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はじめに 日本の医療保険制度は 一人ひとりが何らかの公的医療保険に 加入し 互いの医療費を支えあう 国民皆保険 という考え方に基 づいています 患者さんが医療機関で支払う医療費の自己負担額はかかった医療費の一部で 残りは保険から支払われています しかし病気によっては 保険からの支払いがあったとしても

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Academic year: 2021

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(1)

経済的負担を軽減する医療保険制度

高額療養費制度を

知っていますか?

監修:愛知県がんセンター中央病院 地域医療連携・相談支援センター

(2)

はじめに

日本の医療保険制度は、一人ひとりが何らかの公的医療保険に

加入し、互いの医療費を支えあう「国民皆保険」という考え方に基

づいています。

患者さんが医療機関で支払う医療費の自己負担額はかかった

医療費の一部で、残りは保険から支払われています。しかし病気

によっては、保険からの支払いがあったとしても医療費がとても

高額になることがあります。

高額療養費制度は、患者さんの経済的な負担を軽減するために、

医療費の自己負担が一定の金額(自己負担の上限額)を超えた

場合に、その超えた自己負担額を支給する制度です。公的医療

保険に加入している方であれば、どなたでも利用できます。

本冊子では、高額療養費制度についてご紹介しています。この制度

についての不明点や、医療費などで困ったことがあった場合は、

通院している医療機関の相談室やソーシャルワーカーなどにご相談

ください。

(3)

目次

高額療養費制度とは

4

手続き方法

6

自己負担の上限額

8

自己負担をさらに軽くするしくみ

10

高額療養費の計算例

12

Q&A

14

(4)

高額療養費制度とは

高額療養費制度は、患者さんの経済的負担を軽減するために、医療費

の自己負担が高額になった場合に、自己負担の上限額を超えた金額が

公的医療保険

※1

から支給される制度です。

例:70歳以上、年収約400万円の患者さんで、1ヵ月(暦月:月の初めから終わりまで)の 医療費が100万円の場合(窓口で支払う自己負担割合は3割、30万円となる) 窓口で支払う自己負担額は30万円ですが、高額療養費制度を利用すると、212,570円 が支給されるので、実際の自己負担額は87,430円となります。 ※1:高額療養費制度が適用される公的医療保険(以下「健康保険」とする)には、健康保険組合、全国健康保険協会、 共済組合、国民健康保険組合、国民健康保険、後期高齢者医療制度などがあります。 ※2:自己負担の上限額については、8〜9ページをご覧ください。 健康保険(保険者)が負担する額 患者さんが負担する額 7割 3割(30万円)自己負担額 適用されない費用健康保険などが 高額療養費として支給 自己負担の上限額※2 医療費の総額(100万円) 30万円-87,430円 =212,570円 80,100円+× 1%=87,430円(100万円-267,000円)

高額療養費制度の概要

(5)

自己負担額とは?

暦月(月の初めから終わりまで)単位で計算します。

保険診療の対象になるものだけが計算できます。

入院時の食事代や差額ベッド代、先進医療にかかる費用など、

保険診療の適用にならないものは対象外です。

医療機関ごとに計算します。

同じ医療機関であっても、医科と歯科は別々に計算します。

同じ医療機関であっても、外来と入院は別々に計算します。

薬局で支払った薬代は、処方箋を発行した医療機関の医療費に

加算します。

医療機関ごと、医科・歯科別、外来・入院別で計算し、それぞれ

(69歳以下の方は21,000円以上のものだけ)を合算します。これ

が最終的な自己負担額となります。

(6)

治療前に手続きをして窓口負担を軽減する方法

医療費が高額になりそうなときは、加入している健康保険(保険者 )から「限度額適用認 定証」の交付を受け、医療機関の窓口に提示してください。窓口での支払いを自己負担の 上限額までに抑えることができます。 69歳以下の方については全員が、70歳以上の方については「住民税非課税等」と「現役 並みⅠ・Ⅱ」の方が対象です。住民税非課税世帯等の方は「限度額適用・標準負担額減額 認定証」となります。 なお、「限度額適用認定証」「限度額適用・標準負担額減額認定証」の交付を受けていなく ても、後日、上限額を超えて支払った額を払い戻すことは可能です。詳しくは加入している 健康保険(保険者)にお問い合わせください。 70歳以上の「一般」と「現役並みⅢ」の方は、事前申請が不要です70歳以上74歳以下の方:医療機関の窓口に「高齢受給者証」を提示してください。75歳以上の方:医療機関の窓口に「後期高齢者医療被保険者証」を提示してください。 窓口で支払いが、自動的に自己負担の上限額までに抑えられます。 ❶限度額適用認定証の申請 ❸限度額適用認定証の提示 ❹自己負担の上限額までの支払い ❷限度額適用認定証の交付 医療機関 健康保険(保険者) 本人

手続き方法

高額療養費の申請手続きには、治療前に申請する場合と治療後に申請する

場合の2つの方法があります。最終的な支払い額はどちらも同じです。

(7)

治療後に手続きをして払い戻しを受ける方法

高額療養費支払資金貸付制度/高額医療費貸付制度 高額療養費は、申請を受けてから支給までに約3ヵ月程度かかるため、健康保険(保険者)の なかには、医療費の支払いに充てる資金を無利子で患者さんに融資する事業を行ってい る場合があります。詳しくは加入している健康保険(保険者)にお問い合わせください。 高額療養費の支給申請をすると、約3ヵ月後に支払い済みの医療費と自己負担の上限額 との差額が払い戻されます。支給申請の際、医療機関から受け取った領収書の添付を求め られる場合があります。紛失しないよう、大切に保管してください。 高額療養費の支給を受ける権利は診療を受けた月の翌月初日から2年です。したがって 2年以内であればさかのぼって支給申請することができます。 ❷高額療養費の支給申請 ❶医療費(自己負担額)の支払い ❸自己負担の上限額を超えた   金額の払い戻し 医療機関 健康保険(保険者) 本人

(8)

69歳以下

※1 2018年8月現在 適用区分 ひと月の上限額(世帯ごと) 1〜3回目 4回目以降※2 ア 年収約1,160万円〜  健保:標準報酬月額83万円以上  国保:基礎控除後の総所得901万円超 252,600円 +(医療費−842,000円)×1% 140,100円 イ 年収約770万〜約1,160万円  健保:標準報酬月額53万〜79万円  国保:基礎控除後の総所得600万〜901万円 167,400円 +(医療費−558,000円)×1% 93,000円 ウ 年収約370万〜約770万円  健保:標準報酬月額28万〜50万円  国保:基礎控除後の総所得210万〜600万円 80,100円 +(医療費−267,000円)×1% 44,400円 エ 〜年収約370万円  健保:標準報酬月額26万円以下  国保:基礎控除後の総所得210万円以下 57,600円 44,400円 オ 住民税非課税者 35,400円 24,600円 1つの医療機関等での自己負担(院外処方代を含む)では上限額を超えないときでも、同じ 月の別の医療機関等での自己負担を合算することができます。ただし、69歳以下の場合は、 それぞれの自己負担が21,000円以上であることが必要です。この合算額が自己負担の 上限額を超えれば、高額療養費の支給対象になります。

自己負担の上限額

毎月の自己負担の上限額は、年齢や所得水準によって

定められています。70歳以上の方については、外来だけ

の上限額も設けられています。

高額療養費制度(2018年8月診療分から)に  基づく

(9)

2018年8月現在 適用区分 ひと月の上限額(世帯ごと) 外来 (個人ごと) 1〜3回目 4回目以降※2 現役並み Ⅲ 年収約1,160万円〜   健保:標準報酬月額83万円以上   国保・後期高齢者医療制度:     課税所得690万円以上 252,600円 +(医療費−842,000円)×1% 140,100円 Ⅱ 年収約770万〜約1,160万円  健保:標準報酬月額53万〜79万円  国保・後期高齢者医療制度:     課税所得380万円以上 167,400円 +(医療費−558,000円)×1% 93,000円 Ⅰ 年収約370万〜約770万円   健保:標準報酬月額28万〜50万円   国保・後期高齢者医療制度:     課税所得145万円以上 80,100円 +(医療費−267,000円)×1% 44,400円 一般 年収156万〜約370万円   健保:標準報酬月額26万円以下   国保・後期高齢者医療制度:     課税所得145万円未満等 18,000円 年間上限 144,000円 57,600円 44,400円 住民税 非課税等 Ⅱ 住民税非課税世帯  (Ⅰ以外の方) 8,000円 24,600円 ――※3 Ⅰ 住民税非課税世帯  ( 年金収入80万円以下等) 15,000円 ――※3 1つの医療機関等での自己負担(院外処方代を含む)では上限額を超えないときでも、同じ 月の別の医療機関等での自己負担を合算することができます。この合算額が自己負担の

70歳以上

高額療養費制度(2018年8月診療分から)に  基づく

(10)

同一世帯で、1年間(直近12ヵ月)に3回以上高額療養費の支給を受けている

場合に、4回目から自己負担の上限額は減額されます。

支給 3回目 自己負担の上限額 (1~3回) 自己負担の上限額 (4回目以降) 支給 1回目 2回目支給 1月 翌年 12月 11月 10月 9月 8月 2月 支給額 自己負担額 支給4回目から 自己負担の上 限額は減額 多数回該当の場合の自己負担の上限額については、8〜9ページをご覧ください。

多数回該当

自己負担をさらに軽くするしくみ

自己負担の上限額を1年間で4回以上超える場合や、別の医療機関での

受診やご家族の受診の際の医療費の自己負担分を合算し一定額を超える

場合は、さらに自己負担の上限額を軽減するしくみがあります。

(11)

ひとつの医療機関の窓口負担では自己負担の上限額を超えない場合でも、他

の医療機関の受診や、同じ世帯

にいる他の方の受診で、それぞれの医療機関

で支払った医療費をひと月単位で合算することができます。その合算額が自

己負担の上限額を超えたときは、支給申請により超えた金額が高額療養費と

して支給されます。

※同じ健康保険に加入していることが条件です。

69歳以下の方のみの世帯の場合

同一月、同一世帯内での自己負担額が21,000円以上のものが複数ある場合(同じ人で複 数の場合も含む)、これらの額を合算することができます。これらの合計から自己負担の上 限額を超えた金額が支給されます。

70歳以上の方のみの世帯の場合

金額にかかわらず、すべての自己負担額が合算の対象となります。ただし、75歳以上の 方は後期高齢者医療制度の対象となるため、74歳以下の方の自己負担額とは合算でき B健康保険組合 45,000円 合算可能 A健康保険組合 8,000円 加入している健康保険: 自己負担額: A健康保険組合 60,000円 A健康保険組合 22,000円 21,000円以上ですが、別の健康保 険なので合算できません。

世帯合算

(12)

□医療費総額:100万円(外来+入院)  □年齢区分:70歳以上  □自己負担割合:2割  □所得:年収350万円 ●医療費の自己負担額 医療費総額 × 自己負担割合 =100万円 × 2割=20万円 自己負担の上限額 57,600円 支給額 医療費の自己負担額 - 自己負担の上限額 =20万円-57,600円=142,400円 □医療費総額:100万円(外来+入院) □年齢区分:69歳以下  □自己負担割合:3割  □所得:年収400万円 医療費の自己負担額 医療費総額 × 自己負担割合 =100万円 × 3割=30万円 ●自己負担の上限額 44,400円(多数回該当の適用) 支給額 医療費の自己負担額 - 自己負担の上限額 =30万円-44,400円=255,600円 介護保険も利用している場合 1年間(8月1日から翌年7月31日まで)の医療保険と 介護保険の自己負担を合計し算定基準額(限度額)を 超えた場合に「高額医療・高額介護合算療養費制度」 が適用されます。算定基準額などについては15ページ をご覧ください。

Bさん(63歳)

同じ医療機関を受診、直近12ヵ月で4回目の支給

Aさん(73歳)

同じ医療機関を受診、はじめての支給

高額療養費の計算例

高額療養費の支給額がどのくらいになるのか計算してみましょう。

ポイントは、①1ヵ月間の医療費総額 ②年齢 ③自己負担割合 ④所得

の4つです。

高額療養費制度(2018年8月診療  分から)に基づく

(13)

□医療費総額:430,000円       (A病院100,000円+B病院80,000円+C病院50,000円+D病院200,000円) □年齢区分:69歳以下  □自己負担割合:3割  □所得:年収750万円 医療費の自己負担額 医療費総額 × 自己負担割合 =A病院(10万円×3割)+B病院(8万円×3割)+D病院(20万円×3割) =30,000円+24,000円+60,000円=114,000円 高額療養費制度の対象となるのは、自己負担額が21,000円以上のもののみです。 C病院での自己負担額は15,000円(5万円×3割)となるので合算できません。 ●自己負担の上限額 80,100円+( 医療費総額 -267,000円)× 1% =80,100円+(38万円-267,000円)×1%=81,230円 ●支給額 医療費の自己負担額 - 自己負担の上限額 =114,000円-81,230円=32,770円 自己負担割合は、本人・家族、入院・外来にかかわらず、年齢や所得によって決められています。 一般・低所得者 1割負担 2割負担 ※2014年4月以降70歳になる方から 75歳 3割負担 現役並み所得者

Cさん(40歳)

複数の医療機関を受診、はじめての支給 [参考]

医療費の自己負担割合

高額療養費制度(2018年8月診療  分から)に基づく

(14)

生命保険会社から入院給付金を受給しました。

高額療養費申請の際に、かかった医療費からこの給付金額を

差し引かなくては、ならないのでしょうか?

生命保険や損害保険は健康保険とは無関係です。 高額療養費申請の医療費総額から給付金額を差し引く必要はありません。

医療費の支払いまでに、限度額適用認定証の交付が

間に合いそうにありません。どうしたらよいですか?

交付されるまでは、自己負担額を全額窓口でお支払いください。あらためて 高額療養費の申請を行ってください。後日、自己負担の上限額を超えた額の 払い戻しが行われます。限度額適用認定証が交付されれば、それ以降は高額 療養費の申請は不要です。 高額療養費の請求・受け取りを医療機関に代行してもらう「高額療養費受領 委任払制度」が利用できる場合もあります。この制度が利用できる医療機関・ 健康保険は限られています。詳しくは加入している健康保険(保険者)にお問 い合わせください。

限度額適用認定証が交付されたら、

高額療養費の支給申請は不要ですか?

限度額適用認定証が交付されたとしても、以下の場合は高額療養費の支給申 請の手続きが必要です。 ・限度額適用認定証を提示しなかった場合 ・暦月(月の初めから終わりまで )の間に、同じ医療機関で外来と入院の 両方を受診し、それぞれで21,000円以上の自己負担があった場合 ・暦月(月の初めから終わりまで)の間に、複数の医療機関を受診し、医療費を 合算する必要があった場合 ・家族の医療費を合算する必要があった場合 なお、国民健康保険では高額療養費の支給対象になる場合は、市区町村から 連絡があるので、手続きは不要です。 詳しくは加入している健康保険(保険者)にお問い合わせください。

A

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Q

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Q&A

(15)

A

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介護保険も利用しています。

医療費を支援してもらえる制度はありませんか?

医療保険と介護保険の両方を利用している世帯の経済的負担を軽減する制 度として「高額医療・高額介護合算療養費制度」があります。1年間(8月1日か ら翌年7月31日まで)の医療保険と介護保険の自己負担を合計し、算定基準額 (限度額)を超えた場合に、超えた金額を支給する制度です。 支給を受けるには申請をする必要があります。詳しくは加入している健康保険 (保険者)または市区町村の介護保険の担当窓口にお問い合わせください。

医療費控除制度と高額療養費制度は違うのですか?

医療費控除は、1年間の医療費が一定額を超えた方で税金を納めている方が、 確定申告で支払った医療費を申請すると、一定額の所得控除を受けることが ■算定基準額(70歳以上※1 適用区分 (世帯ごと)限度額 現役並み Ⅲ 年収約1,160万円〜  健保:標準報酬月額83万円以上  国保・後期高齢者医療制度:課税所得690万円以上 212万円 Ⅱ 年収約770万〜約1,160万円  健保:標準報酬月額53万〜79万円  国保・後期高齢者医療制度:課税所得380万円以上 141万円 Ⅰ 年収約370万〜約770万円  健保:標準報酬月額28万〜50万円  国保・後期高齢者医療制度:課税所得145万円以上 67万円 一般 年収156万〜約370万円 健保:標準報酬月額26万円以下  国保・後期高齢者医療制度:課税所得145万円未満等 56万円 住民税 非課税等 Ⅱ 住民税非課税世帯(Ⅰ以外の方) 31万円 Ⅰ 住民税非課税世帯(年金収入80万円以下等) 19万円※2 ※1:69歳以下の方の世帯や、70歳以上の方と69歳以下の方が同一世帯にいる場合は、限度額が異なり ます。詳しくは加入している健康保険(保険者 )または市区町村の介護保険の担当窓口にお問い合わ せください。 ※2:介護サービス利用者が世帯内に複数いる場合は31万円となります。

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参照

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