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(3) 単元の評価規準 てこの実験装置などを使って調べ てこがつり合うときのおもりの重さと支点からの距離を関係づけて考えることができる てこの働きや規則性について 条件に着目して考えた実験計画や 結果から考えた考察を自分なりの言葉で説明することができる (4) 単元の指導計画 ( 全 11 時間 )

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Academic year: 2021

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第6学年1組理科学習指導案

平成27年9月8日(火)第5校時 指導者 柏崎市立枇杷島小学校 教諭 高橋 玄 1 研究テーマ

既習事項を用いて、科学的に考えを説明できる児童の育成

2 研究テーマについて (1)テーマ設定の意図 本学級の児童は、理科の実験や科学的な事象について、高い興味関心をもっている。実験に対して は、とても意欲的で、知っている知識を話したがる児童も多い。しかし、それらは、答えや結果を暗 記したものであり、思考の筋道をはっきりさせながら説明する力があるとは言えない。 そこで、「予想・仮説」と「考察」における言語活動の充実によって、考えや事象を説明する力を育 てたいと考える。そのために、考えの違いや、予想や結果の違いなどズレを大切にした授業を展開し、 「どうして、そのように予想を立てたのか」や「なぜ、そのような結果になったのか」など、自分の 言葉で説明できるようにしたい。 (2)研究テーマに迫るために ①「意欲」や「不思議」をもたせる事象との出会いと課題設定 主体的な思考を促すためには、事象との出会いが大切であり、解決したくなる課題を設定する必要 がある。児童の素朴概念を覆すような事象や、思考のズレや予想と結果の違いを生む課題が大切だと 考える。 ②科学的な思考を促すワークシート 説明する力を向上させるために、絵図や表などを入れて、課題に対して思考が促されるようなワー クシートを作成したい。考えを説明する上で大切なものの見方、用語、方法などを指導する必要もあ る。また、まとめにおいても、事実と考えとを区別して表現できるようにしたい。字数制限、書き出 し、穴埋めなどヒントを与えながらスモールステップで指導することも考える。 ③考えを深め定着させる交流の仕方 他者の考えに触れたり、自分の考えを伝えたりすることで、自分の考えがより一層深まると考える。 そこで、自分や友達の考えを説明させたり、ペアやグループで協力しながら考えをまとめたりする場 を多く設ける。その際には、言葉だけでなく、絵図を用いたり、身振り手振りをつけたりしながら動 きのある話合いを促す。また、自分の考えの自信度をメーターで意思表示する「自信度メーター」を 活用する。これにより、考えに自信のある児童は、自信のない児童に自分の考えを伝えることで分か らせようという意欲につながり、自信のない児童は、誰に聞けば分かるのかが明確になると考える。 これらの交流が自然に行える学級風土を大切にする。 (3)研究テーマにかかわる評価 実験レポートや交流場面で、自分の考えや説明を書けたり、話せたりする児童が70%以上 3 単元と指導計画 (1)単元名 てこのしくみとはたらき (2)単元の目標 実験や話合いの活動を通して、てこを傾ける働きや、てこが水平につり合うときのきまりを見いだ すことができる。

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2 (3)単元の評価規準 ○てこの実験装置などを使って調べ、てこがつり合うときのおもりの重さと支点からの距離を関係づ けて考えることができる。 ○てこの働きや規則性について、条件に着目して考えた実験計画や、結果から考えた考察を自分なり の言葉で説明することができる。 (4)単元の指導計画(全11時間)と評価計画 学習内容 【学習する用語・内容】 学習活動 ※太字ゴシックは、説明する活動に力を入 れて取り組む。 指導過程における主な評価 規準 第 1 次 ( 3 ) 棒を使って重い物を持 ち上げよう 【てこ】 【支点・力点・作用点】 【支点から力点までの き ょ り を 長 く す る ほ ど、小さい力でものを 持ち上げることができ る】 ①・②てこをどのように使えば、重い物 を、より小さな力で持ち上げることがで きるか考える。 ③力点に加える力の大きさを、おもりの重 さで表す。 【思】物を持ち上げたり、棒 を傾けたりする力の大きさ を支点から力点、作用点まで の距離と関係付けて考え、実 験計画を立てたり実験結果 を予想したりすることがで きる。(行動・発言) 第 2 次 ( 5 ) てこがつり合うときの きまりを見つけよう 【うで】【きょり】 【(左うでの)おもりの 重さ×支点からのきょ り=(右うでの)おも りの重さ×支点からの きょり】 ④・⑤てこが水平につり合うときの、て このきまりを見付ける。 ⑥つり合っていないてこを、つり合わせる ためにはどのようにしたらよいか考える。 ⑦バットのつり合う位置を見付けて、理由 を説明する。 ⑧つり合っている棒の片方の先を下に折 り曲げたとき、どうなるか考える。本時 【技】てこのはたらきの規則 性を調べ、定量的に記録した り、数量的に表したりするこ とができる。(行動・記録) 【知】力を加える位置や力の 大きさを変えると、てこを傾 けるはたらきが変わり、それ らの間に規則性があること を理解している。(記録・発 言) 第 3 次 ( 3 ) てこのはたらきを利用 しよう 【てんびん】 【 支 点 が 間 に あ る て こ・作用点が間にある てこ・力点が間にある てこ・丸いてこ】 ⑨てんびんの仕組みを理解して、実際に物 の重さを量る。 ⑨・⑩くらしの中のてこを探して、支点・ 力点・作用点の位置関係から仲間分けを する。 【関心】身の回りにあるてこ を利用したものを探し、どの ようなしくみかを調べ、仲間 分けしようとしている。(行 動) 4 単元と児童 (1)単元について 教材の特性をふまえ、本単元では学習指導要領の以下の事項に重点を置いて指導する。 身の回りに見られるてこについて興味・関心をもって追究する活動を通して、てこの規則性について 推論する能力を育てるとともに、それらについての理解を図り、てこの規則性についての見方や考え方 をもち説明できるようにしたい。 第1次では、棒とおもり、支点となるものを用いて、実際にてこを作り、支点と力点と作用点の位置 関係と手応えを体感させながら、「てこのはたらき」を見付けさせる。 てこを使い,力の加わる位置や大きさを変えて,てこの仕組みや働きを調べ,てこの規則性につい て考えをもつことができるようにする。

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3 第2次では、実験用てこを用いて、試行錯誤しながら「てこのきまり」の式を見いだしていく。この とき、自分の見付けたきまりを友達に伝えたり、友達の考えを説明したりする活動を多く取り入れなが ら「てこのきまり」の理解を深める。 第3次では、生活と科学を結びつけながら実感を伴う学習を進めたい。身の回りにある様々なてこの はたらきを用いているものを集める。そして、それらを支点・力点・作用点の位置関係に注目しながら 仲間分けをさせる。 (2)児童の実態 (男児童13名、女児童8名 計21名) 前学年までの「物質・エネルギー」の領域においては、3年時の「物と重さ」や、5年時の「ふりこ の運動」などを学習してきている。「物と重さ」では、てんびんや自動上皿はかりを用いて、物の形と重 さの関係や物の体積と重さの関係を見つけている。「ふりこの運動」では、変える条件と変えない条件を 制御して実験を行うことによって、実験結果を適切に整理し、考察できることを学んでいる。 6学年では、「ものの燃え方と空気」や「人や動物の体」などの学習を行った。実験や科学的な知識に 対して好奇心旺盛な児童がいる一方、自信がなくやや消極的でひかえめな児童もいる。教科の学習にお いて、全体的に説明することに苦手意識があり、深く考えることを避けており、知識だけを習得したが る傾向がある。中には、知っている知識を話したがる児童も多いが、それらは教科書や参考書などの答 えや結果を暗記したもので、はっきりとした理由や説明になっているとは言えない。これまで自分が実 践してきた授業を振り返っても、児童に説明する力をつけるものでなかった。そこで、本研究を通して、 既習事項をもとにしながら、自分なりの言葉で理由が言えたり、説明ができたりする力をつけさせたい。 5 本時の展開 (1)ねらい つり合っている棒の片方を下に折り曲げたとき、棒の傾きが変化する現象を、学習したてこのきまり を用いて説明できるようにする。 (2)展開の構想 前時までに「てこのきまり」を見付け、自分なりの言葉で説明できるようになっている。本時では、「つ り合っている棒を曲げたらどうなるか」という新たな課題に対して、既習事項(「てこのきまり」)を用 いながら課題解決を進める。 これから起こる事象について問いかけ、結果を見せる前に、児童に3択で予想を立てさせる。このと き、予想を立てた理由を聞く。途中で説明を止め、別の児童に説明させたり、また、場合によっては、 異なる考えを選んだ人の立場になって説明させたりする。 実験結果を授業前半部に見せる。授業の前半部に児童の素朴概念を覆す実験結果を見せることで、予 想と異なる結果になった児童の「なぜだろう」の疑問を膨らませ、学習意欲を高めたい。また、予想通 りの結果となった児童に対しても、他の児童に説明したいという気持ちを強めたり、理由を即答できな い児童はその理由を問うことで知的好奇心を刺激したりと、学習意欲の向上を期待する。 実験結果の理由を考える。このとき、個人→グループ→全体の順で考えの交流の輪を広げていく。既 習事項を想起させる補助発問や教師の実演したもののミニチュア版の教具を用意して、思考を促し、説 明しやすいようにする。 そして、全体での交流後、まとめを行う。再度、個人の時間に戻す。このとき、事実と考えとを区別 して書かせるよう指導しておく。場合によっては、書くことが難しい児童には、書き出しを与えたり、 穴埋めにしたりする。 (3)展開 時間 学習活動 教師のはたらきかけ 予想される児童の反応 □評価 ○支援 ◇留意点 10 ○つり合っている金属棒の片 方を下に曲げると傾きがどう なるかを予想する。 T:(三択で予想させる) C:つり合ったままかな。 下に曲げた方に傾きそう。 曲げていない方に傾くよ。 T:なぜ、友達が別の考えを選んだのか、 ◇途中で説明を止めた

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4 ○実験して確かめる。 想像してみましょう。 そう考えたわけを教えてください。 C:形を変えても物の重さは変わらな いはず。 支点からの距離が変わったという ことだから。 下に曲げた方が下に引っ張られそ う。 り、別の意見の予想をさ せたりすることで、それ ぞれの考えを深く共有 させる。 25 ○実験結果の理由について、 個人で考える。 ○実験結果の理由について、 グループで話し合う。 ○実験結果の理由について、 全体で話し合う。 T:「てこのきまり」の式を教えてくだ さい。どこが変わったからバラン スがくずれたのですか。 C:棒の片方だけを曲げるということ は、実験用てこのおもりをこう動 かすのと同じだよね。 C:棒がまっすぐなときは~ 棒の片方を曲げるということは~ つまり、~ ○「てこのきまり」の式 を提示し、式のどこが変 化したのか問う。 ○実験用てこと演示用 のミニチュア版のてこ を各グループに用意し、 試行錯誤しながら話し 合わせる。 ◇全員が説明できるよ うに説明し合わせる。 □学習した「てこのきま り」を使って、自分なり の言葉で説明している。 10 ○授業の振り返りを行う。 ○難しい児童には、まと めの書き出しを提示す る。 ◇まとめは、事実と解釈 (考え)に分けて表現さ せるように指導する。 □まとめの言葉が書く ことができるか。 (4)評価 ・学習したてこのきまりを使って、棒を折り曲げたときの傾きの変化を説明できる。 課題 棒の片方を曲げると曲げない方に傾くのは、どうしてか。説明しよう。 まとめ 棒の片方を曲げると曲げない方に傾くのは、曲げた部 分の棒のおもりが支点に近づき、棒を傾けるはたらきが小さく なったから。

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5 6 実践を振り返って (1)授業の実際 <第2次:本時までの実際> 第1次では手作りてこで手応えを体感しながら、「てこのはたら き」は、支点~力点、支点~作用点の距離が関係していること学 んだ。第2次では、実験用てこを用いて、十分に試行錯誤させな がら、「てこのきまり」を見付けさせた。 ① 右うでと左うでに1ヶ所ずつにおもりを下げて、てこをつ り合わせよう。 初めこそ、なかなかつり合わない班があったが、次第に何とな く「てこのきまり」に気付き始め、つり合うパターンを競って見 つけ出した。他にも、どのようにしたらつり合うかを話し合いながら、実験を行う班がいくつもあった。 その後、何となくながらも班で見つけた「てこのきまり」をはっきりさせることにした。班で見つけた つり合うパターンを出し合いながら、どのような時つり合うのか話し合った。そして、きまりを見出す ことができた。 左のうで 右のうで つりあい ○:つりあう ×:つりあわない お も り の 重さ 支点から のきょり お も り の 重さ 支 点 か ら のきょり 30 1 10 3 ○ 20 5 10 4 ×左にかたむく 60 5 50 6 ○ 10 6 20 3 ○ 20 3 30 2 ○ 20 6 40 3 ○ ある児童の記録は上のようになっていた。この児童の班は、実 験の途中から「おもりの重さ」×「支点からのきょり」の答えに 秘密があることに気付いていた。他の班も、「右うでと左うでで使 われている数字が同じときつり合っている」など試行錯誤する中 で帰納法を用いて、おのおのきまりを見つけ出していた。 各班で見つけ出したパターンを全て黒板に取り上げながら、どのような時、右うでと左うでがつり合 うのかを考えた。話し合っていると、「おもりの重さ」と「支点からのきょり」に使われている数字を入 れ換えるとつり合うことに気付いた。しかし、すぐにそれには当てはまらないものでもつり合っている ものがあることに気付いた。そこで、全てのパターンに当てはまるきまりを考えることにした。結果、「お もりの重さ」×「支点からのきょり」の答えが同じになる時、つり合うことを発見することができた。 話 し 合 い な が ら 整 理 し た。

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6 以下、話し合っているうちに見えてきた仲間分けである。 【左うでと右うでで使われている数が同じもの】 【それ以外でつり合ったもの】 ②2ヶ所以上におもりを釣り下げた時、つり合うおもりの下げ方を考えよう。 児童は、前時までの実験から複数の場所におもりを釣り下げてもつり合うのか興味をもっていた。そ こで、この新たな疑問に対して、発見した「てこのきまり」が使われているのかを確かめる実験を行っ た。 児童は、前時で発見したきまりが成り立つ時、2ヶ所以上にお もりを釣り下げた場合でもつり合うことを実験から確認できた。 この時、児童の多くは、「(左うでのおもりの重さ)×(支点から のきょり)=(右うでのおもりの重さ)×(支点からのきょり)」 を使って計算式を書いて、つり合うパターンをいくつも考えるこ とができた。そして、考えたパターンを一つ一つ実験で検証し、 予想通りの結果が出ると、喜びの声を上げていた。 <第2次:本時の実際> 前時までに児童は、「水平につり合うときのきまり」を見付け、「つ り合わせるためにはどのようにしたらよいか」を実験用てこを使って 試行錯誤しながら仮説・検証してきていた。本時では、つり合ってい る棒の片方を下に折り曲げたとき、棒の傾きが変化する現象について、 既習事項を用いて説明させる授業を展開した。答えを覚えればよいと いった考え方でとどまるのではなく、自分なりの言葉や方法で説明し たくなるよう仕組むことを意識しながら授業を行った。2つのポイン トを中心に振り返る。 ①素朴概念を覆すような事象との出会い 事象との出会いは、大きな驚きや疑問を生む結果となった。児童の予想は、「つり合ったまま」6人、 おもり きょり おもり きょり 10 6 30 2 20 2 40 1 20 6 30 4 おもり きょり おもり きょり 30 4 40 3 20 5 50 2 60 2 20 6

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7 「右に傾く」1人、「左に傾く」14人となり、多くの児童が正解とは異なる選択肢を選んだ。選んだ理 由は、次のようなものであった。 ○つり合ったまま・・・ 棒の形が変わっても重さは変わらないから。 ○右(真っ直ぐな方)に傾く・・・ なんとなく。 ○左(曲げた方)に傾く・・・ 棒が下に向いている方が下に引っ張られるような感じがするから。 上記からも正解とは異なる選択肢を選んだ児童の方がこれまでの生活経験や既習事項を用いながら、 もっともそうな理由を考えていることが分かる。だからこそ、その後の実験で結果を知った時には、理 科室が大きな驚きに包まれた。そして、教師が無理矢理に導かずとも自然と「でも、どうして?」と疑 問が生まれた。この段階で、児童の知的好奇心をくすぐり、課題に結びつけることができた。 また、選択肢を3つにしぼって予想させた点についても、視点をすっきりさせ考えやすくできたこと がよかった。しかしながら、直感で予想させ、その理由をじっくりと考えさせるほどの時間をとらなか ったことが反省点である。全員がワークシートに記入し、自分の考えをしっかりともつことで、「仮説を 立てる」につながる大切なプロセスになることを学んだので今後に生かしたい。 ② 試行錯誤しながら考えを説明し合う交流場面 「個人」→「グループ」→「全体」の流れで考えを広げていこうと意識して展開した。予想と反する 結果を目の当たりにしたことで、意欲的に考えようとする児童の姿が見られ、実験用てこを用いながら 試行錯誤して考えていた。途中で停滞し始めた児童が出てきたことを感じたので、前時までに使ってい た「てこのきまりの公式」のどの部分が変化したのかを問うたり、支点の位置を確認したりすることで 少しずつ解決の糸口を見出し始めた児童が現れた。それらをグループ内やグループ間で説明し合うこと で広めることができた。 この時、有効に働いたのが上の右写真の「自信度メーター」である。自分の考えの自信度を0~100% までで示すものである。友達との意見交流をしながら変化していく自分の考えや自信を視覚的に見やす くした。算数や理科、道徳の授業を中心に活用してきた。これを用いて実践を重ねてきたことで、「困っ ている友達に説明したい。自分の考えを伝えたい。分かってもらいたい。」という気持ちはもちろん、「友 達のおかげで分かった。友達の考えを聞いて自分の意見が変わった。」といった意見交流の場を大切にす る風土は育ってきていた。本時でも、この「自信度メーター」というツールによって、「誰が困っている か」や「誰に説明してもらったらよいか」がはっきりし、意欲的に説明したり気軽に教えてもらったり する姿が見られた。 ある程度自分なりの考えがもてた段階で、机間巡視しながら見取った児童の意見をつなぎながら、全 体の前で説明させた。この時、「言葉だけ」→「式や絵を使って」→「実験用てこを用いながら」といっ たように説明のレベルが上がるように意図的に指名した。また、あえて考え全てを語らせず、途中で止 めて、別の児童に続きを説明させる工夫もした。全体の前での説明を聞いて、多くの児童から「なるほ ど。」「分かった。」といったつぶやきや「あぁ!」といった表情が表れた。

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8 全体での説明場面で児童の理解度が格段に上がった点はよかったが、「個人」→「全体」であり、間に 「グループ」で理解を深めるといった様な児童があまり見られなかった。グループの中でもう少し考え を深め、ある程度の理解度をもって全体での発表に臨む姿が見られることを期待していた。この改善策 として、ホワイトボードの活用が考えられた。グループ内でも説明しやすい環境をつくるとともに、全 体の場でもグループでの話し合いを生かすことができたと考える。 (2)研究テーマにかかわって ①「意欲」や「不思議」をもたせる事象との出会いと課題設定 本時の導入では、事象との出会いが児童の驚きや疑問、意欲を引き出すことができた。今回、授業の 最後まで児童の興味・関心が途切れることなく、意欲的に課題を考え続けられたことは、「事象の出会い」 や「課題設定」が児童にとって「おもしろさ」や「不思議さ」をもたらすものだったからだと思う。改 めて、「事象との出会い」から「課題設定」までが理科授業の核となるものだと痛感した。反省点として は、「事象との出会い」の時に予想に対する理由を一人一人もたせる時間をじっくりと確保しなかったこ とがある。この点は、理科の学習における「仮説を立てる」という視点でとても重要であり、ワークシ ートに記入する時間をとるべきだった。 ②科学的な思考を促すワークシート 「手作りてこ」や「実験用てこ」、「てこのはたらきを用いた身近な道具」などのイラストを活用した ワークシートは、自分の考えを絵図で表すことが苦手な児童にとって有効だったと言える。後半は、前 半のワークシートを参考に、少しずつ自分なりにも絵図を用いて説明しようとする児童が増えたことが 成果として挙げられる。 第2次の「てこのきまり」を見つけるワークシートでは、思う存分試行錯誤させながら「てこのきま り」が発見しやすいように絵や表を載せて、実験結果から児童の気付きを促すことができた。また、お もりを釣り下げる場所を「1ヶ所」から「2ヶ所以上」にするなど、児童の興味・関心に合わせ、スモ ールステップで課題のレベルを上げていく際にもワークシートが効果的だった。単なるノートをとる時 間を短縮するだけでなく、拡散しがちな児童の考えを、ある程度焦点付けたり、促したりすることがで きる利点を感じた。ノート指導も大切にしていきたいが、ワークシートのよさも単元や授業によって活 用していきたい。 ③ 考えを深め定着させる交流の仕方 「自信度メーター」は、自信のある児童とない児童、双方にとってメリットのあるツールであること が実践を通して感じられた。「自分の考えを伝えたい」または「誰かから教えてもらいたい」という気持 ちを高めながら交流を活性化させることができた。今後も、そういった交流が自然と行える学級風土を 大切にしながら、継続して活用していきたい。 グループで説明し合う場においての、手立ての不十分さや展開の仕方に課題が残った。展開後半、全 体での発表場面では、数名の児童の考えや説明を上手くつなぐことによって、全体の理解を高めること ができた。しかし、本当に一人一人が既習事項を用いて、考えを説明できるようにするためには、展開 中盤での、グループ交流の在り方をもう少し考え直さなければならない。ホワイトボードなどの教具の 準備、ヒントとなりそうな児童の考えの広め方、班の全員が教師に合格をもらえるよう説明し合うなど、 グループ内での説明の仕方に工夫が必要であった。この時、当然、ここまでの既習用語が適切に理解さ れていないといけない。 (3)今後の課題 本時では、友達の考えを聞きながら理解を深める姿が見られた。身振り手振りを交えたり、物を使っ たりしながら、意欲的に説明し合う姿や、言葉だけでなく絵図や式を用いて記述したワークシートから、 一定の成果を感じ取ることができた。しかし、本時の中で、テーマである「既習事項を用いて、科学的 に考えを説明できる児童」に一人一人が迫ることができていたかという点では十分であったとは言えな い。これは、授業中のグループ内や全体での発言や説明する様児童からも伺えた。一人一人が説明する 機会を増やす授業展開や、教具等で説明しやすい環境の工夫する必要がある。 ワークシートの記述からも、絵図や式を用いて説明する児童が増えたことは、一定の成果を得られた と言える。しかし、自分なりに言葉や図を用いながら適切に説明されている人は、21人中13人(6

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9 2%)であり、70%という目標には届かなかったことが分かった。(おもりの重さ)×(支点からのき ょり)が、「はたらき」や「力」と捉えておらず、「おもさ」と捉えている児童が数名いた。また、つり 合うことを説明する際に「てこのきまり」の式が出てこない記述もいくつか見られた。科学的に分かり やすく説明するためには、適切な用語を使うことや、十分な言葉を用いることなど、「教えるべき内容」 の指導の不十分さを感じた。今後、「考えさせる内容」と「教えるべき内容」をしっかりと区別して指導 にあたりたい。 また、児童の思考をより促すために、理科授業に限らず、授業スキルの向上も図らなくてはいけない と感じた。1つ目は、板書の工夫である。課題やまとめは、線で囲む。前時までの本時につながる内容 は、黒板の脇に提示しておく。授業の流れや何をヒントに考えればよいかが分かるような板書を目指し て今後も意識して取り組みたい。2つ目は、まとめや話合いの際にかける声がけや指示の精選である。「共 通点や相違点はどこか」「既習事項のこの言葉を使って」など視点を与えてから活動に移ることで、児童 が行う活動や思考がよりはっきりとする。焦点を当ててから考えさせることを大切にしていきたい。 しかしながら、課題ばかりでなく、大きな成果と言えることもあった。説明にこだわった授業を展開 した結果、単元を通しては、ワークテストにおいて達成率90%となり、それまでの3つの単元の平均 達成率81%に比べ大きく上昇した。また、2ヶ月後に同じテストを行った結果、92%となり他の単 元と比べ極めて定着がよいことが分かった。これは、研修の成果であり、単元を通して児童同士で説明 し合ったり、発表し合ったりする機会を意図的に組んだことが要因と考える。 今回の研修で学んだことを大切にし、今後も実践を重ねていきたい。そして、児童の口や記述から学 んだことが言葉や絵図などとなって具現化され、たくさん表れる授業を目指したい。 用語が不適切。言葉が足りない。

参照

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