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有機化合物の反応9(2018)講義用.ppt

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(1)

有機化合物の反応(第9回)

創薬分子薬学講座薬化学部門  

金光 卓也

(2)

ハロゲン化アルキルの反応性

l

1とS

2の特徴の復習

l

1=Unimolecular Nucleophilic Substitution

      

単分子求核置換反応

l

2=Bimolecular Nucleophilic Substitution

      

二分子求核置換反応

(3)

1 反応速度

l

1反応=一次反応

 反応速度は

ハロゲン化アルキル(基質)

の濃度に

のみ

比例

l

2反応=二次反応

 反応速度は

ハロゲン化アルキルと求核

試薬両方の濃度に比例

  

(両方の濃度の積に比例)

(4)

2 立体化学

l

1反応=ラセミ体が生成

 キラルな化合物を反応させるとラセミ体

が生成する(

一部立体反転

      

立体保持した生成物は

50

%以下

l

2反応=立体反転

 求核試薬が脱離基の反対側から反応す

るため立体配置が逆になる

      

100%立体反転する

(5)

3 反応の中身

l

1反応 

  

中間体を経由する(カルボカチオン)

  

二段階反応

(「一次反応で2段階反応」に注意)

l

2反応=立体反転

  

中間体が存在しない

  

一段階反応

(「二次反応で1段階反応」に注意)

 

(6)

4 基質による反応性の変化

l

1反応 

  ハロゲン化アルキルの反応性

  

三級>二級>一級>メチル

      

置換基の多い基質が反応しやすい

 

l

2反応

  ハロゲン化アルキルの反応性

  

メチル>一級>二級>三級

    

立体障害の小さい基質が反応しやすい

(7)

求核試薬の反応性

S

N

2

反応の場合のみ影響

C

H

3

B

r

+

N

u

-

C

H

3

N

u

+

B

r

-求

 

 

H

2

O

1

C

H

3

C

O

2

-

5

0

0

N

H

3

7

0

0

C

l

-

1

,

0

0

0

O

H

-

1

6

,

0

0

0

 

 

H

2

O

1

C

H

3

O

-

2

5

,

0

0

0

I

-

1

0

0

,

0

0

0

C

N

-

1

2

5

,

0

0

0

H

S

-

1

2

5

,

0

0

0

(8)

求核試薬の反応性に関する大まかな法則

l

反応する原子の種類が同じもの

である場合、求

核性は塩基性の強さと対応している。

l

同族元素

の場合、周期表で下のものほど求核反

応性は高い。

l

負に荷電した求核種の方が中性の試薬より反応

性が高い。

C

H

3

O

-

>

H

O

-

>

C

H

3

C

O

O

-H

S

-

>

H

O

-

I

-

>

B

r

-

>

C

l

-H

O

-

>

H

2

O

(9)

脱離基の反応性

S

N

1

S

N

2

に共通)

l

負電荷を持っていても安定なものが良い脱離基

         

負電荷を安定化する因子を持っている

C

H

3

X

+

N

u

-

C

H

3

N

u

+

X

-脱

X

 

 

O

H

-

<

<

1

N

H

2

-

<

<

1

O

C

H

3

<

<

1

F

-

1

X

 

 

C

l

-

2

0

0

B

r

-

1

0

,

0

0

0

I

-

3

0

,

0

0

0

T

s

O

-

6

0

,

0

0

0

(10)

TsO

-

とは何か

p-トルエンスルホン酸の解離により生成するトシラートイオンは、

3つ

の等価な共鳴構造式が書ける

ため極めて安定なイオンである。

H3C SO3H

p

-

 

 

 

T

s

 

O

H

-

t

o

l

u

e

n

e

s

u

l

f

o

n

i

c

a

c

i

d

H+ H3C SO3

T

s

O

-

t

o

s

y

l

a

t

e

i

o

n

H3C S O O O H3C S O O O H3C S O O O

(11)

問題1

(R)-2-ブロモブタンとOH

-

のS

2反応でどんな生成物が得ら

(12)

解答1

(R)-2-ブロモブタンとOH

-

のS

2反応でどんな生成物が得ら

れるか

解法 

1)基質の構造を正確に書く

2)脱離基の反対側から

OH

-

を接近させる

    

C

C

H

3

C

H

3

C

H

2

H

B

r

(

R

)

-

2

-

b

r

o

m

o

b

u

t

a

n

e

O

H

C

C

H

3

C

H

2

C

H

3

H

H

O

(

S

)

-

2

-

b

u

t

a

n

o

l

(13)

ハロゲン化アルキル

alkyl halide

の到達目標

l

有機ハロゲン化合物の代表的な性質と反応

を列挙し

説明できる

l

S

N

1およびS

N

2反応の機構について

立体化

学を含めて説明できる

l

脱ハロゲン化水素の機構を図示し、反応の

位置選択性を説明できる。

(14)

脱離反応と置換反応

同じ試薬でも、反応位置の違いにより生成物が異なる

C

C

H

B

r

O

H

C

C

H

O

H

置換反応

(

β

C

C

脱離反応

赤矢印 → 置換反応

青矢印 → 脱離反応

(15)

・ 付加反応の逆反応

・ 一つの出発物質が二つの生成物に分

  かれるときに起こる

脱離反応とは

+ 

HCl

C C

H Cl

C C

単結合から不飽和結合が生成する

(16)

この反応は

β

脱離と呼ばれる

ハロゲンはα炭素

に結合している

α

-

炭素

β

-

炭素

β水素はβ炭素

に結合している

α位のハロゲンと、β位の水素が脱離

するためβ脱離と呼ばれる

C

C

C

l

H

官能基が結合している位置を

α位と名付け

その隣から

順に

β(ベータ)

γ(ガンマ)

δ(デルタ)・・・と呼ぶ

(17)

参考)

α

脱離も存在する(第

8

章)

クロロホルムと塩基からのジクロロカルベンの生成

ジクロロカルベン

α位のハロゲンと、

α位の水素が脱離

するため

α脱離

と呼ばれる

(18)

β位に異なる水素が存在する場合

l

位置選択的な脱離反応が進行する。

β

β

主生成物

 

81%

 

2-butene

副生成物

 

19%

 

1-butene

C

H

3

C

H

2

C

H

C

H

2

C

H

3

C

H

2

C

H

C

H

3

B

r

C

H

3

C

H

C

H

C

H

3

(19)

ザイツェフ則(

Zaitsev則)

ハロゲン化アルキルから

HXが脱離する場合

より多く置換されたアルケンが主生成物

となる。

C H 3 C H 2 C H C H 3 B r

2

-

b

r

o

m

o

b

u

t

a

n

e

E t O N a E t O H C H 3 C H C H C H 3

+

C H 3 C H 2 C H C H 2

2

-

b

u

t

e

n

e

8

1

%

1

-

b

u

t

e

n

e

1

9

%

C H 3 C H 2 C C H 3 B r

2

-

b

r

o

m

o

-

2

-

m

e

t

h

y

l

b

u

t

a

n

e

E t O N a E t O H C H 3 C H 3 C H C C H 3

+

C H 3 C H 2 C C H 2

2

-

m

e

t

h

y

l

-

2

-

b

u

t

e

n

e

7

0

%

2

-

m

e

t

h

3

y

0

l

%

-

1

-

b

u

t

e

n

e

C H 3 C H 3

二置換

一置換

三置換

二置換

(20)

選択性の出る理由

-30.3

-28.6

-27.6

Δ

H

CH

3

CH

2

CH

2

CH

3

+H

2

+H

2

+H

2

kcal / mole

butane

安定なアルケンが生成する方向に反応している 

→ 置換基の多いアルケン

1-ブテン

cis-2-ブテン

trans-2-ブテン

    ↓

還元すると何れ

もブタンになる

(21)

アルケンの安定性の序列

H

H

R

H

H

H

R

R

R

H

R

H

H

R

R

H

R

H

R

R

三置換

二置換

エネルギーの低下(安定性の上昇)

四置換

R

R

R

R

cis

trans

1,1- 1,2- 1,2-

(22)

問題2

1-クロロ-1-メチルシクロヘキサ

ンとエタノール中の

KOHとの反

応で、どんな生成物が期待される

か。

問題3

次のアルケンはどんなハロゲン化アルキルからつくったらよいか。 

(23)

解答2

脱離基Clの

β位には二種類の水素(

 と 

)がある。

反応が左に進行する場合、

が脱離する。 → 二置換アルケン

反応が右に進行する場合、

が脱離する。  三置換アルケン

反応は右方向に進行し

1-メチルシクロヘキセンが得られる

二置換

三置換

(24)

解答3

a)

二重結合にHBrを付加させた構造を考えると、2つの化合物

(A)と(B)ができる。しかし、(A)を原料にして脱離を行うと、目

的の生成物は得られない。

より安定な三置換アルケン

従って、

(B)が正解

(25)

解答3

b)

前問と同じように

(A)と(B)が考え

られる。

三置換:主生成物 二置換:少量

(A)を原料とすると三

置換アルケンが主に得られ

目的物は少量

 従って

(B)が正解

(26)

E2反応 (Elimination Bimolecular)

l

塩基性の強い求核剤と反応させると、基質と求

核剤の両方の濃度に比例して反応が起こる

反応速度がハロゲン化アルキルと水酸化物イオンの

両方の濃度に比例

E2反応

(

C

H

3

)

3

C

C

l

H

2

C

C

H

3

C

H

3

+

N

a

O

H

k

+

N

a

C

l

+

H

2

O

k

[

(

C

H

3

)

3

C

C

l

]

[

O

H

]

m

o

l

L

- 1

s

- 1

(27)

反応機構

2つの脱離基Hとハロゲンは、アンチの位置にあるとき

アンチペリプラナー

)脱離できる → トランス脱離

トランス脱離の結果、反応は

立体選択的に進行

する。

幾何異性体の

E体とZ体が異なる立体異性体から得ら

れる

H

B

r

B

D

A

E

O

H

E

D

A

B

v=k[alkyl halide][OH

-

]

(28)

脱離する置換基間の相互作用

アンチペリプラナー形

シンペリプラナー形

Anti periplanar

ねじれ形

最もエネルギーが低い

Syn periplanar

かさなり形

最もエネルギーが高い

こちらを経由して反応が進む

(29)

E2反応の遷移状態

塩基

アンチペリプラナー形

の出発物質

遷移状態

HとXが同時に遠ざかる

Π結合が生成して

アルケンとなる

遷移状態では

sp

3

混成軌道から

p軌道への変化

が進んでいる。

生成する

p軌道が結合性のπ結合になるためには

アンチペリプ

ラナーから出発する必要がある

(30)

C C

H

Br

R

R

H

H

O

CH

3

..

..

:

..

..

..

: :

sp

3

sp

3

遷移状態

結合ができ

はじめている

結合が切れ

始めている

結合が切れ

始めている

二重結合が

でき始めている

(31)

生成物

出発物質

遷移状態

TS

活性化エネルギー

Ea

反応熱

ΔH

E

N

E

R

G

Y

E2反応は1段階反応である

(32)

2-ブロモ-3-フェニルブタン

主生成物

副生成物

主生成物には、シス、トランスの異性体が考えられる

作り分けることは可能か?

C

H

C

H

3

C

H

B

r

C

H

3

C

H

3

C

H

2

O

N

a

C

H

3

C

H

2

O

H

C

C

H

3

C

H

C

H

3

+

C

H

C

H

3

C

H

C

H

2

(33)

2

S

,3

R

異性体からの主生成物

R

S

回転

アンチペリプラナー

Anti periplanar

生成しない

主生成物

trans

Z

)

-

2-phenyl-2-butene

(Z)

C

C

H

B

r

H

P

h

C

H

3

C

H

3

C

C

P

h

H

C

H

3

C

H

3

C

C

B

r

H

C

H

3

H

C

H

3

P

h

NaOMe

MeOH

C

H

C

C

3

H

C

H

3

P

h

(34)

2

S

,3

S

異性体からの主生成物

S

S

回転

アンチペリプラナー

Anti

periplanar

生成しない

主生成物

cis

(E)

C

C

H

B

r

H

C

H

3

P

h

C

H

3

C

C

C

H

3

H

C

H

3

P

h

C

C

B

r

H

C

H

3

H

P

h

C

H

3

NaOMe

MeOH

P

h

C

C

H

C

H

3

C

H

3

(35)

環状ハロゲン化アルキルの反応性

1-Bromo-2-methylcyclohexane

予想される主生成物は・・

主生成物

副生成物

ザイツェフ則に従い、置換基のより多いアルケン

が優先して生成する?

C

H

3

B

r

C

H

3

C

H

2

O

N

a

C

H

3

C

H

2

O

H

C

H

3

+

C

H

3

(36)

cis

-1-ブロモ-2-メチルシクロヘキサン

H

CH

3

CH

3

H

CH

3

H

Br

H

H

CH

3

H

H

Br

H

cis

少量の

主生成物(ザイツェフ則)

Br

CH

3

trans

については次の

ppt

CH

3

H

脱離が進行するためには

HとBrがアンチペリプラナーに

位置する必要がある

HとBrがいずれもアキシアル

となったときに反応が起こる

黒い点は

H

上向きに結合し

ていることを表す

(37)

trans-1-ブロモ-2-メチルシクロヘキサン

H

CH

3

CH

3

H

CH

3

H

Br

H

H

CH

3

H

H

Br

H

trans

単一の生成物

Br

CH

3

CH

3

ザイツェフ則に従う生成物は全く得られない

は全く得られない

(38)

trans体が反応するためには環が反転する

必要がある

塩素はどの水素に対

してもアンチペリプラ

ナーの位置をとれない

KOH / EtOH

環反転

C

H

3

H

C

l

H

H

C

H

3

C

l

H

H

H

H

C

H

3

(39)

ハロゲンはアキシアルの位置をとれな

いと脱離できない

反応しない

-ブチル基は大きいため

エクアトリアルにしか入れない

cisとtransで全く反応性が異なる例

反応速い

B

r

H

C

C

H

3

C

H

3

C

H

3

H

H

B

r

C

C

H

3

C

H

3

C

H

3

H

C

C

H

3

C

H

3

C

H

3 NaOEt EtOH EtOH NaOEt

H

H

H

(40)

まとめると・・・

メチル基とハロゲンが、シスの場合とトランスの場合で生成物

が異なる重要な反応例。

t-ブチル基に対してBrがトランスに位置していると脱離が起こらない。

(41)

E1反応

l

カルボカチオンを経由する反応 

 → 生成物は

S

N

1由来のものだけではない。

上記の反応は、

ハロゲンXの種類が

Cl

Br

Iのいずれでも

同じ比率で生成物が生じる

 

      

(

C

H

3

)

3

C

X

H

2

O

C

C

H

3

C

H

3

H

3

C

+

X

H

2

O

S

N

1

(

C

H

3

)

3

C

O

H

+

H

9

5

%

E

1

H

2

C

C

H

3

C

H

3

+

H

5

%

→ 脱離基がとれた後、生成比が決まる

   =反応中間体は共通のカルボカチオン

(42)

+

:

X

slow

fast

カルボカチオン

3

o

> 2

o

> 1

o

速度

= k [RX]

単分子反応

第一段階

第二段階

E1反応は2段階反応である

弱塩基

B

:

C

C

+

C

C

H

C

C

H

X

(43)

出発物質

生成物

Ea

1

Ea

2

ΔH

カルボカチオン中間体

TS

2

TS

1

E

N

E

R

G

Y

step 1

step 2

slow

E1反応におけるエネルギー変化図

(44)

E2

E1

の比較:

E1

は立体選択性を示さない

CH

3

Br H

H

CH

3

CH

3

H

H

H

NaOEt

EtOH / Δ

EtOH / Δ

anti

syn

E1では、脱離基がアンチペリプラナー

をとる必要がなく、安定な生成物を与

えるザイツェフ則に従って進行する

E2

E1

(45)

問題4

(1R,2R)-1,2-ジブロモ-1,2-ジフェニルエタンのE2脱離で得られる

アルケンは、どのような立体化学を有しているか。

(46)

解答4

ポイント

脱離する

HとBrがアンチペリプラナー

の位置

にくるような立体構造を書く。

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