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西ドイツ検事の法律上の地位と捜査権

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(1)

西 ドイ ツ検事 の法律上 の地位 と捜査権

田 和 俊 輔 (昭和60年5月31日受理)

I

現在の検事の法律上の地位 現行法上

,法

執行 の司法機関で

,法

宣言の司法機関ではない。では純然たる行政機関か とい う とそれは「法の番人性」か ら否定 される。だか ら結論的に行政機関 と司法機関の中間の法律執行 機関 ということになる。

1

法律執行の司法機関性 検事は憲法

G G97条

①が「裁判官の独立は地位に対する一切の行政部の干渉を排 し」「また立 法機関の干渉な く法の宣言を保証される」とするに対 し

,公

務員大綱法

BRRG37条

②にいう行 政機関である。すなわち階級別の上命下服関係を有 し,リ ューピングHinrich Rdpingに 依れば 「裁判官を異質な訴追活動か ら解放 させる官職」 とし

,上

命下服 については

,裁

判所構成法

GVG146条

が「検事はその上位者の命令に服従すべき」をいい

,147条

が「連邦検事総長が司法 大臣に州検事が州司法省に隷属し

,州

上級裁判所検事局検事長 と州裁判所検事局の検事正は管 内の区裁判所検事局検事を指揮できる」ものとするもまた訴追上の法律執行権能については144 条が「検事局は複数の検事から成 り

,検

事長

,検

事正に任命 された者が庁務 を代表執行するが, 具体的な職務執行 は個々の命令を待たず各検事において執行できる」 としている。 この執行権

について

,ク

ラインクネ ヒ トTheodor Kleinknechtは,「検事 の組織

,職

務規範Org St―

A142

条⑥ を根拠 に,それを行政権の作用 とし,144条に依 り,裁判所 に対 しては無制約 に行使できる」の2 もの とす る。

2

法の宣言をする司法機関ではない。

ゲセルKarl Heinz G6鶴elは

,シ

ュ ミッ トEbo Schmidtの言葉 を借 りて,「検事の起訴

,不

起訴の決定権 を判決権 になぞらえるのは間違い。」『事実関係では陪審評決が法律関係では判決 がそれだけで裁判所の判決 を完成で きない。法律効果か ら明 らかなように

,両

者共

,検

事 に依

(2)

輔 る判定 を欠いてい るか らだ。』とする

Pこ

の主張 は検事 は

,法

宣言機関その ものではないが

,そ

の前提 となる法律判断 はしているのだか ら広義 の司法機関であるとい うことを意味 してい る。 この裏付 けとしてシュ ミッ トは,「裁判所 と並んで

,検

事 は独立 した司法機関で

,機

能的 には, 法宣言機関に対立する立場 を とるものであ り

,組

織的にも

,法

宣言機関 に所属 しない。 この こ とは憲法

GG92条

の『司法権 は

,

これを裁判官に委任す る。』や

GVG150条

の 『検事 は職務執行 上

,裁

判所 か ら独立す る』という規定だけでな く,『法の宣言の概念 は

,お

よそ検事の責務 に全 (2)の 2 く親 しまない』 という原理 に由来す るか らだ」 とす る。 純然たる行政機 関ではない。

(1)こ

れは1846年のサ ビイエイ

V.Sa

gnyに

始 まる ドイツ伝統の「法の番人性」の概念か らの 発想で,リ ュー ピングは「法を守る為には

,検

事は国家利益に必ず しも拘束 されない

9と

して 刑訴

StP0296の

2を引用 し

,ま

たシュミッ トは「検事の任務は法の理念 と

,厳

格な正義の実 現であり

,そ

れ故検事 は『法の番人』たる可 く

,公

判においては被告に対 し

,法

の完全な適 用を目ざし

,同

時に被告の保護者でもあるべ く

,そ

のためには起訴以前の警察活動に迄

,介

入すべ きもの 」 とす る。

(2)中

間の法律執行機関 ともいえる。 ロクシンClaus Roxinは「検事 は行政機関で も法宣言機関で もな く

,両

者の中間の独立 し た司法機関たる司法行政官庁である。

GG92条

や訓令拘束性だけでな く

,特

別 な判事的任務か (4)の2 ら判決権 を除去 したものが検事だΥとし

,そ

の根拠 として彼は

GG97と

GVG146を

引 く。 現行法上の犯罪捜査機関である。

(1)捜

査主体性 :起訴決定後

,StP0160①

に依 り,検事 は公訴準備をする必要があれば,その事 実関係を追及 しなければならない。事実関係の追及は

,被

疑者を被告 として判定 し

,訴

困の 罪体 を一致させ る活動だか ら

,こ

の活動は事実捜査であるといえる。だか ら検事は捜査の主

体,,Herr des Ermtttitlng.sverfahre∬`と いえるし

Pま

た刑事訴訟法StP0160① は嫌疑あ りと考

えられた時点で

,捜

査手続の全部が検事の手に委ねられるとするから

,こ

の点か らも捜査の 主体性が肯定 される。 鬱

)固

有捜査権 :独立捜査着手権

,捜

査のため

,あ

らゆる官署か ら報告 を求 め

,証

人 を出頭 さ せ,StP0161起訴独 占で審理 を開始 させ それ を根拠に被疑者 に出頭 を命 じStP0163 aは)証人, 鑑定人 を出頭 させ

,証

,鑑

定 させ

,GVG161 a(1),StP081被

疑者の身体捜検 をすることが できる。

(3)捜

査指揮権:公訴提起 のために捜査 は不可欠であ り

,検

事 は被疑者 を尋問す るため勾引状

(3)

西 ドイツ検事の法律上の地位 と捜査権 を発 し

,特

別 な階級 にある警察職員 を捜査の補助者 として使用することがで きる。StP0160,

170, GVG161以

下, GVG152。 化

)捜

査 目的の ための警察使用権 :捜査 目的 のた め

,警

察 を補助者 として使 用 す る権 利 は

StP0161,GVG152,StP0161 2段

で は警察の全職員

,全

官庁が対象 とされ

,GVG152は

こ の範囲を明言 していない伊そのために検事の捜査指導権 は縮減 されたともいえる

pそ

の結果, 指揮権の対象 は

,全

警察でな く

,一

般警察官 よりも捜査権限の強い補佐官た る者 のみを対象 とす るのが通説である

p但

し個別 か集 団か争われ

,StP0161の

命令権 と

GVG152の

補佐 官 Hilfsbeamteと の区別は可能か,指揮権 の州法 レベルでの統制が可能かも争われている

Pし

か し現在

GVG15X動

を見 る限 り

,後

段 で この官 に任用 し得 る年齢や

,資

格取得機関在任年数 ま で規定 しているか ら

,論

者 としては前記通説のように解 したい。

5

捜査判事Ermittitlngsrichterへの依頼権 :万一裁判官に依 る審間が必要な ときは

,捜

査判事 に委嘱で きるStP0162,169。 捜査判事 とは検事の捜査 に協力する区裁判所判事Amtsrichterを いい

,検

事の申請で押収

,勾

留等 を命 じ証拠保全措置権 を持つが,StP016乳

GVG120で

,州

級裁判所Oberlandesgerichゃ連邦通常裁判所(連邦最高裁)Bundesgerichtshofな どの管轄事 件の場合

,前

者 にあっては

,州

上級裁判所判事 を,また検事総長Generalbundesanwaltが捜査 す る事件 にあっては

,連

邦通常裁判所判事が捜査判事 となる。 この制度の問題点 は下記の通 り である。

(1)検

事の指掃権の弱体化 指揮権 の対象 を特定警察官に限 る措置 をとると

,検

事の警察 に対する指揮権 が間接的にな り,弱 体化するのだが クラインクネ ヒ トは命令権の限界 を

StP0152②

の法定主義 に求 め,「業 務監督 は執行の適法性の監督である。同条 の裁量権外で も

,判

断のつかぬ ときはみ とめ られ るが

,公

判での証拠評価や吟味が証拠開示の結果求め られた とき

,当

該事件 にかかわ らなか った上司の代理検事が命令権の行使 をす ることは禁 じられ

,し

か も検事の捜査 において

,社

会利益の評価 には

,代

理者の命令権が及 び

,そ

の場合で もその上席者 は右処分 の取消 はで き る。 そして処何 なる場合 も

,命

令権者 は

,司

法 目的に反す る目的や

,正

義 と事実 に反 す る考 慮か ら

,命

令 してはならず

,法

の意思のみを代理 し

,国

家の政治的意思 は代理 してはな らな い とす る 。 具体的な捜査処置命令が裁判官 にのみ留保 されている場合

StP0114①

勾留状 の 発行

,郵

便物 の差 し押 え等

)に

,捜

査判事 に委嘱 していない場合な ら

,緊

急事件 として検事 が処理で きる場合で も

,捜

査判事が委嘱 されている以上

,検

事 はこのような強制捜査 の執行 を捜査判事 に依頼 するだけで

,執

行の決定権 その ものは捜査判事 にある。

)(StP0162)

)捜

査判事 に対 して検事 に指揮権 はない。

(4)

26 田 た とえ検事 の依頼 に応 じた捜査活動の必要性や合 目的性 を捜査判事が再審査 しようとしな い場合,或 いは依頼 された事項の法律捜査 をしない場合で も,検事 は抗告

Beschwerdewegが

で きるに過 ぎない と解釈 されているよω 官庁か ら通報 を受 け

,裁

判所の援助 を受 ける権利

(1)全

官庁か ら通報 を受 ける権利 検事 は全ての官庁 か ら通報 を受 け(StP0161)かつ取調べ中の事件 の行為 を法律的に評価す る為に裁判所の援助 を受けることができる。 (StP0160③) 鬱

)裁

判所の特殊な援助 を受ける場合 裁判所の特殊な援助 を受ける場合がある。「援助」という言葉が適当であるか否か論者 も確 言できないが

,StP0165に

依れば,前記の捜査判事が所掌検事に会えず,かつ緊急を要する場 合は

,捜

査判事が独立 した捜査活動をする権限がある。このような行為をする判事 を俗に「緊 急検事!1)Notttaatsanwaltと 呼びロクシンは「捜査判事 も「緊急検事」も検事の捜査に当っ ての補助者Gehilfe」とするに対 し

,ゲ

セルは「捜査判事 はその職能から見て補助者ではない」 とするよリゲセルに依れば,「強制処分権 は現行

StPOが

原則 として検事及び刑事警察官に認め て お らず

,執

行 義 務 が あ るの み で あ る。現 行 法 の 捜 査 判 事 は

,従

,旧

予 審 判 事 Untersuchungsrichterが 行ってきた個々の職務,す なわち判事にのみ留保 されて検事には認 められなかった処置(一強制処分

),そ

れ も最 も強力な処置を

,検

事に手続主催者の地位 を譲 らずに可能にするために認められたのだ とするよ9な お「緊急検事」に近い制度 としてわが国 の旧裁判所構成法がその18条①で「各区裁判所 ノ検事局二検事 ヲ置ク」。②で「司法大臣ハ適当 ナル場合二船テハ区裁半J所判事試補又ハ郡市町村ノ長 ヲシテ検事 ヲ代理セシムルコ トヲ得」、 としていたことと

,旧

刑訴255に依 り捜査上の強制処分権は所属地域の予審判事

,所

属区裁の 判事 に専属させなが ら,(同 123条の要急事件にあっては),例外的に検事が自ら勾引状を発 し, 又は司法警察官に命令

,嘱

託できることにしていたのと性格 を―にする。要するに

,旧

刑訴 255の「予審半J事」を現行

StP0162,169の

五chterlich,Ermittlunghsrichterと stP0114の Ricllterに置 き換 えて見 るとまた前記 旧裁構18条②前段 を StP0165に 置 き換 え

,そ

の上 で StP0133の 被疑者尋間を基礎にStP0161 aの 証人

,鑑

定人に対する検事の召換権 を見

,ま

た StP0163 aの 被疑者尋間権を133∼

136aの

被疑者勾引につき合わせて見ると,前記1974年12月 9日の予審廃止後の ドイツ刑訴における捜査段階で強割処分が判事のほか大幅に検事 に認め られるようになったことと「また警察には検事の命令を受けた場合 にのみ

,み

とめるが勾引

vorfmrung(召

換に応 じない場合の強制手段 としての拘禁

)Festsetzung der Haft(StPO

161a2)と (後日の証拠評価上決定的な格差のある)「宣誓付 きの尋問権」は判事に留保

(StPO

(5)

西ドイツ検事の法律上の地位と捜査権

27

161 a l)する形式 を見 る と

,前

記わが旧刑訴123及び これを受 けた旧司法警察職務規範 (大 正12年 12月司法省刑事局刑事10092号司法大臣訓令)83条「 司法警察官又ハ其 ノ職務 ヲ行 フ者 刑事訴訟法123条 各号 ノ場合二お テ勾引 ヲ必要 トスル事情 アリト思料スル トキハ速二其ノ旨ヲ 検事二報告スヘ シ

,検

事 ノ命令二因 り発スル勾引状ニハ命令 ヲ為 シタル検事

,職

,氏

名及命 令二因 り之 ヲ発 スル 旨ヲ記載 スヘシ」 とのつなが りの近似性 に気付 くのである。 要す るに司法部 に属す る判事 に捜査段階で関与 させて も何等司法権の独立

,裁

判官の独立 を侵害 しないばか りか

,逆

に旧予審では予審手続の全体 にわたる手続の主催者 としての予審 判事 Untersuhulagsrichterを 廃 して糸L間訴訟 と訣別 し 'つ 個々の捜査上の法律調査 を検事の委 嘱 を受 けた捜査判事Ermittlunttrichte♂151に 委ね,強制処分が原則 として許 されない検事のた めに

,そ

の必要 に応 じて法律審査 をさせ るわけであるか ら刑事人権保障 と捜査上必須の強制 処分の執行 を折哀 した姿 と云 える。 StP0163に依 る警察の捜査権限

1

意義 捜査行為の為 の検事 の権限 と並んで法律 は警察に独立 した捜査権限を認 めているが

,そ

れは 猶予不可能な場合・°という考 え方がある。stPo16駅1)下段―alle keinen Aufschub gestattenden Anordnungen zu treffen tlna dieヽ たerdunkelung der Sache zu verhuten

但 し洋段のhaben Stra■ aten ztterfOttChenの 後のuladで切 れば

,警

察 は要急事件でない場

合の捜査 も独立 してで きるようにも読める。

undで

切 らないのが文法上勿論正 しいか ら,ゲセル のように言 うのが正 しいが

,実

状か ら着 目した解釈 としては

,捜

査実施の在 り様 については法 が殆 ど言及 していない点 を押 えて

,条

文上,「警察 は事実が不明確 になるの を避 けるため遅滞 な く

,命

令 を受 けなければならない」と(わが旧刑訴123条の要急事件 と司警職務規範83条の運用 に極 めて近 い

)い

う点 を押 えて

,事

実上 は原則 として警察 は検事 に閉 ざされた軽罪

,中

間犯罪 においてはすべて 自分 で解明 して

,事

件 を処理 してお り°つそうす ることで事件 の関係書類の往 復 に依 る処理の遅延や無駄が省かれるとい う見解 もあるのであるよ0 しか しそれで も検事 は依然 として捜査の主体 である。検事 は警察 に依て行われた捜査 を監督 し

,捜

査 に必要な範囲を確定 しなければならないのであるより検事の監督権故に捜査の主体者性 を認める見解 はゲセルに依て強調 されてお り

,検

事の法律上 の性格 を伝統の「法の番人」説9° に置 き

,そ

の範囲内の捜査のみを検事 に留保 し

,そ

れ以外の捜査 は警察の独立業務 として認知 すればよい。そ ぅすれば検事 の法理論 と警察の実力行壁 とがバ ランスを保てる

VD警

察 を含む捜 査機関 と司法機関の共同権力的だった糸し問手続 を否定することは弾劾主義の理想 にそうのだが,

(6)

糸し問主義の経験か ら「法の支配」Herrschaft der JustiZを 欠 くに至 る場合 にはその調整の為に こそ検事の監督的な捜査権 が必要である

Va現

行法上

,警

察が捜査上第一把握権 を持 って も

,な

お検事 に依 る手続支配 があることはStP0163(か に依て明 らかで

,警

察 は遅滞 な く捜査結果 を検 事 に送達 しなけれ ばならない。 警察捜査が事実上第一義的 になる根拠 と問題 占

(1)検

事 の捜査主体性 の存続 と捜査権放棄の可否: 検事の捜査主体性 の存続が

,捜

査の監督 の必要上

,認

め られなければな らない以上

,検

事 が捜査権 その ものを放棄する必要 はない筈である。にもかかわ らず

,検

事 自ら捜査す ること (22)の2 はStP0161前段 に もかかわ らず

,殆

ん どない。検事 自ら捜査 に着手する事件 に船てさえ, 事実上

,警

察の優越が 目立 ってお り▼°またテロリズム等の強力犯

,重

罪 (多くの場合

,死

刑 犯罪

)の

手続 において も

,検

事 は警察 に背負われた形になっている。 これは警察だけが必要 な記録 (指紋帳

,写

真集

)や

,刑

事訴追上必要な技術的設備

,例

えば犯行場所

,痕

跡調査の ため物理的

,化

学的調査研究所の ような ものを持ち

,ま

た州刑事局員 (場合 に依 ては連邦刑 事局員

)の

援助 なしには

,死

亡原因 となった弾丸が如何なる武器か ら発射 されたのか検事 に 依 ては確定で きない し

,検

事 は事件解明活動の遂行上必要な教育 も専門知識 も殆 ん ど持 って いないか ら

,警

察が独 自固有の捜査権 を設立 して どこが悪いか といつた考 え方 もあるのであ るV4)

(2)警

察捜査 を第一義的 とす る意見 に対する反論: この考 え方には賛成で きない。 なる程

,検

事 は実体調査の面で警察の比でない ことは明白 である。 しか し捜査の形 と質 は全 く異 なることを無視 してはな らない。豊察が内務省の行政 領域 に合致するように組織 されてい るのに対 し

,検

事 は独任制の99司法官庁である。(後述す るが検事代理

,検

事補 を含 めて検事局 を構成 し

,共

和国検事 をもってその共同体 た る検事局 を代表せ しめるフラ ンス刑訴 の「一体原則

Jの

検事 とは異 なるのである。

)そ

してその捜査終 結段階で起訴

,不

起訴 を決定 しなければな らない公訴独 占官で もあるV° それ故 その後の公判 を維持 し

,国

の科罰権 を請求 しなければな らない。 この意味で裁判所 と関わ りを持つ。司法 庁 JustiZbehbrdeと いゎれ るのはこの為である▼り対警察では

,刑

事訴追機関 (捜査指揮), 対裁判所で は公訴提起 と公判維持機関 (司法官庁

)と

いう二重の性格¢°を持 っていることに 注意 しなければならない。 それ故検事 は治安維持の為 には何の執行行為 もせず

,ひ

たす ら, 法律の実施 と励行の為 の執行行為 をす るに過 ぎない。対警察

,対

裁判官の性質が公益の代表 者 として

,そ

れ らの恣意か ら被疑者Beschtlldigteを護 る活動 をさせ

,か

つ「法の番人」性 に 帰納す ることを忘れてはな らない子9

(3)警

察 に法律上の捜査権 を譲渡せ よとの意見 に対す る疑間:

(7)

西 ドイツ検事の法律上の地位 と捜査権 検事が事実上

,自

ら捜査す ることが稀 であるか ら警察 に法律上の捜査権 を譲渡せ よという のは矛盾である。前述の ように検事 は自分 の執行装備 も

,犯

罪探知 に必要な職員 も持 ってい ないのだか ら

,自

ら捜査 しようにもで きないのであ る。 また検事 は物理的な実力行使機関で はな く

,警

察の物理的な実体捜査 と法律的にフィルター。Oにかける意味での捜査である。捜 査の質が全 く相違するのである。検事が独 自の執行組織VOHZugsapparatを 持たないのはそ の必要がないか らであ り

,だ

か らこそ

GVG152が

その組織 を他の行政機関 に包括的に義務づ

けているのである。前に①で述べた科学捜査機関を持たないのもその為である。検事は独自

の執行機関を持たないのと同様に犯罪鑑識職員も欠いている。つといわれるのはその為である。

「手のない頭である」

りという表現も同じ趣旨であるЬ

皿 現行法上の検事及び警察の捜査手続の実態

1

裁判官の捜査が復活す ることにはなかった。 裁判機関 と捜査機関 :公訴の共同権力的な糸し間手続の経験 に懲 りて

,Wagnerの

いう司法警察

gerichliche Polizeiの導入説の反論 として裁判官の捜査richterliche Ermittlungが 復活するこ とはなかった '0ま た予審 VOrtlntersuchungは 過去の ものであ りなが ら再度導入 され,再び1974.

12.9を

以て廃止 された°これは西 ドイツにおける糸し問訴訟の最終結未 といってよい と思われ る。 しか し捜査判事の箇所で述べたように

,西

ドイツで は

StPol14①,StP0165の

ように

,法

律上判事のみに留保 されている捜査活動 と

,判

事の緊急権能があ り

,共

同権力 (つま り判事 と 検事の

)と

しての糸し問手続の遺物 ではないか という問題が ある。

2

現在西 ドイツは判事糸L問をとっていない。

(1)StP0165の

特殊 な場合のほかは

,捜

査判事 はいかなる場合でもその権 限 を拡大 で きない。 121 捜査手続 におて捜査判事のみに留保 されている決定 も

,検

事の申し出

,若

し くは法律上の 手段 に基 いてのみ捜査 できるだけである。

I

O)(2)の

場合 を除いては,既に先行 している捜査行為の吟味 という形で捜査で きるに過 ぎない。 (StP098(D)。 は

)StP0165に

規定する特殊 な場合でも,判事 は法律上個々の緊急捜査の権限があるに過 ぎない。 脩

)他

)の場合 においてさえ

,そ

の事件 はStP0167に従 って

,直

ちに検事 に伝達 され なければな らない。

(0(5)の

行為が終了すると

,判

事 は直 ちに除外 される。

3

上記

I,Hと

の関連 においての検事の法律上の地位 と権限行使の実情

(8)

30田

和 俊 輔

I

検事 の法律上 の地位 は再検討せ ざるを得 ない実情 にある。 けだ し

,対

警察上の捜査機関 とし

てのあ り方 と

,対

半J事とのあ り方は再 び糸L問主義 に堕 さないように配慮が必要だか らであ る。

(D

問題提起 の発端

1 1978年

11月 17日

,議

会において

,司

,内

務両相会議設置合同委員会の「検事 と警察間の 地位明確 と分割の法律上の新規制 をめ ぐる全体報告書」の基礎 と称す る叩 き台が提出 された こ とである。

(2)法

律改正案の内容 ;警 察が組織上発展 し,殊に前述 した ように技術的装備 と事実上のフ1練, 教育 の点で進歩 したか ら°5警察に法律上 も捜査 の主体性 を与 えよ。 イ、警察 に独 自捜査 に基 く決定権 を与 えよ。 口、検事の直接指揮権 を廃止せ よ∫0 ハ、捜査終結後 に先づ検事に事件送付す る義務 を廃止せよ0

0)上

記に対 する結論。 「 この ような要求 を全面的には認 めることがで きない。その理由は

,こ

の発想 を通せ ば, 刑事手続における検事の地位 とそれに伴 う法治国の刑事手続の根本 をゆるがせ ることになる伊° この ような要求 は制度 を再検討す る場合 に

,国

家権力の行使手段 として刑事手続 の根本 を考

えてみる参考にしかならない。

のとして否決された子°

Ⅳ 現在の ドイツの検事の刑訴法上の地位変遷の歴史的根拠 と対糸し問手続

,対

裁判官

,対

国家権 力, 対権力分立主義の四つの分野か らの問題点。

1

対 糸L問手続の問題

:

対糸し問手続の問題 は ドイツの刑事訴訟構造が現在

,当

事者主義だが, 歴 史 的 に は 旧 ドイ ツの 糸し問手続InquistiOnproze8と 英米 法 的訴訟 手続angloamerikanisch Verfahrenとぃ ぅ両極端手続の無理 な折哀 であること

P

2

共同権力的な糸し間手続

:

真実の追及 は裁判官の手 に委ねるべ きであるという職権主義 を持 っていることより冷し問手続では,「裁判官が最初か ら証拠物 を集め

,被

疑者(被告)を尋問 し

,審

理 を指揮 し

,判

決 を下す」 ので裁判官が検事 の機能 を共 に引 き受 けるか ら検事 は不要であ りΥ9 裁判官だけで審理 を支配す るため裁判官 自身での取 り調べが可能であった。

3

糸し問訴訟の開始 は

,PGO刑

事裁判所1532年 糸し問訴訟が開始 されたのは

PGO刑

事裁判所法1532年 (―

CCC)を

晴失 とす る。

PGOは

ドイ ツ全域の共通法 として発展するのであ る子°刑事訴追は国家の独 占権 であった。訴訟 は糸し聞的で 即時勾留 された被疑者 は全 く防備 な しで審間対象 として審間官の前に立 った。 本質的に,糸し問官 に収集 され書面 とし確定 した資料 に対 して

,書

面 による法律上の判決が下

(9)

西ドイツ検事の法律上の地位と捜査権

31

されるのが原則だったか ら弁解 は制約 を受 けた。 また訴訟資料の提出に対 しての弁解 は全 く影 響 を与 えなかった。 証拠法 は旧態依然たるものがあ り

,審

問全体が

,必

要 に応 じてなされ る拷間 に依 る強制 自白 を目的に していた。公的に充分な有罪証明が得 られず しか も「糸し間官が無罪 とす るには疑が残 れば」,糸L問官に対 し,寛大過 ぎる処置 を したので はないか という刑事嫌疑 を残 して結審するか, 「何時で も刑事手続 を再開で きる」 という留保付で仮釈放するかのいずれかであった9

4

糸し問 を助長 した根源 糸L問を助長 した根源に魔女

,異

端検審訴訟 Hexen md Ketzerprozessが あ り,当時の感覚 に 従 って帰罪が困難であればある程

,譴

責 された り

,手

続 を徹底

,慎

重 に

,被

疑者 に弁護の機会 を与 えた りす るかわ りに

,刑

事手続 は

,拷

間 を含めて無制限であった争0ま た人 的構成 は絶対主 義国家で は

,判

事資格 を持つ者 に限定 され

,民

衆が訴訟 に参加す ることは認 め られな くなって いた。 刑事判決 は

,諸

侯の承認 を必要 とし

,諸

侯 はその承認 を拒否す ることも

,緩

和 も

,自

由にで きたのである。君主 は民事事件 を内閣に属する裁判官に運営させ ることは断念 したが

,刑

事事 件 における裁判官の君主代理権力 を19世紀 まで留保 した。 18世紀 に も実定法の刑法、刑訴法の編纂が しばしば行われた。「マキシ ミリア ンババ リア刑法

典1751年」Codex Maximilianeusjuris Bararici Criminalis vOn1751(こ の起草者 はKreittmayn

であ る)。 オース トリアの「テ レジア刑事基本法1768年」

"Collstitutio Criminalis Therttiana von 1768“は これ らの編纂法典の中で も特 に書邑 秘密,糸し問手続 と拷問

,弁

護の極端な制限 を 密着 させてい る。

5

啓蒙思想 とフランス革命の影響 1650年代か ら1700年代 にかけて ドイツは啓表思想の影響を受けた。 啓蒙思想 を受 けた先駆的法律学者 とその業績 としては

,

トマジュース

Thomasuius(1655

1728)“De crimine magiae"1701 Tesuit Friedrich von Spee“ Cautio criminalis"(「魔女裁 半Jに反対 して

J)Bernhardi学

位論文“De tortura e foris Christianorum prohibenda"1705

(「拷問への反対」

)等

があげ られ る。

悟性 と人間性 の促連 と人格尊重 に依て啓蒙主義 は糸し間手続 と拷問間の廃上 を求めた。 この時代 フランスではボルテール Voltaire(16941778)が トルーズの商人ジャンカラス,」ean

CalaSの裁判殺 (無罪の人間 を死刑 に処すること)JustizmOrde事件の時 に(1762年にこの男

(10)

32 田

状態 に目覚 めさせ ることになった作品「フランスの訴訟手続 は無実 を看過 して事件 を担 造 す る」“Les formes en France ont ёtO inventёes pour les innocents''を発表 している。

イタ リアで はBeCCaria(1738-1794)が 名著 粥巳罪 と刑罰」“Dei delittie delle pene"(1764

年 ドイツでの新刊 は1966年

)が

代表的である。ベ ツカ リヤは死刑に反対の第一声 をあげただ けでな く

,拷

間の禁止 も訴 えてお り

,そ

の刑事手続の法治国家性 に向けられた要求 は

,ヨ

ー ロッパの改革運動 に永 く影響 を与 えた。ベ ツカ リアはその著の巻末に「刑罰が個々の市民の 暴力行為の ような ものにな らない為 には

,刑

罰 は

,公

共の名の下 に早急かつ断固 として可能 な場合に依 って は最小限度の刑罰 を犯罪 に照 らして

,法

律の名 において処置がな されなけれ ばな らない。」 というが

,ベ

ツカ リアの論 旨は今 日まで効力 を失 っていない。

ドイツにおいては

,フ

リー ドリッヒ大王Friedrich der GrOβ

eが

その治世 のは じめ1740年

にプロシヤで拷問 を廃止 したが

,現

実 には数多の訊問 (精神的苦痛の

)と

苦痛その ものの長 期の勾留があ り

,そ

れに依 て被疑者 を懐柔 させ ようとした。

フランス も ドイツと同様

,大

革命 まで は秘密

,書

面主義の糸し間手続が支配 していたが

,上

ンテスキュー MOlttesquieuが 裁判所構成法 と刑事手続の模範 としてイギ リスの法制度 を,窓 憑 したのちに

,革

命進行中に取 り入れ られ

,特

に民衆訴追の原理Anklageprinzip mit der

Popularklage当事者双方の挙証責任Beweispflicht dcr Parteien口 頭主義

,公

開主義

,特

に 顕著 なもの としては,陪 審法廷 SchWurgericht Oury)の 採用であ り,これには二通 りの組織が あって,一つは多数23名の起訴陪客

Anklage(jury)で

ある子のこれは,起訴 の適否 を訴答 させ るものであ り

,

もう一つは少数12名の審理陪審であって事実審問 と法律審間 を分つ ことな く 起訴者がその起訴 の訴困に依て公訴事実 を特定で きるかについて票決す るものであった。裁 判官 は(陪審員達 に票決 に先立ち

,証

拠調Beweisaufrlahmeの結果

,つ

まり要約 restxmeを 与 えなければならなか ったか ら

,後

年の ドイツ法のように

,裁

半J官は法律の誤 を訂正す るこ とに限定 されなかった。それに依て陪審員達の票決 に対 する裁判官の影響 は

,当

然士ヒ較的に 強 くなった子° 一 方 フ ラ ンス の法 典 編 纂 は1808年 の 刑事 陪審 法 codeごinstructionに お い て検 事, procureur d'ёtatに刑事手続上指導的役割 を与 えた。イギ リスの民衆訴追 は起訴陪審の ように は受 け入れ られなか った。起訴の許可の決定 は特別の刑事部 (裁判所の

)に

委ね られた。 フランスの刑事手続の一貫 した特徴 は

,そ

れ故特別な国家の刑事訴追機関た る検事 の起訴 action ptlbliqueが 提起 されることに依 て行 われ る起訴手続 にあった。そのために

,一

人 の独 立 した裁判官すなわち予審判事juge d'instructionに 依 る広汎な前手続 の処理がで きた。第一 審裁判所 は三つに分割 され

,犯

行の重 さに比例 して警察裁判所

,大

審裁判所刑事部

,陪

審 を 必要 とす る場合 は陪審裁判所が審理 した。 俊

(11)

西 ドイツ検事の法律上の地位 と捜査権

33

そ して終 に

,審

理 形式 として

,公

開主義

,口

頭 主義 の 自由心証 主義frei Be、veiswurdigung

とな らんで直接主義 Unlnittelbarkeitの 原則 が樹立 し,法 定証拠主義 gesetzlich Beweisregel は廃 止 され た。 そ して この よ うなル ー ル に従 って 陪 審 員 達 は

,彼

等 が 絶 対 に信 念 intime

convictionつま り被告 の罪責 につ いての内心確信 に達 したか 否か を法律上諮 問 され な けれ ば な らなか った。

6

ドイ ツ

(1)ナ

ポレオ ンの立法 とそれ に依 る治罪法

`

ナポレオ ンの立法 とそれ に依 る治罪法COde d'instruction criminelle C.I,C.は ライン河左岸

の ドイツに

,特

にプロシアのライ ンラン トに検事制度 としては,1810年頃導入 され

,定

着 し, ナポレオ ン没落後 も1849年迄存続 した。

(2)フ

ランス刑事手続 フランスの刑事手続 は旧プロシアで有効 とされていた秘密主義糸L問手続 (これ は

,1805年

の刑事条令 に基 くものであるが)に対 し異論 な き長所 を示 した子9そ の為に自由主義 はドイツ において も

,裁

判所の独立のほかに

,一

切の内閣司法の排除

,弾

劾主義 と検事 に依 る刑事手 続 を要求 した。 そして こういった要求が1848年12月27日のパ ウル聖堂基本権 と1849年 3月28 日のフランクフル トドイツ国憲法 Frankfurter Reichsverfassungに 依て受 け入れ られた。こ の時点で

,弾

劾主義 と共 に検事が確立 された。(同憲法179条条)。 そのほか反動時代

,煽

動者 弾圧

Demagogenverfdgungの

深刻な経験か ら特別裁判所

Ausnahmegrた

htの 禁止(同法174 条H2)と警察の恣意 に対す る防衛上逮捕 は裁判官の命令 に依 ること(同法138条

H)が

定 めら れた。(同法138条

H)

(3)1848年

後 は ドイツの諸邦 において新 しい刑事訴訟法がつ くられた。 1848年後 は

,大

部分の ドイツの諸邦 (バイエルンBeyern 1848,1861プロィセン

PreuSen

1849,バ

ーデンBaden 1864,ビ ュルテ ンベルグ

Wtttemberg 1868年

)に

おいて

,新

しい 刑事訴訟法がつ くられた。これ らはすべてLaie素人 を

Geschworeneま

た は

SchOreと

して 参加 させ ることを公開制,日頭制,自由心証制,一部 には予審判事 に依 る前手続VOrverfahren の主導 も導入 された。 この時点でLaieを参加 させた ことは,ドイツの刑事司法制度史上

4で

述べた対国家権カイ デーのあ らわれ ともいえるし

,素

人主義―民主主義のあ らわれ とも見 ることができるであろ う。但 し

5で

述べた

,モ

ンテスキューが窓憑 したイギ リスの審理陪審が訴因に依て公訴事実 を特定できたか否か

,す

なわち

,訴

因について有罪か無罪かを票決す るだ けの ものであった のに対 して:50西ドイツの SChO打eは創設以来今 日迄

,職

業判事 とな らんで

,事

実審 において

(12)

輔 田 同等の職権 を持つか ら厳密には陪審員 と呼ぶべ きでな く

,素

人裁判官Laienrichterと 呼ぶベ きである。ドイツに も創設時には他 に英米 と同様 の

Geschworen(誓

約 して陪審員 になるとい う意味で こう名付 けられた)が あったが

,1924年

に俗 にい う従来形式 に対す る

Emmingen条

令で廃止 され

,名

称 だけ残 していたが

,そ

れ も誤解 を避 けるために1972年 5月26日に

(BGB

l1841)廃

止 して しまったつ西 ドイツでは現在SChёffeだけであ り

,以

上 の点で参審員 と 呼ぶべ きである。 注 目すべ きはこのようにして主権者たる市民の代表 を直接審理 に立会 させ被告た る市民に 対 す る官憲の影響の強い訴追 に対す る防禦た らしめん との要請があることで ある。先 に述べ た ドイツ刑訴の対国家権力考察の一つのあらわれ として無視で きないのである。 こうしてで きた近代 的であるが

,当

初地方別の ものにすぎなかった刑事手続 は「改革 ドイ ツ刑訴」と銘打たれた。1873年のオース トリヤ刑事訴訟法 と1877年の「改革刑訴」

RStPOは

改革 された刑事手続 に基 くものであるfD

(4)改

革 ドイツ刑訴か ら現在 に至 るまでの状況 ①

1871年

に ドイツ帝国憲法が生 まれた 1871年に ドイツ帝国憲法が生 まれ

,刑

,刑

事訴訟法の立法権 を帝国が掌握 した。(帝国 憲法

4条 3号

)この時点で,裁 判所構成

GV.G.法

と刑事訴訟法

StPOが

制定 され,先 づ1848

年に導入 された狭義の陪審制Schwurgerichtを再廃止 し,前述の参審制 SChO打engerichtの

すべての刑事事件への適用 を政府 は望 んだが果せず

,妥

協 として罪 については裁判所刑事 部の職業判事のみが

,難

事件 については依然Schwurgerichtがみ とめ られ

,3人

の職業判 事 と12人の陪審員Gttchwcjreneが み とめ られた。但 し参審裁判所判決 には控訴Berufung がみ とめ られ

,

これは裁判所刑事部 に提出され

,上

級審では

,素

人 は除外す るという結論

休 た。

改革刑訴 は帝国終末 まで本質的な改正 はな く

,1919-1933年

に分野毎 に本質的に変更 さ れた。軍法会議関係

,少

年裁半」所関係 などの改正があったが

,検

事 に影響 を及 ぼす もの と して前述 した1924年 1月 4日

Emmingerの

改正でSchwurgerichtが廃止 された。 ヒ トラーの国粋主義時代 には彪大 な軍事保護

,国

防関係 の法令が生れたが

,1933年

の総 統 の非常命令 に基 く国民 と国家 の防 禦の た めの2月 28日 6Dの法律 が警 察 に予防 拘 禁 "Schutzhaft“ をみ とめた。 ② 第二次大戦終了1945年以降の ドイツ刑訴 と第二次改革 1945年以降

,個

々の占領地帯 とそれに依 る大幅な権力分断 との間の深刻な相違の為の刑 事訴訟法立法に対する占領軍の管理が行われた。後に東 ドイツ(ドイツ民主共和国

)DDR

が独 自の道 を取ったソビエ ト占領地帯の発展に対 して

,西

ドイツ(ドイツ連邦共和国

)BRD

(13)

西 ドイツ検事の法律上 の地位 と捜査権

35

には1950年12月 9日 統一法Vereinheitlichungsgesetzが再び法律統一をもたらした°この 法令は国粋社会主義的な刑事訴訟法の変更を再ぴ廃止することを主眼 としていた。特にナ チス時代の経験 に基いて,人権尊重を刑事訴訟手続におて尊重すべき旨を織 り込んだ

136a

条が制定 されたよ° その後の明確な改正は

,い

わゆる刑事訴訟法小改正であって

,1964年

12月 19日刑事訴訟 法改正法 Strafproze8anderllagsgesetz(StPAG)を 制定した。 その骨子は下記のとお り である。

a.勾

留権限 勾留権 限 Haftrechtは 逮捕 を制 限す る目的 に合 致 す るよ うに改正 され た。 そ して Verh』 tnismttigkdtSgrtxndsatz又 は Grtlndsatz der verhaltnismaβ sigkeit行 き過 ぎ の禁止6のに重点がおかれた。 StP0112(3X4)の 60新しい勾留根檬の導入 は勿論従来の目的設 定 に対する反対である。

b.裁

判所での裁判官尋間

StP033,33a最

終尋問StP0169 a―

c検

事尋間が強化 されたが,

169b―

Cは廃止 された 『9

C.弁

護人の法律上の地位の向上 :必 要的弁護の拡大

(StP0140 f),書

類 閲覧 と接見交渉 権 の拡大 (StP0147 f)

d.任

意供述権 を被告 に教示す る義務 を全尋間機関に拡大 した こと。

(stP0136,163a,243

1V)

e.再

審 手続Wiederaufnahneverfahrenに お いて は

,前

判 決 に関 係 した裁 判 官 は, StP023(2)の 導入 に依 て

,関

与で きな くなうた。

f.積

極的に嫌疑 あ りとされる開始決定 は起訴受理決定 に変更 された。 この ように1964年か ら1973年迄 に検事 に影響 を及ぼす改正 は

,勾

,逮

捕 を極力制限 し, 弁護人の権限 を強化 し

,被

告 に対 す る積極 的黙秘権教示義務

,予

断排除 な どで

,捜

査公判 を通 じて被疑者

,被

告の当事者主義 を著 しく高 めた点 に特色がみ とめ られ る。 ③

1973年

には

StPAG1964年

12月 9日 の刑事訴訟法,裁判所構成法改正法律が部分的に重要 な改正 をしている。1968年 6月25日,第

8次

刑法改正法 は現在StP0153 dに相 当す る153C を導入 して,国家保安事件Staatsschutzdelikteに ついて起訴法定主義 Legalitatsprinzipを 排除 した。この法律はわが国の行政事件訴訟特例法の判決後の行政措置に類似 しているが, 現行法の法務大臣の検事総長 に対する指揮権

,判

例 にいう統治行為事件 な どとの類似性が 見 えるので ある。 その他盗聴法 と俗称 されるAbhorgesetzが同年 8月13日に出て

,StP0100 a,100bで

不法 な電話監視 をはじめて規定 し

,同

年10月 1日 には秩序違反法

OWiGが

StP0467.467aと

(14)

36田

不日 俊 輔

連動す る導入法が もた らした出費負担法Kostelavorscttiftの新設 は重要で,これ に依 て,

無罪放免

,不

起訴 になった者への国家か らの出費 は大 きい。

また1969年 9月 8日 の国家保安事件第

2類

導入法,,Gesetz zur angemeinen Einf rllltg eines zweiten Rechtszuges in Staatsschutzsachen“ は特 に重大な政治的事件 において, 裁判官に依 る判決の調査が これ迄全 く不可能であった弊害 を脱 することがで きた。1971年 3月 9日のStr EG刑事賠償法は有罪判決に至 らなかった刑事追行処置に依 る損害賠償を完 全 な法律上の新根拠で定 めた。 しか し

,1972年

8月 7日 法律 に依 るStP0112 aの 導入が この時期の最重要新法である。暴 力

,財

,麻

薬犯罪の再犯防止のための勾留基準 を設 けたのである。 この時期 の特色 は政治事件 に対 する起訴便宜主義の創設

,政

治事件の迷宮入 りを防 ぐため の裁判官の司法権限

,個

人のプライバ シー侵犯防止

,わ

が国流の刑事補償法 プラス国家賠 償法的立法

,そ

して

,再

犯虞犯者 に対 す る保安処分的立法である。 ④

1975年

の刑訴改正

'

この時点 は

,革

命的改正 ともいえる予審の廃止であろう。既 に何度か引用 して きた よう に1974年12月 9日の第1次刑訴改正法 に依て

,1975年

1月 1日 か ら新時代 を迎 えたので ある。 立法趣 旨は訴訟の促進であったが学D後述するように西 ドイツの検事 に強い影響 を与 えた。 最後の糸L間の廃止であ り

,弾

劾主義 の実質的実現 といわれたが

,結

果的には検事 に強制 処分権 が移 った ことになる解 すなわちStP0161 aが新設 されて

,検

事 は(1)項において

,証

,鑑

定人 を召換 で き

,彼

等が正当の理由な く出頭せず または出頭 を拒めば

,検

事 は強制処分権 を行使 で きる。(同

2項

) 勾留のみは判事 に留保 されているが161a(2),被疑者の拘引ができるようになった ことと甲9 被疑者 に対する尋問権 を得た ことである。 (StP0163 aは 》 この時点 で

,数

年来の被疑者

,被

告 に対す る当事者性 の強化のための法律上 の手だてが, 当事者的に訴訟上行動す る(後述す るように西 ドイツの検事 は公益の代表者性 を持つ故, 当事者 ではないか ら

)原

告官たる検事 に強い当事者性 をみ とめ

,弾

劾主義 の実 を挙 げん

_、

とした ことがみ とめ られ る。 検事 に従来の予審半J事に代 る権 限 (強制権 について

)を

持たせ る反面

,当

事者性 を持た せた根拠にわが国の検事 と弁護士 (被告人 の訴訟代理人たる

)の

相互尋問制が模範 とな った ことを注意 しなければな らないより けだ し1975年の予審廃止 に依 て訴訟手続が迅速化 された ことには異論 はな くて も

,予

(15)

西 ドイツ検事の法律上の地位と捜査権

37

判 事 の司 法 監督

Uberprufungゃ

聴 問規制 Anhortlllttregelullgを 廃 上 した ことと検 事 な ど刑事 訴追機関 StrafverfolgtlngsbehOrdeの 強制処分権 が拡大 した こ とに依 て

,立

法者 が

,被

疑 者

,被

告 の負担増 に達 しよ う とつ とめ る限 り

,一

段高 い評価 が なされ な くな る ので はないか とい う疑間が残 るとされるよ°つ ま り

,予

審 の廃止 は

,訴

訟の迅速化 と当事 者主義

,弾

劾主義の実 を挙げる長所 はあるが

,同

時 にそのために被疑者

,被

告 は刑事追 行機関 (検事

,警

)の

強制処分 に対抗す るだ けの力 に達 し得ない。た とえ

,弁

護士の 接見

,交

渉権 を強 め

,逮

,勾

留 を制限 して も

,任

意供述権の教示 を義務づけて も

,な

お予審判事 の司法監督や

,聴

問規制 などに依 て保護 されていた被疑者

,被

告の損失 をま かない切れない という疑 いがあるのであ る。 ここに

,前

手続 VOrverfahrellが 訴訟手続 の第一段階を形成 し

,第

一次刑訴改正法 に依 る予審 の廃止後

,前

手続 は検事の捜査手続のみが残 った とされ甲°か りに

,前

手続の分野 で判事 の尋間 (StP0162)も警察の尋間 (StP0163)も 追放 された として も

,な

お検事 は 前手続の主宰者であるとされるのである伊の ′ この ことが

,検

事 に事実関係の追及 を義務づけ

(StP0160),そ

の際

,被

疑者の罪責 を問 う証拠 Belastunttmatettalだ けでな く

,罪

責 を免れ させ る証拠Entlastungsmaterialも 同等の努力 を以て収集 し,挙証に使用すべ くその紛失を防 ぐ努力 を怠 らず(StPo160②)そ のために重傷 を負い死 に瀕 している証人 を尋問 した り

,違

反の跡

,例

えば自動車事故 や 手だてをつ くしていなければ消滅 したであろう運転免許証の確保 などに努力 しなけれ ば な らな くするのである。 また捜査 は

,行

為の法律上 の推論 を規定す る上 に意味のある状 況 に も及 ぼされるのである。(StP0160③) 現時点 の検事の権 限の態様 において

,

この点が最重要であって当事者主義弾劾主義のあ らわれ として,原告官(勿論 ドイツ刑訴 は軽罪の被害者 についての Privatklage私 訴や, 被疑者の申立 に依 て検事の起訴法定主義Legalitatsprinzipが裁判所 に依て検査 され る起 訴強制手続Klatterzwingtlngh3verfahrelaの例外 を持つが)は当事者 (厳密には前述の と お り公益の代表者故 に

,StP0160の

働 きをす るか ら,当事者性 を否定 されるが)的であ る ために

,捜

査手続 と切 り離せない立場 にあることである。 その為 にこそ

,事

実追及の為 に検事 は

,あ

らゆる形式の捜査 をし

,ま

たさせ得 るのであ る。 (StP0161)

7

対権力分立主義か ら見た ドイツの検事 前述 した ように,糸し間手続の克服 を目的 として誕生 した ことは

,明

らかであるが

,プ

ロシヤ の司法大 臣サ ヴニイ Von Savigllyと ゥーデ ン

Uhdenも

検事 を糸L問判事 に対する法の番人性 に

(16)

輔 一貫 しようとはしていない。 む しろ統治機関 (国の為の

)が

裁判所 に対す る権力関与 を実現す る手段 として検事 を規定 しているようである9こ れは権力分立 と深いかかわ りがあ り,そ の為 に前述 して きた現行法上の ドイツ検事の非当事者性,公益の代表者性 に結 びつ くのであ る。1845 年 にサヴイエイ

,ミ

ュラー

Von Muhlerの

後任 ウーデンを含 めての 一致点 は,

(1)司

法大 臣は検事 を刑事手続 における客観的な非当事者官庁Instanzと して任命する。

(2)そ

れ故

,被

告 に とっても有利 に活動 して よい。 は

)そ

れ故

,そ

の指揮に服す る警察 を監督で きる。 は

)そ

のため

,警

察の補助 を得て捜査 を行 い

,警

察 と裁判所の間 を調整するもの としているの である伊9 しか し

,ま

た行政機関の捜査機能 と司法機関の判決が共通す ることは本質的に問題がある。 逆に検事が行政官庁か第二機関(約)と しての法律執行機関に属 し

,検

事が行政 (捜査)と司法(判 決

)の

領域の中間の縫合部分 にあって

,公

訴提起 とい う本質的機能だけで活動 してよいか とい う問題がある

V

検事の捜査権 と警察 に対 する指揮権の否定意見 について Ⅲの

3で

述べた ように1978年11月 17日議会 におけるような検事 の直接指揮権 の否定意見があ る ことは事実であ る。 またそれな りの評価 もで きる根拠 は前述 した。 しか し

,指

揮権 の否定が直ち に検事の捜査権の廃上にはつなが らない。同議会 に提起 された内容 も

,捜

査 について

,警

察 を検 事か ら独立 させ ようとい うに過 ぎない ともいえるか らであ る。 しか し

,そ

れをみ とめることは実 質的に検事が捜査スタッフを持たない以上

,検

事 に対す る捜査権 の否定要求 と見て よい。 この回答 として論者 は次のように考 えたい。

1(1)第

Ⅳで述べた検事の歴史か ら見て

,検

事 は糸し問手続の反省 と否定か ら生 じた こと。サ ビイ

エイSavigrvゃウーデン

Uhdenが

検事 を「法の番人」Wdchter des Gesetzesと とらえた こと

で明 らかであるり 事実捜査 と捜査 の着手 は裁判所 に任かせ るが よい という観念がプロシアを始め とす るドイツ 全上にあった。 それは刑事裁判所 なるものが法律の執行機関 (行政部

)を

従属 させ

,か

つ国家 の必要 に応 じ

,犯

罪の鎮圧 を第一に

,真

実の追及 は二の次 とい う存在であったか らである

p

このため客間官(予審判事)Inqtliirentの 目的に適 った真実 を自白の形式で

,被

疑者か ら絞 り

取ることが公然とみとめられ

,そ

の為の苛酷な拷間が当然視された

。実体追及中に受けた印象

が判決を下すに当って決定的な影響を与えたことは

,む

しろ当然である

9

(17)

西 ドイツ検事の法律上の地位 と捜査権

39

犯 罪捜査 の端緒 は

,容

疑 者Verdachtigの不利

,有

利 を問 わず,いや し くも関係 が あ る と思 わ れ るあ らゆる状況 を真実 に合 うように調査 して

,判

決 言渡 しにあた って

,そ

の よ うな捜査 の閉 鎖 的 な評 価 が決定 的 な影響 を与 える目的か ら出 ていた。 そ して その為 に心理 的 な焦 りが重 な っ て

,容

疑 者 の不利益事 実 に対 す る誤 りと偏 見 を もた らし

,刑

事 裁判所 の恣意 的で事実誤認 の傾 向 を強 めた。 (2)上記の傾向は更に悪化 された。それはこの時点で裁判所の人手が不足 した為70従 来刑事裁 判所のみに留保 されていた捜査処理が

,次

第に警察に移行 した。先づ警察 に認められた第一次

着手Recht des ersten Angrif偽と予審 の権限Recht des vodauige unterttchunゴ 7のが次第

に事実上全ての犯罪捜査権限に拡大したことである。その為

,事

実上

,前

手続 VOrverfahrenの

すべてから司法の支配Herrscha■ を追放 した形になった0

その結果

,被

疑者は裁半J官に依 る真実発見捜査義務に依 る制御 を受け得な くな り

,充

分では

ないが警察糸し問,polizdliche hquistiOnか らの防御 を定めていた継受法99Rezeptionttesetzの

保護外 におかれた。 は澪L間の最悪の形態た る警察糸L問か ら被疑者 を保護す るために検事が生 まれた。 この因果関係 はⅣの歴史的見地か らす る批判

, 2で

述べ られたルールが破壊 され

, 6の

2 で

,1848年

12月27日のパ ウル聖堂基本権 と翌1849年 3月28日の ドイツ国憲法が

,フ

ランス法 に倣 い

,弾

劾主義 を採用 し

,検

事 を確立 した時点 と符合するのである。 そ して

,

このような 警察糸し間打破の為 に検事が絶対必要であると実証 したのがサ ビイエイ と

,ウ

ーデンであった ことは1846年3月23日の建 白書 に依て明 らかである伊0そして,1848年とい う時代 に検事制度 が ドイツに採用 されたのは 2月 革命 を契機に共同権力的な糸L問訴訟手続 の不合理が フランス 的な合理主義 に依て啓蒙 されたか らと考 えたい。 は)国家権力組織 と刑事手続の関係か らの考察 国家権力の直我 な実現 を目的 とした所 に共同権力的な糸し問訴訟が生 まれた。 そ して単一裁 判所への権力集中が その補助者たる警察糸L聞と結 びついて乱用が行われ るようになった。権 力分立 に依 てのみ乱用 は回避で きる。つとい う考 え方ができるのであ る。 ロック John 10ckの 考 え方 はこれに近 いが

,前

述 した時代背景の所為か

,彼

もまだ司法部 Judikat eを法律の適 用部門 としては行政部Executiveに加 えてい る伊りだか ら,こ の まま

,検

事制度の創設根拠 に はで きない。しか しそれ故 にこそ現在,ロ クシンのいうような前述,「検事 は行政部 と司法部 の中間に位す る第二機関」

,ゲ

セルのいうような前述,「行政 (捜査

)と

司法 (判決

)の

領域 の中間の縫合部である」 という理論展開の根拠 を与 えていると考 える。 (5)権力分立の表現 としての共同権力的糸L問手続 の分離 と検事 の誕生 裁判官の専断 は執行機関か ら分離

,独

立 させ ることで可能 になる。 けだ し

,執

行機関か ら

(18)

40田

和 俊 輔

独立 すれ ば,法 の宣言Rechtsprechungは行 政機 関のための合 目的配慮 か ら解放 され て,裁判 官本 来 の任務 た る正義実現 Ziel der Gerechtigkeitに 専念 で きるか らで あ る伊9

また こうす ることに依て,糸 L間訴訟 にお 堕る二重の任務

,つ

まり自己の行 った捜全 と宣告 性か らくる避 け難 い偏見 を月Rする彗° このように考 えて くる限 り

,刑

事訴訟 の手続上の分離 は

,手

続 を一機関 に掌握 させ ること をやめて

,多

様な機関の支配下 にお くことで可能 になる。糸し問手続の破壊 は権力分立理論 に 依て可能 になるといえる。また,行政部Exekutiveと 司法部 Judikativeに 対 し独立 した立法 者Gesetzgeberは

,捜

査 における

,絶

対的な権力志向か ら解放 されて

,刑

事部門の分割の よ うに

,あ

らゆる防禦方式 を制定で きる。 その防禦方式が裁半J官

,警

察の恣意 のみで取調べの 対象になった容疑者 を訴訟 当事者Verfahrensstlbiuktた らしめるのである9

2

糸し間の否定 か ら生 まれた検事 に対 して今度 は

,そ

の (捜査

)権

限を制限すべ しという見解が あ り

,そ

れが必ず しも正鵠 を得ていない と考 えられ ること。 それは

,検

事 に法の執行官性があ り

,そ

の性格の内容が十分 に把握 されていないためであること。 (1)共同権力的な糸し間手続の否定か ら生 まれた検事 は

,単

に刑事法の執行機関 に留 まるべ し, とい う発想があった。 しか も

,公

訴官であれ

,と

い う要求である。 121現在

,西

ドイツにおいて

,刑

事法の執行機関

,即

「法の番人争°とい う見解が あるが

,一

種 の誤解 とも見 られ ることである。 既述のようにフランスの検事制度が ドイツに入 ったのは1801年であるが

,こ

の時点か ら1848

年迄のフランス法の特色 は

,1808年

の治罪法COde dlnstruction Criminelleに 明 らかであ る。 ① 刑事事件 において公訴actiOn publiqueを 提起 す ること

(Art.11,22,C.IC.)

② 但 し

,公

訴権は検事の独占でなく

,一

定の行政機関も行使できる伊つ

被害者は私訴を提起できる

(A■.63,145,182C,I.C.)

②③の場合でも障害があるとみとめれば

,検

事が公訴し

,追

行ができた。

(こ

の点は現在

pr ate

prosecutionを

原則とするイギリスで,1898年 創設の一種の検事

D,P,P.(Directer of Public

Prosecutionlが

同じ立場をとっていることに注目する必要がある♂

9

しかし

,異

常な現実として

,規

則レベルは

,起

訴独占主義に接近していた伊

9

だから

,検

事は先づ捜査し

,予

審判事か判決裁判所に係属すべきものであれば

,起

訴すべ

き もの とされた。

それ以外は

,法

律上

,起

訴強制主義はなかったから

,事

実上

,起

訴便宜主義が有効であっ

(19)

西 ドイツ検事の法律上の地位 と捜査権

41

調整上

,起

訴を受けた上訴法院と

,事

実追行の私人の起訴権

(私

)は

検事の協力の下に

あった。 ③ 訴訟の経過中

,検

事は先づ予審中は予審判事に事件 を依託 し

,現

行犯

Ddi nagrantの

場 合のみ

,

この手続段階で

,判

事の権限を行使できた

5(Art.32.CI.C.)一

この点は

,現

行刑 訴C.PP.も 同様である。一 この後で

,公

半Jが行われた。(Art.241,273,C.I.C.) ⑩ 手続中

,検

事 は一面的な起訴者 としてではな く

,常

に「法の番人」りとしても活動 した。そ の番人性は

,被

告の利益 もまた計 らなければならなかったことにあ り

,治

罪法は「法の名 に

おて``au nOm dela loi"申 し立てを行 う」 と言っている。(Art.276,C.I.C.)これ正に

,現

行 西 ドイツ刑訴 StP0 160(2):“Die Staatsanwaltscha■ hat nicht nur die zur Belasttlng

sondern auch die ztr Entlasttllag dienenden Umttande zu ermittein"に 対応するのである。 前述 したように,フランス検事制度をドイツヘ導入する際に「法の番人」"Wacher des Gesetzes"

に認識の差があった と思われる。つまり

,フ

ランスの検事の「法の名に船て」は公益性 (国を

代表するもの即ち

,国

王代表 (それが共和制の下では

)公

衆訴追性

)で

あるが ドイツでの受 け

取 り方は

,法

律その ものの適正執行性→監視機能ではなかったか ということである。

① 刑事追及か無罪放免の提議の権利義務を持 った。

② 控訴

,上

告 (破棄院への

)権

(Art.C.IC.177,202)は

法益におけるdans l'interOt de la

Ioi(Art.409)と 共に被告の利益も守らなければならなかった。

結論的に検事は

,予

審判事

(Art,C.I,C.28)の

勾禁全部の執行

,刑

の執行

(C.I.C.Art,165, 197,376)を しな けれ ばな らなか った。

検事は司法警察の指揮者であった。そして

,司

法警察官は専 ら司法目的に奉仕 し

,内

務省

管轄の他の警察 とは完全に分離し

,予

審判事の命令 と共に検事の命令に従わなければならな

い職員であった。

⑮ 管轄 内の全司法警察 に対す る監督 は上訴法院検事長prOcureur ttnOral au coutt d'appel が行 ってお り

,予

審判事 も判事 としてではな く

,高

級司法警察官 として

,こ

の検事長 に従属 していた。 (C.I.C.Art.279)こ の点

,後

世わが国にフランス刑訴が導入 された とき

,予

審 判 事が検事 の意 図に合わ した予審調書 を作成 し

,そ

れが公半J廷に持 ち出 され るか ら糸し問的で, 被告の防禦手段 を奪 うと非難 された原因である。 またフランス刑訴

C.P.P.Art.41.3段

で, 共和 国検事が司法警察官の資格全部 を持 っているが

,司

法警察官の枠外 にお き

,

しか も同4 段の現行犯 では司法警察官の権限 を行使で きることは

,判

事が検事 に従属す るという非難が あった為である。

C.P,P. Art,41(Le PrOCurer de la Repubhque)Il a tOus les pourois et prOrOgatives

(20)

な お Art.16 En cas d'infractions flagrantes,il exerce les pOuvoirs qui lui sont attribue' s par l'article 68

民事事件に関与権を持ち

,partie jointe付

帯私訴原告人として

,す

べての民事事件に関係

できた。事件が公の秩序にかかわるときは介入の義務があった。

(Art,83,84.498 des Code de ProcOdure Civile)

⑦ 公判 当事者partie principaleと しては

,婚

姻無効事件

,禁

治産宣告事件

,身

分法事件

,国

庫代表者 として国庫事件 を担当 した。(この点

,わ

が現行 法上

,親

族法

,非

訟事件

,国

を被告

とす る事件 で

,検

察官が被告当事者 となるの と同様である。)

Art.276の

公益性 “Au nom delalor'を 上訴権 で代 表す るのが

,前

述 StPO.(1602)に 共通 性の見 える C.I.C.177,202の 法益 dans hntOrOt de la loiな らびに被告人 の権利保護である が

,同

じく公益性 を

,法

律 その ものの効力 について上告で きる権利 を破棄法院検事総長 に船 て認 め られていた。

procurellr general recours dans l'interet de la lol,pourvoi en cassation(Art.441,442C.

I.C,)無効上訴がある。わが国現行法の非常上告が これ に近 いが,これこそが ドイツ流に言えば

"die Stellung als Wachter des Gesetzes“ であるが,ドイツの理解 は別であった ようであるこ

とは前述 した。

⑩ ① に関 した1810年 4月20日法律46条

2頂

に検事の権限 として「法律の停止

,判

決 などの法 律の執行 を監督す る,“il Sur veille l'execution des iois,des arrets et des jugemens'1検事 は,

公の秩序に関す る事項 については

,当

該官庁 にその執行 を命ず “il pousuitざOrice cette

execution dans les dispositions qui interessent l'ordre public"と zら り, ことDナ氣力S“

WaChter

des Gesetz"と して強 く愛 け取 られたのではないか と考 え られる。 ⑩ 検事 は

,裁

判所関係者全部

,す

なわち裁判官

,公

証人

,弁

護士 に対す る監督権 を持 った。 これに基づ き懲戒調査権の発動 を申し立てることがで きた。 1803年 3月30日デクレであるが

,わ

が国の最高裁判所規則で

,検

,弁

護人 を統制 してい る点 と

,現

行刑訴で

,検

察官の行 う捜査 に当 り

,捜

査補助 を求め られた司法警察職員が指示 に従わぬ とき

,そ

の懲戒罷免権限者 に対 し

,懲

戒・罷免の訴追請求がで きたの と酷似 してい るが

,前

者が

,検

・ 判事の立場が逆 になっていることと

,後

者の対象が捜査補助者 に対 する ものになっていることに注意 を要す る。

昇任諮間についても

,検

事が司法大臣に上申するものとされた

以上が

C.IoC,に

見られるフランス検事の特色であり

,ド

イツの法の番人性は

,⑩

の公訴捜査に

おける公益性

,①

における判決

,法

の執行性のみに受け継がれたように見受けられる。その点

が, ドイツで糸

L問

性の否定 として予審を否定して

,今

度は糸

問否定

,当

事者

,弾

該主義の産物

(21)

西 ドイツ検事 の法律上の地位 と捜査権

43

たる検事の捜査権 の否定 につなが ると解釈 され る。 論者の見解の裏付 けとなる当時の ドイツにおける見解 を紹介す ると, (1)C.I.C.か ら見 る限 り

,検

事 は裁半J所か ら完全 に独立 している。 修

)し

か し

,一

,国

家統制 と裁判所の独立 との仲介者 としての検事の位置

,検

事 に依 る判事 の活動に対 する観察

,特

に判事昇進 についての司法大臣への上 申権 が当然

,裁

判官の独立 を 異常 に侵害することに異論 はなかった9

(3)フ

ランス法における検事の地位 は威大であ り

,全

ての法律執行の整序 を統制す る国家の監 視機関 と考 えられた。 公訴提起官 としての活動 は

,こ

れに対 し

,従

属的な役割 に過 ぎない。 (4) (5) ここに

,客

観的

,非

当事者の地位が犯罪 に依て犯 された公の秩序回復 のための法律の執行 義務 を強調する。

(0

但 し

,司

法大臣の指揮権か ら独立 していないことと

,そ

れに依 る大 きい影響が刑事訴追に 残 り

,特

に公訴 の提起 に当た り

,政

治的な見解が先行する可能性 は除去で きない。その結果, 検事の客観性 を保 つことは絶望 とは言 えない迄 も非常 に困難 になることが安易 に見過 ごされ ている伊。これだけの批判 があったが

,権

力分立論で述べた ように,12)の仲介者論 と(5)の法律 執行者性 だけを法の番人性 と考 えて結 び付 け

,捜

査権の否定

,対

警察指揮権 の否定論があ り, それが説得力のないことは

,上

記パ ターンの フランス法の検事の性質の見落 しにあると考 え る。

4 2121の

④で述べた権力分立論 と法の番人性 を総合 した論拠からの検事に対する捜査権 と警察 指揮権の否定論

(1)権

力分立論 を刑事訴訟に持ち込めば

,検

事の組織は当然法律執行の分野に限定 されなけれ ばならない。そう五ることに依て,糸し問手続のように権力拡大 を防止できる『Dシ ュミットは

ここではモンテスキュー

Montesquieuの

「道徳 も有限たるべ し」"Sogar die Tugelld hat

Grenzell nttig“ を引用 し

,権

力乱用が逆用されてはならないというのである♂°名言ではある

,前

述 したように

,

ドイツはフランスの番人性 (これも正確には前述の通 り公益性なのだ が

)を

持ち込んでおらず

,公

訴性のみに (これも正確には被害者に依 る公訴の駆動 と私訴が あるのだが)傾き 'の 検事制度の導入に当 り,当 初はドイツ人から見た法の番人性 は断念 して, 公訴提起者性

Ankl抱

ertadgkeitのみに限定 しようとしていたこと,そしてそれが裁判所を検 事から独立 させ(2,鬱)①,で述べたフランスの実状があるので),それに依て統制力Regierlllag

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