2-1-2 新たな事業承継税制の特例の創設
現行
改正案
対
象
株
式
発行済議決権株式等の最大3分の2 取得した全株式が対象
納 税 猶 予 税 額
納税猶予税額の80% (相続の場合)
全額
雇 用 維 持 要 件
承継後5年間(経営承継期間)について
は平均8割の雇用維持が必要
雇用維持要件を弾力化
(平均8割を満たせず、かつ、経営悪化している場合など
について、その理由を記載した書類(認定経営革新等支援
機関の意見が記載されたもの)を都道府県に提出すれば納
税猶予は継続)
承継パターンの拡大
先代経営者(1人)から後継者(1人)
のみ
①複数人(代表者以外の者を含む)から
特例後継者への承継も適用対象
②先代経営者から複数(3名まで)への
承継も適用対象
相続時精算課税制度
の適用対象者
贈与者:贈与をした年の1月1日に
おいて60歳以上の父母
受贈者:同日において20歳以上の者
のうち、贈与者の直系卑属等
贈与者(贈与の年の1月1日において60歳以上)の
推定相続人以外の者(同日において20歳以上)
の特例後継者も適用を受けることが可能
会社を譲渡(M& A
等)・解散した場合
猶予された相続税・贈与税を全額納付
譲渡・解散した時点の株式価値で税額を再計算
して差額を減免
「特例後継者」が「特例認定承継会社」の代表権を有していた者から、
平成30年1月1日から平成39年
12月31日までの間に贈与又は相続若しくは遺贈
により「特例認定承継会社」の非上場株式を取得した
場合には、現行の制度によらず、下記のとおり改正されます。
2-1-4 承継パターンの拡大
●事業承継税制の適用対象者の拡大
「先代経営者」
現行
「後継者」
複数人からの承継
複数人への承継
「先代経営者」
「後継者」 「後継者」 「後継者」
「先代経営者」
「先代経営者の
配偶者(例)」
●相続時精算課税制度の適用対象者の拡大
特例後継者が贈与者の推定相続人以外の者(その年の1月1日において20歳以上である者に限る。)
であり、かつ、その贈与者が同日において60歳以上の者である場合には、相続時精算課税の適用を
受けることができる。
先代経営者
1人から、後継者
1人
への承継のみを適用対象とする。
複数人から特例後継者への承継も適用
対象とする。
複数名(最大3名)への承継も適用
対象とする。
特例
2-1-5 経営環境の変化を示す
一定の要件とは?
経営環境の変化を示す一定の要件を満たしていれば、
特例承継期間経過後に、特例認定承継会社の
非上場株式を
譲渡
するとき、特例認定承継会社が
合併
により消滅するとき、または、特例認定承継会社
が
解散
をするとき等の、納税猶予税額が
免除
されることになります。
指標
原則
特例
(※判定時期の特例)
1 利益金額 直前の事業年度終了の日以前3年間のうち2年以上、
特例認定承継会社が赤字 直前の事業年度終了の日の1年前の日以前3年間のう
ち2年以上、特例認定承継会社が赤字
2 売上高 直前の事業年度終了の日以前3年間のうち2年以上、特例認定承継会社の売上高が、その年の前年の売上高
に比して減少
直前の事業年度終了の日の1年前の日以前3年間のう
ち2年以上、特例認定承継会社の売上高 が、その年
の前年の売上高に比して減少
3 負債の額有利子
直前の事業年度終了の日における特例認定承継会社の
有利子負債の額が、その日の属する事業年度の売上高
の6月分に相当する額以上
直前の事業年度終了の日の1年前の日における特例認
定承継会社の有利子負債の額が、その 日の属する事
業年度の売上高の6月分に相当する額以上
4 上場会社の株価 特例認定承継会社の事業が属する業種に係る上場会社の株価(直前の事業年度終了の日以前1年間の平均)
が、その前年1年間の平均より下落
特例認定承継会社の事業が属する業種に係る上場会
社の株価(直前の事業年度終了の日の1年前の日以前
1年間の平均)が、その前年1年間の平均より下落
5 その他 特例後継者が特例認定承継会社における経営を継続し
ない特段の理由がある(解散の場合を除く) -
納税猶予額の免除を受けるためには下記の要件のいずれかを満たす必要があります。
また、「譲渡」 「合併」 「解散等」の時期によっては、特例の要件で判定することができます。
※判定時期の特例⇒譲渡等が直前の事業年度終了の日から6月以内(下記4については1年以内)に行われた場合
2-1-6 減免額の計算方法(原則)
譲渡、合併、解散時に
再計算した贈与税額等と直前配当等の額との合計額
が
当初の納税猶予税額
を下回る場合
、その差額については免除されることになります。
※再計算した贈与税等
1.譲渡、合併の場合⇒譲渡若しくは合併の対価の額を基に再計算
2.解散の場合⇒解散の時における株式の相続税評価額を基に再計算
※直前配当等の額
譲渡等の前5年間に特例後継者及びその同族関係者に対して支払われた配当及び過大役員給与等に相当する額
※再計算した贈与税額等と直前配当等の額との合計額
合併の対価として交付された吸収合併存続会社等の株式の価額に対応する贈与税額等を除いた額とし、当初の
納税猶予税額を上限とする。
イ
メ
ー
ジ
<贈与・相続時> <譲渡・合併・解散時>
特例承認期間(5年)
経過後
免除される額
当初の納税猶予税額
再計算後の納付金額
(税額+直前配当等の額)
株
式
の
相
続
税
評
価
額
譲渡又は合併の対価の額
又は
解散時の相続税評価額
(当該譲渡又は合併の時の相続税
評価額の50%に相当する額を下限)
2-1-7 減免額の計算方法(特例)
※再計算した贈与税等
実際の譲渡又は合併の対価の額を基に再々計算
※再々計算した贈与税額等と直前配当等の額との合計額
合併の対価として交付された吸収合併存続会社等の株式の価額に対応する贈与税額等を除く
※譲渡又は合併後2年を経過する日における一定の要件を満たす場合
⇒下記のいずれも満たす必要があります。
1.譲渡後の特例認定承継会社又は吸収合併存続会社等の事業が継続していること
2.特例認定承継会社の譲渡又は合併時の従業員の半数以上の者が雇用されていること
イ
メ
ー
ジ
担保の提供を条件に、譲渡又は合併時に再計算した納付金額は一旦猶予され、譲渡又は合併後2年を
経過する日において、一定の要件を満たす場合には、
再々計算した贈与税額等と直前配当等の額
との合計額
が
再計算した猶予金額
を下回る場合、その差額については免除されることになります。
<贈与・相続時> <譲渡・合併時> <譲渡・合併後2年経過時>
2年を経過
免除される額(第2段階)
再々計算後の納付金額
(税額+直前配当等の額) (税額+直前配当等の額)
特例承認期間
(5年)経過後
当初の納税猶予税額
免除される額(第1段階)
再計算後の納付金額
⇒猶予金額
譲
渡
又
は
合
併
時
の
相
続
税
評
価
額×
50
%
株
式
の
相
続
税
評
価
額
実
際
の
譲
渡
又
は
合
併
の
対
価
の
額
(譲渡又は合併の対価の額<その時の株式の相続税評価額の50%相当額の場合)
2-4 特定の美術品に係る相続税の
納税猶予の創設
文化財保護法の改正を前提に、個人が一定の美術館と特定美術品(仮称)の長期寄託契約を締結し、文化財保
護法に規定する保存活用計画(仮称)の文化庁長官の認定を受けて特定美術品を寄託した場合、その特定美術
品に係る課税価格の
80%に対応する相続税の納税が猶予されます(担保の提供が必要となります)。
「保存活用計画」の策定
国
が
認
定
更新 更新
保存活用計画・長期寄託契約を継承
相続税・贈与税
猶予
3年毎に
報告
長期寄託契約
・重要文化財
・登録有形文化財
(美術工芸品)
※文化財保護法の改正と同時に実地予定
美術品・文化財の次世代への確実な承継と公開・活用を目的に、美術館等に寄託・公開された
重要文化財・登録有形文化財(美術工芸品)
について、相続税の納税猶予の特例が創設されます。
新設!
美術館等
2-6 小規模宅地等の特例の見直し
見直し内容
改正前
改正案
適用時期
特定居住用宅地等
の家なき子特例
別居親族の対象者
要件
宅地等を取得する親族について、
下記①、②の要件を満たすこと
①その親族が相続開始前3年以
内にその者又はその者の配偶者
の所有する家屋に居住したこと
がない者
② その被相続人の配偶者又は
同居親族で被相続人の法定相続
人に該当する者がいないこと
改正前要件に下記①、②を追加
①相続開始前3年以内に、その者の3
親等内の親族又はその者と特別の関係
のある法人が所有する国内にある家屋
に居住したことがない者
② 相続開始時において居住の用に供し
ていた家屋を過去に所有していたこと
がない者
平成 30 年4月
1日以後の相続
又は遺贈に適用
貸付事業用宅地等の
範囲
被相続人等の貸付事業の用に供された宅地等
改正前の範囲から下記を適用外とする
相続開始前3年以内に貸付事業の用に
供された宅地等※1
平成 30 年4月
1日以後の相続
又は遺贈に適用
※2
小規模宅地等の特例のうち特定居住用宅地等(家なき子特例)の対象者・貸付事業用宅地等の範囲の
適正化が行われます。
(※1) 相続開始前3年を超えて事業的規模で行う貸付事業を除く。
(※2) 同日前から貸付事業の用に供されている宅地等には適用しない。