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1) 日経 VI の急低下 当初は 限月交替に伴う指数計算上のテクニカルな問題であると思われていた しかし 日経平均オプションの場合 限月交替は年中ある テクニカルな点を考慮しても 15 未満と 言う水準は異常である 週明けはむしろ北朝鮮のミサイル発射と言う地政学上のリスクも発生しており ボラティリ

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2017年3月10日配信岡崎良介公式メールマガジン ◇◆信用リスクとイールドカーブ◆◇ ================ ポイントピックアップ(各項の要旨) ================ 1)米国 VIX 指数の低下、ハイイールド債スプレッドの縮小に加え、日本でも日経 VI 指数 が異常な低下を見せている。市場は現在、リスクに対して寛容すぎる状態にあり、どこか で綻びが生まれてくる可能性が高い。 2)こうした“リスクを取りすぎている状態”は、前回は 2014 年 7 月にも起きている。こ の後、日本株は短期的な乱高下に陥り、原油価格は長期的な下落トレンドに突入した。 3)しかし、この時の米国株は大きな調整には陥っていない。大きな波乱を生むのか、それ とも小幅の調整で終わるのか、決め手となるのはやはり長期金利の動向である。 4)信用リスクとイールドカーブの循環を見ると、例え信用リスクが上昇トレンドに向かっ ても、イールドカーブがフラット化(長短金利差が縮小)する状況にあれば、危機的状況 は回避されている。しかし信用リスクの上昇とイールドカーブのスティープニング(長短 金利差の拡大)が同時に起こる場合、金融市場に危機が広がり、景気後退に陥る可能性が 高まってくる。 5)来週、3 月 14 日、15 日の FOMC では、利上げが実施される可能性が高い。しかし問題 はもはや予定調和的な政策金利の引き上げではなく、バランスシートの縮小、即ち、実質 的な量的引き締め時代に突入するかどうかである。

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================ 1)日経VI の急低下 ================ 当初は、限月交替に伴う指数計算上のテクニカルな問題であると思われていた。しかし、 日経平均オプションの場合、限月交替は年中ある。テクニカルな点を考慮しても15 未満と 言う水準は異常である。 週明けはむしろ北朝鮮のミサイル発射と言う地政学上のリスクも発生しており、ボラテ ィリティの急落には違和感があった。勿論、今週はSQ の週であり、これまで相場が上抜け ることを想定して買われていたコールオプション(19750 円と 19500 円のストライクの建 玉が、ゴールドマンを中心に大量に確認されている)が、早々に廃棄されてしまった可能 性は高い。それがもとでボラティリティが急落したのだと説明することは簡単であるが、 それにしても15 未満と言うのは低すぎる。チャートは 3 月 7 日分までしか含まれていない が、翌日3 月 8 日も 14.89 と 15 を下回っている。これはデータが遡ることが出来る 2014 年1 月以降の中でも異常値と言える低水準である。

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前回、日経VI が 15 を下回ったのは、2014 年 7 月の事である。7 月 17 日に 14.00、24 日に14.82、翌 25 日にも 14.78、そこから後は市場の乱高下と共に VI も回復している。 ここで問題は、2014 年 7 月というタイミングである。リスク・パラメーターに異変が起 きているのは日本だけではない。前回のメルマガでも指摘した通り、米国でもVIX 指数(恐 怖指数:SP500 のボラティリティ)が急低下し、同時に信用リスクを表すハイイールド債 スプレッド(オプション調整済み)の利回りが、現在、限界値に近づいて。これもまた2014 年7 月と同じ状況にある。

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================ 2)2014 年 7 月に何が起きていたのか ================ では2014 年 7 月の投資環境はどうであったのか。調べてみても特段変わったことはない。 日本はと言えば、アベノミクスが始まって 1 年半、日銀の量的質的金融緩和第一弾が始ま って1 年 3 ヶ月、消費税導入から 3 ヶ月、丁度、中だるみの頃である。米国は、まだ利上 げには程遠く、テーパリングが始まって 6 ヶ月と、これもまた中だるみの頃である。地政 学上のリスクは、ロシアとウクライナの問題くらいで、平穏な時期であった。 そんな時、リスク・パラメーターは著しい低下を見せた。米国のハイイールド債スプレ ッドとVIX 指数の動きを確認してみよう。 驚くほど現在と似通っている。スプレッドはリスクの取りすぎとみなされる4%を下回り、 VIX も 12%を下回っている。やはり市場は何かに慣れてしまい、弛緩した状態であった。 ここで米国株が大きな調整に入っていれば、単純にリスクの取りすぎであったと結論付 けられるのであるが、現実はそう単純ではない。米国株は大きな変動もなく、その後も緩 やかな上昇トレンドを進む。

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一方、日本株はと言えば、やはりボラティリティが低すぎた後の反動が起きている。折 しも2014 年 8 月限オプションの SQ と重なり、市場は上へ下への乱高下を起こしている。 但し、ボラティリティが標準的な水準に戻ってからは、再びこちらも米国株同様に、緩や かな上昇トレンドに回帰する。 株式市場が平静を取り戻す中、この時期を境に、大きな下落トレンドに向かったのは原 油である。この時期、原油相場はシェールの増産体制が明確となる一方、シェアの維持を 目指したサウジアラビアがこれに対抗する形で増産を続けたために、価格は急落したと報 じられている。

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しかし、見方を、供給サイドではなく、需要サイドからのアプローチに変えれば、違う 景色が見えてくる。株式のボラティリティが低下し、ハイイールドの信用リスクも低下し たことで、原油のポジションを維持し続けることが出来た投資家が、こうしたリスク・パ ラメーターがボトムアウトしたことで、これ以上原油のポジションを持てなくなったため に、原油価格の下落トレンドが始まったと考えれば、両者の動きは結びつく。リスクは必 ずどこかでつながっており、リスク・パラメーターが上昇トレンドに入ったことで、それ まで維持されていたリスク資産のうちのどれかが、削られていくことになった可能性が高 い。しかしこの時は、その影響は株式市場までは及ばなかった。

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================ 3)信用リスクとイールドカーブ ================ ではリスク・パラメーターが限界値まで達し、そこから反転上昇する時に、株式市場を 揺るがしてしまうような条件とは何であろうか。やはり株式市場は、原油市場などと比べ れば圧倒的に規模が大きく、もっと大きく広範囲に影響力もつ力が働かないと、おいそれ とは下落トレンドには向かわない。 先ほどの信用リスクのチャートと並べ、見比べた時に、説得力を持つのが債券のイール ドカーブ(長短金利差)である。例え信用リスクが拡大したとしても、この時、長短金利 差が縮まる方向にあれば、金融市場全体を揺るがすような異変は起きない。しかし信用リ スクが拡大する時に、一緒に長短金利差も拡大する方向に動けば、金融市場のみならず、 経済全体を揺るがす惨事が起きている。IT バブル崩壊と金融危機がそうである。

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================ 4)長期金利の低下が生み出す水たまり ================ 例えば欧州危機の時も、原油価格の急落の時も、それぞれ信用リスクは急上昇したのだ が、この時、長期金利は、欧州危機においては米国の量的緩和策によって、原油価格の急 落時においては、日欧の量的緩和策によって低下し、長短金利差は縮小傾向にあった。そ の一方で、IT バブル崩壊の時期も、リーマンショックから金融危機に至る過程においても、 信用リスクの上昇と並行して長短金利差の拡大が発生していた。長短金利差が拡大するか 縮小するかで、金融市場において発生した亀裂が、その深刻度合いが増すか減るかは決定 的に異なってくる。何故か。 理解するためには銀行の経営を考えればよい。銀行は、預金で集めたお金を、貸し出し や投資に回すことで利益を上げている。預金は短期金利に連動する。貸し出しや投資の利 回りは長期金利に連動する。従って銀行の収益は長短金利差が拡大すれば増加し、縮小す れば減少する。 長短金利差が縮小トレンドに入ると、銀行は一般的な貸し出しや投資では儲からなくな ってくるため、よりリスクの高い資産に投資せざるを得なくなる。この時、リスク管理の 手法としては、保険業のように大数の法則を働かせ、ひたすら分散を重ね、小口の投資案 件を増やすことで対応する。つまり長短金利差が縮小する時には、株で言えば小型株、債 券で言えばジャンク債等、流動性が低くても、分散が働くものが先行される。こうした動 きの中に、原油などの商品市場への投資も含まれる。 一方、長短金利差が拡大してくると、銀行はそれまでのリスク性の高い小口の分散投資 から、本業であるところの、大型案件への貸し出しや投資に、資金を振り向けることとな る。こうなると、それまで活況を呈してきた小型株やジャンク債や商品市場などから資金 が引き出され、それが行き過ぎると負の連鎖を起こす。負の連鎖が景気に悪影響を及ぼし、 中央銀行が政策金利を引き下げると、それがまた長短金利の拡大を生み出し、いよいよ危 機が発生する。 このようにして金利はあたかも蜘蛛の糸のように、様々な市場と資産に絡みつき、上昇 する時も、下降する時も、長短金利差の拡大・縮小、信用リスクの拡大・縮小、と言うメ カニズムを経由して、株式市場、不動産市場、商品市場など各種リスク性資産の価格を変 動させる。

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例えば、イールドカーブコントロール政策の導入により、長期金利が一定水準で動かな くなった、日本の市場などはわかりやすい例である。銀行のコストである預金金利はこれ 以上もう下がらない。その一方で、貸出金利は上がらない。従って通常の業務では儲から ない。儲からないので、銀行は非伝統的なビジネスに乗り出さざるを得ない。この動きを 進めるのが、大数の法則であり、ひたすら分散を重ね、小口の投資案件を増やすことで、 資金は流れていく。流れ着いた先が日本の場合、ベンチャー投資であり、中小型企業への 投資である。イメージとしては、最近の日本の中小型株投資のブームは、長引く超低金利 時代に生まれた、資金の水たまりのようなものと考えれば理解しやすいだろう。

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================ 5)雇用統計とFOMC ================ こうした状況の中で、市場は大きなイベントに遭遇する。先ずは、今晩(3 月 10 日)発 表される。雇用統計である。すでにADP 統計では 298,000 人の雇用者数の増加が発表され、 早速、ゴールドマンやモルガン・スタンレーなどは予想を上方修正している。これを受け てドル円は114 円台後半へ、米国長期金利は 2.5%台に乗せてきた。 こうなると市場の焦点は賃金に移る。1 月の賃金上昇率は 2.5%(前年同月比)といくら か弱めであったが、これは季節調整が強すぎたためであった可能性が高い。季節調整をか けていない原数値で見ると、上昇トレンドは続いている。 恐らくは、賃金の伸びが 3%以上となれば、これはもう問答無用で、連続的な利上げと、 バランスシートの縮小が始まると考えて良いだろう。その場合、長期金利は急上昇し、株 式市場の調整は本格化する。 2.5%~3%の範囲の場合、まだはっきりとした動きは掴めず、FOMC 待ちとなる可能性 が高い。恐らく利上げは実施されるであろうが、バランスシートの縮小は、まだ議論の段

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階であり、即刻実施には至らないと見る。この場合、長期金利の上昇は緩やかであろう。 2.5%未満の上昇の場合、長期金利は再び 2.3%~2.5%のレンジに、ドル円も 112 円~114 円のレンジに戻り、米国株には買い戻しが進むことになるだろう。この時、FOMC では大 激論が戦わされることになるだろうが、予断を許さない。 しかし大きな流れとしては、世界中でインフレ率は上昇をすでに開始している。米国が この現実をどこまで認めるかが今回のFOMC のポイントであり、これを認めなければ、先 行きの景気後退リスクが高まるだけの話である。 FRB の真価が問われる FOMC となりそうだ。

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◇◆今回のゲームプラン◆◇ 1.まずは雇用統計に注目である。上述したように賃金の伸びに照準を絞り、これが大きく 上昇した場合、本格的な金利上昇と米国株の調整を引き起こすと見ておきたい。 2.難しいのはドル円と日本株である。金利上昇に引きずられてのドル買いと、ドル買いに 引きずられての日本株上昇が起こり得るが、米国株が 2 万ドルの大台を割れてくると、こ ちらに引きずられる可能性が高まってくる。 3.戦略としては FOMC までは短期トレーディングが中心とならざるを得ないが、最終的 に決め手となるのは米国長期金利の動向である。バランスシート縮小についての言及があ り、そこから長期金利の上昇が始まった場合、全ての相場が新しいレンジに突入すると見 ておきたい。 4.引き続き、中長期のポートフォリオ構築は、米国株の反落による大きめの調整を待ち、 それまでは週単位のトレーディングを基本とする。FOMC 前に、流動性に問題がある資産 は、一旦、利益の確定を検討することをお勧めする。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●当電子メールは岡崎良介が公式メールマガジン購読者を限として作成した 電子メール です。 ●当電子メールを許可なく配布、提示をした場合、法令違反となる可能性があります。 ●当電子メールに記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証 するもので はありません。 ●当電子メールは信頼できると考えられる情報に基づいて作成されておりますが、 情報の 正確性、完全性を保証するものではありません。 ●当電子メール中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡 なしに変更 されることがあります。 ●当電子メールに掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、 投資その他 に係る助言を構成するものではありません。 --- 岡崎良介オフィシャルサイト運営事務局 103-0025 東京都中央区日本橋茅場町1-6-17 十字屋ビル5F株式会社成功工房内 http://www.okazaki-ryosuke.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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