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点滴静注用塩酸バンコマイシン

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Academic year: 2021

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(1)

TDM データ薬物速度論的解析支援用ソフトウェア

データ薬物速度論的解析支援用ソフトウェア

データ薬物速度論的解析支援用ソフトウェア

データ薬物速度論的解析支援用ソフトウェア

Microsoft-Excel 簡易版

簡易版

簡易版

簡易版

SHIONOGI-VCM-TDM

S_edition

Ver. 1.0x

この説明書は Windows2000 の画面に従って作成してあります。

(2)

SHIONOGI-VCM-TDM

S_edition

on Excel

(Ver.1.0x)の使用登録について

の使用登録について

の使用登録について

の使用登録について

 以下の「ご使用条件」をお読みになり別紙に必要事項をご記入の上、下記の送付先まで FAX または郵送でご返送下さい。なお、既にVCM-TDM on Excel Ver.2.0x (VCM-TDM E_edition Ver.2.0x) で登録を済まされている方は再度の登録は不要ですが、下記のご使用条 件をお守り下さい。

ご使用条件

ご使用条件

ご使用条件

ご使用条件

1. 本ソフトウェア(オリジナルファイル)の複製は保管を目的とする場合にのみ限定さ れるものとします。 2. 本ソフトウェアの使用は、下記に登録された「責任者」が管理されます複数のコンピ ュータでの使用ができます。 3. 使用者はこの使用登録書を提出することによって本ソフトウェアに関する著作権を得 るものではありません。 4. 本ソフトウェアの改造を行わないで下さい。無断で改造されたことにより本ソフトウ ェアに障害が生じても弊社では一切の保証を致しません。 5. 本ソフトウェアの使用によるいかなる障害、問題点に関しても弊社は一切の責任を負 いません。VCM 治療の最終的な判断は本ソフトウェアを使用されます先生方の責任 において行われますようお願い致します。 6. 本ソフトウェアの内容は予告なしに変更することがあります。 7. その他、ソフトウェアに添付された資料に記載された注意事項をご覧下さい。 8. 本ソフトウェアを十分に活用していただくためにも、ソフトウェアに添付された「使 用ガイド」を熟読された後にご使用下さい。 9. 本ソフトウェア起動時に表示される使用契約書の記載事項に同意された場合のみ本ソ フトウェアが使用できます。           送付先送付先送付先送付先::::          〒          〒          〒          〒541-0045 大阪市中央区道修町 大阪市中央区道修町 大阪市中央区道修町 大阪市中央区道修町 3-1-8        塩野義製薬株式会社        塩野義製薬株式会社        塩野義製薬株式会社        塩野義製薬株式会社        学術情報部        学術情報部        学術情報部        学術情報部 VCM 係係係係                                 TEL: 06-6209-6955(内線(内線(内線:983)(内線 )))                                           FAX: 06-6202-1541

(3)

別紙記載の「使用条件」に同意し使用登録を致します。  記入日: 年  月  日 (フリガナ)   住所:〒 (フリガナ)   施設名: (フリガナ)   部署名: (フリガナ)   代表者氏名:  電話番号   FAX 番号   シリアル番号(CD-ROMに記載されている番号をご記入下さい)   VE201 2001 送付先送付先送付先送付先::::          〒          〒          〒          〒541-0045 大阪市中央区道修町 大阪市中央区道修町 大阪市中央区道修町 大阪市中央区道修町 3-1-8        塩野義製薬株式会社        塩野義製薬株式会社        塩野義製薬株式会社        塩野義製薬株式会社

(4)

VCM-TDM on Excel に関する質問

に関する質問

に関する質問

に関する質問

以下に必要事項をご記入の上ご返送ください。 シリアル番号は、ご使用になられている Version の確認に必要ですので必ずご記入下さい。  施設名 :  住  所:  担当者名:  電話番号:  FAX :  シリアル番号:VE201-2001 - ご質問内容: どのようなデータをどのように入力したか、等できるだけ詳しくお書き下さい。   ご返送先:      〒541-0045 大阪市中央区道修町3丁目1番8号       塩野義製薬株式会社 学術情報部VCM係        TEL: 06-6209-6955 内線 983        FAX: 06-6202-1541

(5)

SHIONOGI-VCM-TDM

S_edition

Ver. 1.0x の配布について

の配布について

の配布について

の配布について

1. 既に配布している VCM-TDM on Excel (Ver.2.0x)を基に SHIONOGI 塩酸バンコマイシン(VCM)

の Therapeutic Drug Monitoring (TDM) 解析に特化し機能を集約した Microsoft-Excel 上で作動 するソフトウェア、SHIONOGI-VCM-TDM S_edition Ver.1.0x を配布します。SHIONOGI-VCM-TDM S_edition Ver.1.0x は、を配布します。SHIONOGI-VCM-TDM E_editionVer.2.0x (を配布します。SHIONOGI-VCM-TDM on Excel Ver.2.0x) における VCM の TDM 解析操作をより簡易に行うことを目的として開発しました。多くの機 能や解析過程を自動化し、各種設定項目などは最小限にしました。大きく3つの構成から成 り(データ入力、投与計画、解析結果レポート)、初めて VCM-TDM 支援ソフトウェアをご使 用になるユーザーにも容易に TDM 解析を実施することができます。また VCM-TDM E_editionVer.2.0x (VCM-TDM on Excel Ver.2.0x)をご使用になられているユーザーには解析の時 間短縮にご利用頂けると思います。より高度な解析には VCM-TDM E_editionVer.2.0x (VCM-TDM on Excel Ver.2.0x)を活用して頂けます。

2. このソフトウェアは Microsoft-Excel 97, 2000 又は 2002 for Windows のインストールされてい

るコンピュータで使用が可能です。なお、Microsoft Excel Ver.5 , 7 及び及び及び及び 95 では動作しません。では動作しません。では動作しません。では動作しません。

Macintosh パソコンでは動作しません。パソコンでは動作しません。パソコンでは動作しません。Macintosh パソコンで起動し、エクセルまたはシステパソコンでは動作しません。 パソコンで起動し、エクセルまたはシステパソコンで起動し、エクセルまたはシステパソコンで起動し、エクセルまたはシステ ムに不具合が生じた場合でも弊社ならび作者は責任を負いません。 ムに不具合が生じた場合でも弊社ならび作者は責任を負いません。 ムに不具合が生じた場合でも弊社ならび作者は責任を負いません。 ムに不具合が生じた場合でも弊社ならび作者は責任を負いません。 3. バンコマイシン TDM 研究会で得られた成人および小児における母集団パラメータ値を参考 に、母集団パラメータ値自動設定ルーチンが組み込んであります(Rodvold らの外国人成人パ ラメータも使用可能)。

4. VCM-TDM E_editionVer.2.0x (VCM-TDM on Excel Ver.2.0x)での解析結果であるレポートの保存

ファイル(Excel ファイル)をデータとして読み込み再計算に利用できます(一部制限があり ます)。

5. この資料は SHIONOGI-VCM-TDM S_edition Ver.1.0x の使用法について、例題形式で説明し たものです。使用マニュアルとしてご利用下さい。

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SHIONOGI-VCM-TDM S_edition (Ver.1.0x) Guide S2 7. 動作確認動作確認動作確認動作確認 確認 OS Excel バージョン 1 Windows 95 97 2 Windows 95 2000 3 Windows 98 97 4 Windows 2000 97 5 Windows XP 97 6 Windows XP 2000 7 Windows XP 2002 動作確認は行いましたがすべてのパソコンにおける動作環境を保証動作確認は行いましたがすべてのパソコンにおける動作環境を保証動作確認は行いましたがすべてのパソコンにおける動作環境を保証動作確認は行いましたがすべてのパソコンにおける動作環境を保証 するものではありません。ご使用のパソコン機種するものではありません。ご使用のパソコン機種するものではありません。ご使用のパソコン機種・環境するものではありません。ご使用のパソコン機種・環境・環境・環境・設定・設定・設定・・設定・・・ 他のインストールソフトウェアなどにより、一部またはすべての機能他のインストールソフトウェアなどにより、一部またはすべての機能他のインストールソフトウェアなどにより、一部またはすべての機能他のインストールソフトウェアなどにより、一部またはすべての機能 が使用できない場合があります。が使用できない場合があります。が使用できない場合があります。が使用できない場合があります。

Macintosh 版版 Excel では使用できないフォームを用いているため、版 では使用できないフォームを用いているため、では使用できないフォームを用いているため、では使用できないフォームを用いているため、Macintosh パソパソパソパソ

コンでは動作しません。エラー等が原因で不具合が起こる可能性があります。コンでは動作しません。エラー等が原因で不具合が起こる可能性があります。コンでは動作しません。エラー等が原因で不具合が起こる可能性があります。コンでは動作しません。エラー等が原因で不具合が起こる可能性があります。 8. 配布するもの 配布するもの 配布するもの 配布するもの   CD-ROM 1 枚(DOS/V) 取扱い資料、質問用紙、使用登録書はすべて電子ファイルとして CD-ROM に含む。                   MS-DOS、Windows、Excel は米国 Microsoft 社の登録商標です。 Macintosh は、米国Apple社の登録商標です。

Adobe Acrobat ReaderはAdobe System Incorpratedの登録商標です。

MULTI は、京都大学薬学部山岡清助教授作成の非線形最小二乗法プログラムの名称です。 VCM-TDM においては山岡助教授のご好意により MULTI アルゴリズムを利用しています。

(7)

(インストール前によくお読み下さい) (インストール前によくお読み下さい)(インストール前によくお読み下さい) (インストール前によくお読み下さい)

SHIONOGI-VCM-TDM

S_edition on Excel

((((Ver.1.0x))))

のインストール時の注意

のインストール時の注意

のインストール時の注意

のインストール時の注意

本プログラムは Microsoft Excel ファイルとして提供します。ファイル中にはマクロで記述され たプログラム部分があり、特にマクロを含むファイルを読み込む際にはコンピュータウィルスにマクロを含むファイルを読み込む際にはコンピュータウィルスにマクロを含むファイルを読み込む際にはコンピュータウィルスにマクロを含むファイルを読み込む際にはコンピュータウィルスに 感染していないことを確認することが必要 感染していないことを確認することが必要感染していないことを確認することが必要 感染していないことを確認することが必要です。特にオリジナルディスク以外からファイルを読ファイルを読ファイルを読ファイルを読 み込む場合にはウィルス感染に十分ご注意 み込む場合にはウィルス感染に十分ご注意み込む場合にはウィルス感染に十分ご注意 み込む場合にはウィルス感染に十分ご注意ください。 以下の「例題」で使われているサンプルデータは CD-ROM の Samples ディレクトリにありま す。 使用上の注意 使用上の注意使用上の注意 使用上の注意 ・ 本ソフトウェアは、ベイジアン法などの薬物速度論的解析手法を用い VCM適用患者での薬物 動態を把握するためのプログラムです。得られる数値はすべて推定値であり、その結果はあくま で投与計画を立てる上での参考値としてお取り扱い下さい。 ・ 患者から得られた血中濃度が、本ソフトウェアに収録されている薬物速度論モデルでは十分に 説明できない場合もあり得ます。本ソフトウェアにより得られた予測値と実測値とが大きく異な り、モデルによる説明では十分でないと考えられる場合には、TDM を頻繁に行いまた腎機能の 変動なども考慮して血中濃度のコントロールに努めてください。 ・ ベイジアン法を用いる場合、母集団パラメータの値が異なると同じ血中濃度データでも異なっ た結果が得られます。母集団パラメータの選択及び取扱いには十分ご注意下さい。 ・ 本ソフトウェアにより得られた結果を用いて治療あるいは研究を行った場合に生じるいかなる 問題についても弊社及び著作者は一切責任を負いません。VCM治療を行う際の最終的な判断は、 血中濃度のみならず効果、副作用などの情報をも考慮し、本ソフトウェアを使用されます先生方 の責任において行われますようお願い致します。 ・ 本ソフトウェアの著作権は作成者に帰属します。治療、研究ならびに教育以外での目的でのご 利用はしないでください。営利目的の使用はお断りします。無断でこのソフトウェアを他人に譲 渡、販売しないで下さい。また、このソフトウェアに収録されているプログラムの一部あるいは 全部を利用して別途新たなソフトウェアを作成するなどの行為はご遠慮ください。

(8)

SHIONOGI-VCM-TDM S_edition (Ver.1.0x) Guide S4 実行手順 実行手順実行手順 実行手順(インストールから起動まで)(インストールから起動まで)(インストールから起動まで)(インストールから起動まで) 1. インストールインストールインストールインストール CD-ROM をCD-ROMドライブに入れ、マイコンピュータからCD-ROMを開きます。下図の ように1つのファイルと5つのフォルダがあります。「はじめに.txt」ファイルにはTDM支援ソ フトウェアの収録フォルダなどを記載してありますのでお読み下さい。 ファイル・フォルダの説明

AcrobatReaderフォルダフォルダフォルダ :Acrobat Reader がインストールされていない場合、フォルダ内のフォルダ

ar405jpn.exeを実行し、インストールして下さい。

E_editionフォルダフォルダフォルダフォルダ:VCM-TDM E_edition Ver.2.0x(VCMTDMEX2.xls)が収録されています。

E_editionLightフォルダフォルダフォルダフォルダ:VCM-TDM E_edition Ver.2.0xのLight版(VCMTDMEX2L.xls)が収録

されています。

S_editionフォルダフォルダフォルダ:SHIONOGI-VCM-TDM フォルダ S_edition on Excel(Ver.1.0x)のプログラム本体 (VCMTDM_S1.xls)、使用説明、サンプルなどを収録しています。

Vbフォルダフォルダフォルダ :VCM-TDMソフトウェア Visual Basic版 Ver.2.3 が収録されています。フォルダ

詳細はフォルダ内の VCMTDM23注意.txt をお読み下さい。

S_editionフォルダを開くと次図のようになります。プログラム本体(VCMTDM_S1.xls)をハード ディスクの適当なフォルダにコピーしてご使用下さい。

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2. プログラムの起動プ ロ グラ ム の起 動プ ロ グラ ム の起 動   ∼  Microsoft-Excel を 起 動 し VCMTDM_S1.xls を 読み込 みま す 。プ ロ グラ ム の起 動 Microsoft Excelのセキュリティ設定によって「マクロを有効にする」かどうかのダイアログが 表示された場合は、「マクロを有効にする」を選択します。まず、使用条件に関するダイア ログが現れますので内容を確認後、使用条件に同意される場合「同意して使用する」ボタン を押して下さい。使用条件に同意されない場合「同意しないので使用しない」ボタンを押す と、強制的にVCM-TDMが終了します。 注意 注意注意 注意:Excel 2000やExcel 2002のセキュリティ設定が「高」になっている場合はプログラムは 起動しません。Excelの「メニュー」-「ツール」-「マクロ」-「セキュリティ」-「セキュリテ ィレベル」でセキュリティ設定を「中」で起動します。 続いてデータ入力選択画面となります。解析に用いるデータを新規に入力する場合は「新規 データ」を、レポートから読込む場合は「既存ファイルから読み込む」を選択し、「OK」ボタン を押します。そのままデータ入力画面に移る場合は「Cancel」を押します。レポートからのデー タ読込みやSHIONOGI-VCM-TDM S_edition Ver.1.0xの使用方法の詳細は”概要”や”例題” を参照下さい。

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SHIONOGI-VCM-TDM S_edition (Ver.1.0x) Guide S6 3. サポートダイアログサポートダイアログサポートダイアログサポートダイアログ メニュー画面で「新規データを入力する」を選択、または「ファイルを読込む」を選択した後 データベースからデータを読込み後、どのような解析を行なうかを問うダイアログが表示されま す。 解析内容の詳細はダイアログの右上にある「解説」ボタンを押すと表示されます(本書での解説 は割愛します)。解析する目的に合わせて 3 つの選択肢から選択します。ここで選択した解析内容 はデータ入力画面での解析内容の選択箇所である「何を行ないますか?」に反映します。データ 入力画面で解析内容の設定は可能であるので、ダイアログ表示による設定をスキップすることが できます。ダイアログの右下にある「今後このメッセージを表示しない」にチェックを入れると このダイアログは表示されません。データ入力画面で選択して下さい。再びこのダイアログを表 示させる設定にするにはメニュー画面の「環境設定」を選択し、「その他」タブの中の「ダイアロ グの表示」でチェックします。 次に解析内容に応じてデータ入力画面で入力しなければならない必要項目の一覧が表示されま す。このダイアログ表示をスキップすることができます。ダイアログの下にある「今後このメッ セージを表示しない」にチェックを入れるとこのダイアログは表示されません。再びこのダイア ログを表示させる設定にするにはメニュー画面の「環境設定」を選択し、「その他」タブの中の「ダ イアログの表示」をチェックします。

(11)

データ入力画面が起動します。SHIONOGI-VCM-TDM S_edition Ver.1.0xの使用方法の詳細は例 題を参照下さい。

(12)

SHIONOGI-VCM-TDM S_edition (Ver.1.0x) Guide S8 4. プログラムの終了プログラムの終了プログラムの終了 ∼ Excel においてファイルを閉じることでプログラムを終了します(メニプログラムの終了 ューバーの「ファイル」-「閉じる」またはExcelの右上の×印をクリック)。「環境設定」でプロ グラムの設定を変更した場合は「環境設定及びVCM-TDM S1.xlsの変更を保存しますか?」のダイ アログが表示されます。保存する場合は「はい」を選択して下さい。 さらに「'VCMTDM_S_edition1.xls'(あるいはファイル名変更している場合は変更後のファイル名) への変更を保存しますか?」とダイアログが表示されますが、先の問い合わせと同じです。 本プログラムはボタン操作により定められたシートに移動して作業を行いますので、シート タブによってシートを移動したりすると、動作が不安定になったりエラーが生じます。動作 が不安定になった場合にはメニュー画面の「プログラムの初期化」ボタンを押して下さい。 以下に例題を挙げて使用法を説明します。

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Cmax とピーク値についてとピーク値についてとピーク値について(必ずお読み下さい)とピーク値について(必ずお読み下さい)(必ずお読み下さい)(必ずお読み下さい) 本ソフトウェアにおいて本ソフトウェアにおいて本ソフトウェアにおいて Cmax は点滴終了直後本ソフトウェアにおいて は点滴終了直後は点滴終了直後は点滴終了直後を示しています。VCM-TDM のモニタリング指針 などでは点滴時間の影響をあまり受けないモニタリング基準を設定するため、点滴終了後 1∼2 時 間の濃度を便宜上ピーク値と称しています。しかし本ソフトウェアで解析を行なう場合、目標と する Cmax は点滴終了直後の真の Cmax(ピーク値)を用います。従って、指針などで示されてい る「点滴終了後 1∼2hr のピーク値が 25∼40µg/ml、トラフ値は 10µg/ml を超えないこと」とされ るピーク値よりやや高めの値を目標 Cmax と設定することが望ましいと考えられます。 本ソフトウェアで用いる濃度についての記号を次に示します。 Cmax :点滴終了直後の濃度(ピーク値) Cmin :点滴直前の濃度(トラフ値) Css :定常状態の平均濃度 C1hr :点滴終了 1 時間後の濃度 C2hr :点滴終了 2 時間後の濃度

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SHIONOGI-VCM-TDM S_edition on Excel (Ver.1.0x) Guide -1

概要

概要

概要

概要

ここではデータ入力画面からの使用方法を示します。データ入力画面を開くには、使用説明書(本 書)実行手順 2.プログラムの起動 及び 3. サポートダイアログ に記載の手順で SHIONOGI-VCM-TDM S_edition を起動します。 なお、この例題に掲載されているデータはすべて架空のものです。図中の番号(①, ②など)は表 示画面ごとの操作手順を示しています。複数同じ番号がある場合は同時に入力が必要な箇所です。 SHIONOGI-VCM-TDM S_edition はデータ入力、投与計画、レポートの3つの画面と各種設定を 行なう環境設定からなっています。 まず、データ入力、投与計画、レポートの各画面の概要、レポート保存・管理及び環境設定につい て説明します。 【データ入力画面】  解析に必要なデータを入力します。 操作手順(下図の番号を参照) 1. 解析内容の選択: ① 解析内容の選択で示す部分の「何を行いますか?」の 3 つの選択肢からど のような解析を行なうか選択します。 選択肢の解説については「何を行いますか?」の枠の右上に ある「解説」ボタンを押すと詳細な解説が表示されます。 2. データ入力: ② 患者設定、腎機能検査値設定、治療目標濃度と最適投与設計時の点滴時間、投与 履歴、採血履歴及びシミュレーションに用いる薬物動態パラメータ値を入力します。その際、「① 解 析内容の選択」で選択された解析に応じて不要なデータ入力箇所は入力できなくなります。 9 薄黄色に色付けした部分がデータ入力の必須項目です。 9 腎機能検査値設定ではまず、解析に用いる CLcr 値として実測値あるいは計算値のどちらを 選択するかオプションボタンで選択します。 9 治療目標濃度設定箇所の点滴時間には投与計画での点滴時間を入力します。 9 投与履歴及び採血履歴の入力の補助を行うツール(入力ツール)は該当する行の左隅にある 入力ツールのオプションボタンを押すと入力ツールが起動します。 3. 解析の実行:③ 「解析開始」ボタンを押し解析を実行します。① で選択した解析内容に応じて次 の画面に移ります。 9 「初期投与量を設定する」のときノモグラムが表示され、ユーザーの操作によってノモグラ ムによる投与法計算の後、投与計画画面に移ります。 9 「血中濃度の推定と今後の投与方法を計画する」のとき自動 MULTI 計算(ベイジアン解析) の後、投与計画画面に移ります。 9 「体内動態パラメータを使い血中濃度グラフを描く」のとき、② 薬物動態パラメータ値を用 いてシミュレーションした結果のレポート画面に移ります。

(15)

データ読み込み画面の 呼び出し ② 患者設定 ② 腎機能検査値   設定 ② 治療目標濃度と点滴時間 ② シミュレーションに使用する 薬物動態パラメータ値 ① 解析内容の選択 ② 採血履歴 ③ 解析の実行 ② 投与履歴 履歴入力を行なうツールの 呼出(クリック) 解析内容に応じて入力が不要 な箇所は入力できなくなります。 解析内容の解説 環境設定画面の呼び出し

(16)

SHIONOGI-VCM-TDM S_edition on Excel (Ver.1.0x) Guide -3 「ファイル」ボタンを押すと、以下のデータ入力方法のオプションを選択するダイアログが表示され ます。 9 「新規データ」ではデータ入力画面のデータがすべて消去され、新規にデータを入力する。 9 「既存ファイルから読み込む」では保存したレポートからデータ部分を読込みデータ入力画 面に自動的にデータを入力する。VCM-TDM on Excel Ver.2.0x のレポートも読込み可能(一部正し く読み込まれない場合がある)。 9 「環境設定」でソフトウェアのさまざまな設定を行なう。「環境設定」の詳細は P. F-10∼F-13 を参照。

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【投与計画画面】 データ入力画面の解析内容の選択「何を行いますか?」で「初期投与量を設定する」もしくは「血 中濃度の推定と今後の投与方法を計画する」を選択したとき、それぞれ母集団平均パラメータを用い たノモグラムによる計算及び MULTI 計算(ベイジアン解析)が自動的に行われ、それらの解析結果 を基に投与計画を設定します。 投与計画手順 0. データ入力画面の「治療目標濃度」を達成するための投与量、投与間隔、点滴時間とその投与法 での定常状態時の最高血中濃度(Cmax:点滴終了直後)、最低血中濃度(Cmin:トラフ)、点滴終了後 1 時間値(C1hr)、点滴終了後 2 時間値(C2hr)が計算され、1 行目の“計算値”に自動的に出力されま す。またその血中濃度推移のグラフが黒線で表示されます。(投与履歴に入力した投与と計算値での 最適投与方法分をあわせて表示されます。) ノモグラムで投与法を検討した場合は 2 行目の“設定した値”にノモグラムで設定した投与方法と 各種濃度及び濃度推移(赤線)も描画されます。 1. ① 計算値を参考に任意の適当な投与量、投与間隔、点滴時間を薄黄色のセルに入力します。投与 計画の開始時間は「環境設定」で設定された時間に開始します。解析結果を確認し投与計画の開始時 間を変更する場合は投与計画の表の右側の「投与計画の開始時間」で設定することができます。② 「濃 度の表示」ボタンを押すと各種濃度と濃度推移を描画します。この時グラフは③ 「グラフ描画」の 列に現れるオプションボタンを選択すると計算値での投与方法と選択した投与方法での濃度推移を 描画します。 2. 投与計画での投与回数は②のプルダウンリストで選択します。 3. ④ 「レポート作成」ボタンを押し、「グラフ描画」のオプションボタンで選択した投与法でのレ ポートを作成します。投与計画での表が不要のときは「投与計画の表をレポートに添付する」のチェ ックをはずします。 4. レポート作成が不要のときは⑤ 「入力画面へ」ボタンを押します。 投与計画の開始時期は、デフォルトでは自動(投与履歴で入力された最終投与時からその直前での

(18)

SHIONOGI-VCM-TDM S_edition on Excel (Ver.1.0x) Guide -5

④レポート及びグラフ描

画する投与法を選択する

計算値での投与法 任意の投与法 投与計画 濃度計算値 操作手順

⑥データ入力画面に戻る

③投与回数または濃度の表示を押す

⑤レポートを作成する

濃度推移グラフ 投与履歴入力 投与計画

①投与計画を立てる(投与量、

投与間隔、点滴時間の入力)

投与計画の開 始時間の選択

(19)

【レポート画面】 解析結果の一覧をレポートします。患者情報、薬物動態パラメータ値、投与・採血履歴、濃度推移 グラフ、投与計画案の表がまとめられます。これらのどの項目をレポートするかを選択するには「環 境設定」の「レポート」で行ないます。 グラフは Microsoft Excel のグラフ機能を利用しておりますので、縦軸や横軸、曲線の色などの設 定には Excel のグラフ編集機能を利用します。  印刷を行うと A4 サイズの用紙 1 ページにレポートが印刷されます。うまく印刷されない場合は Excel の「ページ設定」や「印刷」で調整して下さい。  「レポート保存」:レポートを保存します。従来の VCM-TDM on Excel ではレポートごとに新規 の Excel ブックを作成していましたが、本ソフトウェアはレポートの印刷は本ソフトウェア上のレポ ート画面で行い、レポートの保存は任意の Excel ブックを選択してレポートを複数のシートとして保 存することができます。  「入力画面に戻る」:データ入力画面に戻ります。新規又は再解析します。  「投与計画画面に戻る」:ノモグラム又は MULTI 計算のとき有効になります。投与計画画面に戻 り、別の投与計画を選択し、再度レポート作成するときに用います。

(20)

SHIONOGI-VCM-TDM S_edition on Excel (Ver.1.0x) Guide

-7

「レポート保存」

「入力画面に戻る」

「投与計画画面に戻る」

(21)

【レポートの保存・管理】

レポート画面のレポートはレポート毎に Excel のシートとして Excel のブック(Excel ファイル) に保存することができます。また、既存の Excel ブックにレポートのシートを追加することができ、 ブックごとにデータベースのように管理・保存することができます。  ブックとして保存したファイルの中のシートは本ソフトウェアの「ファイルから読込む」で患者設 定や投与・採血履歴などのデータをデータ入力画面に読み込むことができます。 使用例を示します。   操作手順 . 患者(青山太郎)の初回投与設計をノモグラムを用いて解析し、新規のデータベースとして「内 科あ行.xls」というブックを作成し、「青山太郎 03Jan06」というシート名で保存します。まず、保 存するブックを「新しいブック」か「既存のブック」か問われます。この場合、新規のデータベース を作成するので「新しいブック」を選択します。

   

 ファイル名を付けて保存のダイアログで①“保存先”に②“ファイル名”を入力し、③“保存”ボ タンを押します。次にレポートは Excel のシートとして管理されるので保存するレポートのシート名 を付けます。シート名を空欄のままで実行すると日付がシート名となります。

新規作成したファ イルが選択され ている

(22)

SHIONOGI-VCM-TDM S_edition on Excel (Ver.1.0x) Guide -9 既に開いているブックの一覧。 保存するブックがあるとき選択。

ここでは保存する「内科あ行.xls」はまだ開かれていないので、「既存のブックを開く」を押し保存先 から「内科あ行.xls」を開きます。

ファイルの一覧が更新され「内科あ行.xls」が一覧に表示されるのでこれを選択し、レポートを保存 するシート名を付けます。

(23)

【環境設定】 本ソフトウェアの解析条件やグラフ描画などの設定を行ないます。 ① 環境設定の設定項目タブを選択します。② 各設定内容を選択・入力し、下部の③「設定」ボタ ンを押して設定内容を反映させます。 設定を変更せずに環境設定画面を終了するときは「Cancel」ボタンを押します。環境設定内容を本 ソフトウェアの配布時の設定内容に戻す場合は「デフォルトに戻す」ボタンを押します。 環境設定を変更すると、本ソフトウェア終了時に環境設定の変更を本ソフトウェアに保存するかメ ッセージが出ます。「はい」を選択すると本ソフトウェア終了時点の環境設定の他、データ入力画面、 グラフ等などのすべての変更が保存されます(この後、再度 Excel が同様に変更を保存するか問いま すが、直前の操作で処理は終了しています)。  「プログラムの初期化」ボタンは本ソフトウェアを起動した状態に戻します。解析途中でエラーが などが発生しプログラムが止まってしまった場合に使用します。 次に各環境設定項目について解説します。 ①環境設定の設定項目(タブ)を選択 ②設定内容

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SHIONOGI-VCM-TDM S_edition on Excel (Ver.1.0x) Guide -11 Ⅰ. 母集団パラメータ 自動:患者設定の年齢に応じて自動的に母集団パラメータが選択される。 16 歳以上:日本人成人パラメータ1)を使用 16 歳未満:日本人小児パラメータ2)を使用 1) VCM-TDM on Excel の自動設定 2 に相当する(2-コンパートメントモデル) 2) VCM-TDM on Excel の自動設定 3 に相当する(1-コンパートメントモデル) 外国人成人パラメータ    年齢に関わらず外国人成人パラメータを使用(自動設定1に相当する) 日本人成人パラメータ    年齢に関わらず日本人成人パラメータを使用(自動設定 2 に相当する) 日本人小児パラメータ    年齢に関わらず日本人小児パラメータを使用(自動設定 3 に相当する)     設定した母集団パラメータはノモグラム及び MULTI 計算(ベイジアン解析)ともに用い られる。但し、「外国人成人パラメータ」選択時は MULTI 計算には“外国人成人パラメー タ”が用いられるが、ノモグラムには“日本人成人パラメータ”が、MULTI 計算には“外 国人成人パラメータ”が用いられる。  下部の「解析使用パラメータ」欄に設定内容が表示される。またデータ入力画面の「解析 開始」ボタンの下部にも解析に用いる母集団パラメータが表示される。 Ⅱ. グラフ 刻み:グラフのシミュレーション曲線の描画精度に関係する。X 軸の時間幅を刻みで割った 時間ごとに予測濃度を計算し、それらのポイントを線で結びシミュレーション曲線を 描画する。設定可能範囲は 500∼15000 で、値が大きいほど精度が高く滑らか。 時間軸単位:時間軸の単位を指定する。自動はシミュレーションの時間範囲が 48hr 以下の とき“hr”、48hr 超のとき“day”となる。“hr”または“day”に固定することが可 能。 時間軸表示:時間軸を投与開始からの“経過時間”で表示するか、投与・採血履歴で設定し た“日時”で表示するかの設定。自動は投与・採血履歴が経過時間のみで記述されて いるとき“経過時間”で表示し、日時で記述されているとき“日時”で表示する。 「時間軸単位」がマニュアル設定のときのみ「時間軸表示」もマニュアル設定が可能。 時間軸の範囲:時間軸の描画する範囲。自動は最終投与時から消失半減期の 6 倍の時間まで を描画する。「設定」で最小値と最大値を指定することが可能。 Ⅲ. 投与計画 設計した投与法の開始時刻:投与履歴で記述した最終投与の後、投与計画で適切な投与方法 での投与を開始する時刻。“自動”は投与履歴に記述の最終投与から直前の投与間隔 と同じ時間後に投与計画を開始する。“設定(最終投与時から次の経過時間後から開 始)”は最終投与から入力した時間後に投与計画を開始する。“設定(任意の日時から

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開始)”は最終投与後の任意の日時から投与計画を開始する。このとき投与・採血履 歴は必ず日時で記述する必要がある。 投与法一覧のクリア:投与計画画面では最大 4 例の投与法での各種血中濃度を計算すること が可能である。ここで投与方法の入力セルの数値を解析ごとにクリアするか否かを設 定する。“自動”は前回の解析で用いた母集団パラメータの対象(成人あるいは小児) と異なる場合、投与法(投与量、投与間隔、点滴時間)の数値をクリアする。“毎回 クリア”は解析ごとに投与法の数値をクリアする。“クリアしない”は解析ごとにク リアしない。 投与計画グラフのプレビュー:投与計画画面で投与計画に応じた血中濃度シミュレーション グラフの描画(プレビュー)の設定。プレビューする場合はチェックを入れる。パソ コンの動作が遅く描画に時間がかかるような場合はチェックをはずしプレビューし ないようにすることができる。このチェックに関わらずレポートには選択した投与計 画内容のシミュレーショングラフを添付することが可能。 Ⅳ. レポート レポートに添付するアイテムを選択することが可能。必要な項目にチェックを入れる。選択 可能な項目は担当者、連絡先、体内動態パラメータ値、投与・採血履歴、血中濃度グ ラフ。担当者及び連絡先は予めここでそれぞれ 10 件登録し選択することが可能。登 録する担当者あるいは連絡先を入力し、右側の「登録」ボタンを押す。削除するとき は削除するものを選択し右側の「抹消」ボタンを押す。 Ⅴ. マルチ計算 MULTI 計算(ベイジアン解析)過程のオプション設定を行う。デフォルトの MULTI 計算 は母集団平均パラメータを初期値として計算を開始し、正常に終了するまで 500 回を 1セットとして繰り返し計算を行う。500 回の繰り返し計算で正常終了しない場合は 設定したセット回数分、正常終了するまで計算を繰り返す。そのときデフォルトでは 各セットごとに MULTI 計算開始時の初期値のまま変更せず使用する。 繰り返し計算:繰り返し計算のセット数を設定(1∼10 まで)デフォルトでは 5 で設定。 マルチ計算の開始時の初期値:“母集団平均パラメータ”あるいは“任意の値”の選択が可 能。“任意の値”を設定する場合は予め「母集団パラメータ」で使用する母集団パラ メータを任意設定する必要がある。

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SHIONOGI-VCM-TDM S_edition on Excel (Ver.1.0x) Guide -13 繰り返し計算の セット数を指定 計算開始時の初期値の設定 (任意の初期値を入力する場合は、 母集団パラメータを指定する必要あり) 繰り返し計算時 の初期値を設定 Ⅵ. その他 ダイアログの表示:プログラム起動後あるいはデータ入力画面「ファイル」ボタンにより表 示される、入力するデータ選択画面で「新規データ」または「既存ファイルから読み 込む」を選択するとデータ入力画面に移る前に解析内容の設定及びデータ入力が必要 な箇所を表示するダイアログが表示される。ここではこれらのダイアログの表示、非 表示を設定する。なお、解析内容(「何をしますか?」のダイアログでの設定はデー タ入力画面の「何をしますか?」でも設定が可能。これらのダイアログを非表示にす ることでメニュー画面からデータ入力画面に即移動する。 画面設定:パソコンのフォントサイズ設定に応じて適切なオプション設定が必要。 “Windows の小さいフォント(96dpi)”は小さいフォント使用時。 “Windows の大きいフォント(120dpi)”は大きいフォント使用時。 (Windows のフォントサイズの設定・確認は「コントロールパネル」-「画面」-「設 定」-「詳細」の画面のフォントサイズで行う。その他のサイズには対応していない。) Ⅶ. 動作確認済み

動作確認済みのオペレーションシステム(OS)と Microsoft Excel のバージョンの組み合わせ の一覧。

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例題 例題例題 例題 1 1 1 1 (ノモグラムによる初期投与量の設定) 年齢 48 歳、体重 53kg の男性に VCM を投与開始します。この患者での適切な初回投与量・投与 間隔を求めましょう。患者の腎機能の検査値(Scr)は 1.9mg/dL です。この患者の治療目標濃度 は、定常状態における点滴終了直後の濃度(Cmax)を 50µg/mL、点滴直前の濃度(Cmin)を 10µg/mL とします。 以下の手順で行います。 1. データの入力 → (解析)→ 2.適切な投与量・投与間隔の算出 → 3.投与法を計画 → (レポートの作成) 1.データ入力画面

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SHIONOGI-VCM-TDM S_edition on Excel (Ver.1.0x) Guide E-2 ③[腎機能検査値設定]の項目を入力します。 例題の場合、Scr が測定されているので、Scr に 1.9 と入力します。自動的に Scr から予測したク レアチニンクリアランス(CLcr)が「CLcr 計算値」の欄に出力されます。この患者の場合、CLcr 実測値が不明で CLcr 計算値を解析に用いることになるので、「◎CLcr 計算値」オプションを選 択します。 ※ CLcr 実測値が測定されている場合は、「CLcr 実測値」の欄に数値を入力し「◎CLcr 実測 値」オプションを選択します。 ※ 小児での解析には[腎機能設定]は必須ではありません。 ④[治療目標濃度]を入力します。 「Cmax」の欄に治療目標とする点滴終了直後の濃度(ピーク濃度)を、「Cmin」の欄に治療目 標とする点滴直前の濃度(トラフ濃度)を入力し、点滴時間も入力します。目標濃度として入力 する値は、バンコマイシンのモニタリング指針にある「点滴終了 1∼2 時間の濃度が 25∼40µg/mL を超えないこと、投与直前の濃度が 10µg/mL を超えないことが望ましい」に基づき設定します。 点滴終了直後濃度 Cmax を目標濃度としているため 25∼40µg/mL よりも高めの値を入力する必 要があります。ここでは、Cmax を 50µg/mL、Cmin 10µg/mL、点滴時間 1 時間と入力します。 ※ 治療目標濃度の入力値は患者の状態・症状に応じ適宜調節してください ⑤「解析開始」ボタンで解析を実行します。 2.投与量・投与間隔の計算結果 血中濃度の予測 値の表示 必要な投与量・ 投与間隔の計算値 ノモグラム画面が表示されます。この患者で目標濃度を達成するために必要な投与量・投与間隔 の計算値が表示されます(例題では、投与量 930.81mg、投与間隔 32.32hr)。また、この投与量・ 投与間隔で投与した場合の血中濃度の予測値が右部に表示されます。

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① 必要に応じ、計算された投与量と投与間隔を目安にして臨床使用に即した値に丸めます。それ ぞれのプルダウンリストの中から適当な投与量・投与間隔を選択するか、または適当な任意の 値を入力します。この例題では、投与量 1000mg、投与間隔 36 時間とします。 ② 「OK」ボタンを選択し、次の投与計画の画面に移ります。 2. 適切な投与量・投与間隔の設計を行います。 投与量、投与間隔、点滴時間を任意に設定し、血中濃度をシミュレーションすることができます。 ※ [投与計画]の画面では、先のダイアログボックスで示された治療目標濃度を達成する投 与量・投与間隔の計算値が「計算値」の欄に、ユーザーが設定した投与量・投与法が「設 定した値」の欄に出力されます。 ※ 同時に「計算値」と「設定した値」で投与開始した場合に予想される血中濃度グラフが表 示されます。(グラフ表示・非表示の設定は本解説書 P. F-11∼F-12【環境設定】Ⅲ.投与計 画 を参考にして下さい)

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SHIONOGI-VCM-TDM S_edition on Excel (Ver.1.0x) Guide E-4

血中濃度グラフの 表示 ① 投与法 1∼3 に検討したい投与量、投与間隔、点滴時間を入力します。例題では、結果のダイア ログで設定した投与量 1000mg、投与間隔 36 時間、点滴時間 1 時間以外の投与法として、以下 の 3 つの投与法を検討することにします。 投与法 1:投与量 1000mg、投与間隔 24 時間、点滴時間 1 時間 投与法 2:投与量 1000mg、投与間隔 48 時間、点滴時間 1 時間 投与法 3:投与量 750mg、 投与間隔 24 時間、点滴時間 1 時間 ② 「濃度の表示」ボタンで、各投与法で投与した場合に予想される血中濃度(Cmax、C1hr、C2hr、 Cmin)を表示します。 ※ プルダウンリストでシミュレートする投与回数を指定することができます。

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血中濃度の予測 値の表示

血中濃度グラフの 表示

③「グラフ描画」オプションボタンを選択することで、選択した投与法での血中濃度の予測値の グラフが表示されます。これらから最も適切な投与法を決定します。 例題では、「設定した値」の投与法(投与量 1000mg、投与間隔 36 時間、点滴時間 1 時間)での 血中濃度は目標どおりに適切に推移すると予想されますが、投与間隔 36 時間では毎日の投与開始 時刻が異なるという問題が生じます。そこで、投与間隔を 48 時間(2 日おきに同時刻)とした投 与法 3 を検討しますと、血中濃度の予測結果の表及びグラフから血中濃度は十分目標を達成して いることが分かりますのでここではこの投与法に決定することとします。 ④レポート作成を行います。 以上の初期投与計画の結果のレポートを「レポート作成」ボタンで自動的に作成することができ ます。このとき、「グラフ描画」オプションボタンで選択している投与法でのグラフがレポートに 添付されます。印刷はこのレポート画面で、Excel の「ファイル」−「印刷」で行います(1 ペー ジに印刷されるよう設定されています)。次ページにレポート例を示します。 ※ レポートを作成しない場合は、「入力画面へ」ボタンでデータ入力画面に戻ります。

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SHIONOGI-VCM-TDM S_edition on Excel (Ver.1.0x) Guide

E-6 初期投与設計結果のレポート例

Analyzed by VCM-TDM S_edition on Excel

*** TDMデータ解析システム~ [血中濃度シミュレーション] *** 報告日: 平成15年2月14日(金曜日) 担当者: 連絡先: 患者ID: 1 氏名: 例題1 年齢: 48.0 歳 体重: 53 kg 男性 Scr: 1.9 mg/dL 設定パラメータ: 自動設定2 CLcr: 35.64 mL/min Cockcroft-Gault [薬物動態パラメータ値] 母集団パラメータ値 CL (L/hr) 1.704 CL (mL/min) 28.4 K12 (/hr) 0.525 Ke (/hr) 0.097 K21 (/hr) 0.213 t1/2b(hr) 27.089 Vss(Liter) 60.7 Vc(Liter) 17.519 [投与履歴] EV : 1-投与、9-採血 年/月/日 時:分 経過時間 EV 経路 投与量 点滴 回数 間隔 濃度 yyyy/mm/dd hh:mm [hr] [mg] [hr] [hr] [μg/mL] 0 1 点滴 1000 1 7 48 [投与例] 投与量 投与間隔 投与時間 Cmax C1hr C2hr Cmin [mg] [hr] [hr] [μg/mL] [μg/mL] [μg/mL] [μg/mL] 計算値 931 32 1 50.00 34.06 26.66 10.00 設定した値 1000 36 1 52.15 35.07 27.16 9.14 投与法1 1000 24 1 59.13 41.86 33.79 16.30 グラフ→ 投与法2 1000 48 1 48.82 31.82 23.99 5.72 投与法3 750 24 1 44.35 31.40 25.34 12.22 [解析担当者コメント]

Serum Concentration of Vancomycin

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 0 2 4 6 8 10 12 14 Time (day) Conc. 例題 1以上

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例題 例題例題 例題 2 2 2 2 ある男性患者が VCM 治療を受けています。この患者における VCM の体内動態パラメータを求 め、最適な投与計画をましょう。患者の年齢は 84 歳、体重は 55kg で、以下のように投与が行 われ血中濃度が測定されました。また、血清クレアチニン濃度の測定値は 2/13 0.8mg/dL でし た。この患者の治療目標濃度は、定常状態における点滴終了直後の濃度(Cmax)を 50µg/mL、 点滴直前の濃度(Cmin)を 10µg/mL とします。  投与の履歴     2/13 9:00AM 投与開始   500mg 1hr 点滴       4:00PM 投与開始   500mg 1hr 点滴     2/14、2/15も上と同条件で一日2回投与     2/16 9:00AM 投与開始  500mg 40min 点滴        4:00PM 投与開始   500mg 2hr 点滴     2/17、2/18、2/19 全日とも        9:00AM 投与開始   500mg 2hr 点滴        4:00PM 投与開始   500mg 2hr 点滴  血中濃度測定値     2/16 11:53AM  17.9 mg/mL     2/16  4:00PM  13.8 mg/mL (投与開始直前、トラフ値)     2/19  9:00AM  11.6 mg/mL (投与開始直前、トラフ値) 以下の手順で行います。 1. データの入力 → (解析) → 2.適切な投与量・投与間隔の決定 → (レポート作成)

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SHIONOGI-VCM-TDM S_edition on Excel (Ver.1.0x) Guide E-8 1. データ入力画面で必要項目を入力します。

入力ツール (採血履歴用) 入力ツール (投与履歴用) ①「何を行いますか?」の項目で「◎血中濃度の推定と今後の投与方法を計画する」オプション を選択します。 ②[患者設定]の項目を入力します。 年齢(この場合 84)、体重(この場合 55)、性別(この場合 1)と入力します。 ※ 年齢、体重、性別(小児母集団パラメータを用いる場合は性別は不要)は必ず入力して下 さい。 ※ 性別は、男性の場合 1、女性の場合 2 を入力して下さい。 ③[腎機能設定]の項目を入力します。 例題の場合、Scr が測定されているので、Scr に 0.8 と入力します。入力した Scr から計算された CLcr が自動的に「CLcr 計算値」の欄に出力されます。この患者の場合、CLcr 実測値が分かって おらず CLcr 計算値を解析に用いることになるので、「◎CLcr 計算値」オプションを選択します。 ※ CLcr 実測値が測定されている場合は、「CLcr 実測値」の欄に入力し「◎CLcr 実測値」オ プションを選択します。 ※ 小児母集団パラメータを用いる場合は[腎機能設定]は必須ではありません。 ④[治療目標濃度]を入力します。 「Cmax」の欄に治療目標とする点滴終了直後の濃度(ピーク濃度)を、「Cmin」の欄に治療目 標とする点滴直前の濃度(トラフ濃度)を入力し、点滴時間を入力します。目標濃度として入力 する値は、バンコマイシンのモニタリング指針 1)にある「点滴終了 1∼2 時間の濃度が 25∼

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40µg/mL を超えないこと、投与直前の濃度が 10µg/mL を超えないことが望ましい」に基づき設 定します。点滴終了直後濃度 Cmax を目標濃度としているため 25∼40µg/mL よりも高めの値を 入力することが適切と考えられます。ここでは、Cmax を 50µg/mL、Cmin 10µg/mL、点滴時間 1 時間と入力します。 ⑤[投与履歴]を入力します。 年月日、時分(24 時間表示)、投与量、点滴時間、投与回数、投与間隔を入力して下さい。 ※ 例題は日時で入力していますが、経過時間での解析も可能です。日時の場合、経過時間の 欄は入力不要です。 ※ 入力方法は 2002/2/13∼2002/2/15 のように各投与ごとでの入力も、また 2002/2/17∼ 2002/2/19 のように複数投与回数としての入力も可能です。 ※ 「入力ツール」を使用すると簡便に入力することができます。 入力する行の「入力ツール」ボタンをクリックすると、入力ツールが表示されます。以下に、 投与履歴 1 行目を入力する場合の入力例を示します。データを入力し、「入力」ボタンを選択 するとその行にデータが入力され、次の行の入力に移ります。次の行は変更箇所のみを変更 し「入力」ボタンで入力できます。終了するときは「終了」ボタンを、行をとばすときは「ス キップ」ボタンを押して下さい。 ⑥[採血履歴]を入力します。

(36)

SHIONOGI-VCM-TDM S_edition on Excel (Ver.1.0x) Guide E-10 ⑦「解析開始」ボタンで解析を実行します。 解析が正常に終了すると、次の投与計画の画面に移ります。下のようなエラーメッセージが表示 された場合は、「OK」を選択し、再度「解析開始」ボタンで解析を実行してください。 ※ 何回か再解析しても正常に終了しない場合は、環境設定(本解説書 P.F-12【環境設定】Ⅴ. マルチ計算 を参照)で設定を変更して解析して下さい。 入力する行の「入力ツール」ボタンをクリックすると、入力ツールが表示されます。以下に、 採血履歴 1 行目を入力する場合の例を示します。データを入力し、「入力」ボタンをおすとそ の行にデータが入力され、次の行の入力に移ります。終了するときは「終了」ボタンを、行 をとばすときは「スキップ」ボタンをおして下さい。 ※    

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2. 適切な投与量・投与間隔を計画します。

血中濃度グラフの 表示

①データ入力画面で設定した目標血中濃度を達成するためにこの患者で必要な投与量・投与間隔 が「計算値」の行に表示されます。また、グラフにはこの「計算値」の投与法で以後の投与を行 った場合を想定した予想血中濃度が示されています。これを参考にして、より実用的な投与量・ 投与間隔を投与法 1∼4 に入力します。ここでは、「計算値」として投与量 957mg、投与間隔 23.5 時間、点滴時間 1.0 時間が得られているので、これをもとに以下の投与法 1∼3 を設定します。 投与法 1:投与量 1000mg、投与間隔 24 時間、点滴時間 1 時間 投与法 2:投与量 500mg、投与間隔 12 時間、点滴時間 1 時間 投与法 3:投与量 750mg、投与間隔 24 時間、点滴時間 1 時間 投与法 4: ※ 投与法は最大 4 つまで入力できます。 ※ 投与計画を開始する時間は環境設定で任意に設定できます。本解説書 P. F-11∼F12【環境

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SHIONOGI-VCM-TDM S_edition on Excel (Ver.1.0x) Guide E-12 血中濃度の予測値 の表示

投与法①の血中 濃度グラフの表示

③「濃度の表示」ボタンで、各投与法で投与した場合の血中濃度(Cmax、C1hr、C2hr、Cmin) を表示します。 ※ リストボックスでグラフに表示される投与回数を指定することができます。 ④「グラフ描画」オプションボタンで選択した投与法での血中濃度グラフを表示されます。どの 投与法が適切かを設定した 4 つの投与法のグラフを比較し検討します。例題では、投与法 1 が VCM のモニタリング指針からもっとも適切と判断できます。 ⑤レポート作成を行います。 解析結果のレポートを「レポート作成」ボタンで自動的に作成することができます。このとき、「グ ラフ描画」オプションボタンで選択している投与法でのグラフがレポートに添付されます。以下 にこの例題でのレポートを示します。 ※ レポートを作成しない場合は、「入力画面へ」ボタンで入力画面に戻ります。 ※ レポートの保存については、本説明書 P. F-8【レポートの保存・管理】を参考にして下さ い。 ※ レポートに出力する項目は、環境設定で任意に設定することができます。本解説書 P. F-12 【環境設定】Ⅳ.レポート を参照して下さい。

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投与計画結果のレポート例

Analyzed by VCM-TDM Mini on Excel

*** TDMデータ解析システム~ [投与計画結果] *** 報告日: 平成15年2月14日(金曜日) 担当者: 連絡先: 患者ID: 2 氏名: 例題2 年齢: 84 歳 体重: 55 kg 男性 Scr: 0.8 mg/dL 母集団パラメータ: 自動設定2 CLcr: 53.47 mL/min Cockcroft-Gault [薬物動態パラメータ値] ベイズ推定パラメータ値 CL (L/hr) 2.365 CL (mL/min) 39.42 K12 (/hr) 0.523 Ke (/hr) 0.134 K21 (/hr) 0.214 t1/2b(hr) 20.244 Vss(Liter) 60.872 Vc(Liter) 17.695 [投与履歴] EV : 1-投与、9-採血 年/月/日 時:分 経過時間 EV 経路 投与量 点滴 回数 間隔 濃度 yyyy/mm/dd hh:mm [hr] [mg] [hr] [hr] [μg/mL] 2002/2/13 9:00 0 1 点滴 500 1 1 0 2002/2/13 16:00 7 1 点滴 500 1 1 0 2002/2/14 9:00 24 1 点滴 500 1 1 0 2002/2/14 16:00 31 1 点滴 500 1 1 0 2002/2/15 9:00 48 1 点滴 500 1 1 0 2002/2/15 16:00 55 1 点滴 500 1 1 0 2002/2/16 9:00 72 1 点滴 500 0.67 1 0 2002/2/16 11:53 74.88333 9 17.9 2002/2/16 15:59 78.98334 9 13.8 2002/2/16 16:00 79 1 点滴 500 2 1 0 2002/2/17 9:00 96 1 点滴 500 2 3 24 2002/2/17 16:00 103 1 点滴 500 2 3 24 2002/2/19 8:59 143.9833 9 11.6 2002/2/20 9:00 168 1 点滴 1000 1 7 24 [投与計画案....] 設定条件: 定常状態の Cmax, Cmin を基準 投与計画開始日時 平成14年2月20日(水曜日) 9時00分 投与計画開始時濃度11.65 μg/mL 投与方法:点滴静注 点滴時間: 1.0 hr 基準値: Cmax = 50.0 μg/mL Cmin = 10.0 μg/mL 設定値: 点滴速度: 1000.0 mg/hr 投与間隔: 24.0 hr 予想濃度: Css = 17.62 μg/mL Cmax = 51.94 μg/mL Cmin = 10.12 μg/mL C1hr = 34.36 μg/mL C2hr = 26.35 μg/mL

Serum Concentration of Vancomycin

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 2/13 2/15 2/17 2/19 2/21 2/23 2/25 2/27 Time (day) C onc .

参照

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