~HBA~
公認会計士/論文式本試験・過去問解説
《2007 会計学 第3問(財務諸表論部分)》
【解答・解説等を参照する場合の注意!】 論文試験に、巷でよく言われるような“部分点”などと行った採点は、基本的に存在しない。 一つの論文(例え 5 行でも 10 行でも論文です)の中で、部分部分は個々には正しいが、論文 と し て は 相 互 に 矛 盾 し て い る 内 容 が 書 い て あ れ ば 、 も は や 論 文 と し て は 成 立 し な い 。 つ ま り、 前提が書けていない、もしくは論拠が間違っている、が、結果だけは正しく書けている、とい った文章に何の価値があるのか?ということである。文章の中で、内容が矛盾していれば、も はや論文ではないのである。 したがって、試験委員(HBAでの添削でも同様だが)は、論文としての上記の前提が先ず 充たされているか否かを、全体をさっと読んで判断し、上記の論文としての要件を充たしてい ないものは、その時点で一切読まないのである(つまり、0 点である。やむを得ず得点に一律 に下駄を履かせるような状況においては、2~3 点前後の得点を付ける場合も無くはないようだ が 、 そ の 場 合 は 当 然 答 案 内 容 に つ い て は 無 視 さ れ る )。 論 文 の 前 提 を 充 た し た 答 案 だ け に つ い て採点をする訳である。 問題文で問われてもいないのに、巷でよく説明されているような“先ず、定義・意義と要件 を書くとそれだけで部分点が来る”などといったことを真に受けて書いてはならない。そのよ うな答案を書けば、その書いた行数分に当たる内容の点数を、答案作成時に既に失っているこ とになる。上記のような短絡的な“部分点”など論文試験には存在しないことを重々肝に銘じ ておいて欲しい。 【警告!】 なお、下記では多少過激な部分が存在する場合がありますが、本試験、もしくは試験委員お よびその出題した問題等を誹謗中傷するものでは決してないことをここで断っておく。現実に 本試験として出題されてしまっているのであり、また、そのような問題は、その程度のものだ からである。批判には論拠があり、誹謗中傷はただの感情的な悪口です。両者はまったく別次おのずと出題者のレベルは問題にはっきりと表れるのであり、そのレベルの者に本試験の出 題者としての実力や良心を本試験後に問うても意味は無いのである。 ただし、早期合格を目指す受験生にとっては、それらは早期合格のための重大な障害となる 可能性が大であり、その事を受験生は認識することが必要である。 良問に対して絶対的な高得点をマークできるとともに、質の悪い問題に適切に対処するため に、受験生にとって可能かつ最も有効な対策は、本質的な問題の趣旨を見極め、確信的に高得 点の答案を作成できる実力を身につけることであり、そのためには、受験勉強においてそのよ うなことが可能になる学習を行うことである。 受験生に出来ることは、本質的で十分な実力を身に付けることだけであり、いわゆる“うま いやり方”などといったものは存在しない。しっかりとした正しい学習だけが合格を保証する のである。このことを肝に銘じて欲しい。
(会 計 学) 第 3 問<財務諸表論部分>/問 題 (※)簿記問題部分は省略してあります。 (※)簿記問題部分は省略してあります。 次 の (1)か ら (3)に 答 え な さ い 。 ・ ・ ・( ※ 省 略 )・ ・ ・ 設 問 (1)( ※ 省 略 ) (2)「 営 業 活 動 に よ る キ ャ ッ シ ュ ・フ ロ ー 」の 表 示 方 法 に つ い て は 、直 接 法 と 間 接 法 の 選 択 適 用 が 認 め ら れ て い る 。こ れ ら 2 つ の 方 法 の そ れ ぞ れ の 長 所 と そ の 選 択 適 用 が 認 め ら れ る 理 由 を 述 べ な さ い 。 ( 3) 利 息 の 支 払 額 の 表 示 区 分 に つ い て は 、 営 業 活 動 に よ る キ ャ ッ シ ュ ・ フ ロ ー に 含 め な い 方 法 が あ る 。 そ の 方 法 を 明 示 し た 上 で 、 基 礎 に あ る 考 え 方 を 述 べ な さ い 。 問 1 設 問 (1) ( ※ 省 略 ) (2) (3) X 2 年 度 末 に お い て A 者 の 事 業 用 固 定 資 産 の 収 益 性 が 著 し く 低 下 し た 場 合 、 連 結 財 務 諸 表 上 ど の よ う な 会 計 処 理 が 必 要 と な る か 。な お 、パ ー チ ェ ス 法 を 採 用 し た 場 合 を 想 定 す る こ と 。 問 2
第 3 問/解 答 ※ (1)は、簿記問題のため省略してある。 (1) (単位:千円) ① ② ③ ④ (2) (単位:千円) ① ② ③ ④ (2)直接法は、営業活動に伴う現金収支の総額を明確に示すため、利用者が将来の債務 返済能力、営業活動への再投資および出資者への配分を予測する上で有用な情報を提供 する。間接法は、当期純利益に種々の調整を加えることによって、間接的に導出され、 収益と費用の純額が調整され、当期純利益との関係が明示される。「営業活動によるキ ャッシュ・フロー」の表示方法として、いずれの方法を採用しても「営業活動によるキ ャッシュ・フロー」の合計額は一致するため、制度上選択適用が認められる。 (3)受取利息及び受取配当金は「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載し、 支払利息及び支払配当金は「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する方 法がある。 この方法は、投資成果か、それとも財務的コストかという観点を重視し、その発生原 因となった活動の性質によってそれぞれの表示区分に記載するというものである。 (3)パーチェス法を採用した場合、A社の事業用固定資産は時価評価される。しかし、 A社の個別財務諸表上では、当該固定資産には減損処理が適用され、その評価額は回収 可能額まで引き下げられている。そこで、連結上、上記固定資産の評価額の切り下げと 減損損失の計上という修正処理が必要となる。 問 1 問 2
(会 計 学) 第 3 問/解 説 (2) (3) キャッシュ・フロー計算書の表示方法には、直接法と間接法がある。 直接法は、収入項目と支出項目の全体を記載したうえで、両者の差額を算定することにより、 一 期 間 中 の 資 金 の 変 化 を 表 示 す る 方 法 で あ る 。 こ の 方 法 の 場 合 、 収 入 の 総 額 と 支 出 の 総 額 が、 ともに計算表に記載されることから、この方法は総額主義に合致した方法ともいわれる。 直接法では、収益から収入を導き、費用から支出を導いたうえで、収入から支出を控除し て 期中の資金変化額を明らかにする。 他方、間接法では、期中の資金変化額が収入と支出の差額として直接的に算定されるので は なく、当期純利益に種々の調整を加えることによって、間接的に導出される。 この間接法は、当期純利益から出発して、収益と収入の食い違い部分、および費用と支出 の 食い違い部分を調整することにより、期中の資金変化額を明らかにする方法である。 よって、この方法は、収益と費用の純額が調整されるという意味で、純額主義による作成 方 法であるといわれる。 さて、そもそもキャッシュ・フロー計算書は、損益計算書上に利益が計上されているにも か かわらず、資金の回収不良によって資金繰りが困難になり、利益が十分計上されているにもか かわらず倒産するという、いわゆる黒字倒産という状況を踏まえて、会計上の費用・収益計算 からでは知ることのできない情報について補完するために、損益計算書の裏でキャッシュがど のように動いている(キャッシュ・フロー)のかに関する情報を提供することを目的として開 示されることが要請された計算書である。 そのため、間接法によるように、損益計算書の当期純利益に関わらせてキャッシュ・フロ ー 情報を開示することが本来的なキャッシュ・フロー計算書の趣旨である。 したがって、アメリカでは、間接法を原則とした上で、直接法によることも認めているが 、 金額的重要性のある場合には、直説法による情報開示をした場合は、間接法による計算も同時 に添付することが強制されている。 問 1
我が国では、制度上でも直説法と間接法が並列的に選択関係にあり、上記のような背景が 理 解されないまま、直説法の利点が強調されているが、キャッシュ・フロー計算書の本来の趣旨 を理解しないまま実務的な便宜性だけが知られている。 (3) 簿記上の処理の問題である。つまり、仕訳を説明しろというのであり、解説など不要で あ る。理論問題などではない。 よって、解説は、省略というより、無視する。 問 2
(会 計 学) 第 3 問/《自己採点基準》 得 点 判 定 内 容 ポイント (2) ①直接法は、営業活動に伴う現金収支の総額を明確に示すため、利用者が将来の 債務返済能力、営業活動への再投資および出資者への配分を予測する上で有用な 情報を提供する。 <直接法の長所> 0.05 ②間接法は、当期純利益に種々の調整を加えることによって、間接的に導出され、 収益と費用の純額が調整され、当期純利益との関係が明示される。 <間接法の長所> 0.05 ③「営業活動によるキャッシュ・フロー」の表示方法として、いずれの方法を採 用しても「営業活動によるキャッシュ・フロー」の合計額は一致するため、制度 上選択適用が認められる。 <選択適用が認められる理由> 0.067 小計 0.167 (3) ①受取利息及び受取配当金は「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記 載し、支払利息及び支払配当金は「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分 に記載する方法がある。 <本問の問う処理方法の説明> 0.067 ②この方法は、投資成果か、それとも財務的コストかという観点を重視し、その 発 生 原 因 と な っ た 活 動 の 性 質 に よ っ て そ れ ぞ れ の 表 示 区 分 に 記 載 す る と い う も のである。 <上記処理方法の基礎にある考え方> 0.1 小計 0.167 第 1 問における問 1 の(2)・(3)への配点ウエイト※0.34 ポイント(×60 点≒20 点) 計 0.34 得 点 判 定 内 容 ポイント (3) ①パーチェス法を採用した場合、A社の事業用固定資産は時価評価される。 <パーチェス法を適用した場合の当該固定資産の評価について> 0.35 ②しかし、A社の個別財務諸表上では、当該固定資産には減損処理が適用され、 その評価額は回収可能額まで引き下げられている。 <個別財務諸表上の当該固定資産の評価について> 0.35 ③そこで、連結上、上記固定資産の評価額の切り下げと減損損失の計上という修 正処理が必要となる。 <連結手続上必要となる会計処理> 0.3 第 1 問における問 2 の(3)への配点ウエイト※0.2 ポイント(×60 点=12 点) 小計 0.2 以上 問 1 問 2