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p53遺伝子変異を引き起こすAIDによる肝臓発癌の新規マウスモデル

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Academic year: 2021

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(1)Title. Author(s). Citation. Issue Date. URL. A novel mouse model of hepatocarcinogenesis triggered by AID causing deleterious p53 mutations.( Abstract_要旨 ). Takai, Atsushi. Kyoto University (京都大学). 2010-03-23. http://hdl.handle.net/2433/120560. Right. Type. Textversion. Thesis or Dissertation. none. Kyoto University.

(2) 京都大学. 博士( 医 学 ). 氏 名. 髙 井. 淳. A novel mouse model of hepatocarcinogenesis triggered by AID causing deleterious p53 mutations 論文題目 (p53 遺伝子変異を引き起こす AID による肝臓発癌の新規マウスモデ ル) (論文内容の要旨) 遺 伝 子 編 集 酵 素 で あ る Activation-induced cytidine deaminase(AID) は 、 活 性 化 B 細 胞 に の み 発 現 し 、 免疫グロブリン遺伝子の体細胞突然変異や クラススイッチ組 換 えを誘 導 する役 割 を果 たしている。この AID を全 身 に発 現 する AID トランスジェニックマウスでは、さまざまな発癌関連遺伝子への変異生成を介 し て、T細胞リンパ腫や肝癌をはじめとする様々な上皮性腫瘍が全例に発生することか ら、遺伝子変異の蓄積を介したヒト発癌のよいモデルになると期待されている。しかし ながら、AID トランスジェニックマウスは致死的な T 細胞リンパ腫が全例に発生するた めに寿命が短く、より長期間の観察を要する他の上皮性腫瘍の解析が困難である。 そこで本 研 究 は、幹 細 胞 マーカーである tissue-nonspecific alkaline phosphatase (TNAP)に着目し、TNAP 発現細胞に AID を発現する新しいトランスジェニックマウス (TNAP-AID マウス)を作成することにより新しい肝発癌モデルの構築を行った。野 生 型 マ ウ ス の 各 臓 器 に お け る TNAP 発 現 の 検 討 を 行 っ た と こ ろ 、 胎 仔 (E14.5)の 肝 組 織 に お い て 最 も 強 い TNAP の 発 現 が 認 め ら れ た 。 ま た 、 TNAP-AID マ ウ ス の 各 臓 器 に お け る AID 発 現 量 に つ い て 、定 量 RT-PCR 法 及 び 抗 AID 抗 体 を 用 い た 免 疫 染 色 に よ り 検 討 し た と こ ろ 、 成 体 の 肝 組 織 に お い て 強 い AID 発 現 が 認 め ら れ た 。従 来 の AID ト ラ ン ス ジ ェ ニ ッ ク マ ウ ス と 異 な り 、 TNAP-AID マ ウ ス で は 致 死 的 リ ン パ 腫 が 発 症 し な か っ た た め 、TNAP-AID マ ウ ス で は 生 後 90 週 以 上 の 観 察 が 可 能 で あ っ た 。そ こ で 、平 均 90 週 齢 の 時 点 で TNAP-AID マ ウ ス を 解 剖 し 、表 現 型 を 解 析 し た と こ ろ 、 26.7%に 肝 腫 瘍 の 発 生 を 認 め た 。 病 理 組 織 学 的 に こ れ ら の 腫 瘍 は 高 ~ 中 分 化 型 の 肝 細 胞 癌 で あ り 、ヒ ト 肝 細 胞 癌 の 病 理 組 織 像 と 極 め て よ く 類 似 し て い る こ と が 分 か っ た 。 ま た 、 TNAP-AID マ ウスに発生した肝癌組織では、ヒト肝細胞癌の腫瘍マーカーである α-fetoprotein が 高 発 現 し て い る こ と が 、 免 疫 染 色 に よ り 確 認 さ れ た 。 TNAP-AID マ ウ ス に 発 生 し た 肝 癌 組 織 及 び 非 癌 部 の 肝 組 織 に お け る 発 癌 関 連 遺 伝 子 の 変 異 解 析 を 行 っ た と こ ろ 、肝 癌 組 織・非 癌 部 肝 組 織 と も に 、 癌 抑 制 遺 伝 子 p53 に 高 率 に 変 異 の 蓄 積 が 認 め ら れ た 。 プ ロ モ ー タ ー 上 流 の 非 転 写 領 域 に は 変 異 の 生 成 が 認 め ら れ な か っ た 。こ の 結 果 は 標 的 遺 伝 子 の 転 写 に 依 存 し て 変 異 を 誘 導 す る AID に よ っ て 直 接 的 に 変 異 が 生 成 さ れ た 可 能 性 を 示 唆 す る 所 見 と 考 え ら れ た 。ま た 、ア ミ ノ 酸 変 異 を伴う遺伝子変異の中には、ヒト腫瘍において数多く報告されている P53 変 異 パ タ ー ン と 同 一 の 変 異 が 多 数 確 認 さ れ て お り 、AID に よ っ て 導 入 さ れ る 変 異 が 腫 瘍 形 成 に 関 与 し て い る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。従 来 の 肝 細 胞 癌 マ ウ ス モ デ ル は 、発 癌 関 連 遺 伝 子 の 発 現 そ の も の を 過 剰 発 現 さ せ る か 、ノ ッ ク ア ウ ト さ せ る こ と に よ っ て 腫 瘍 の 発 生 を 誘 発 す る も の で あ っ た 。 本 研 究 で 作 成 し た TNAP-AID マ ウ ス は 、 人 為 的 に 特 定 の 発 癌 関 連 遺 伝 子 に 操 作 を 加 え る も の で は な く 、AID の 持 つ 遺 伝 子 変 異 導 入 作 用 により、多段階に遺伝子異常が蓄積された結果発癌を来すモデルであ る 。 TNAP-AID マ ウ ス は 、 AID が ヒ ト の 慢 性 肝 疾 患 で 肝 細 胞 に 持 続 的 に 発 現 し 、遺 伝 子 異 常 を 誘 発 す る こ と で 肝 癌 の 発 生 に 関 与 す る と い う 分 子 機 序 を 再 現 す る 動 物 モ デ ル と し て 、ヒ ト 肝 癌 発 生 機 構 を 解 明 す る 上 で 極めて有用なモデルになりうると考えられる。. (論文審査の結果の要旨). 近年、遺伝子編集酵素であるActivation-induced cytidine deaminase (AID)の有する遺 伝子変異導入活性が発癌に強く関与する可能性が示唆されている。事実、AIDを全身に発 現するトランスジェニックマウスは肝癌など様々な上皮性腫瘍を発生するが、同時にほぼ 全てのマウスが致死的なT細胞リンパ腫を発生するため、上皮性腫瘍の解析が困難である。 申請者らは、幹細胞マーカーであるtissue-nonspecific alkaline phosphatase (TNAP) に着目し、TNAP発現細胞にAIDを発現する遺伝子改変マウス(TNAP-AIDマウス)を作成す ることにより、新しい発癌モデルの構築を行った。 申請者らの検討により、TNAPは胎仔肝に強く発現していること、TNAP-AIDマウスに は肝癌が高率に発生すること、TNAP-AIDマウスの肝組織には、癌抑制遺伝子p53に高率に 変異が蓄積していることが明らかとなった。以上の結果から、TNAP-AIDマウスがヒト肝 発癌機構を解明する上で有用な発癌モデルマウスとなりうる可能性が示された。 以上の研究は、ヒト肝癌の発生過程における遺伝子変異の生成・蓄積の分子機序の解明 に貢献し、癌研究の発展に寄与するところが多い。 したがって、本論文は博士(医学)の学位論文として価値のあるものと認める。なお、本学 位授与申請者は、平成 22 年 1 月 20 日実施の論文内容とそれに関連した試問を受け、合格 と認められたものである。.

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