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共同海損論序説(二)-香川大学学術情報リポジトリ

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(1)

船舶積荷が海の危険に曝されたる場合、その救助に閲しで判事の抵籾する態様に二種類ある。一は

救助行焉によ勺船舶積荷の一部の利益は犠牲に供せられるけれざも、救助をなさーれば船舶積荷全部

の利益が危険に脅かされ?救助行薦の結果犠牲に供せらるべからし利益も亦運命を共にすべき場合之

ヽ、ヽヽヽ

である。従ってこの場合に於けしる救助不利益は共同の危険の回避に貢献するものである。他は救助行

鰯の結果は危険に曝されざりし利益を犠牲にし、救助をなさやれば救助行焉の犠牲ドニはるペかりし利

益には何等の損傷を兼さ∨るべき場合之である。換言すれば危橡に曝された右利益宣救助の犠牲ビな

、、ヽヽヽヽヽ、ヽ、、ヽ

るべ.き利益ビが轟然別個のものセあつて、所謂地の利轟のためにする犠牲の場合を構成するものであ

ヽヽ、ヽヽヽ

る、前の場合は更にそり詣ふドニころの共同の危険が、海上危険囲階たる船舶稽荷の全部を脅かす場合

、 だ、積荷のみ若しくは船舶羊蹄定の積荷のみを脅かす場合ピに区別するこぞが出凍る。而して所謂班

、ヽヽヽ、ヽヽヽヽ、ヽ

き範観に於ける危険閻慨ビほこの最後の場合に構成せられ′るものである。先づ前者即ち廣き範囲に於

て危険囲髄の構成せられる場合から述べる。

共同韓拇論序説

共同海損論序説

︵六七︶ 六七 l J

武 三

(2)

︵六入︶ 六入 賂二巻 弗\一族 船舶構荷金槌料脅かすご=ろの共同危険を回避せんために船長に対して輿へらるペき特権に陶して 各細菌性の規定する誓j力は必ずしも完壁でない。解団商法に於ては、櫓長は船舶の修繕費の支卵又

は食料品の調達のためにするにあらざれば、船舶及積荷を儲入し若くは積荷室員却するこどを得ず、

但し緊急の場合にほ積荷ごして解語せられたる食料品を消費するこどを得る旨を規定し︵謂配炬四︶白

河商法︵兢耶及︶、示観商法︵宗野西嘩商兇変‰謂︶並に南霊園溜法亦思商警苦らない

伊園商法は船長に射して神慮き特樺を輿へ︵伊蔚五〇八及五〇九條︶、狗観商法は比揆的最良品元金である。

錮研摩怯に於ては、助長は各利嘗蹄係火の代理Åせしてその刺森の陀めにする外、航海を完結す阜

ため必要なるどきにほ船舶並に積荷を彪分し得ぜなす。即ちその五二八條は懸舶に駒して規定し、

師舶の修繕、い救助その他航隠を完結するため必要ならば、普通の借財をの他の借用取引をなすこどを

梅べく、船舶を胃険貸借の目的ごなすこどは航海を完結するに必要なる場合に限るペしだなす。そS

規定する解長の特確たるや、法梓術為に′関するものゝみ粍れぎも、船長は航海技術上の必要より、Ⅶ解

舶並に属具を危険に曝らし或は之を毀損するの権能をも有するや、自明のこどに属する。まね五三八

健は積荷に閲しで規定し、敵長は積荷の利益の雷にする外︵謂票蒜駅前海㌢綾響か雷必要

なるどきには、積荷密胃険貸借の目的に供し、又はその一部を繋却若くは消費するこヾjに依って之を

慶分するこ差掛昌を掛定しでゐー蓋語蔽琴

(3)

狗鱒商法に於ける是等の規定に依って、個々の利益は登健の利療のために犠牲に供せられるこどあ

るを知軒得る。而して胎舶積荷の金城め危険の存する傾合、又凋航肇の中絶を見んせする虞みる場合

痔は一般長ほ正にかゝる犠牲をなすの償樺を有する。船長は海上固鰭の利益の叫部を犠牲に供するの

樺碓を有するものであつて、必ずしも各利害関係人の有する利益の鵬部のみを犠牲に供し、磯部を併

存し、かくて各利奮闘係人のために航海を完結するを要するも・のではない。渦園商怯の制定に際しで

むかくめ如き要求は正鵠を待ざるもの・どせられた畠のみならず、贋際の需要にも適しないものである

佐一つて極端に云へば、・船長は椒舶のみを救助する目的を以で、金積荷を弟外に投棄し又は薦荷のみを

救助する目的を以て、船舶を犠牲に供するこども之を聴くし得べき筈であつて、この二場合牢﹁登部

ヽヽ、ヽ

の犠牲﹂︵TOta官fer︶ビ名㈲けて置く。.素より全部犠牲の必要な・る場合は、攫済上から見ても航海技術

の立場から見七もあまり頻繁でないけれざも、砲無三富ふこせを得ない。蓋し船長は海上樹鰻重部の

利益を対はぎらんがために、その利益の∵部署ぐぼ大部分の犠牲を止むを待サミ与すこどがある。例

へば漕に沈没せんどする船舶よりせめで積荷だけなりごも救助せんが焉に、船舶を保存するの期待な

くして渡瀬に乗上けしめるが如き、或は船舶だけなりども救助せんが焉に1会稽荷を船外に投棄し若 くは隊料に供し一着くは頗罪傘ごtで虞扮するが如き場合之である。 全部犠牲は前掲鶴騎西法垂二八條の発音解輝かむは之を許さトるのみならす、をの制定k際しても 舞岡時務論序説 叶 ︵六九︶ 犬九

(4)

︵七〇︶ 七〇 欝二、巷 弟一班 鞭長は冬積荷室員却するこだ計得ざる旨哲例語してゐる、︵﹁utz−P−OtOkO︼訂S・監のN︶その理由ビす各 号︼ろは.斯の如き犠牲は共同の利益のためにするもの亡者ふるこどを得やだするにある。けれぎも 全部犠牲の必要なるこ亡ぁるは匪に例示したる如く.にして∵之を共同海損亡して取扱ふの結果は、犠 牲にせられたる会稽荷も亦その慣償の蔑分封賠償せられるを以て、結局に於で全部犠牲に依って利益 を受けたるこどゝなるのであるC我商法は極めて狭い範囲に於てーはあるが、明文を以て船長の全部 犠牲の標餞を認叉鶴鮫︶著しその犠牲が共同の危険を回避するの目的より出るだきには共同海現を 構成するものなるこミ我国に於ける畢籠の叫致する誓︼ろに属する。 航海の鰻綾に支障を蒸さす、換肯すれば共同の安室の膚にするのでほなくて共同の利益の托めに、 船長は積荷蟹靂分し得るか香かに裁ては、疑問を存する。この場合放鳥は犠牲に供せらるペき利益の ために、各利益の分拾に依る頗償・曾懐件ビして、犠牲の必要ある場合に限り之を髄し得るのである。 斯の如きは船舶積荷の一部の利益を犠牲にするこごに依って、全部の利益が要すペかゎし莫大なる登 用を節約し得るが如き場合に於て、その寮術計見るを普通ビすを。之を﹁費用の節約﹂︵KOSteコerSP 彗コ訂︶亡云ふ。

、、ヽ、﹁、ヽ﹁ヽ、

共同の危険を回避するためにする犠牲は、由緒僧侶大なるものゝ優先な・る原則が無條件に幕営する どころの範囲を構成するものであつで、猶観商法五三九傑は規定して日く。﹁共同海損の必要を存し、

(5)

数多の手段に依って之を救済し得る場合には?唐長ほ利害関係人に最少の不利盛を蔚すべき手段を選

揮するを要す﹂ミニの規定に放つで、解長は積荷に関する療舟行璃中より選繹をなし得るのみなら

ず、船舶に関する彪分行男中からも選種するこどを得るのである。換言すれば、解長は或は積荷を庭 番し、或は櫓舶を慶卸し㌣、船舶積荷の絶利益に射して最も少き不利益を殊さしむるを要する。而し で共同海損の精算の点から見て最も少き共同の不利益を見た場今に於て、各利害関係人は最も有利な る結乗を得るに至る。共同海損を構成する場合、船長はをの彪分を選繹し得るのみならや、之を構成 せやごも航海を抱頼するため慶分を必要どする場合に於て、亦然りどする。我商法五六八條に於ては 船長は船舶の修繕農、救助料、其地航海を蒐横するに必要なる費用を支耕するためには、廟舶を抵富 まし若くは借財をなし、、叉ほ積荷の全部署くは†部室買却又は質入するこどを得る旨を規定し、猶囲 商法五 胡○條に於ては?解長ほ先づ普通の借財その他の信用取引に依つ、て得たる資金、轟くは船舶を 胃散貸借の目的に供するこどに依って之を支耕すペく、著し籠等の方嘩に依って必要な右資金蓉調達 し得ないごきには、始めで積荷を廃分し得を旨を規定してゐる。而して何れの静荷を如何に虜分すべ きやに裁ては、一船長は総利益に轡して最も有利なる結泉を癒すべぎ手段を以てす′べきであつて、翠に 積荷の常却よりも質入を先きにすべき制限を受けるのみである。

ヽ、ヽヽ﹁ヽ﹁、﹁ヽヽ、

海上囲髄の金牌を脅かさず、常にその∴部なる所謂炊き範囲に於ける海上鳳鰭を脅かす亨︼ろの危 共同海損論序説 ︵セ〓 竜一

(6)

第こ:傘:琴一紙 竃こ︶ セこ 険を回避するための犠牲に裁ては、各麹菌法の魂定する字−ろなく遍固商法も亦沫新してゐる。然れ ぎや、船長ほ既に述べたる亨︶ろに準じ1て、虞僚し得べき筈であらねばならない、狗観商法の制定に 関する委員倉の討議に於ても、亦明かに之を認めてゐるズ﹁utz∵Pr。t。k。巳eS・NdO−N望.u当山し例へ ば船長の距離蓬賃取立義務に関する討論に於て■も之を見る。蓋し、運選奨約が航海の途中に於て終了 する場合、船長は船主のために椅荷を資却又は質入して、距離運賃を取立てぬばならんこざがある○ この場合轍長は、各横間の叫部を琵却するを聾するものにあらずして、娘婿荷の一部を靂分しで、各 積荷の魚拇しヤる渡膚扇支排に発雷し得るのである。かやうに、各席荷の負跨し.たる運賃支彿のため に資却せられセるものは、則ち共同の危険を呵避するために犠牲ごなりたるものにして、共同海損に 準じて取政はるべきものである0 共同の危険を回避せんごすろ′場合に於て、その焉に供せられたる犠牲は後日精筆せられ1これに依 っで危険の回避は犠牲に供せられたる利益の所有者をも亦刺する結果ごなるのである。されば船長が

ヽヽヽヽ

、ヽヽ

、ヽヽヽ 船舶積荷の利嘗抵触に際して有する靂分権は、果して之を躍利制限ビ冒し得るか、寧ろ犠牲に供せち

れたる積荷のためにしたるもの、換言すれば個々の利益の保護のためになしたる藤倉にあらずやミ観 せられる。現に猶観に於ける叫部の畢磐はこの見解を棒してゐる。︵﹁ewis、Seerecht−∽g串芦∬Le手 SeerechtぎEコdeヨaココSHaコdbuch仰1︺−碧ヨ・︼ゆ雫︶ 按ずるに、僻令犠牲の精算を度外成しても︵

(7)

犠牲り結果は犠牲に供せられたる利益の所有者に有利なるこどなきにしもあらす、犠牲に供せられた る積荷の所有者が僻地に高僧なる積荷を所有する場合に於て然すである。然しかくの如きは蛍に隠然 の挙例に属し、必然的なるものではない。吾人は普通、一方に於て犠牲に供せらるペを財産を見、他 方に於で域療の効果を考へる七過ぎないのであつて、各科書関係人は相互に激しき和事関係の衝突を 成やるのである。のみならす犠牲の精算あるに依って常に利害の帳鰯が全然除去せられ、各利害開傭 人灯射して有利なる結果を節すものなりビ倍するこどさべ甚だ疑はしいのである。その嘘由左の如く である○ て、金餞を以てする賠償ほ財産の現賓なる保全芭同一の意娩あるものではない∵殊にゐ用徴収の場 合に於ても個人は賠償軒受ける。而して個人は公共閻鰭のご貝にして、、徴収の結果利益を享受するも に倣って相違する℃成る利益は極めて容易に救助し得る場合あるに鞠らず、犠牲の精算に際してはこ のな︰るに拘らす、之皆稀し箪樺刺の行使ビなさす、標利の干渉ごなしてゐる。 二、犠牲の精算は常に必ずしも各利啓開係人の利己心汗二致せ⊥め得る程完全なるものではない。 舶舶積荷が共同の危険に曝されたる場今昔し之か個々別々に救助する㌻のぜすれば、ゝ救助は各利益 の革質は殆ざ考慮されない。或る碍荷は停めて安偶に畢猶に救助し得る場合ご錐も、船長は海上閻健 治利益の詫めに、畢猶救助を優して共同救助をなし得る。その結果、か∼る積荷は共同に救助された 共同綽務諭序説 ︵七三︶ 竜三

(8)

︵七町︶㌧ 七閉

啓三巻 藤一兢

るが故に、・畢狗に飲助され紹る場合に免除すべかりしよりも、大なる負澹を管けねばならない。果し で然らば、共同の利各の為にする船長の慶分は成る利軍関係人には損害を蒸さしめるものであつで、 之を伺そ打者の代理人ビして、その者の利益陀めにするもの三富ふは穏普でない。 共訂の危険に際して、船長に輿へられだる虞分権は各利害関係人の権利官制駁したるものなり号 又はそ、の利益を保護せんざするもの掠りやの問題は、一の質問に対する答耕の如何に依って解決せら・ ■ れる。各利害閲係入は共同砂危険を回避する化めにする財産の犠牲を、僻長に射して禁止し得るや否 や、又は財産の賞慣以上り 蘭を宿するこごが承認せられたる場合に於て、始めて船長の為すどころの犠牲は各利害関係人の意思 を推測してなしたる虞分ごして、各利益の保護のために為したるものどしで、之を軌するこどが出家る 各利害関係人にかくの如き樽髄なしごすれば、その犠牲禁止樺の否認せらるゝ二とニーろに、則ち各 利害関係人の有す 猶観商法の痕定す㌃≡︼ろを見ても、叉その立法委員曾の討議に於ても、船長に賦興せられ托る慶灯 標の否認を承認したる如ぐ思は㌃ゝ誓去寸竜も甘く、海上交通の要求するゾご︶ろから見ても酸長の 据射的なる樺籠こそ必要なのである。・ざれぼこそ、何れの陶の商法規定を見ても、利奮闘係Åは共同 海鼠に際して彼の利益が犠牲に供せらるゝを禁止するこむを得る旨を規定したるもの﹁ピしてない。

(9)

共同海損を構成せサ、現に航海哲臆穂するため必要なる場合に於ても、解長は前に述べたるが如ぐ蔑

称々庭分し得ペく、荷まは椒長の小靂分樺を否認し待ないのである。唯擁観及傲法系譜観の海抜に放

てのみ、荷主は渾賃を支彿つ七稽荷を受取㌔その慶分を免るゝこぞを得る旨を規定してゐる︵詔ヒ ヽ.ヽ、、﹁ヽ、 畑朗諾︶

吏に、嘉きに浅べねる如く権利制限め腱痘的教展に徹しノ、また今日少教の観の商法が利害掬

、﹁、ヽ

ヽ﹁ヽ、

係人骨線の化身たる船内合議に戟で姐定し、酔長は利害関係人禽議並に磐貝曾議の決議正反しでも彼

の最膚ビ倍ずる庭▼盈を探るこだが出家るビ明言したる≡−ろから見でも、船長の靂分に反封し又は之

凄簸め禁止しても†有効ならざる・こ︰どを知をに足る。

確荷の線遽人ほ蓬逢契約を解除して廃港の魔分を免れるこじを得ろか?茎しかくするこごが荷葦し

有利なるこだ従々ある。賓紺を馨れば一船舶は問題の金貨を納吟たる⋮袋ぎ、他に貨物を積載し陀る

ま∼にて兼観の海岸遮くにて氷結の厳に遭ひたればっ件の金貨は殆ざ何等の壁用を要せ、やしで陸瘍せ

られ、域道に㌣浄的地に携通せ

この場合、金貨砂荷主が蓬賃を支誹って契約を解除し、歯猶に救助哲なし得るものどすれば1後には

甚だ有利ならんも、

は金塊その隠の高慣品を自ら保管して航海し†危険に際して亦乱ら之を救助したを者は共同准償を分

野せざる旨妙規定したるものあり、ま佗現今に於ても傲観商法及び併紡糸の商法に於ては前にも述べ

幾回浮損論序敢 ︵セ五︶ 七五

(10)

︵七大︶ セ大 弟∵二ふ苧㍉∴第一披 たる如く積荷が船主の負躇に属する登用文辞の串め犠牲に供せられaの虞あも亡きには、遅達案約を 解除して之を免る∼こだを得ごなしてゐる。狗画商法も亦その六三八條に於て、船舶が航海の途ヰに て修繕せられざるペからざるに至ったどきには、荷重ほ運賃その他負玲に属する費用を支排って、痕 荷哲引取ち得る旨を規定してゐる℃この規定は船舶が修繕以外の理由にて航海の途中た於て碇泊する の虹むなきに至った場合にも適用せられる℃立法委員合に於ては更に進んで、積荷を引取らしめるど きには、婿凍の海損︵Nukuコ琵笥Haくereieコ︶に射すを敵舶の分鎗を塞からしめるどきだ堆も、、荷まの積 荷引取権を否認するの理由ドニはらないご去ってゐる。手utz︸PrOtOkOコeS・澄切頓︶然し、轟まが積荷引取 樺を行便せんざする際、既に船舶積荷の現に曝されでゐる危険を阿避するための救助費用は、果して 、ヽヽヽ、 鼎凍の海現せ解し侮るや否や恨依然富しで疑問である。 、ヽ、﹁﹁ヽ、﹁ヽヽ、 他の利益の腐にする犠牲の場合に於て敷長は抑もぎれだけの犠牲行男をなすの権限を有するかに執 七は、各閏商法の規定十やでない。我幽に於ては、商法空ハ八條及び五七二條の洩定あるのみ。猶歯 に訟でほ商法垂二八條に於て﹁五三玉健の場合︵積荷の利益のためにする場合︶を除き、解長は航海を 絶縁す牟た軌に必勢仏る範囲に於てのみ、積荷を胃険貸借の目的に供し、又ほ繋却若くは滑螢に放つ 七、積荷の︼′部を廃分するこぞを待﹂ざ規定し一て原則を定め、壷四〇健に於てはこ∼の原則に基づい て更に詳細に規定せん自的より、をの第一項に於て﹁船長は積荷を国際貸借の目的に供し、又は常却

(11)

若くは消費に依って積荷の﹁部を廃分するにあらすんば目的を達するこぜを得す、又は之に依るにあ らすんば船まに非常の損害を蒸さしめる場合に限ト/、之をなすこどを得﹂ごなし、但し、共同海損を 構成す、牒ごきはこの限にあらざる旨を胃嶺に掲げ、第二項に於ては﹁船長はか︵の如き場合に於ても 窺荷は之を船舶並に蓮賃ビ共に胃険貸借の目的に供するを螢す﹂どなして、独りに積荷を質入せしめ ざちんこごを期し、夢二項に於ては﹁蒋荷の胃除貸借に依る廃分は、積荷の茸却に先きだたしむるを 要す﹂どなtて、、賢却の如︳地勢的廃分を可及的に禁じ、胎まの経済的損失を考慮して﹁胃険貸借に 依る庭分を以てしては般まは非常なる損害々蒙らざるペからざるどきほこの限にあらす﹂ビ但書して ゐる○ 狗幽に於ける叫部の聾者はこれ等の規定よb更に進んで∵船長は凡ゆる積荷を一入に屈する財産官 署倣し一の積荷を、賠償を條件ごして他の稽荷の利益のため・に犠牲に供するこぞが出凍るどま張しハ

︵Ehreコ㌻甲 Besnhr賢te H旨コ‡esSchu一dコ甥S S.00ごf讐Nニ.︶他の畢者は之に反射する︵﹁ew訂.

S2e−enht,Sgぬ2・∬ ﹁ewis Se2−eCht iコEコdeヨaココS H当dbuch 仰心︼−ココヨ・−叩ff・S篭rf︶接するに、

前者は積荷全髄を以て共同問髄︵G2ヨeiコSCha評︶を構成するものビ見るものであるけれざも正しくない 、.、 禰細菌性五三八條も航海を絶唐するねめ必薬なる場合なる共同の利益に関係する場合に限り、専ら地 の利益のためにサる犠牲々禁じてゐる。我商怯五六八條及び五七二條も亦同様である。親臨商法玉田 共同海損論序説 ︵竜カ︶ 七克

(12)

荷を他の荷荷の利益の陀めに犠牲に供するこどを得ビ立野したのはあまりに贋きに失するどほ云ふや 、ヽ、﹁﹁、、ヽ、、 のゝ、慣億大なるものゝ鐙免なる原則に胚胎してゐる。而しで共同梅損の制度は賓にこの原則を承認 傍こ、容 儀−鱗 ︵セ八︶ 七入 0條第一項後段、並に儲三項但昏に於ける非常な護損害を免れんための靂分に於ても、立法委員骨の 理由づ、けるざ為に依れば、航海の中鹿に依って被るべき革同の損失を恐れるがためであるビガして ゐる。︵﹁utN−′P邑。k。ニe∵SトN$空船畢は僻まの優傭人なれば、稽荷を船室の利益のため拉犠牲に供 せん宣する場合にはノ、勒もすれぼ濫用の弊に陥卜易い、従うて廟長が船主の利益のために積荷ぉ庭分 せんピサる場合を制限し、航海臓撥克る華嗣、の利益を靡すべき場合に阪わ、専ら恕まの利益のヤめに のみ贋荷を靂分せんこざ牽許さないのは轟だ嘗を待てゐる。然しこめ制限を薦荷相互間に授用するこ どは磯雄ない、向≠ゼなれば一の積荷りセめにする他の穐荷の犠牲の瘍合尤は、触まのためにする場 合に於けるが如く俵情慮負の魔鹿が想像せられないからである。 ために他の積荷を披牲に供し得どのみま節したの、は正しくないJ。共同潟損の形式を構成しない場合に

は、・専ら轍舶のために積荷を犠療に供するこどは賓際上山理由か

ら許すペからざるものではあるが、

聴荷の利益のために触抑お犠牲に供するこどは之を承詭すべきものである。換言すれば、船長は十の

したるものに外ならないのである。然し、 免きに逓

ベだる如くエーレンギルヒが療荷重囁を以て†の畢同固鰹を構成するものざ考へ、一、の潜

エーレンペルヒが積荷の陶鰭を想像し、︳の潰荷の利金の

(13)

ヽヽ⊥▼、ヽ 積荷の利盛のために砲の積荷荷くは船舶を犠牲に供する=どが摂家る︹−然し、かくの如き地の利姦の ヽ、﹁ヽヽヽ、 セめ、にすろ犠牲は非常なる韻書∴、Uu高rha芹コissヨ紆si笥コ。︶哲避けんどする場合にのみ許さるべきもの である。のみならや、犠牲に供せちれたる稽荷の所有者に封しては畢なる損害胎償請求樺を輿ふるに 止まらすして、捧保論求標をも輿ふべきものである。 澄するに各利害関係人は彼の所有にか∼る利益が他の利益のために犠牲に供せらる∼を、務め禁止 するこどは出家花い。然し、共同の危険の存せざる限り、彿法系諸蘭の商法が﹁般的に認めてゐか如 ぺ、積荷お引き取って犠牲に供せられん羊するのを免れるこどは可能である・。 右述べ凍♭たる字jろは船舶積荷の利害抵触の有桟、・並に之に際して塵長の普に探るべき彪慮を明 かにしたるものである。之に依って何れの積荷が如何な・る場合に犠牲に供せらるべきもの汁アりや、従 ってまた共同晦損の基礎的観念をも自ら明かにLたつもわであるが、甫傭船積荷を脅かす≡︶ろの危 険の推測並に鹿舶顔荷の各利益の藤償、殊に特殊なる利益の詐偶に執て簡畢に述べ、、最後畑船舶積荷 の各利害関係人が自ら廃港せんピ欲する場合に於ける船長の地位並に樺阪を泳べて、本稿を終りたい ビ思ふ。 ヽヽヽ、、 ヽヽ、ヽ、ヽヽヽ、ヽヽヽヽ−ヽ、 船舶積荷が解除に脅かされ光る場合、酔長は危険毎犬さ若くは危険の蘭す不利益ビ救助の節す不利 ヽ 益ビを推測し且比較し然る後救助に着手するこごが出凍る。素よわ海の危険の性質上並に賓行上これ 共同捧頼論序説 ︵七九︶ 竜九

(14)

多こ懸 魔∵妨

︵八〇︶ 八〇

ヽヽヽ

等不利益を多少ビも正棟に痕執し且比較するこまは、殆ど不可能事に属するこせが多い。されば之を抽

象的に諭するの成柳か基諭の廉があるけれども、共同海現に関する放理を理解する上に於ては必要止

−、、、、

むを得ない。発きにも述べたる如く、船長が救助和名を為さんどするに普っては、山方に危険の太さ

、、▼、、、、▼、、、﹁、ヽ、 若くは危険の厨す不利益を推測し、他方に可髄なる一着くは数多の救助不利益を封宜せしめで、海上

囲髄の線利益に勤して最も少き犠牲をむすのである。而して後者の不利益ほ常に前者の不利益より小

なるべきは普然の事である。また海上靭髄の登酷を脅かす危険は最大にしてその一部を脅かすに過ぎ

ぎるものは比揆的小である。然らば海上囲鰹の二部に射して翠猶救助︵Getra∃teRettuコ告が可能なる

場合之を如何に考慮すべきかであるか。その積荷を畢狗に救助しても普該積荷に射して何等特別に有

利なる結果を蘭さない虜合には、躯長は翠燭救助の可能性を考慮に入れる必要を韓たない、宜しく共

同救助を採るべきであるい著し畢猫救助が何等か特別に有利なる結泉を厨すが如き場合には、触長ほ

翠猫救助の不利益を以て患該稽荷の被るべき不利益の最大なるものぜ考ふべきものなるかの如く思軋

れる。然しその畢猶救助が可成確賓であり、そけ可能性が永擬的であら、共同救助失敗の後にも伺存

腰するが如く考へられ名傷合に於てのみ、左様に考へるのは正しい諭その時には畢猶救助の−可能性は

危険の節す不利益を減少し、その腐す不利益は畢猶救助に必要なる頼まで低下してゐるもの呈草へら

≠る。遡るに畢狗救助が共憫救助ど畢に迭揮約に可能なるに過ぎないどきには、助長は金牌の利金を

(15)

顧慮すべき立場にあるを以て、翠猪救助ノは之を賓行するこどを得ない。その時には畢猶救助は事賓上

可能でないのであるから、危険の節す不利益は何等碗少せられてゐない。船舶積荷が危険に脅かされ

セる場合に於て、著し救助をなさいれば如何なる結果を生するか、換言すれぼ金利益は一棟に全損に

なるか又は金利益は各々程度及び挿類に於て異なりセる損害を被るに至㌫かは、船長之を考慮するを

要しない。精藤に云へば鹿除の性質上統一的救助を必要どする場合には、是等二秤の危険を区別して

考へるを要し、ない。然し後者の危険に於ては奉賛上質猫救助の可能性が伴ふこごは多い。

船長が救紳術焉をなさんどするに嘗つては、危険の大きビ救助のネ利益ごを放校軽蔑するこごを要

し、その危険の大さは危険に曝されたる利益を許僧す・るニーぺに依って知られる。船長は如何な.る利益 を保護すべく、如何なる利益.を保護する卑要せざるか並に轍長は保護拇固標々有せざる船舶所有者

及び保険者等の利益ヒ堆も之を顧慮するを要するこどに裁ては、既に述べた。要するに贈長は保護す

べさ利益を評債するを要する。免れざもその利益の犬さは般長に於て之を正確に知畠こごを得ぎるを

以て﹂原則ごして鞭長は各財産を客観的普通の僧侶︵GewOhコ雰heコW2活、a訂O G2ヨ2⋮コeコSachwerte︶ に於て之を詳債するを以て.足る?かくの如きは、世界各観の法辞に放て共同海損の分揖に願す争原

理に依って、ノ承認せられてゐるぎ⋮ろのものであゃて、何等籠明の要を見ない。然れぎも例外の

場各に於て、.危愴に曝されセ竃勘産止宣布す為非常の利琴︵晋登﹁qrde嘗ch爪 音溜SSeヱ∵並に触 共同海頓論序説 ︵入こ 八︼

(16)

弟土怨、第 ︼ 兢 ︵入二︶ 八こ 舶内に於ける人・中開する利轟も亦考慮を要すペきもの花り空曹やに就ては、大なる疑問を弄する。 個々の利害関係人は航海の無事なる終了に射し、、稽荷の客観的普通の惰低ま句邁かに大な恵利益 を有す資︼どがある。函へば⊥紡綺業者は療別なる構量を有すふ、若くは融あつらへめ機械の到着

を期待し、その着荷ぉ銭って初めて換菜に着手し得るものごせよPをの機械の滅失は該紡績業索に

は非常なる損失を蒸さしめるどは堆も、その他の常に於てはかくの如き機械は恐.らぐ殆ざ検慣し得 ざるを以て之に感覿的個億を認めないであらう■。次に﹂酸童は第三¢航海に畢しで既に蓬蓬契約を 締結し、その遅速契約眩彼に非常なる利益を節すべけんも、敵船り減失は乏が吸得を阻むもの怒る こミを想像せよ。寅に∴商人は晋買契約に於で、籍荷が期日に到達せざるどきには遽約金を支沸ふ べきこまを約したりどせば如何じ普通是等の利益は現賓に瞥該目的物の効用を増大せしむべき関係 に存するを以て、.蕾に個々の和琴関係人の見地からするにあら骨セし ヽ、、ヽ、 に特別なる犠牲をなすこドニ官許すべき性質のものである。姦よ・?かく.の如き非常のノ利益は≠船長之 を知れる場合に於てのみ考慮せらるべしく、之を知れろ場合富雄も左の二鮎に注意するこぜを要するヂ ︶ ﹁一の財産のために他の財産を犠牲持供すろこどは、潜償を條件空しでのみ許さるべ“きもので挙る。 ︵ 然るに常に主観的なる侶佐は、客観的慣位の如′、頗償請求標老に射して礫寮なる保線を輿へ五㌢妄 七倍償請求権は強制執行に・依って満足せしめられ五もぁたあちやして、畢に留脛に放つでせちれ魔の l劇︳

(17)

、ヽヽヽヽ であ各。申みならサー非常の利径は利啓開係人の人的醜係の更迭や、景気の慶化に依って消滅するこ ぎが多い。而針観性に供せられたる財産の賠償を∴かくの如き偶然の革質に依存せしめるこどは街中 、ヽヽ、、 を待たaものでない、されば非常の利益は或ほ利奮闘係人の人的費任を以て∵或は・物的拾保ぉ供して 賠償請求権を確賓に保澄したる場合東於てのみ、許さ畠ペきものでぁる√。 ヽヽヽヽヽ ︶ 二客観的普通の慣偲を脅かさぃる産鹿ビ錐も、非常の利益には不利盛なる結果を節すに萱そJせがあ ′し る。・航海の遅延並に勢家の場合に於て、藤に然サざする。この場合にほ、非常の御釜は将に敦損若く ′ は腐敗し易き財産き同税せちれる?而しで贈長は救助術焉の選繹に際して、積荷のかゝる事情若くは 性敦を考慮すべきもの撃りや否やに就ては、疑があも。由老成は輝定の碍荷の特別なる睦質の氾や、に その他の積荷が損零を破るペきものにみちすセ重森す左であもう。然し他の積荷の或る親等は、適乱 唸る分轄の方法に依づで之を除去するこどを得ペ′、、㌧船長にも亦非駐酪駒なる虞欝を強要す︰るに萱ち ぎる.ぺし。賓例を以て之を明かにする?﹂船舶に療載せられたる積荷の一部は療洲魔の冷肉よう成り 之を輸送する額舶は航海の途中に於て損傷⊥た。而し七、船長ほ避難路に入津して船舶を修繕するか 又は曳船を傭ふて程遠からぬ自的均に封建すべ衰や、執れかの廃置を探らぬばならないて著し常磐恕 採用すれぼ、冷肉を極めて愛惜に避難時に於て褒却せねばならない。蓋し避難港厄於て、之を目的地 意で輸送すノベき過昏なる他敷を見出し療穿いからである・。曳解を似てすれば、ぬ肉は之な救助す、るこ 共同海抵論序説 ︵八三︸ 八三

(18)

盛土㌧琴 ︵八四︶ 八四 ごが出家る。.吾人の見る誓Jろは依れば避難港に於て要すべき碇泊費用ざ冷肉の蛍却に因って生やる 損喜ごを呑算したる額が、曳解料を超過するも.のど想像せちれるどきには、船長は宜しく曳船契約を 術結すべきものである。.而して曳船料は碇泊登用ざ冷肉の損害軍の割合に依つ、で先づ分割せられ、冷 肉の損害に劉普てられたる額は之を冷肉の軍猶の負澹官なし、碇泊費用に割常てられたる額.のみは共 同海損亡し′て清算せらをペきものである?蓋しかくするこぜに依つ七、冷腐以外の財産も曳船せちれ たるこどに依って竜も損失するどころなきのみならサ、避難港に入捜したる場合よりむ有利写る碁盤 を受くるに至る㌧であらう。果して然らば、癖定の財産の毀損若くは腐敗し易き特別凝る性質は必ノや七 ヽ一﹁−﹁、▼、 も之を無視するを要せざるこごを知るべく﹁是等非常の利益は船長に特に通知せられ且充分なる保露 の存する場合に於て、之を考慮すべきものである。 殖舶内に於ける人の蓮命に結びつけちれたる利益は之を如何に取次ふべきやに裁ては、人命の塀造 ︵Erha芹uコりdesrebeコS︶ビ人の喩迭︵Bef守der苫巴さに分ちで諭せねばならない。人間の塵命ビ財塵ビ を如何に比較醗畳すべきかに裁ては、之を規定するこごを得ない、之をなすべき共通の規矩を歓くか らである。されば財産の保全のために人間の生命を故意に、行男の直接の結果せしで毀損す卑こ宣は 道徳上並に法樽上断じて許されない。然し、財産上り利益のために人命を危険に曝さしめ各こまは、 贈長その他の東員の常食の義夢であって、.彼等は免除を胃して各般舶積荷の保護に督らねぼならない

(19)

旅客に・はかくの如き義務なしビ碓も、筒若干の危険に曝されざかを得ざるべく、如何なる慣を排つで

もをの回避を要求するこどを得誓い︼。一銭れぎも如何なる藤原まで紗舶稽荷の利金のために人命を危険

に曝すペきかは、之は抽象的に規定するこどを得ない、要は各場合に臨んで解長の責任観念に訴へて

初めで輿へられ右。また、他人のために特定の八に存する謂は小財産樺上の利益ビ錐も、姦には何等

の意義を有しない。されば、艇長は扶養義務を宿する旅客若くは生命保険に附せられたる族客の生命

せ、他の旗客の生命ビを院別して考へるこどを得ない。∴般に∧命も財産侶位を有するけれぎも、そ

打慣佑は人に倍化してゐるものにあらざるを以で、細長は救助に際してかくの如き附随の要素を考慮

してはならないのである。

轍童女は移民合凪が蓮蓬契約又は雇傭契約に基いて、放客移民並に船員の連携並隼返還に閲して有

する利益は、右に埴ペたる誓︼ろビ異なりたる取壊を受くべきものである。評言すれば、惑ま又け移

民倉敷は℃遊客又は移民を臼的地に遅達するこざに依って運賃又は約定の金額を取得すべき利益を有

し、之を目的地よで逆送せざればその一部又は全部を失ふべき関係にあら。また船員の雇正に際しで

は、殖室は船員を雇入港まで蓬還すべき義務を有する。而して恵等の利益は鞭長に於て之を了知し、

且他の利害関係人の賠鮭請求曜に射して和音の保静の存する限り、之を他の普通の利金ビ異なりたる

取扱を受くべき性質のものでない。森に是等の利′金は、船長に於て之を了知せるを普通盲し、且飯に

典同港輯論片訣

︵入善 八蕊

(20)

佑 ︵八六︶ 八六 第二.聴 解二 兢 取得したる若くは購求取得すべき邁賃あもを以て、、十大低り場合に於て充分なる保藤の存するもの草見 得るであらう。他方、族客に於ても目的地きで遅速せらる∼こどに関して利益を有する。この利益は ヽヽ、﹁ヽ、、ヽヽ 遅速契約の規定する写jろにより﹂所謂優越なる椿利の一優党の原則に鱒つて保詮せられてゐるのみな らす、■如何なる場合にも返還せられざるの條件にで運賃の前排せられたる場合を除き、加重自らに於 でも運送の完結に射して利益を有するこまは右に述べたる、が如くである。換言すれば、族客遅速完結 、﹁ヽヽヽ、、 の利益ほ所謂権利優先の順位に依って保診せられてゐるりみならす、積荷の利益虚衝突すか場合に於 て、運賃の額を限牒ごして考慮せち各ペき性質¢ものである。然れぎも遅速案約に依存せざる、迄に 述べたる字−ろのものより大なる利益に至っては、法は之を承認してゐない。蓋し個々の族客は遅速 の預定の如き完結に射して事賓上種々なる利益ぉ城やるであらうけれざ、その利益の太さがあ去りに 奥なるが故にヽその年均慣億を知る上空を梅ないのみならや、之を考慮すべきものごすれば汚欝に於 一† ても亦之に負獲せ七めねばならない結果ビなる。牽かくの如き様々なる利益の評慣は、杯事質上無用 である。何ドニはれば、利益の所有者たる旅客は船舶内にあるを似て、必要に應じでその利益の太さを 告知せしめ得るからである。著しその皆知あつて、放客が航海の中絶又は遅延に於ては一定の損審を 破るべき関係にあるこざを疏明レ、且金餞着くは有償籍琴を以て相皆の保鐙を立つれば、船長はこの 租の利益をも考慮せねぼなら甘い℃先に掲げたる曳躯の例々以て言へば、族客が目的地へ汲定過小遅

(21)

滞なく到達せんこどに利益を戚じ、その利益の額が避難港に於て碇泊のために要する費用ビ曳船料ビ

の差額に超過するに於ては、船長は宜しぐ曳船契約を締結すべきものである。

船舶積荷の利軍関係人が積荷革具に乗船しセ航海し、彼等の利欝を自ら廃置するの所謂上乗の制度

は中世以後漸次すたれて、解長が彼等に代理するに至った・㌻に就て軋既に述べたるが、▲今日に於て

はまた反射の傾向ぉじ寺ノるに至ってゐる。

は鶴断にて共同の利益を計らねばならないけれぎも、海底電信や無線周信その他愛逸機開の螢遜、並

に簡単の融度や大保険曾乳の組織の完成に依って、ノ恕長は外楓措醤に於ても船舶積荷の利害関係人又 l

はその代理人ビ容易に連絡を保ち、通信を交はすこぎを得るに至ってゐる。尤も引渡澄券の普及儀遜

は船荷詳穿の所持人をして不明ならしめるエビはある。然し大鰭に於て、舶舶が極めて大なる災害に

遭遇した・る場今例へば坐碓並に避難汚に碇泊の場合に於て、船長はよく利害閲係人の指飼を仰ぎ

得ぺき関係にある。換言すれば利盲勝係人は救助に閲して船長に指園をなすこだが出凍る。遍舶積荷

の絶利害関係人の指図する宇−ろが符合一致する場合には1船長は之に徒はねばならない。浄書すれ ば、賓際上術はれる如く、而して夙に∴八六七年漠豊海上保険定則︵.〓aヨbur甘er2官ヨeiコeコ Seeく? rsicherun甥=Bediコ篭コ笥コく。ヨ甘hre︼一00かご六十七倦も規定しでゐる如く、.ノ船舶積荷の利害関係人が

食合し協議して、船舶及び着荷の共同代理人を選定したる場合には、癒長は財産の救助にのみ騙し人

典河溶拇論序説 ︵入七︶ 八七

(22)

︵八八︶ 八八

染二悠 弟一紙

身の安危に陳せざる限り、喪同代理人の拷問に絶射的に服従せねぼならない。ごの鮎に於ては、痕長 の地位並に療限は共同代理人・に鹿うて責苛せられたるもの亡兄られる。されば共同代理人は或は僧鹿 小なる財産を、比較的太なる財産のために犠牲に供し、威は鎗醜の利金のために個々の利益を毀墳し 無鹿するこざが出凍る。のみなら慨共同代痙人は鼠等の確限を敷長に輿へられたるよりも、無制限に 宿便し得▼べく、危険に曝されたる財産を恰紅同†押寄掛係人に属する﹁の財産であるかの如く考ぺこて 療分行虜をなすこどが出挙るや若し船舶積荷の舷利恵齢係人の指倒するF三ろが契合一致しすいのみ ならず、感服積荷の共同代理人を選定するこぞを得ない亡きには贈長は救助を猶噺に七なさねばなら ヽ、ヽ−、ヽ、、、﹁ ない。由長の猶噺に代へて剥奪関係人の多数決を以て救助をなすこだは、山免償偉大なるもの∼餐先 なる原則にも過應するかの如く息はれるけれぎも、利害関係人め醜叔を以てする多数決たる亡、海上 ヽ−■▼、▼ヽ 囲髄を構成する利益に射する彼等の持分を以てするものたるキを問はす多数決は必ずしも慣位大軍各 、、﹁﹁ヽ も■のゝ庭先なる原則ビ符合するものではな′い。蓋し船舶積荷の刺益の有する侶億を測定するに禽 その和益が危険に曝されてゐる程度をも考慮するな要し、瓦各剥落圃係人は彼の財産が犠牲に供せら れ・たる籍泉賠僚せられるよぃも、垂ろ物億的に廃膚せら拓るの酎希ふな常&するからであ宅療に癖 長は救助に、関しては専門的脅威を有し、且少くどむ形式上には琴平無私にして、凡ゆろ利益を中等に 義虚す.′べき費任を有するを以て、疲の如断に痙っ七財産慣億小椋るものが犠牲に供せられるこ童は、

(23)

利害瀾傭人吻多激故に依Lって犠牲に供せられ.る場谷に比し∵猶忽びやすい。換言すれば利害関係人の

棒利の御願せ濁れる、宜ころ∵比較的呼少であるビ云はねぼならない。往時の海法に於ても亦既に述べ

たるが如く、\利害関係人′の多数の意見に廃っても船長の特権を承認してゐる。素より船長は絶利害踊

係人の一致なき亡きど堆も、多教老の若′、は多数者に依って選定せられたる代理人の見解、並に提妾

は之を禽蚤するこごを要する。然し之が紹射的服従は鍍等多数者の利益のみに関する場合に限るべく

ヽヽ、?﹁一ヽ√ヽL叶’てヽヽヽ 他の利害瀾係人の利爺にも関するごきには、常に僧倍大なる、もの∼鎧兜なる原則に依って自ら通常ビ 倍する救助をなすべきものである。 \

船舶積荷の教授傲助が塵最北依らや、海岸監督濱、市町村長、その他特に樺限を賦興せられたる者

に依って畢牒斬る場合に麿ては、彼等は轍長ビ同様なる靂分権取替有するもの亡兄るべく、救助が積

荷りみに廟するどきも亦同機であらねばならない。著し姫島並に之に代るべき薯なく、且救援救助を

果す■ペき官憲すら触きセきには∵剥奪関係人の多数決︵斉hrhei什︶に依らねばならない。その多数決も

中他に於ける個々の海抜に於て認められたる如く、利害鞠係人の関数に依らす、利益の持分に依りた

るものを以て常を得たるもの三富ふべし。而して、かくの如き多数者の決議に依って果さるべき救助

行為は、少数者盲iコderheit︶の利益を儀牲に守′る場合享魔牒之々飯石せしめるべきものであつて、犠 牲に供らせれたる利益は後に分轄頗催せら.るべきむのどする。︵終り︶ 顔洞魔拐論序詞 ︵八丸︶ 入九

参照

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■本 社 TEL 〒〇62札幌市豊平医平岸3条5丁目1番18号八ドソンビル ■八ドソン札幌 TEL

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