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マイクロ波による土の急速乾燥-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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マイクロ波による土の急速乾燥

山田畳良,横瀬広司,奥田 徹*,藤原健思**

QUICKDRYINGOFSOIL BY MICROWAVEOVEN

NoriyoshiYAMADA,HirojiYoKOSE,Toor・uOKUDAandTakeshiFuJIWARA

Inphysicalexperimentsofsoil,thetimerequiredfordryingsoil,SuChasovendryingandairdrying,SeemS toolongtoberequiredfortheexperimentsinthemselves”Inthispaper,WereSearChthequickdryingofsoil

bymicrowaveovenavailableinthemarketanditsapplicabilitytofollowingphysicalexperiments

Sevenkindsofsamples,eaCh20gx3pieces,areheatedby200Wor500Woutputvoltageofmicrowave

OVenMasschangeofsoilismeasuredatintervalsoffiveminutesandthefollowingresultsareachieved:

(1)Incaseofmeasurementofsoilmoisture,theresultsby200Wx25minheatingagreewellwithJIS method (2)Incaseofairdrying,200Wx15minheatingandairdryingaboutonedayseemsthemostsuitablefor

pretreatmentofphysicalexperiments

(3)Manysamples,eXCeptbentonite,dr−iedbymicrowaveovenareapplicableinthe fo1lowingphysical experiments 土の含水量測定や風乾など,試料の乾燥に要する時間は,本来の物理性実験に必要な時間と比べて長すぎるのでは ないかと考え,市販電子レンジを利用したマイクロ波による士の急速乾燥と,その後の物理性実験への適用性を検討 した。7種類の試料各20gX3個に対して,200Wと500Wの出力により加熱し,5分間隔で質量測定を行った結果, 次の結論が得られた。 (1)含水量測定の場合,200WX25分の加熱が。JIS法とよく一致した。 (2)風乾の場合,200WX15分加熱後1日程度放置するのが適当である。 (3)ベントナイト以外ほ,マイクロ波乾燥試料をその後の物理性実験に供試することができる。 緒 土の含水量測定は.丁ISA1203に規定されており,110℃で24時間の乾燥が必要となっている。また,一・般に各種の物 理性実験に供される土壌試料は,予持として数日間にわたる風乾が行われている。このように単に試料を乾燥するの みを目的として消費される時間は,土の本来の実験に要する時間と比べて長時間すぎるのではないかと考える。 土を迅速に乾燥させる方法としては,これまでに赤外線乾燥法,アルコール燃焼法,か−バイド法などが用いられ てきたが,サンプリングの方法や盈などに間男があり(1),計測の全過程にわたって人手が拘束される。これらの欠点を 補う方法として,近年電子レンジによるマイクロ波加熱法が普及しつつあり,理論的にも,また実用上も信頼性が高 いことが確認されている(2)。しかしながら,それらの研究のほとんどは上の含水量の測定のみを対象にするにとどまっ ている。そこで,ここでは含水量測定のみにとどまらず,さらに土の凰乾の迅速化への応用をはかるとともに,乾燥 *現川西市役所 **現大和ノへウス工業

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香川大学農学部学術報告 第39巻 第1号(1987) 96 試料を実験に供した場合の適用性についても,主としてコンシステンシー試験によって検証を試みた。 マイクロ波加熱の概要 電子レンジを利用したマイクロ波加熱の理論および実際については,多くの成書(3)に詳しいので,ここではそれを 土の乾燥に利用する場合の要点のみをまとめてみる。 一・般に電子レンジで使用されているマイクロ波は周波数2,450MHz(波長123cm)で,物体の乾燥部を透過し,湿 潤部で吸収されてその物体を加熱する。マイクロ波加熱ほ熱伝導に依存せず,瞬時に吸収されたエネルギが物体を発 熱させるので,内部加熱または電子加熱とも呼ばれる。物体(被加熱物)が誘電体の場合,加熱原理ほ誘電体発熱理 論として−・般に次式が利用されている。 Ⅳ=557/・g2・£s・ね乃∂×10 ̄11.丁/s・Cm3 ここでイほ周波数(Hz/s),Eは電界強度(Ⅴ/cm),eSは比誘電率,tan(,ほ誘電損失であり,士を加熱する場合 にもこの原理が適用できるものと考えられている。 この式からわかるように,周波数が一・定の電子レンジでほ,電界強度(出力ノ が大きいぼど加熱は早い。また,比 誘電率ほ水が約80(esu),土粒子が2、5であることが知られているので,士が水分を含んだ場合は発熱が著しくなる。 このように誘電加熱ほすぐれた特性を有しているので,原理的に電子レンジのマイクロ波を利用した士の急速乾燥が 有効であることが理解できる。 試料および実験方法 1試料の選定 実験に供試した試料は7種類であり,それぞれの物理性は表−1に示すとおりである。これらのうちでカオ■リン,ベ ントナイト,フライアッシュ,標準砂の4種は市販の試料であり,それぞれ粘土,シルト,砂の各粒径を代表するも のとして供託した。また他の3種は香川県内の丘陵地から採取した風化残積士である。 表−1 供試試料の物理性 真 比 重 砂 分(%) シルト分(%) 粘士分(%) LL(%) PL(%) 567 40 4 3400 45 8 (344) (323) 358 23 3 64 4 38−7 408 304 \−ノ 8 1 2 0 8 6 7 2 1 1 7 9 //■\ 0 0 5 0 9 8 8 0 2 4 6 1 \ノ 2 9 3 0 3 6 5 2 9 4 3 1 ︵ カ オ リ ン 2。69 ベントナイト (255) フライアッシュ 2 16 標 準 砂 2 64 由 良 山 土 2 64 五 色 台 土 2 75 力 石 土 252 表−1の実験を行うに際してほ,風乾後2mmフルイを通過したものを供試し,.IISの実験法を適用した。表中ベント ナイトやフライアッシュの結果の一部には,原理的にみて.†IS法による測定でほやや信頼性に欠けるものがあったの で(カツコ)で示した。また標準砂のL−L,PLほ測定不能であった。 2 実験方法 マイクロ波による土の急速乾燥の実験方法としては,直径10cm,深さ2emの平底蒸発皿を用い,加水後ねり返しを 行ってペースト状にした試料20gを入れる。この畳は秤量ビンを用いた含水量測定時の一・般的質量とほぼ合致してい る。電子レンジによる加熱方法は,試料を入れた容器を3個ずつクーソテーブルの周囲に等間隔で置き,200Wと500 Wの出力により加熱を行い,それぞれ5分間隔で質量を測定する。 (1)含水量測定の場合前記の操作を前回測定め質量との差がなくなるまで行い,そのときの含水比を最終含水 比として.1ISの結果と比較する。 (2)風乾の場合前記の操作を別に求めた風乾試料の含水比と最も近似するまで行い,その含水比の下で行った 土壌の物理性実験結果を風乾の場合と比較する。

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すなわち,含水量測定の場合には,電子レンジ内で平衡状態に達した最終含水比がJIS法の結果と合致しているか 否かを判定の規準とし,風乾の場合には,電子レンジによって風乾相当含水比まで急速乾燥させた試料で物理実験(液 性限界,塑性限界試験)を行った際,風乾試料を用いた場合の測定結果と合致しているか否かを判定の規準とした。 これらの実験方法の選定に際して,容器は前記した徳永らの試験(2)を,また実施方法については目黒ら(4)の試験を, それぞれ参考にした。なお,電子レンジほ日立MR−250型を用いた。 実験の結果ならびに考察 1 含水量測定への応用 表−1に示したそれぞれの試料に対する電子レンジ加熱時間と含水比との関係は,囲−1−5に示すとおりである。 図中の破線ほIISによる含水比を示し,黒丸は200W加熱の,また白丸は500W加熱の結果を,それぞれ示している。 ︵沢︶ 岩音布 電圧 1() 20 加熱明朝」(mitl) 図−2 砂,シルト試料の乾燥特性 lり 20 30 加熱叫l川(mln) 図−1 粘土試料の乾燥特性 ︵㌔︶ 老害郎 ︵訳︶ 当煮00 10 20 加紬l川】(mln) 1(1 加l熱帖問(nlin) 20 30 1() 20 加熱相聞(mln) 図−3 由良山士の乾燥特性 図−4 五色台士の乾燥特性 図−5 力石土の乾燥特性 これらの固からわかるように,一般に200W加熱の場合にほ20∼30分で,また500W加熱の場合には10−15分で,そ れぞれの含水比が.IISの測定値に近似している。回帰分析の結果では,.γ電子レンジ測定含水比とγ・HS測定含水 比との関係ほ,200WX’25分の場合 .γ=099.ガ+087 (γ■=100…り また,500WXlO分の場合 γ=0−96.芳+141 (γ−=100…) となって,それぞれ最も高い相関が得られた。従ってJISの方法に代わって電子レンジ200WX25分,または500WX lO分の測定結果を採用しても十分実用に耐えるものと考える。ただし図−1にみられるように,ベンけイトの場合に ほ電子レソジ測定の含水比がやや過大となっており,また全般に500W加熱の場合は200W加熱より含水比が大き目と なる傾向があった。 電子レンジ内の試料の温度測定には技術的に問題点があり,たとえば棒状温度計使用の場合,試料の温度ではなく

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98 香川大学農学部学術報告 第39巻 第1号(1987) 検知部の水銀またはアルコールの分子運動に基づく温度測定となるおそれがあること,また熱電対やサーミスタ等金 属の使用は放電を伴い危険であることから,直接検証することはできなかったが,500W加熱の場合には平衡温度が IIS規格の110℃以上となっている可能性がある。古河ら(5)によれば,600W加熱終了後ただちに試料を引出して温度 を測定した結果,試料の質屋が10gを超えると乾燥終了時の温度が110℃以上となっている。従って土の含水量測定を 目的とした場合,できれば200WX25分を採用することが望ましいものと考える。 2“急速風乾への応用 表−1に示した各試料の風乾含水比と,電子レンジ(200W)で加熱した場合の加熱時間と残留含水比との関係を示 すと表−2のとおりである。なお,表中の残留含水比の億は,電子レンジ加熱後のそれぞれの試料を再度炉乾燥(.HS の含水比測定)することによって求めた億である。 表−2 風乾含水比との対応 電子レンジ加熱(200W) 風乾含水比(%) \ノ % \ 分 5 1 20 分(%) 1、. % .\ 分 5 2 ソ ト ユ イ シ リ ナ ッ ア オ イ ン ラ カ べ フ 0 9 0 0 1 6 1 5 2 9 1 6 3 6 4 00 5 4 7 2 3 9 4 5 4 0 2 0 1 2 4 4 9 1 0 0 2 0 5 4 4 5 9 5 5 1 0 ハU O O O O O 5 1 2 0 5 9 2 砂土士土 山 台 石 準 良色 標由 五力 この裏からわかるように,一・般に電子レンジ200W加熱により試料を風乾状態にするのに要する時間は15∼25分の 間であり,風乾含水比が小さい試料はど長時間を要する傾向がある。また図−1∼5の含水比測定の場合と比べて各試 料間の偏差が大きいことから,実用上は200WX15分加熱後に1日程度風乾させるのが適当ではないかと考える。すな わち,電子レンジによって試料を風乾状態にするには,非平衡状態での測定が要求され,特に試料の畳や試料中の水 分量の影響を受ける点に問題がある。表−2の結果ほ試料が20gX3個=60gの場合を示しており,士の物理性試験 に供される試料の畳は血般にこれよりかなり多屋となる。試料の畳と乾燥時間とは正比例関係にあることが知られて いるので,それを衰−2に適用すれば乾燥時間は15s/gとなる。これを応用すると1kgの試料が4時間余り(+1日) で風乾できることになり,従来行われていた数日間に及ぶ風乾と比べて十分実用性があるものと考えられる。 つぎに,風乾試料ならびに風乾相当含水比まで電子レンジ加熱した試料によって液性・塑性限界試験を行い,急速 乾燥が士の物理性に及ばす影響を検証した。その結果は表−3に示すとおりである。表中フライアッシュと標準砂は, 液性・塑性限界試験が不可能であったので省略してある。 表−3 物理性実験への影響 風乾 電子レンジ加熱 LL.(%) PL。(%) LL(%) PL(%) カ べ フ 標由 五力 ト オ イ 良色 567 40 4 3400 45 8 (344) (323) 35.8 23 3 64 4 38“7 40.8 30 4 イ シ リ ツ ナ ア 準 58.1 3711 3103 41 4 ソ トユ砂土士士 ン′ 一牒 ﹂1 月 6 6 1 3 6 4 一て。用 ﹂ 2 5 0 2 3 3 石 この表の結果に対して,風乾試料と電子レンジ加熱試料との相互間におけるLL,PL値の平均値の差の検定を 行った結果,ベントナイトのみが有意水準5%で統計的に有意な差を示した。従ってベントナイトのように活性の高

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い粘土の場合には,電子レンジによる急速風乾の実施は好ましくない影響を及ぼし,その原因は結晶水の直接加熱に よる粘土鉱物の分解によるものと考える。 3 ま と め 電子レンジを利用したマイクロ波による士の急速乾燥ほ,実施にあたっていくつかの配慮がなされれば実用上の可 能性があるものと考える。すなわら,秤量ビンを用いた一腰的測定量20gX3個を対象とした場合,含水比の測定に は200WX25分の加熱によって十分な精度が得られ,また200WX15分の加熱後一億時間放置すれば,風乾試料を用い た場合と類似した実験結果が期待できる。出力を500Wに高めれば所要時間はさらに短縮できるが,実用上の誤差は大 となる傾向があり,平衡温度が110℃以上となっている可能性が高い。 試料に対する適用性としては,ベントナイトのように活性が高く,結晶水を多く含むと考えられるものを除けば, ほぼ満足できる結果が得られたものと判断できる。 引 用 文 献 験の検討(第1報),第20回土質工学研究発表会講 演要旨,139−140,(1985). (5)古河,藤田:電子レンジを利用した土の含水量測 定試験について(その4),第20回土質工学研究発 表会講演要旨,151−152,(1985). (1987年5月18日受理) (1)矢部勝彦士壊水分の測定法,土壌の物理性,41, 90−94(1980). (2)徳永,梅村,飯野マイクロ波による土の急速乾 燥について,土と基礎,18−5,1ト19(1970). (3一)たとえば 日本工業新聞社電子レンジ・マイク ロ波食品利用ノ、ソドブック(1987). (4)目黒,成山:電子レンジを利用した含水量測定試

参照

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