向が緩 和さ れた 時 期に焦 点をあて,
そ こで のス ト レス事象
とSS
の享 受と の関 連 を 検 討 した.
1
) 各 時 期に享 受 した 具 体 的 なSS
の内 容まず, 各
事
例に お け るバー
・
一
ナ ウ ト傾 向の推 移,
面 接の中で比較
的 強い訴え が な さ れ た ス ト レス事
象の内 容,SS
の具 体 的 内 容, お よ びその獲得
・
活 用 過 程 を 表3
にま とめた.
以 下では 各 時 期 毎 に,
こ れ ら のス トレス事象
の具体的内容
と,
その際
に面 接 対 象 者が享 受 したSS
の内 容 を面 接 記 録 か ら抜 粋し て示す.
面 接
1
か ら面 接2
まで の時 期 この時 期, 事9G
C
は, 競 技 レ ベ ル の高 さに圧 倒さ れ 「部 活動
を継続
してい く自
信が ない」と訴 えてい た,
こ の点
につ い て は,
同じ高校
出身
の2
年の先 輩 よ り前 年 度の活 動 状 況につ いて情報
提 供を受け, さ ら に「夏まで頑 張れ ば少し楽に な る 」 と激 励 さ れて い たこ と が報 告 さ れた.
事 例F
は,
部 活動
に よ る時 間 的 束 縛の大きい こ とを訴え てい た が, 時 間 管 理の方 法につ い て先 輩の経 験 を 聞 き, そ れ を参 考に同 級生の 間で仕 事の分 担 を行っ ていたようである,
した がっ て,
この時 期に 「競技
生活に対
す る戸 惑い 」に悩む 大 学新
入部員
は,
大 学新入運 動 部員を め ぐるソ
ー
シャル・
サポー
トの縦 断 的 検 討 355 表3
事 例の概要 事 例BO
傾 向の推移 (ス トレスス トレ ス度得 点)事 象SS
の具体的内容SS
の獲得・
活用過程 事例A
(男子18才) 球技A 部所属 [:調査1−
→調査4) 23→ 21→ 40→23
危機:面接3 面接3:新人戦に出場でき なかっ た トレー
ナー
:アドバ・
f
ス コー
チ:ア ドバイス トレー
ナー
よりリハビ リメニュー
が され, またコー
チか らは, 目標とす レー
スタイル が提示 され,
それ を目 て取 り組 んだ.
事例B
(男子18
才) 球技A
部所属 (調査1→ 調査4
)26
→27
呻30
→25
危機:特に な し 面 接2
:先のことが見えな い (4
) 友人 :娯楽活 動の共有 先輩:情報提 供 先輩よ り夏にチー
ム の 入 れ替え があ 聞 き, 現実的な目標を埓っ た,
他部 人が部屋へ来て, ファミコンで遊ぶ で,
ストレスを発散 していた,
事例C
(男子18
才) 球技B
部 所属 (調査1
擁 調査4
) 32→ 46→ 49→ 38 危機:面接2〜
面接3 面接2
:部漬を続け て い く 自信がない,
レベ ルが高 すぎる (6
) 面 接3:体力的についてい け ない (7
) 先輩:励ま し コー
チ:ア ドバ イ ス2
年の先輩よ り夏 まで頑張 れば少 し な る と言 わ れ,
ま た,
コー
チ か らは ポジショソへ の転向の ア ドバイスを た.
事 例D (男子18
才) 球技B
部所属 〔調査1→ 調査4)’
16→ 24→ 25→18
危機:特にな し 面接2:用具 に お金 が かか り過ぎ る (3
) 先輩:惰報提 供 先輩より飲 食店での アルバ イ トに れ,
そこ で夏合 宿の経済的準備 と用 購入 を果た した.
事例E
(女子18才) 格技 C部所属 〔調査1
→ 調査4
)25
→26−
>24−
>46
危機:面接4 面 接4
:団体戦を盛り上 げ るような稽古 がで きていないと先輩 に指摘され た (7) 同級生:情緒 的な支援4
年の先輩よ り何かにつけて文 句を れるが,
試合に出場できない同級生 私達の代表だ から頑張って欲しい と 励を受け た.
事例F
(男子18
才) 格技C
部所属 鯛査1−
・調査4)36
→49
→36
→37
危機:面接2
面接2
:部活を やっ ている と授業に出 られな い,
両立できそ う にない 先輩:情報提 供 同級生:仕事の分担 雑用が多く, 時間的束縛を問題と し たが,
先輩からの アドバイスを受 れ,
同級 生の間で仕事 を分担 しても た,
事例G
(男子18
才) 格技D
部 所属 鯛 査1
→ 調査 4)31
→32一
卸42
→29
危機:面接3
面接3:ス ランプで思 うよ うな技 が出せ ない (6
) コー
チ;指導 先輩:ア ドバ イス コー
チより技を か け るタイミングに て指導 を受け, また先輩からは食生 つ い てアドバ イスを受ける.
面接 はスランプを脱 出 したと報 告 した.
事例H
(男子18
才) 格技D
部 所属 欄 査1
→ 調査4
) 26→ 27→ 37→40
危機:面接3〜
面接 4 面 接3
:練習に集 中できな い 面接4
:先輩に認め て も ら えない 同級生:励 ま し 膝に故 障を抱え ているが練習は休め とい い,
医療機関には行っていない だけ頑張ればな ん とか な る と同級生 励 まされた.
注 )BO
な ら び にSS
は そ れ ぞ れバー
ナ ウ ト,
ソー
一
シャル・
サポー
トを 示 す.
ま た表中 「危 機」 は,
調査 1に お け るバー
ナ ウ ト得 点に比べて,10
点 以上 の顕 著 な上昇が認 め られた時 期 を 示 す 用 藷として用い られて い る.
主に先 輩か らの情 報 提 供に関 わるSS
を受 けてい た こと が確 認で きた.
た だ し,事
例C
に比 較 し て事 例F
で は,
そ のSS
に基 づい て 明確
な問題 解 決 型の対 処 行 勳 が導かれてい る点 を違い と して指摘
で きる,
ま た,
明確な危機
が認
め ら れ な かっ た事
例B
と事
例D
はス トレ ス度 は低
い も の の,面
接では と もに 3競
技 生 活に対する戸 惑い」に関連
し た ス ト レ スを報 告 し て お り, 先 輩 か らの情 報 提 供を受けて い た よう
で ある.
r
先
の こと が見え な い」 と訴え て い た事 例B
で は,
他に友 人 との娯 楽 活 動をSS
として報告
し ていた.
面
接2
か ら面 接3
まで の時 期この時 期
事
例A
は, 試 合に 出 場で き ない 焦 燥 感 と怪 我 をきっ か けにコー
チ や トレー
ナー
へ の接 近を は か り, そこで戦術
・
体
:力・技
術に関
わ る直
接 的 なSS
を 獲 得 してい っ たようであ る,
先の事 例C
は, こ の時
期 「体
力的
につ い て いけ ない」 と強
く訴
え る ようになっ たが.
, コー
チよ りポジ シ ョ ンの転 向 を 打 診 さ れ, 結 果 と して比 較 的 運 動 量 の少
ない 別のポジ ションへ と転 向してい っ た.
事 例G
は,
試 合 を 控え今
ま で得 意 と し ていた 技 が うま くか け ら れ ない と悩ん でい た が,
コー
チ か ら 技 をかけ るタ イ ミン グにつ い て1
対1
で指導
を356
土 屋・
中込 受け,
ま た 国際
大会
に出 場 経験
のあ る先輩 (
コー
チ も兼 ねてい る)よ り, 食 生 活 な ど日常 生 活 全 般 に わ た る ア ドバ イスを受け た と報告
してい る.
以 上 よ り,
この時 期に 「競 技 力 向上へ の不安」 に悩 む大
学新
入部員
は,
主に指導
スタッフ か らのア ド バ イスや 指 導に関 わるSS
を受 けていたこと が確
認で き た.一方
,事
例H
は,膝
に故障
を抱
えな が ら も 「休 め ない雰
囲 気」 であると考え,
不十分
な体
調で練
習を続けてい た.
その ことで 同級 生か ら励ま しを受けて いる が,
事 例A
,
事 例C
,
事 例G
の よ う な 指導
・
.
ア ドバ イ ス に関わ る直 接 的 なSS
は 得 られ なかっ た ようであ る,
面接 3
か ら面接 4
ま での時期
この時 期 事 例E
は,4
年の先 輩よ り, 練 習 中気
合い が入っ ていない, 学校
で会っ て も挨拶
を し ない,
先 鋒 ら しい試 合運
び がで きて いないな ど と細
か く注意
さ れ るこ と に強
い不満があっ たが,
そ の ことにつ いて同 じ女 子の同 級 生より 「チー
ム の 代 表だ か ら頑 張っ て欲 しい 」 と言われてい た よう で あ る.
先の事
例H
はこ の時 期,
「膝の故障
を抱 え て努
力してい るの に,
先輩
か ら は や る気が ない ように見 ら れ不満である 」 と訴え る ようになっ た.
そ して, 同 級生 た ち か ら は以前
と同様
に, 「今
だ け頑 張れ ば何 と かなる」と励ま さ れ てい た よ うである.
し たがっ て,
この時
期に 「対 人 関係 に お け る軋 轢」 に悩 む 大 学 新 入 部 員 は,
主に同級
生か らの働
き か け に よ るSS
を 受 けて い たこ とが 確 認で きた.
た だ,
両 者の違い と し て,事
例E
が努 力や評 価に関 わるフ ィー
ドバ ヅクを 中 核と し た情 緒 的 支援
を受けて い たのに対
し て,事
例H
で は激 励 を 中核
と し たSS
であっ たこ とが指 摘で きる.
2
) バー
ナ ウ ト抑
制に寄与
す るSS
の所在
これ ま での 紹 介でふ れた ように,
面 接1
か ら 面 接2
まで の時 期にお ける事 例C
と,
面接
2
か ら面接 4
ま での時
期にお け る事 例H
を 除 き,
い ず れの事 例で もそ の後
バー
ナ ウ ト傾向
の緩和
が認 め ら れて い る.
し た が っ て , 面 接1
か ら面 接2
の時 期に お け る先 輩か ら の情 報 提 供に か か わ るSS
, 面 接2
か ら面 接3
の時 期に お け るコー
チ や トレー
ナー
か らの指導
や ア ドバイスに関わ るSS
, そ し て面接
3
か ら面 接4
の時 期にお ける 同級
生 か らの評価
や努 力に対 するフ ィ…
ドバ ック が有
効 なSS
であると推 測で き る。
考 察本 研 究では
,
環境
移行
に伴
いネッ トワー
クの再構築
が余 儀 な くさ れ る大 学 新 入 部員
を調査
の対象
と した
.
Kahn
andAntonucci12
)の コ ン ボ イ・
モ デル(
convoy /model )に よれ ば ,SS
の享受
は ネ ッ トワー
クの構 成より影響
を受け るこ と が予 想 さ れ ることか ら,
ま ず彼
らの環 境 移 行につ いて,
お お よ その完了点 を検
討す る 必要
がある.
ネッ トワー
ク得
点に着
目し た分 析に よれば, 入 部 当 初の新 入部員
は, 入部 以 前から係 わ りを 持っ てい たSS
提 供 者 を ネッ トワー
ク地図 上 に よ り多
く,
そ して よ り近 く に記載
し,2 ・
3
年
生のネッ ト ワー
ク構成
と は異質
であること が分かっ た.
し か し,
その後
時間
の経過
と と も に 旧環 境の人 数 得 点・
距 離得
点が減少
し,調
査4
の 時 点, す な わ ち 入部後
半 年の段 階では両 者に顕 著 な差異 が認
め ら れ な く な っ た.
桂
・
中 込13)は,
選 手の運 動 部活動
に対
す る適
応感
と の関連
でPDM
の修 正 版 を 用い,
白地 図上 に所 属 運 動 部の関 係 者 を 多く記載
す る1
年
生 は, 旧環境
の関
係 者を多
く記載
す る1
年 生 よ りも適応感
の高
い こ と を見いだ して いる.
この知 見 を踏
まえ る と,萩
入 部員
の薪環境
へ の移行
は , 入部後
半年
の時 点でお お よそ 完 了 す る もの と推 測 さ れ る,
上記の知 見 を踏 まえ, 以 下では ま ず, 環
境
移 行 期にお ける対 処 要 件 として,
どの よう
なス ト レス事象
が認 め られ る の かを 検 討 す る.
1
,
ス トレ ス事象
の同 定先に土 屋 ら36)は大 学 運 動 選 手の ス トレ ス 内 容 を調 査 し
,
そ の結果
をGould
et al.
8)が用い た手 法を参考
に分類
した ところ, 部 活 動 と学 業の両 立 の 困難 さ とい っ た 「大 学 生 活上 の問 題」 や,
「競
技 成 績の停 滞」 「対 人 関 係」等の内 容 を認 めた.
新入部 員を対 象 と し た本 研 究に おい て も,
これ ら に対 応 するス ト レス事 象にま とめ られた こ とにな大 学 新入運動部員を め ぐる ソ