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(1)

利用履歴データに基づくサイクルシェアリング

の戦略的な運営手法の構築

松田 真宜

1

・平川 貴志

2

・有村 幹治

3 1正会員 株式会社ドーコンモビリティデザイン 企画グループ (〒004-0051 北海道札幌市厚別区厚別中央1条5丁目4番1号) E-mail:[email protected] 2正会員 株式会社ドーコン 交通事業本部 交通部 都心交通企画室 (〒004-0051 北海道札幌市厚別区厚別中央1条5丁目4番1号) E-mail:[email protected] 3正会員 室蘭工業大学 大学院工学研究科 くらし環境系領域(〒050-8585 室蘭市水元町27-1) E-mail:[email protected] 札幌のサイクルシェアリングであるポロクルは平成23年に事業化し、都市内のスムーズな移動、にぎわ い創出、CO2の削減、路上駐輪の削減などへの寄与を目的としてスタートした。現在、約7000人のユーザ ーにより延べ約14万回の利用がされるまでとなり、利用データの蓄積も進んできた。一方、3年目を迎え るポロクルは、ピーク時間に特定ポートへ集中する需要への対応、運営負荷を緩和するための効率的な運 営技術の開発、利用者の協力のもと負荷分散を行う運営手法の立案、ポロクルの利用を通じて発現した公 益性をユーザーと共有・共感する仕掛けづくりや、収支バランスの改善などの新たな検討ステージに移行 しつつある。本稿では、これらのテーマのうち、利用者の受け入れ容量と運営コストに直接的な影響を与 える運営効率化に焦点をあて、ICカードによる履歴データとユーザーアンケートを活用し、利用状況の集 計分析や利用状況を視覚化することで課題のメカニズムを把握し運営を改善する手法の構築を行う。 Key Words : Commnity Cycle, Integrated Circuit Card, User Log, Data Mining

1. はじめに 札幌のサイクルシェアであるポロクルは平成23年に事 業化し、札幌都心部において共用の自転車を提供しつつ、 多様な地域の主体と連携することによって都心部のスム ーズな移動環境の形成とまちづくりを一体的に推進し、 にぎわい創出、CO2の削減、路上駐輪の削減、自転車マ ナーの向上などの社会課題への寄与を目的にサービスの 提供を行っている1)。2012年度末においては、45箇所の ポートと呼ばれる自転車の貸し出し返却の拠点にてサー ビスの展開を行っており、約7000人の登録ユーザーによ り、年間約14万回の利用がされるまでに拡大し、市民の 足として徐々に定着しつつあり、ユーザーアンケートに よると都心来訪の機会の増加やCO2の削減、自転車の駐 輪やマナーの向上が確認され始めている。 これらの社会的効果は、ポロクルの利用を通じて、事 務局の発信する情報や報道に触れたユーザーの移動やま ちづくりに関する認知の向上や新たな交通手段をトリガ ーとしたライフスタイルの変化などにより発現している と考えられ、新規のユーザーの増加と既存ユーザーとの コミュニケーションを行い続けることが更なる社会的な 効果の拡大につながるものと考えられる。一方、サイク ルシェアサービスは、利便性、社会的な効果を最大化す るためにも、鉄道、地下鉄、路面電車、バスといった公 共交通サービスと相互に補完する都市交通として機能し、 持続的な交通まちづくり推進することが重要である。鉄 道・バス等の公共交通においては、相互の乗継ぎ利便性 や決済の簡素化などを目的にICカードが導入され、全国 の鉄道・バス事業者が発行する10種類の交通系ICカード の相互利用が始まり、いずれか1枚のカードを持ってい れば、全国52の鉄道と96のバス、さらに約20万店舗で使 用でき、利便性が飛躍的に向上するするとともに、ICカ ードは、これまでの発行枚数の拡大競争から、カードで 収集したビックデータをどのように活用していくかとい うステージに移行しつつある。札幌においても市営地下 鉄にICカード「SAPICA」が2009年に導入され、現在ポロ クルでもSAPICAを使った利用が可能となっている。なお、 SAPICAは、2013年6月22日から路面電車、バスでの利用

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サービススタートが拡大する他、SAPICAエリアにおける JRのKitaca、Suicaとの相互利用がスタートするなどの サービスの拡充が予定されている。近年は少子高齢化の 都市インフラの老朽化が急速に進展し、概ね10年に1 度実施されるパーソントリップ調査では急速に変遷する 都市の移動環境や移動実態にすべて対応することが困難 となってきており、交通系ICカードによる移動データは、 すべての交通手段の取り扱いはできないものの、データ の鮮度が高いため、時代変化に対して瞬発力のある交通 マネージメントや定期的な都市交通のヘルスチェックに 用いるなどの幅広い活用が期待されている2)。本稿で は、ICカードデータをポロクルに限定するものの、利用 データを活用しモビリティサービスをマネジメントする 手法が、サイクルシェアのみならず今後の交通まちづく りにおいて重要な視点であると考えている2)。本稿にお いてはまず、ポロクルの概要とシェアリング交通の特徴 を整理し、ポロクルの利用データを集計・分析し、利用 状況やポートの満車・空車に関する分析を行う。またユ ーザーアンケートからユーザーが許容しうるポートの満 車と空車の遭遇頻度についての把握も行う。具体に需給 ギャップを埋める施策として、需給バランスが取れてい ないエリアについてポートの増設を行った結果・効果を 把握する。最後に今後ユーザーが増加した際においても、 需給バランスが保つことができように方策を検討する。 2.ポロクルの概要 (1)サービスエリア 図1はポロクルのサービスである。ポロクルのサービ スエリアは東西約5Km×南北約3kmに45か所のポートを設 置しサービスを提供している。1ポートあたりの駐輪ラ ック数は、用地の確保の都合上から5ラック~30ラック とポートにより幅を持っている。 (2)利用プラン 料金プランは表-1に示すように、大きく3タイプあり、 市民の通勤通学、買い物などを主に想定したプランであ る一般サービス、法人の営業活動で利用することを想定 した法人サービス、観光散策などの長時間利用を想定し た1日パスがある。一般サービスはさらに細分化され、 都度料金が発生する1回プランと、30分以内の利用であ れば何回利用しても定額となる1か月プランがある。 法人サービスも同様に従量プランと定額プランを用意し ている。 (3)ユーザー数と利用回数の状況 図-3は2012年度のユーザ数および累積の利用回数の推 移である。ポロクルはサービスの開始以来、ユーザー数 図-1 ポートマップ 表-1 利用プラン 図-2 利用者数と利用回数の推移 および利用回数がほぼ右型あがりに増加している状況に あることがわかる。2011年度に対し2012年度では、ユー ザー数は約2.1倍、利用回数は約3.0倍に増加している。 ユーザー数に対する利用回数の弾力性は1.5であるが、 これは、初年度はポートの設置交渉に時間を要しポート が高密になるまで時間を要したのに対し2012年度は地権 者との契約交渉を前倒して行うなど、サービスの向上に 努めた事や、利用を通じてポロクルの使い方が特に2011 年の利用者に浸透し一人あたりの利用回数が増加した点 などが考えられる。 3.シェアサイクルの需給バランス 広義では公共交通も、複数人で1台の車両をシェアす 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 2011年度 2012年度 ユ ー ザ ー 登 録件数[ 件] -10000 10000 30000 50000 70000 90000 110000 130000 150000 利用回数 [回 ] ユーザー数 利用回数 ※2012 年度は 1575 円に料金改定を行った。 1 回 30 分につき 105 円 一般サービス 1 回プラン 1 ヶ月プラン 法人サービス 従量プラン 定額プラン 1日パス 30 分までの移動なら何回でも 1050 円※ 30 分以降は、30 分につき 105 円 1 回 30 分につき 147 円 60 分までの移動なら何回でも 3150 円 30 分以降は、30 分につき 105 円 利用開始後 24 時間以内であれば何回 利用しても 1050 円

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るシェアリング交通と言えるが、シェアサイクルやカー シェアは複数人で1台の車両を時間的にシェアする点に おいて大きく異なり、公共交通に比して同時に輸送でき る能力も極めて小さい。本稿では、後者をシェアリング モビリティと定義するが、この特徴として、限られたリ ソースを複数人で時間的にシェアリングする所有権取引 であることがあげられ、リソース容量が空間的に時間的 に変動し、確実に利用できるという補償をしにくい点が あげられる。原・羽藤3) らは、シェアリング交通が都市 交通体系の中に組み込まれるためには、モビリティシェ アリングの空間的偏在(徒歩、公共交通やカーシェアな どのシェアリング交通との接続性、目的地との空間手的 距離)と需給バランスの時間的なミスマッチという問題 を、複数人の移動を時間的に空間的に接続させることに より緩和することが重要と指摘し、利用者の利用確実性 の向上方策として、オークション方式によるシェアリン グモビリティの予約方法を提案している。 ただし、この前提条件は、サービス容量(供給量)に 対して需要が過飽和な状態で、かつシェアリング交通に 関する利用方法などの認知がかなり進んだ状態を仮定し た需要の取捨選択方式である。 一方、市民の認知やユーザーの高度な利用に関しても 発展途上であるポロクルにはオークション方式のような 手法をすぐには適用できず、ユーザー最適化行動による 需要に対し、適切に自転車の供給を行う「容量の拡大」 方策と、ポロクルの社会的意義やシェアリングモビリテ ィであり「みんなでサービスを享受するモビリティー」 という社会最適化行動への理解を同時に進める必要があ り、利用の確実性をオークション方式によるイールドマ ネージメント高めるのは次のステージにあると筆者らは 考えている。そのため本稿では時間的・空間的な需給ギ ャップが何時何処で発生し、そのギャップ量を把握し、 運営の改善を図るための検討を行う。また、本検討では 簡単のためにポートの増設により需給ギャップを埋める 方法を事例として紹介する。 4.利用実態とアンケートによる現状課題の把握 (1) 時間帯別の利用状況 図-3、利用回数が最も多かった9月の平日・休日のポ ロクルの営業時間である7:30~21:00までの利用状況で ある。これより、休日に比して平日の利用が卓越してい ることがわかるため、課題が大きいと考えられる平日に 焦点を当てて分析を行うこととする。平日の朝では8時 台に通勤・通学等による利用のピークを迎え、日中は、 12時過ぎから16時まで、営業活動や買い物での利用がさ れ、夕方は17時台から18時台にかけて帰宅時のピークを 迎える。特に朝ピークは需要が集中し、1時間に140台を 超える自転車が稼働する状況ある。 (2) 時間帯別の満車・空車状況 満車空車ともに時間帯別の需要に相関し発生している。 図4a)は満車の発生状況であるが、8時台および18時以降 に満車ポートが発生していることがわかる。図-4b)は、 空車ポートの発生状況であるが、朝のピークの貸出需要 に追従し、空車が発生し、日中は空車の発生と自転車の 再配置による補充を断続的に行っているものの再配置が 間に合わず、営業終了まで空車ポート数が増加する傾向 にあることがわかる。まお、満車の発生状況において運 営時間外に満車が突出する傾向にあるが、これは朝の貸 出需要に対応できるように前日から再配置を行っている ためである。 図-3.9月の平日休日別の平均利用回数の分布 a)満車の発生状況 b)空車の発生状況 図-4 時間帯別の満車と空車の発生状況 0 20 40 60 80 100 120 140 160 7時台 8時台 9時台 10 時 台 11 時 台 12 時 台 13 時 台 14 時 台 15 時 台 16 時 台 17 時 台 18 時 台 19 時 台 20 時 台 時間帯 トリ ッ プ 数 平日平均 休日平均 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 7: 30 8: 05 8: 40 9: 15 9: 50 10: 25 11: 00 11: 35 12: 10 12: 45 13: 20 13: 55 14: 30 15: 05 15: 40 16: 15 16: 50 17: 25 18: 00 18: 35 19: 10 19: 45 20: 20 20: 55 満車 発生 ポ ー ト 数 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 7: 3 0 8: 0 5 8: 4 0 9: 1 5 9: 5 0 10: 2 5 11: 0 0 11: 3 5 12: 1 0 12: 4 5 13: 2 0 13: 5 5 14: 3 0 15: 0 5 15: 4 0 16: 1 5 16: 5 0 17: 2 5 18: 0 0 18: 3 5 19: 1 0 19: 4 5 20: 2 0 20: 5 5 空車 発生 ポ ー ト 数

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(4)満車空車の遭遇頻度とユーザーの行動 2012 年度の営業終了時点においてユーザーアンケー トを実施し、利用履歴と別に、満車と空車の遭遇頻度と 遭遇時の行動、満車や空車の許容率を徴収した。満車の 遭遇頻度は約 4 割でユーザの 8 割は 2 割以下の遭遇頻度 であることが分かった。満車時の行動は、近くのポート に返却が 58%ともっと多く、次いでスタッフに返却処理 を依頼するが 38%である。一方、空車への遭遇頻度は 45%と満車の遭遇頻度に比して高く、空車時の行動は、 交通手段の変更が 55%、行動をあきらめたが 14%、最寄 ポートから利用が 7%となっており、空車遭遇時のポロ クルの利用機会損失は、約 7 割近い事がわかった。これ より空車ポートの発生を抑制する運営方策の検討が急務 であると考えられる。一方、満車と空車の発生頻度に対 するユーザーの許容率は、20%程度の発生頻度で約半数 が許容できないと回答しており発生頻度のサービスの管 理水準としての下限であろうと考えられる。 図-5 ユーザーの満車遭遇頻度 図-6 ユーザーの空車遭遇頻度 図-7 満車時のユーザーの行動 図-8 空車時のユーザーの行動 図-9 満車と空車の発生頻度別許容率 5.需給ギャップの把握と対応方策の検討 需給ギャップが大きくかい離するポートは、特に、都 心外郭に位置するポートや駅直近のポートで発生する。 ここでは、ポロクルのサービスエリアの外郭に位置する 円山エリアに対して、利用データに基づき需給ギャップ の分析を行い、サービス供給量の増加策としてポートの 増設を行ったときの、効果を検証することとする。 円山エリアには現在、No.12プライム公園円山公園ポ ートとNo42.富士メガネ円山店ポートが設置されている。 当初は、円山エリアには、No.12プライム公園円山公園 ポートのみを設置していたが、朝ピークの通勤需要や夕 ピークの帰宅需要が多いことからポートを増設すること により需給ギャップの緩和を行った箇所である。表-3は ポートの増設前後のラック数と運営開始時に設置する自 転車台数(基準自転車在庫)である。図-10はポート増 設前後の需給バランスであるが、ポートの増設前は、8 時台にすでに基準自転車在庫を超過する22台の貸出が行 われ不足分は再配置を2回行うことにより補っていた。 表-3 増設前後のラック数および基準自転車在庫 ラック数 基準 自転車在庫 増設前 No.12 プライム公園円山公園 12 10 No.12プライム公園円山公園 12 10 No42.富士メガネ円山店 16 15 増設後 計 28 25 55% 23% 9% 6% 2% 2% 1% 1% 0% 1% 1% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 毎回 空車割合(%) 空車に 遭遇する 頻度 60% 25% 7% 5% 1% 1% 0% 1% 0% 0% 0% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 毎回 満車頻度(%) 満車遭 遇する頻度 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 近くのポートに返却 スタッフに返却処理を依頼 そのほか 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 他の交通手段に切替えた 行動をあきらめた 最寄ポートから利用 サポートセンターに電話 返却を待った その他 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 100.0% 許容で き な い 10% く ら い 20% く ら い 30% く ら い 40% く ら い 50% く ら い 60% く ら い 70% く ら い 80% く ら い 90% く ら い 毎回 許 容割合 満車 空車

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a)ポート増設前 b)ポート増設後 図-10 ポートの需給バランス また、朝ピークに空車となるために利用できなかった ユーザーが夕方に返却する需要が発生し結果として、営 業終了時に10台の自転車たまる現象がみられていた。ポ ート増設後と比較すると、朝ピーク時間帯の累積需要は 約30台と増加したものの、1回の再配置で朝ピークの需 要を支えることができようになっている。また、ラック 数や自転車台数が増加したことで、利用機会を逸してい た主に9時台の需要を取り込むことができるようになっ た事で、営業終了時の自転車の増減が、ほぼ生じないよ うになった。 6.運営の効率化に向けた方向性 ポートにおけるポロクルのサービスの供給量は、単純 には配置したポートのラック数と自転車台数により決ま るものであるが、空きラックや自転車在庫が無くなると 物理的に自転車を再配置する必要がある。現在、自転車 を6台程度輸送できるバンとスタッフによる再配置を行 っているが単位時間の再配置能力は有限のリソースであ ることから、運営コストを抑え安定的なサービスを提供 するためにも再配置の負荷を最小に抑える方策が望まれ 下記の方向性が考えられる。 (1)サービス容量拡大に向けた方策 ・ ポートの増設やラックの増設による再配置の軽減 ・ 自転車の仮置き場確保による再配置の軽減 ・ 効率的に再配置を行うODペアの特定 ・ 時空間的に逆の動きをする需要のマッチング ・ ユーザーとコミュニケーションを図りつつ、特定 のポートへの需要の集中を避ける方策 ・利用料金の弾力的な運用によるピーク需要の調整 (2)スタッフの効率的なオペレーション スタッフは日常のオペレーションの中で再配置だけで なく、自転車やポートの点検・清掃などを行いながら運 営を行っているため、これらオペレーション時間を効率 化し、再配置に割く時間を確保する必要もある。例えば、 自転車の故障要因の大半はパンクであるが、パンクの発 生は復旧までの時間を要す。パンクの原因のほとんどは、 空気圧の不足であるが、再配置と同時に空気の補充を行 うことが運営上の負荷となっている。 今年度からは時間的返却が集中するポートをデータよ り抽出し、スタッフが返却される自転車に空気を補充す ることで無駄な移動時間を抑制しつつ、自転車の健全化 を同時に行う事も試行している。また、このような日常 オペレーションは利用の少ない時間帯や雨天時、休日に 行うなどのデータに基づくオペレーション平準化を行う ことで効率化が可能と考えられる。 7.まとめ 本稿では、ICカードで個人認証を行うことにより蓄積 されたデータやアンケート結果を用いてポートの満車、 空車に関する現状分析やユーザーの許容度と満車、空車 の遭遇時における行動を把握した。また、需給ギャップ を分析し、ポート増設による需給ギャップの改善効果を 検証した。本稿で得られて知見は下記の通りである。 ・ICカードによる履歴を活用することで利用状況とサー ビスの需給バランスを分析・把握することが可能であ る。 ・サービス供給量の小さいシェアリング交通の効率的な 運営は、履歴データに基づくサービス改善手法の検討 が有効である。 ・ポートの満車に対して空車は、利用機会の損失を伴う ためユーザーの許容度も小さく空車を出さない運営手 法が重要となる。 参考文献 1) 松田真宜,澤充隆,須田健,羽藤英二,佐野可寸志 コミュニティーサイクルを活用した新たなマーケッ トへの挑戦, 土木計画学研究・講演集, Vol.41, CD-ROM,2010 2) 丸山翔太, 松田真宜, 有村幹治:交通まちづくりのた めのコミュニティーサイクル利用記録の活用, 土木計 画学研究・講演集, Vol.45, CD-ROM,2012 3) 原祐輔, 羽藤英二, 共同利用型交通サービスにおける ネットワーク上での予約システムの提案, 土木学会論 文集 D3(土木計画学), Vol.67, No.5(土木計画学研究・ 論文集 28), pp.509-519, 2011 -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 7時 台 8時 台 9時 台 10時 台 11時 台 12時 台 13時 台 14時 台 15時 台 16時 台 17時 台 18時 台 19時 台 20時 台 時間帯 別貸出・ 返 却台数 -40 -30 -20 -10 0 10 20 ポ ー ト の 自転車台数 の増減 貸出 返却 増減 -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 7時 台 8時 台 9時 台 10時 台 11時 台 12時 台 13時 台 14時 台 15時 台 16時 台 17時 台 18時 台 19時 台 20時 台 時間 帯別 貸出 ・ 返 却台 数 -40 -30 -20 -10 0 10 ポ ー ト の 自転 車台 数の増 減 貸出 返却 増減

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