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(1)

平成20年特許庁大学知的財産推進事業

大学の国際連携に係る海外

特許出願戦略に関する研究

(財)比較法研究センター 主幹研究員 木下 孝彦 [email protected] 平成21年5月21日

(2)

報告の内容

1 研究概要

2 調査内容・方法

① 日米の大学の海外特許出願状況

(a)我が国の大学の海外特許出願状況 (b)米国の大学の海外特許出願状況

② 日米の大学の海外特許出願戦略

(a)我が国の大学の海外特許出願戦略 (b)米国の大学の海外特許出願戦略

③ データベース調査

3 研究成果

海外特許出願戦略についての提案

2

(3)

1 研究概要

1998年 大学等技術移転促進法(TLO法)

1999年 産業活力再生特別措置法(日本版バイ・ドール

法)

2003年 知的財産基本法施行→知的財産戦略本部→知

的財産推進計画

2006年 第3期科学技術基本計画

厳しい国際競争の中でイノベーション創出

のために産学連携、共同研究が重要

(4)

一方、「知的財産推進計画

2008

」では、

• 「過去6年間で相当拡大したもののライセンス収入は米国の百分

の一以下の水準に止まっており、大学発ベンチャーの数や規模で

も大きな差が開いている」

• 「2007年度のPCT出願上位500に我が国の大学は6校のみである

が、米国は22大学が含まれていることから、我が国の大学が国際

連携を行う際に、米国の大学の海外への特許出願戦略を参考に

することは、非常に意義がある」

• 本研究では、米国の大学の研究成果の特許出願状況や出

願戦略等について総合的に分析し、併せて我が国の大学の

実態との比較を行い、我が国の大学の参考となるような海外

特許出願戦略の研究、提案する。

4

(5)

研究体制

• ◆委員長 • 玉井 克哉 東京大学先端科学技術研究センター知的財産権大部門 教授 • ◆委員(五十音順) • 久保 浩三 奈良先端科学技術大学院大学知的財産本部長、教授、弁理士 • 宗定 勇 日本知的財産協会 専務理事 • 辻本 希世士 辻本法律特許事務所副所長 弁護士、弁理士、 • (財)比較法研究センター 特別研究員 • 原嶋 克巳 元富士ゼロックス株式会社知的財産権部 • シニアライセンスエグゼクティブ • 深見 克哉 九州大学知的財産本部 特任教授 • マノジュ・シュレスタ 甲南大学経営学部 教授、スタンフォード大学客員教授 • ◆オブザーバ • 西村由希子 東京大学先端科学技術研究センター助教 • ◆事務局 • 木下 孝彦 (財)比較法研究センター(KCLC)主幹研究員 *プロジェクトリー ダー • 田浦 裕久 (財)比較法研究センター 特別研究員 • 市政 梓 (財)比較法研究センター 研究員 • 菊本 千秋 (財)比較法研究センター 研究員

(6)

2 調査内容・方法

• 日米の大学の海外特許出願の状況

– 文献調査、データベース調査

• 特許出願

• 共同研究/ライセンス等

• 日米の大学の海外特許出願戦略

– 文献調査、海外ヒアリング調査

• 知的財産ポリシー • 特許出願ポリシー等

・データベース調査

・PCT出願、直接出願

• 我が国の大学に対する海外特許出願戦略についての

提案

6

(7)

①日米の大学の海外特許出願状況

○2007年度「PCT出願上位500」に含まれる我が国の大学*

– 大阪大学

307件

– 京都大学

302件

– 東京大学

286件

– 名古屋大学

118件

– 東北大学

166件

– 東京工業大学

112件

*なお、件数は、2004年から2007年の間の特許出願件数合計である。

(8)

– カリフォルニア大学 1454件 – マサチューセッツ工科大学 583 件 – コロンビア大学 352件 – テキサス大学 374件 – ハーバード大学 215件 – ジョンズ・ホプキンス大学 256件 – スタンフォード大学 290件 – フロリダ大学 279件 – イリノイ大学 240件 – ペンシルベニア大学 208件 – ミシガン大学 250件 – ニューヨーク大学 164件 – ユタ大学 139件 – ピッツバーグ大学 150件 8 − カリフォルニア工科大学 230件 − デューク大学 180件 − バージニア大学 140件 − ロチェスター大学 163件 − ミシガン州立大学 143件 − ノースカロライナ大学 144件 − オハイオ大学 78件

○2007年度PCT出願上位500に含まれる米国の主要大学

*なお、件数は、2004年から2007年の間の特許出願件数合計である。

(9)

(出典:特許庁のウェブページより:http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/t_torikumi/jp_first.htm)

経済のグローバル化に伴う世界的な特許権取得ニーズ

の高まりを背景に海外特許出願が増加している。

(a)我が国の大学の海外特許出願状況

国内出願 直接出願 PCT出願

(10)

○我が国大学の特許出願件数と共同研究実施件数の推移

文部科学省「平成19年度産学連携等実施状況調査(平成19年度実績)」 特許権+その他知財実施料収入の推移 共同研究実施件数 特許出願件数の推移 10 大学の知的財産本部や学内又は学外に設置された 承認TLOによる活発な活動の結果、国公私立大学等 の機関が行った2007年度の特許出願件数は国内・ 外国合わせて9,869件、前年比9%増加している。収 入額については、他の知財実施料を加えると18億 5,705万円である。 大学の知的財産本部や学内又は学外に設置された 承認TLOによる活発な活動の結果、国公私立大学等 の機関が行った2007年度の特許出願件数は国内・ 外国合わせて9,869件、前年比9%増加している。収 入額については、他の知財実施料を加えると18億 5,705万円である。

(11)

○我が国の大学の海外特許出願の状況

ー文献調査よりー

大学は、海外の大学・企業との国際的な学学連携・産学連携(共同研究等)

に取り組んでいるところ、海外企業からの共同研究や受託研究の受入等

の国際的な産学連携活動の強化が重要。

そして、オープン・イノベーションに対応した産学連携を行う事が教育・研究

の活性化に資する点にも留意し、国際的な特許の活用を促進。

• 外国出願は国内出願の数倍の費用がかかるので出願可否を慎重に判断 • 外国出願可否の判断は主に次の3項目に基づき判断している。 ①出願国で特許活用の可能性 • →費用負担に見合う市場が存在するか(市場性、有用性) ②共願先が費用負担の場合は、企業に判断を委ねる ③大学が費用負担の場合は、基本的にJST(注)の特許出願支援制度を利用 (注)JST:独立行政法人科学技術振興機構 現状は 現状は

(12)

○海外特許出願を行う際の出願費用の負担

我が国の大学が海外特許出願を行う際の出願費用の負担に関して 主に次の3つの方法がある。 (a)共同研究の相手方の企業が出願費用を負担 (b)大学が独自に負担 (c)独立行政法人科学技術振興機構(JST)による支援 大学が企業との共同研究の成果としての発明を海外出願するの であれば、大学としては(a)の方法をとることが多い。しかし、大学 独自の研究開発の成果としての発明を海外出願するのであれば、 当然(a)の方法は選択肢にあがらない。大学は自らの資金でもって 出願する以外にないが、翻訳費を含めると数百万円するといわれて いる海外出願の費用を大学が負担するのは容易なことではない 。 そこで、(c)のJSTによる支援を活用することになる。大学が独自資 金で海外出願を行う場合には、まずJSTに申請することが一般的で ある 。JSTへの申請が全て採択されるわけではないので、非採択と された発明については、学内で、大学独自で出願、あるいは出願を 断念するか等、について検討を行っている。 12

(13)

○JSTの海外出願支援制度

国内出願日を優先日(0月)とし、1年の段階でPCT出願をするか、パリ条約ルートで外国出願することにな る。PCTの場合は、2年6ヶ月後に指定国移行の審議を行うことになる。JSTには、1年と2年6ヶ月のそれぞ れ6ヶ月前(上記表中、「◎申請」と書かれた時期)に申請しなければならない。JSTは申請3ヶ月後に調査 と審議の結果を通知する。その際に、採択の結果(審議結果)と共に、目利きの助言や支援国についても 合わせて通知する。JSTは費用の支援だけでなく、目利き(助言)の支援を行うことで特許の強化につなが ることになる。特に、優先権出願ができる間は特許の強化ができることが重要である。 出典:JSTより資料提供

(14)

○海外特許出願の今後の課題

上左の図は、2006年の我が国の大学・承認TLOからの国内出願が7,569件 のうちグローバル出願率、つまり海外に出た出願が26%(約2,000件)である ことを表している。上右の図は、全産業界におけるグルーバル出願率である。 日本は23%、米国46%、欧州60%であるが、欧州は域内も含んだ数字であ る。域外に出たものは48%である。我が国も、将来的には欧米の水準まで 向上させることが重要だとしている。 14 出典:JSTより資料提供

(15)

(b)米国の大学の海外特許出願状況

AUTM:米国大学並びに研究機関におけるライセンスとオプション数(2007) (参考)全米大学技術管理者協会(AUTM)の調査では、米国の大学による 2007年度の実施許諾件数は4,419件(161大学)、実施料収入は17億7,496万 ドル(2006年度実績)であり、我が国と比べると、実施許諾件数はほぼ同数 であるが、収入(特許以外の知財も含める)は約100倍近く開きがある。 (出典:AUTM License Survey 2007 F.Yより)

(16)

日米の大学の海外特許出願戦略

(a)我が国の大学の海外特許出願戦略

• 大阪大学、京都大学、東京大学、名古屋大学、東北大学、東京工業大学(以下「我が国主要大学」と いう。)の海外出願戦略について、個々の大学における(ⅰ)産学官連携機関、(ⅱ)国際的な産学連 携における大学の使命等、(ⅲ)海外出願の方針等の調査を行った。国内特許出願に比べ、海外出願 には金銭的負担が大きいことから、(ⅲ)海外出願の方針等の調査において海外特許出願の際の費 用負担状況について文献調査、インターネット等により調査を行った。 • 日本の大学全体での特許出願・維持費用については、文部科学省(以下、文科省)の報告書(2006 年度)によると、全体の特許出願・維持費用のうち、47%が大学自前での国内出願・維持費用を負担し、 残り53%の海外出願・維持費用のうち、28%が大学自前であり、約半分の25%がJST特許出願支援制 度を利用している。 • 文科省『大学等の研究成果を社会還元するための知的財産戦略・産学官連携システムに関する総合 評価報告書』39頁(2007)<http://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/kekka/08010802.htmから入手可>。16 出典:文科省『大学等の研究成果を社会 還元するための知的財産戦略・産学官 連携システムに関する総合評価 報告書』39頁(2007)から作成

概要

(17)

<主なポイント> ・世界的なレベルで東京大学が先導し得る研究成 果に関しては、比較的短期に実用化・活用の可能 性が期待される発明だけでなく、長期的な視点で 大学の知を広く社会に還元することを前提に、顕在 的・潜在的な産業上・公益上のニーズが存在する 国への特許出願・権利化・活用を戦略的に行って いく (東京大学) ・海外大学・企業等との受託研究・共同研究の研 究成果を知的財産権として権利化し、長期的な視 点に立った戦略的な研究活動を行う(名古屋大学) ・海外における知的財産権の出願・取得・維持・活 用を積極的に実施し、活用に際しては、TLO等の 外部機関と連携を図る(名古屋大学) ・先行(基礎)出願が外国出願を行っていれば、改 良発明についても外国出願するというように先行 (基礎)出願と改良発明をセットで扱うことが望まし い(京都大学) ・海外での市場が大きいこと(京都大学) ・活用可能性があるもの、費用負担に見合う市場 の存在(大阪大学、東北大学、東京工業大学) ・発明者の強い希望があること(京都大学)

(18)

(b)米国の大学の海外特許出願戦略

(海外ヒアリング調査)

• 調査対象大学・機関

– 国立衛生研究所(

NIH)

– ジョンズ・ホプキンス大学*

– ウィスコンシン大学マディソン校

– カリフォルニア大学バークレー校*

– スタンフォード大学*

18 *印は、2007年度PCT出願上位500に含まれている大学。

(19)

• 米国の大学の海外特許出願の状況と戦略

PCT出願においては米国の大学は上位にランクされている一方、米

国の公式データには、日本では必ず記載されている「海外特許出願

数」といった国内外を切り分けたデータはほとんど存在しない。

理由としては、国内市場よりはるかに海外市場が大きい日本と比べ

て、最大市場が国内に存在する米国との違いが一番に挙げられる。

また、大学発知的成果を活かした起業に対する理解も、日米では依

然として差があることも事実であろう。さらに、たとえば欧州に特許出

願する際には翻訳料金等の障害が少なく、そのような金銭的課題の

在り方も日本とは状況が異なる。そのため、大学によっては、海外戦

略という言葉そのものに違和感を覚えるとする大学も複数存在した。

「市場がある」から結果として海外戦略を構築する、という意識を有する。つま り、技術移転・産学連携戦略が最初に存在し、その上で市場が海外にも及ぶ 場合には海外戦略や海外対応を検討することになる。 「市場がある」から結果として海外戦略を構築する、という意識を有する。つま り、技術移転・産学連携戦略が最初に存在し、その上で市場が海外にも及ぶ 場合には海外戦略や海外対応を検討することになる。

(20)

○海外ヒアリング調査結果

• 国内市場を第一に考えている

①大学発の発明を創出する→②市場を見つける→③市場にて適切な価値を 持ってその技術(概念)を広める事に成功する→④それによって恩恵を受ける ターゲットが広く存在し新たに豊かな社会を構築する。 – 海外出願に関しては出願費用を意識→市場なき出願は避ける – 仮出願制度を徹底的に利用し安価に自前で知財マネジメントを実施している – 研究成果は単独出願を前提とし、収入やコストは契約で定める それぞれの国内外知財(特許)戦略は、大学が抱える状況や社会貢献に対 する意識や目的によって変わる 20

(21)

③データベース調査

(a)調査方法

• WIPOのPATENTSCOPE®(http://www.wipo.int/PCTdb/en/)を利用して、日米の主 要大学を出願人とするPCT出願に関する情報を抽出した。また、各国・機関への 特許出願状況については、商用データベースであるINPADOCならびにNRIサイ バーパテントを活用した。本データベース調査は、2004年1月〜2007年12月の間 に「公開」された情報を調査したものである。 • また、取り扱う出願データについては、PCT、米国特許庁(USPTO)、日本国特許庁 (JPO)、欧州特許庁(EPO)で重複があると思われる、つまり、同じ特許が重複して 出願されているということがある。そのため、本調査では、それぞれについてリス トを作成し、それをまとめて重複について整理した。 • PATENTSCOPE®の出願データを補足するため、NRIサイバーパテント (http://www.patent.ne.jp/)によるデータの抽出も行い、PATENTSCOPE®に掲載さ れていないものについては追加した。

(22)

③データベース調査

(b)調査対象大学

• 日本:大阪大学、京都大学、東京大学、名古屋大学、東北大学、

東京工業大学(6大学)

• 米国:カリフォルニア大学、マサチューセッツ工科大学、コロンビ

ア大学、テキサス大学、ハーバード大学、ジョンズ ホプキンス

大学、スタンフォード大学、フロリダ大学、イリノイ大学、ペンシ

ルバニア大学、ミシガン大学、ニューヨーク大学、ユタ大学、サ

ウスフロリダ大学、ピッツバーグ大学、カリフォルニア工科大学、

デューク大学、バージニア大学、ロチェスター大学、ミシガン州

立大学、ノース カロライナ大学、オハイオ大学(22大学)

22 (注)対象とする大学は、2007年度の「PCT出願上位500」に含まれている日米の主要大学である。

(23)

③データベース調査

(c)調査内容

PCT出願ならびに直接出願(日米欧)

(1)日米の主要大学のPCT出願件数

(2)日米の主要大学の出願分野×移行国

(36分野、IPC分類コードに対応)

(3)日米の主要大学の移行国(主要国+BRICs)

(4)日米の主要大学の優先権主張

(5)日米の主要大学の直接出願とPCT出願

(6)日米の主要大学の直接出願と優先権主張

(7)日米の主要大学の企業等との共願率

(24)

③データベース調査

(1)日米の主要大学のPCT出願件数

大学の並びの順番はWIPO「2007年 PCT出願人上 位500」 http://www.wipo.int/export/sites/www/pct/ja/appl icants_ranking.pdfの上位校の順番。右欄の件数は、 2004年から2007年の間の特許出願件数合計であ る。 PCT出願状況 PCT出願状況 24 ■分析 日米の主要な大学のPCT出 願件数を比較してみると、 総数自体は米国の大学が やや多いという程度である。

(25)

③データベース調査

(2)日米の主要大学の出願分野×移行国

本データベース調査では、左記36分野毎 にPCT出願並びに直接出願のデータを抽 出した。 その結果、医療機器(分野4)、医療 品(分野5)、有機化学・農薬(分野 15)、バイオ・ビール・酒類・糖工業 (分野18)、測定・光学・写真・複写機 (分野29)、電気・電子部品・半導体・ 印刷回路・発電(分野34)などの分野で 出願が多いことがわかった。 ■ 分析 日本の大学、米国の大学を問わず、出願件数が 多いのは次の6つの技術分野である。 ・医療機器 ・医薬品 ・有機化学、農薬 ・バイオ、ビール、酒類、糖工業 ・測定・光学・写真・複写機 ・電気・電子部品、半導体、印刷回路、発電

(26)

③データベース調査

(2)

日米の主要大学の出願分野×移行国

PCT出願状況 PCT出願状況 26 上記は、WIPO「2007年 PCT出願人上位500」http://www.wipo.int/export/sites/www/pct/ja/applicants_ranking.pdfの日米主要大学における、2004年から 2007年の間の特許出願分野と移行国の合計である。 ■ 分析 米国主要大学は 欧州、豪、加が多 く、我が国主要大 学は欧州が多い。 ■ 分析 米国主要大学は 欧州が最も多く、 加が、豪と続く。 我が国主要大学 は欧州が多い。 ■ 分析 米国主要大学は 欧州が最も多く豪、 加と多く、我が国 主要大学は欧州 が多い。

(27)

⑥データベース調査

(3)日米の主要大学の移行国

PCT出願状況 PCT出願状況 27 上記は、WIPO「2007年 PCT出願人上位500」http://www.wipo.int/export/sites/www/pct/ja/applicants_ranking.pdfの日 ■ 分析 (日本の主要大学)欧州向けが最 多である。次に米国向けが多く、 欧州の6割から7割程度となって いる。次に多いのは、中国向けと 韓国向けである。概ね同数で欧 州向けの約4割程度となっている。 一方、ロシア向け、ブラジル向け、 インド向けは、ほとんどないことが 表れている。 ■ 分析 (米国の主要大学)欧州向けが最 多で、オーストラリア向けは、欧州 向けの8割程度存在し、日本向け はその半数程度であり、カナダ向 けが日本向けと概ね同数であり、 中国向けと韓国向けは概ね同数 で日本向けの半数程度が多く、ロ シア向け、ブラジル向けは極めて 少なく、インド向けはほとんどない ことが表れている。

(28)

⑥データベース調査

(4)日米の主要大学の優先権主張

PCT出願状況 PCT出願状況 28 上記は、WIPO「2007年 PCT出願人上位500」http://www.wipo.int/export/sites/www/pct/ja/applicants_ranking.pdfの日米主要大学にお ける、2004年から2007年の間の特許出願の際の優先権主張件数の合計である。 ■ 分析 日米いずれの大学とも、PCT出願 においては、ほとんどが優先権主 張を伴っていることが表れている。 国内出願を行った後、1年以内に 優先権主張を伴ってPCT出願を 行っているのではないかと推測さ れる

(29)

⑥データベース調査

(5)日米の主要大学の直接出願とPCT出願

29 上記は、WIPO「2007年 PCT出願人上位500」http://www.wipo.int/export/sites/www/pct/ja/applicants_ranking.pdfの日米主要大学に ■ 分析 日米の主要な大学のPCT出願件数 につき、国内出願件数との割合を 対比してみると、米国の大学の方 が相当多い傾向が見られる。 ■ 分析 米国の主要大学は欧州への直接 出願の対PCT比率が我が国の主要 大学と比べて高い傾向が見られる。

(30)

30

⑥データベース調査

(6)日米主要大学の直接出願と優先権主張

(注)率:出願数に対する優先権主張の割合、有:優先権有り、無:優先権なし 30 上記は、WIPO「2007年 PCT出願人上位500」http://www.wipo.int/export/sites/www/pct/ja/applicants_ranking.pdfの日米主要大学おける、 2004年から2007年の間PCT,直接出願件数の合計と優先主張件数並びに比率である。 ■ 分析 自国の出願で優先 権主張を行うのは、 自国に出願後、改 良技術が生まれた とか、新しい実験結 果が出たような場 合に、優先権主張 を伴って別途自国 の出願をするという のが一般的と思わ れ、自国の出願に 優先権主張が伴う か伴わないかの問 題と海外戦略の関 連についてはさらな る調査が必要であ ると思われる。

(31)

⑥データベース調査

(7)日米の主要大学の企業との共願率

・左記は、主要大学のPCT出願において、企業 との共願数・共願率をあわらした表である。 (あくまでも、企業との共願であり個人、学校、 独立行政法人、財団法人等は除く)また、企業 との共願か否かのなお、共願か否かの判定方 法は下記の簡易的方法によったもので必ずし も正確な数字ではないことを断っておく。 【判定方法】出願人の欄に、 *LTD*INC.*COMPANY*KABUSHIKI*CORPO*KK *Limited*CO.*の文字があるものを抽出し(1)、 *UNIVERSITY Corporation* (国立大学法人に Corporationがついているため)等が含まれる ものを除き(2)、「(1)-(2)>0」であるものを 共願とした。 ■ 分析 日本の大学の方が企業と共同出願す る割合が米国の大学に比べて相当高 い。集計における条件設定の問題が あるため誤差はあると思われるが、同 一の条件設定の下ではっきりと数字の 差が出ているということは、概ねの傾 向としては、米国の大学は企業との共 同出願割合が少なく、日本は多い、と 考えてよいと思われる。

(32)

3 海外特許出願戦略についての提案

(1)我が国の大学の海外特許出願の現状

・2004年から2007年の国内出願は、大阪大学(475件)、京都大学(563

件)、東京大学(701件)と単純比較すると米国主要大学より多いが、海外

出願率は26%である。一方、全産業の海外出願率が日本(23%)であり

米国(46%)と比べるとかなり低い。

(出典:平成20年度特許庁大学知財研究推進事業「大学の国際連携に係る海外特許出願戦略に関する研究」24頁、JSTより提供)

(2)我が国の大学の海外特許出願状況と問題点

我が国の大学の海外特許出願にとって費用負担は重要な要素である。

海外特許出願の重要性を認識しつつ出願費用(翻訳費等も含む)が高額

なため、基本的にはどこから出願費用を支出するかということが重要に

なる。

・外国出願する場合、ライセンシーが決まっておらず、また、共同研究の

相手側の企業が出願費用を負担しない場合、JSTの出願支援制度を活用

することが一般的

海外特許出願戦略の必要性

海外特許出願戦略の必要性

32

(33)

○海外特許出願戦略の必要性

①大学は、自らが得意とする技術分野や、研究者と産

業界との結びつき等も含めた特許出願戦略を打ち

立てることが必要

– データベース調査結果でも明らかになったように、バイオ、医

薬品、医療機器分野は、海外出願が多い産業分野である。な

らば、直接米国や欧州等に出願するという選択肢もあるので

はないか

②海外特許出願の選択肢の拡大

・日本国特許庁に出願した後に海外出願する

・外国特許庁に出願する(日本国には出願しない)

・外国特許庁に出願した後に日本国特許庁に出願する

・PCT出願を行い、移行国指定で日本に出願する等

(34)

③英語による特許出願の促進

– 海外特許出願を見据えている先端的な発明の多くは、研究者が海外

で英語の論文を発表しているものが多い。日本国特許庁に当該研究

成果の発明を出願する場合には、日本語の出願書類を作成すること

になる。もっとも、日本国特許庁は英語でも出願を受け付けている。

外国語書面出願をした場合、後日、一定の期間内(1年2ヶ月)に日本

語の翻訳版を提出する必要がある。この制度の利用も有効な選択肢

の一つと考えられる。

– 最初から英語で出願書類を作成することで、そのまま米国を始めと

する英語圏の特許庁に出願できる。米国の仮出願制度を活用して本

出願を行うことも、PCTを活用して英語で出願できる国への移行につ

いてもスムーズに行われるようになるではないか。

– また、日本語から英語への翻訳費が不要になるため、出願費用の軽

減につながる。さらに、技術によっては戦略的な出願がより行いやす

くなるであろう。例えば、米国と競合する技術である場合、日本より先

に米国で出願することも考えられる。

34

(35)

④大学の連携・連合化

– 研究者の英語での研究論文がそのまま明細書に使えるわけではな

い。米国の仮出願は別であるが、本出願においては明細書を提出し

なければならない。特許出願に係る明細書の作成はテクニカルであ

る。ましてや、英語で作成するとなると大学知財本部や技術移転機

関(TLO)の人材で対応することは限界があるのではないだろうか。

– そこで、独自に英語での出願手続が可能な一部の大学を除いた大

学は、連携化や連合化を行うことで、外国出願の窓口業務と手続の

効率化を図る必要があるであろう。我が国から外国の特許庁に出願

するより、現地の弁護士・弁理士事務所と連携することも効率的であ

ろう。

(36)

⑤研究成果の権利帰属と海外出願

(使命・目的)大学は、研究成果の社会への還元、大学の価値の増加、

共同研究の促進、教育効果への波及、研究費の増加等であるが、企

業は、利益の増加(金銭的、非金銭的)が主たる目的である。

– 本研究における海外調査でも明らかになったが、米国の大学は、

大学による単独出願が前提である。共同研究において大学と企

業が求めるものは異なるが、権利の共有がベストな選択肢である

かどうかの検討を行う必要があるであろう。大学は、共同研究の

成果としての技術発明について、権利の共有化、権利譲渡、独占

実施権の設定等について硬直的な扱いをするのではなく、市場動

向、競合技術、投下資金等の要素を念頭に判断しなければならな

い。その中で、海外特許出願はひとつの重要な戦略となる。

36

(37)

⑥共同研究の促進

– グローバル社会において、本当に優れた技術は国境を越える。大学

は、海外特許出願そのものを目的とするのではなく、海外特許出願

できるような、言い換えると海外市場に求められるような優れた発明

を生み出すことも目的としなければならない。そのためには、より積

極的に国内外の大学、研究機関や企業との共同研究の促進が求め

られる。

– 大学にとって特許出願は手段でこそあれ目的になってはいけない。

国内外の大学、研究機関や企業との共同研究によって優れた研究

成果を産み出し、商業化に繋げていく仕組みを構築することこそが大

学に求められているものであり、海外特許出願を促す原動力になる

であろう

(38)

ご静聴ありがとうございました。

参照

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(現場盤) 無線機 既設のWebカメラ及びPHSで情報共有することで作業継続可能。 速やかな対応が可能 輸送容器蓋締付. 装置

③規定荷重で取 解除 り出せない変 形の無い燃料 の対応. ④

嘆願書に名を連ねた人々は,大正5年1月17曰になって空知税務署に出頭

発明の名称  出  願  人  特  開  №  構      成 . 撥水性塗料組成物  ○

分別 保管 収集 運搬 再生 処分 排出事業者