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科目3 6次産業化実践論

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Academic year: 2021

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(1)

科目3 6次産業化実践論

6次産業化概論パート

(2) 6次産業化の必要性と展開パターン

開発担当者 :株式会社三菱総合研究所

更新日 2011年11月12日

(2)

平成22年度 食料・農業・農村白書から

農業所得が農産物の価格低迷等により継続的に減尐してい

るなか、農業者の所得を高め経営を安定させていくためには、

農業所得そのものの増大を図っていくことはもちろん、

「6次産業化」の取組を支援することにより、農業生産関連事

業の所得を高めていく必要があります。

(3)

今回のテーマ

1. なぜ6次産業化が必要なのか?

2. 6次産業化の展開パターンと課題

(4)
(5)

国内需要の構成比の変化

1965年と2005年の国内需要の構成は何が違う?

農林水産業

4%

製造業

36%

その他

60%

農林水産業

1%

製造業

19%

その他

80%

総務省「産業連関表」名目、生産者価格表の国内最終需要の構成比

合計33.6兆円

合計504.6兆円

=1.3兆円

=4.5兆円

1965年

2005年

(6)

エンゲル係数の推移

(7)

最終消費から見た飲食料費の流れ

※1:【 】内の数値は輸入分の数値。 ※2:精穀(精米・精麦等)、と畜(各種肉類)及び冷凍魚介類は加工度が低いため、最終消費においては「生鮮品等」として取り扱っている。

12.1

食用農水産

物の輸入

【1.2兆円】

9.4兆円

外食産業向け

0.6兆円

【0.1兆円】

食品製造業向け

5.8兆円

【0.7兆円】

最終消費向け

3.0兆円

【0.3兆円】

食品製造業

30.1兆円

最終製品の輸入

【3.9兆円】

一次加工品の輸入

【1.4兆円】

20.9兆円

(28.5%)

39.1兆円

(53.2%)

13.5兆円

(18.4%)

外食産業

20.9兆円

食品小売業

(加工品)

39.1兆円

(生鮮品等)

13.5兆円

飲食料の

最終消費額

73.6兆円

食品産業

加工食品

卸売業

[2005年]

食用農水産物

10.6兆円

( 生産から消費に至る流れ )

卸売市場

飲食料の

最終消費額

79.5兆円

[2000年]

食用農水産物

11.8兆円

( 生産から消費に至る流れ )

資料:総務省他9府省庁「平成17年産業連

(8)

二人以上世帯の1か月間の支出

外 食

12,909

野菜・海藻

8,784

調理食品

7,877

穀類

7,622

魚 介 類

6,716

肉 類

6,399

菓 子 類

6,132

飲 料

3,668

油脂 ・調 味 料

3,341

乳卵類

3,282

果 物

3,179

調 味 料

3,017

油 脂

324

食料 73,390円

(9)

経済成長と農業

農産物の特性

需要の所得弾力性が低い

所得が増加しても必需品は需要が増加しない

農産物の需要は経済成長とともに相対的に小さくなる

一般に差別化が難しい

価格競争になりやすい

輸入品との競争が生じる

農業に与える影響

所得が向上しない

需要が拡大しない中で、価格競争が激しいと所得は向上しない。

雇用が減尐する

需要が拡大しない中で、生産性が向上すると雇用は減尐する。

(10)
(11)

地域が直面する課題

都市化と地方の衰退

農地に依存しない製造業、サービス業は都市に集積

他の地域では、農林水産業の所得、雇用の伸び悩みに直面

地域に所得、雇用を生み出すにはどうすればよいのか?

農林漁業者が所得を増やすためにはどうすればよいのか?

(12)

農林漁業者の所得はどうすれば向上するか?

所得の向上

収入の増加

コストの低減

(13)

Uターン、Iターンを生み出した例:海士町(あまちょう)

島根県海士町はイワガキや隠岐牛のブランド化、生産強

化その他農水産物関係の取り組みを平成14年から実施。

138名の新たな雇用の創出

200名以上のUIJターン者の実績

出所 海士町Webサイト

海士町

(14)

【ディスカッション1】所得増大のための取組の比較

農林漁業者の所得増大のための以下の取組について、

選択肢としてのメリットとデメリット

を比較検討してくださ

い。

ブランド化

輸出

経営規模の拡大(単一生産物で)

複合経営(農林水産業内での水平的展開)

6次産業化(多角化)

※取り組みやすさ、難しさも含めて考えてください。

(15)

【例】所得増大のための取組の比較

取組

メリット(長所)

デメリット(短所)

ブランド化

 農産物そのもので、差別化、高付

加価値化が可能となり、直接的な

収入が増える。

 差別化できる品質確保・維持が難しい

 ブランド管理が難しい

輸出

 既存の需要に影響を与えない新

たな需要が期待できる

 輸入規制、検疫

 価格競争力(円高)

 知財管理

 代金回収リスク、マージンが高い

経営規模の

拡大

 既存の技術・ノウハウ・販路を生

かして展開できる。

 効率性が高い広い農地は容易に得ら

れない

 過疎が進む

複合経営

 所得の増大だけではなく経営の安

定化も期待できる。

 資源の有効活用・平準化

 多くの作物を手がけることによる効率

の低下

6次産業化

(多角化)

 これまでにない需要が期待できる。

 資源の有効活用・平準化

 難しい!

(16)

国内需要が減尐する環境での有効性は?

取組

国内需要減尐下では・・・

有効性

ブランド化

 数量の増加が見込めないが、単価向上は可能性

がある。

経営規模の拡大  雇用、経営体の減尐につながる可能性がある。

×

輸出

 国内需要とは無関係に新たな需要が期待できる。

複合経営

 国内需要の取り合いになる。

×

6次産業化

(多角化)

 新しい需要を生み出す可能性がある。

(17)

地域に所得・雇用を生み出すための6次産業化

所得増大のための様々な取組

それぞれの取組にはメリット・デメリットがあり、地域や事業者に

よって最適な取組、最適な組み合わせがあると考えられる。

6次産業化の必要性

地域に所得・雇用を生み出すという観点からは、

新しい需要を

生み出す取組

こそが重要ではないか?

その1つの選択肢が6次産業化である。

(18)
(19)

6次産業の概念

6次産業

6次産業=1次産業(農林水産業)×2次産業(加工業)×3次産業(サービス業)

15年以上前に今村奈良臣氏(東京大学名誉教授)の提唱した概念

農林水産物に加工(2次産業)やサービス(3次産業)による付加価値をつける事業に

よって、1次産業(農林水産事業者)の収益を向上させることである。

食品加工

観光農園

農業廃棄物利用

農家レストラン

直売

工業原料

エネルギー

民宿

(20)

24

8

4

1

1

34

9

6

2

1

0

10

20

30

40

農産物

の加工

観光農園 貸農園・

体験農園

農家民宿

農家

レストラン

平成17年

平成22年

農業経営体における6次産業化への取り組み状況

農業経営体が取り組む農業生産関連事業の状況

取り組んでいる経営体数が最大の「農産物の加工」でも、全経

営体(172万7千)の2%程度である。

図 農業生産関連事業への取組状況(全国、複数回答)

(21)

赤字

69%

黒字

13%

わか

らな

17%

農業参入企業の収支状況

企業が農業に参入しても、赤字がほとんど

社団法人日本アグリビジネスセン

ター(2010)

「平成21年度企業等の農業参入に

関する意向調査・事例調査報告書」

より

赤字

63%

黒字

11%

収支ほ

ぼ均衡

10%

営農開

始間もな

いため

収支不

7%

その

9%

全国農業会議所(2008)

「農外から農業に参入した法人に対

するアンケート調査結果概要」より

(22)

【ディスカッション2】6次産業化が成功しない理由

6次産業化が成功しない理由としてはどのようなものが考

えられるでしょうか?

無関心な理由・立ち上げられない理由

(23)

無関心な理由・立ち上げられない理由

1次→2次・3次の場合

先例が尐なく、経営ノウハウを学ぶことが難しい

資金が不足している(とくに加工場の建設資金)

加工・販売のノウハウがない

加工業者が地域に乏しい

人手が不足している

地域の反発がある

参考:新潟県地域農政推進課による調査結果

既存の2次・3次に

対して優位性が

発揮できているだろうか?

(24)

加工ができる事業者は減尐傾向

例えば、食料品製造事業者はこの10年で全国で減尐

1999年 2009年 増減率

1

沖縄

453

355

-21.6%

2

和歌山

551

387

-29.8%

3

島根

470

327

-30.4%

4

長崎

1,102

738

-33.0%

5

秋田

539

357

-33.8%

6

奈良

319

209

-34.5%

7

福井

349

227

-35.0%

8

鹿児島

974

631

-35.2%

9

京都

721

467

-35.2%

10 石川

586

377

-35.7%

1999年 2009年 増減率

47 大阪

1,531

731

-52.3%

46 神奈川

1,141

545

-52.2%

45 埼玉

1,242

608

-51.0%

44 鳥取

302

150

-50.3%

43 愛知

2,068

1031

-50.1%

42 東京

1,628

813

-50.1%

41 山口

746

384

-48.5%

40 岡山

597

308

-48.4%

39 愛媛

725

389

-46.3%

38 北海道

2,806

1520

-45.8%

図 食料品製造事業者数増減率(1999年-2009年)上位・下位10都道府県

(25)

無関心な理由・立ち上げられない理由

2次→1次の場合

(有効回答数2,568社)

図 食品産業事業者が農業参入するにあたって必要な支援

(26)

利益が上がらない理由

6次産業化を始めたにも関わらず利益が上がらない理由

そもそもとして

収益性が低い、縮小している市場に進出

(27)

バリューチェーンから見た6次産業化

バリューチェーンとは?

「バリュー」=「モノ(商品)の価値」、「チェーン」=「鎖」

「生産」「調達」「加工」「販売」「サービス」等の各機能を連結して付加価値を最

終消費者に届けるまでの「モノの価値の連鎖」を示したもの

バリューチェーンは、事業(商品・サービス)ごとに存在する

生産

調達

加工

販売

サービス

企画・設計・開発

消費者

(28)

6次産業化のタイプI:融合型

自者の資源を活用して、他の産業に参入・移行

一般的に言われる6次産業化に加え、企業の農業参入も対象と

する。

特徴

2次・3次産業と競合する。

生産

調達

加工

販売

サービス

企画・設計・開発

消費者

1つの事業体で全ての

機能を担う

(29)

6次産業化のタイプII:連携型

自者の資源に加えて、他者の資源を活用し、事業(商品)

の企画・設計・開発に関与するタイプ。

農商工連携が典型的な例。

特徴

2次・3次産業と協同する。

生産

調達

加工

販売

サービス

企画・設計・開発

消費者

事業者同士が

「企画・設計・開発」

についても共有する!

互いに連携する!

(30)

【ディスカッション3】融合型の課題、連携型の課題

融合型の6次産業化、連携型の6次産業化のそれぞれで

成功しない理由としてはどのようなものが考えられるで

しょうか?

立ち上げられない理由

6次産業化を始めたにも関わらず利益が上がらない理由

(31)

どうすれば差別化できるか?優位性は何か?

他の地域が手がける場合に対する優位性は?

他の地域が同様のことをできるのではないか。

既存の2次・3次が主導する場合に対する優位性は?

大手が参入すると太刀打ちできないのではないか。

ヒト?

モノ?

カネ?

情報?

(32)

地域資源活用事例『kakevegee』

起業を目指して

父祖の地へ移住

野菜との出会いと発見

生まれも育ちも東京のS氏が、代々のルーツがあるT市へ移住

そこで出会い、発見したのが“地野菜の美味しさ”であった。

地域資源の発見に必要な“よそ者としての眼”

商品開発

地野菜を材料とする

新たな商品開発を思い立つ

東京で培った都会的感覚を活かせないか?”

(33)

地域資源活用事例『kakevegee』

地方で出会った

地野菜の美味しさ

地野菜を豊富に使った、

これまでにない、おしゃれなドレッシングを!

野菜にかけるのではなく、

野菜をかける、具だくさんの

ドレッシング

ネーミングも「かける野菜」を

そのまま英字標記

「KakeVegee」

都会で培った

センス

(34)

地域資源に着目しよう

地域資源とは?

農林水産物、農業以外の産業 (観光など)

バイオマス、自然エネルギー

経験・知恵、文化、風景など

地域資源の特性

気候や土地に依存しているため、地域による特徴を出しやすい。

また地域としてのストーリーを提供することができる。

地元にある資源であるため活用しやすい

活用するメリット(例)

安心・安全やエコの観点から、地産地消の重要性が認識されつつある

「再評価」も

重要な視点

(35)

経営ノウハウはコーディネータ・公設試等で補う

外部の力を借りることも有効

6次産業化プランナー

(各都道府県に配置)

公設試験場

大学

よそ者

(Uターン、Iターン)

(36)

まとめ

なぜ6次産業化が必要なのか?

新しい需要を生み出していかなければ、雇用を生み出し、所得を向上させる

ことは難しい。

その1つの手段が6次産業化。

6次産業化とはどのようなものか?

食品加工、直売だけではなく、観光、非食品まで。

連携型と融合型がある。

6次産業化を展開していく際の課題は何か?

成功させるのは簡単ではない。

連携型、融合型、それぞれに課題がある。

他の地域や既存の事業者に対する優位性の1つが地域資源。

(37)

教材利用条件

この教材は以下で公開されている、農林水産省「平成22~23年度新事業創出人材育成事業」で開発された成果を

利用しています。

http://www.6ji-biz.jp/kyozai/

「クリエイティブコモンズ・ライセンス 表示 - 非営利 - 継承 2.1」に従う限り、自由に利用・改変することができます。

http://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/2.1/jp/

(このページは削除しないで下さい)

図  食品産業事業者が農業参入するにあたって必要な支援

参照

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