生物資源環境地域ビジネス論
I、II
第2回 経営戦略
(4月22日)
経営戦略とは?
• 企業が事業を継続させる上での鍵
• 企業が環境変化に対応し、生存・成長してい
くための長期的な作戦計画
– 明確な定義があるわけではない
• 戦略(
Strategy)はもともとは軍事用語で「将軍
を意味するギリシア語のストラゴスに由来」
– 「全体の作戦計画」を指し、「敵に対する大規模な
兵力動員についての広い概念」
経営戦略の本質
• 企業・組織の「強み」を把握し、強みを生かす
ための作戦計画を練り、実行していくこと
– 「強み」とは競合企業や類似の事業を行っている
組織にはない、自分の企業・組織だけが持ってい
る独自の能力である。
コア・コンピタンスを持つ経営を行う。
コア・コンピタンス
•
Core competence
– Core: 中心部、中核部 – Competence: 能力、技術• 意味
– 「競合他社を圧倒的に上まわるレベルの能力」 – 「競合他社に真似できない核となる能力」•
3つの基準
1. 競合者の模倣が難しい 2. 多様な製品や市場に使える 3. 消費者に利益をもたらすGENTEX社のコア・コンピタンス
Mirror company, Many companies in One We're an electronics company We’re a chemical company We're an automated assembly company We're an vision systems company We're a displaycompany We're a glass processing company We're a software development company We're an engineering company We're your company
マイケル・ポーターの戦略論
• 企業が強み発揮するための基本的な競争要因
を5つ挙げ、それを基に競争優位に立つための
基本戦略を3つ掲げている。
– 主な著書
• Competitive strategy: techniques for analyzing industries and competitors, Free Press, 1980.
(『競争の戦略』、土岐坤・中辻萬治・服部照夫訳、 ダイヤモンド社, 1985 )
• On competition, Harvard Business School Publishing, 1998.
(『競争戦略論』、竹内弘高訳、ダイヤモンド社,
ポーターの提唱した基本的競争要因
-五つの競争要因(ファイブフォース)
• 新規参入の脅威 – 自分が製品を売る市場に他業種企業、ベンチャー企業が新規に参 入してくる脅威 • 代替製品、代替サービスの脅威 – ガソリン自動車が電気自動車にとって変わられるなど代替品が既存 商品にとって変わるような自体が起こる脅威 • 供給業者の競争力 – 仕入れ先の価格交渉力が強まると費用面での競争が生じることにな る。 • 顧客の交渉力 – 過剰供給で消費者が商品に対して価格交渉に関して発言力を持つ ようになる脅威 • 同業者間の競争 – 競合者との競争。同業者が多い、業界の成長速度が遅い、差別化し にくいといった場合に競争が強まる傾向にある。新規参入の脅威:参入障壁となる要素
•
規模の経済
– 既にマーケットシェアが大きく市場を支配している 企業は規模の経済があり費用、顧客情報の面で有 利。•
製品差別化
– 既にブランド力を持つ企業の製品と製品差別化す るのは難しい。•
資本力
– 宣伝やR&Dなど参入には膨大な費用がかかる。新規参入の脅威:参入障壁となる要素
• 先行企業のコスト優位性
– 経験曲線などの影響があるため先行企業は製品
の製造・販売面でのコストの優位性がある。
経験曲線効果
累積生産量が倍増する度に、一定の割
合で単位当たりのコストが減少する現象
100×0.82=64
100×0.72=49
学習曲線と経験曲線
• 学習曲線(
Learning curve)
– 累積生産量が増えるにつれて単位生産コストが
減少する関係を曲線で表したもの。
• 経験曲線
(Experience curve)
– 学習曲線に見られる累積生産量による単位コス
ト減少は販売やマーケティング費用といった間接
費も含めた総費用でも減少することがわかり、こ
の関係を曲線で表したもの。
– 習熟率:累積生産量が増えるにつれて減少する
コストの割合を言う。
経験曲線が発生する要素
• 労働者の作業能率の向上
• 作業の専門化や作業方法の改善
• 新しい生産工程
• 生産設備の能率向上
• 生産に必要な資源の調達・利用方法の変更
• 製品の標準化
• 製品設計
新規参入の脅威:参入障壁となる要素
• 販売ルートへのアクセスの難しさ
– 先行企業の確立した販売ルートで販売すること
は追従企業には難しい。
• 政府の政策による障壁
– 政府が何らかの理由で参入に対して規制を設
けていることがある。
新規参入の脅威
• 脅威となる要素
– 規模の経済がない
– 製品差別化がない。製品は比較的同質。
– 新規事業のための資本金があまりいらない。
– 先行企業のコストの優位性がない。
– 業界が成長しており、新たな販売ルートの開拓が
容易である。
– 政府による参入の規制がない。
代替製品、代替サービスの脅威
• (粗)代替財
– 他の財の価格上昇が他の財の需要を増加させるとき。• 代替品の例
– デジタルカメラ → 携帯電話のデジタルカメラ – 砂糖 → コーンシロップ – 本屋 → アマゾン• 代替品が脅威となる要因
1. 価格に対する性能が良くなる場合 2. 高収益企業による製品の改良供給業者の競争力
• 脅威となる要素
– 一部の供給業者に供給が集中している。
– 供給業者を変えるのが困難な場合
– 他の業界の製品と代替が効く場合。
• 例:スチール缶とアルミ缶– 供給企業の前方統合(仕入れ先を合併吸収して
しまうような統合)の脅威
– 供給企業が業界全般の利益よりも自社利益を優
先し販売価格の調整などを考えない場合
顧客の交渉力
• 脅威となる要素
– 一部の消費者に購買が集中している。 – 製品の差別化が難しく、製品が標準化されている場 合。 – 顧客にとって価格が購入の重要な要因となっている 場合。 – 購入することによる利得が小さい時。 – 業界全般で高品質の製品を販売しており、顧客が質 を重視している場合。 – 顧客にとって価格よりも製品の質の方が重要である 場合。 – 顧客が製造部門に影響力を持つ場合。同業者間の競争
• 脅威となる要素
– 競争企業が多く、企業間の差がないとき。
– 産業全体の成長力が低いとき。
– 固定費用が高く、付加価値を付けるのが難しい
場合。
– 政府援助などで撤退するインセンティブが少ない
場合。
– ライバル企業の戦略が多様な場合。
M.ポーターの3つの基本戦略
• コスト・リーダーシップ戦略 (cost leadership strategy)
– 競争相手と同じ価値の製品・サービスを低コストで市場に提供 するか、同じコストで高い価値の製品・サービスを提供すること で競争優位を構築する戦略。 • 差別化戦略 (differentiation strategy) – 競争相手にはない独自性や特異性による付加価値によって競 争優位を構築する戦略。製品設計、ブランドイメージ、技術・ノ ウハウ、製品・サービスの特徴、顧客サポート、流通チャネル などによる差別化がある。 • 集中化戦略 (focus strategy) – 特定の顧客、特定の商品、特定の地域など特定のセグメント にターゲットを絞り、経営資源を集中させることで競争優位を構 築する戦略。絞り込んだターゲットに対してコスト戦略をとるの を「コスト集中化」、差別化戦略を展開するのが「差別化集中 化」という。